刻命
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 | 2012年05月24日 刻命 殺人の罪で無期懲役囚となった居合いの達人・正高。40年の収容生活を経て仮釈放の身となったいま、妻や孫との新しい生活が始まろうとしていた。だが、そこに娘の姿はない。出所直前の轢き逃げ事故で他界していたのである。一度も会うことのなかった娘…その死の真相を調べるうち、正高は、驚愕の真実を知ることになる。父は、自らの罪と向き合い、娘への贖罪を果たすことができるのか。剣技を磨くことしか知らない男の、不器用だが気高い生き様を描く、乱歩賞作家の書き下ろし新作。 (「BOOK」データベースより) |
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| 結論から述べると、一気に読破でき、久しぶりに爽快感を覚えた本格的な社会性をもち、丁寧に資料に当たり、時間を掛け、綿密に練り上げた構想に基づく推理小説である。構成は時間的枠組みが４０年という長期にわたる設定の非常にスケールの大きさに先ず、驚かされる。１９７０年代はじめから現代に至る時間軸に基づき、終身刑の囚人を４０年後に仮釈放というタイムスリップの手法で、ぐいぐい迫る構想力は非常に印象的で、社会的考察、グロバール経済・社会の動きに葛藤・軋轢を居合いの達人の禁欲的求道者視点で、現代社会の習慣・闇を切る、久しぶりの面白さ、浅間山荘事件を引き起こした、団塊・ポスト団塊世代のが現代の権力者の地位に上り詰めている人達に対する皮肉でもある。但し男性を鼓舞する本で、肉食系の女性の反応は如何に？ | ||||
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