(短編集)
ディーン牧師の事件簿
- 足跡のない殺人 (33)
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トリックが先にあってストーリーを組み立てていて不自然というか、必然性がないというか、読んでいて納得するところが少ない。 主人公の性格付けも古くさいかな。 | ||||
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教会の主任牧師を引退したディーン先生が街の難事件に挑む短篇シリーズ。舞台は(たぶん)現代のアメリカ・ワシントン州。タイトルからなんとなく、ブラウン神父シリーズとか、サム・ホーソーン先生シリーズのように、過去の一時代を舞台にしているのかと思ったら、スターバックスやらウォルマートがでてきたりするので、明らかに現代。小道具として、ボーイング社やら、SEA-TAC空港やらも登場して、シアトル近郊ネタとしてはなかなか楽しい。 さて提示される謎ですが、これがなかなか凝った難事件になっているのだ。トリックも結構手が込んでいて、英米ミステリ黄金時代の様相である。カーとか、クィーンの作品を意識しているらしいところもちらほら。なかなか読ませます。 もっとも、ちょっと凝りすぎじゃあ?と思えるところもあったり、そのトリックを使わなければいけない必然性はどう?というあたり、全体のバランスはちょっと苦しいという感じも。最初の作品集ということなので、今後はこなれていくのかもしれないですね。 # 翻訳の話ですが、Pecan Pieはペカンよりピカン(もしくはピーカン)のほうが近いと思うが、どうでしょう。 | ||||
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80才となり、30年以上にわたる牧師の職を退いたサディアス・ディーンが6つの<不可能犯罪>の謎を推理する、ハル・ホワイトのデビュー連作短編集。かの“不可能犯罪の帝王”“密室の王者”ディクスン・カーの影響を受けたという本格パズラーである。 『足跡のない連続殺人』:死の床にあった父の病室にベッドから窓に泥の付いた謎の足跡が。一転して屋敷を相続した5人兄弟の上3人が犯人の足跡がない孤立した場所で次々に殺される。 『四階から消えた狙撃者』:別居中の夫が撃たれた。なぜが密室状態の狙撃現場から犯人と思われる妻は見つからず、別の場所で自殺体となって発見される。 『不吉なカリブ海クルーズ』:クルーズ船の密室状態の客室で自殺を装った殺人が発生。その恋人の男は何者かに殴られて海に突き落とされた。 『聖餐式の予告殺人』:教会の聖餐式の最中に牧師が誰の仕業か分からない不可解な状態で毒殺された。 『血の気の多い密室』:鍵が3つも付いた密室状態のアパートのロフトで画家である夫人が 心臓を刺されて殺された。 『ガレージ密室の謎』:教会主催の秋の収穫祭の準備中に密室状態のガレージでマジシャン夫妻の夫が殺されていた。 ディーン牧師は、3年前に最愛の妻を亡くし、年老いたセントバーナード‘プパドッグ’と暮らしている。著者ホワイト同様雨の日が好きで、宵っ張りで午前2時に床に就き午前10時まで寝ている。愛車は16年乗っているおんぼろフォード。好物はバナナプディング。ミストサウナでリフレッシュする。そんな‘引退牧師’が一瞬のひらめきで、たちまち“論理的”に謎を解明する。名探偵にありがちな偏屈さはかけらもないこの好人物の古典的とも言える推理冒険譚の続編を期待するのは私だけではないだろう。 | ||||
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埋もれていた名作発掘か? と思いきや、新鋭作家の作品と知ってびっくりです。チェスタトン、クイーン、クリスティに代表される、本格物がお好きな方ならきっと夢中になれるはず!おすすめです。もっとすごいトリックがでてくるのを期待して、評価は☆4つです。 | ||||
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古き良き時代の不可能犯罪ミステリーをこよなく愛するアメリカの新鋭作家ホワイトが黄金時代の本格推理小説を現代に甦らせたファン期待のデビュー短編集です。最愛の妻エマを3年前に亡くし80歳の節目に牧師の職を引退したサディアス・ディーンが遭遇する6つの超難事件を収めた本書は昔のタイプの本格ミステリーが大好きな方にとっては堪らない嬉しい贈り物だと思います。本書を読んで特に感心したのは犯行の再現説明の描写がとてもリアルな説得力を感じる点で、やや機械的なトリックが多い印象はある物の、実際に十分検証をされているのではと思わせる著者の律儀さも実感しました。少し惜しまれるのはパターンが似通った作品が多いので全貌が先に読めてしまう嫌いがある点ですが、その反省でしょうか自作のパロディとも思える逆手の作品もきっちり入れる配慮と柔軟さにも好感が持てます。また物語の中でディーン牧師が一瞬の閃きを得るエピソードには無理からと思える不自然さもありますが、そこは推理作家特有の遊び心として笑って許そうと思います。『足跡のない連続殺人』父の死に際の不吉な書置きの通りに5人兄弟が不可解にも周囲に足跡のない状況で次々に殺されて行く。この長さで3つの異なる不可能犯罪トリックを盛り込む豪華さが見事だと思います。『四階から消えた狙撃者』白昼堂々ディーン牧師と友人マーク刑事の目の前で起きた狙撃事件の犯人が四階の部屋から忽然と消え失せる。この手の込んだ犯行計画の鮮やかさには完全に脱帽し天晴れ!と唸らされます。『不吉なカリブ海クルーズ』クルーズ旅行の船上でディーンが知り合った夫妻が暴漢との格闘と密室殺人と二人同時に災難が振りかかる。見事に練られたトリックなのですが、前作が頭にあるので簡単に予想がついてしまうのが惜しいです。『聖餐式の予告殺人』友人の現役牧師が奇妙な人物達から死の警告を受けた数日後に聖餐式の場で毒殺される。トリックは本書の中で最も単純ですがディーンの悪に対する怒りを一番強く感じる一編です。『血の気の多い密室』珍しく難解な密室殺人の謎を見事に解き明かしたかに見えたマーク刑事だったが、やはり最後はディーンが一枚上手なのでした。著者が自作のパターンに捻りを加えパロディにした様な裏返しの偽装工作が面白いです。『ガレージ密室の謎』ガレージで起きた奇術師の密室殺人の謎に挑むディーン。途中から主題が密室でなくなるのが残念ですが、法医学分野のトリックが新鮮で初対面の刑事に圧倒的な実力を認めさせるディーンの活躍が痛快で小気味良いです。2008年に発表された素晴らしい内容の本書を著者にぜひシリーズ化して頂いて涙もろく情に厚い愛すべき老探偵ディーン牧師の活躍が再び読めます様にと願っています。 | ||||
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