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本好き! さんのレビュー一覧

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レビュー数126

全126件 101~120 6/7ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.26:
(8pt)

ビブリア古書堂の事件手帖5 栞子さんと繋がりの時の感想

大輔くんと栞子さんの恋の行方も気になりますが、今巻では「ブラックジャック」や寺山修司なんかを扱っているところがニクイ。
4巻までも太宰治や江戸川乱歩、初めて聞いた作者も私的にそそられる作品をテーマにしてきていますが、このチョイスが大変気に入ってます。
さすが、古書マニアの著者だけあってなかなかいい素材を見つけてきますよね。
次回作も当然期待です。
ビブリア古書堂の事件手帖 (5) ~栞子さんと繋がりの時~ (メディアワークス文庫)
No.25:
(8pt)
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ドミノ倒しの感想

なんだこの軽さは。「悪党は千里を走る」を遥かにしのぐ軽さではないか。
北関東の田舎町をモデルにしたと思われる月影という架空の町を舞台に繰り広げられる連続殺人(?)
ひとつの依頼をもとに探偵くんが調査に乗り出すも、次から次と難題が降り積もり、まさにドミノが次々倒れるがごとく。。。
著者の特徴はその作風の重さにあると思うのだが、本作は異様に軽い。
結末もなんだか消化不良ぎみだが、たまにはこういうのもあっていいかと。こういう作品を書けるのも
著者の力量の確かさと思います。
あまり量産してほしくはないけど。
ドミノ倒し
貫井徳郎ドミノ倒し についてのレビュー
No.24:
(8pt)

襲名犯の感想

ミステリ作家の新人賞の意味合いを持つ乱歩賞は、基本的に受賞者の処女作であることが多く、従ってその内容などは欠点も多く見受けられる。刊行にあたって修正を施されてはいても、それは完全になされているとはいえない部分がある。
本作は、内容としては既存のミステリ作品とそう見劣りするものではなく、十分及第点をとっていると感じた。処刑された死刑囚に傾倒し、同じ手口で犯罪を犯していく者、そのストーリーはミステリとして十分なものと思いました。凄惨な殺人現場や状況はもっとエグク描いてもいいと思いました。もっとグングン迫ってくるものがあってもいいかなと。
今後どのような路線でいくのでしょうか。次回作以降が楽しみです。
襲名犯 (講談社文庫)
竹吉優輔襲名犯 についてのレビュー
No.23:
(8pt)

正義をふりかざす君への感想

正義、いわゆる正しいことを貫こうとしているはずなのに罠にかけられる。
正義とはいったい何?と考えさせられる一冊。
真保作品ならではのストーリー展開が(少し地味めだけど)心地よく読めました。
こういうテーマは真保作品にピッタリ合っているような気がします。

正義をふりかざす君へ (徳間文庫)
真保裕一正義をふりかざす君へ についてのレビュー
No.22: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

救命拒否の感想

「トリアージ」という言葉は、聞いたことはあってもその意味まではよく知りませんでした。
本作はその意味と問題点を提起しつつ、救命活動に携わる救命士の葛藤を描いています。
ストーリー展開は少々地味ではあるけど、爆弾事件の真相を探っていく二人の刑事のキャラがいい味を出しており、警察小説としてよみ応えのある作品です。
大きな災害が起きる頻度が増してきている昨今、トリアージという言葉がより一般化していくのでしょうか。
救命拒否
鏑木蓮救命拒否 についてのレビュー
No.21: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ソウルメイトの感想

私もかつて犬を飼っていたことがあります。
小型犬でしたが、エサやりや散歩は私の役目。きっと彼らは私をボスだと認めてくれていたと思います。
私のような犬好きに必読の、犬と人間とのつながりを描いた短編集です。
冒頭に犬の十戒なるものが掲載されていますが、まさにそのとおりで、犬を飼うからには小さくても尊い命があることを忘れず、最後まで責任をもって接していくこと。
いうことを聞かないとか、一緒に住めなくなったとか言って捨て犬にするなんてもってのほか、ぜひとも命ある犬たちの一生を人間が見守ってあげる、ある意味あたりまえのこととも言えるメッセージを感じました。
ソウルメイト
馳星周ソウルメイト についてのレビュー
No.20: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
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連続殺人鬼 カエル男の感想

「さよならドビュッシー」とともに最終選考に残ったという話題性の高い作品で、読むのを楽しみにしていました。そして読後感は。。。
「ドビュッシー」の印象そのままに読むと結構度肝を抜かれます。まずもって、殺害シーンや暴力シーンの描写がエグイ!「さわやか系」と言われる「ドビュッシー」と同じ作者とは思えぬドぎつさ!
それだけ完成度も高いということなのでしょう。
せめてもの救いは、ピアノの演奏シーンが出てくること。エグイシーンが多数出てくる中で、心洗われる場面が出てくるのは、やはり七里さんならではです。

連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)
中山七里連続殺人鬼 カエル男 についてのレビュー
No.19: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
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微笑む人の感想

妻子を殺害した容疑者はすぐ逮捕されるも、動機は本を保管する場所に困って(!?)とこの先どうなっていくのか興味津々で読み進めていったが。。。

全編インタビュー形式で展開するのはいいのですが、妻子殺害の動機や容疑者の周辺の人たちの証言を読んでいくうち、何が本当で何がウソだかが分からなくなってきました。(インタビュアーである小説家(著者がモデル?)が容疑者を含む証言者にまんまとダマされている?)

結末は結局、著者が読者に対し「さぁ、あなたならどう考える?」と問いかけられて終わっているようで、中途半端な感もありましたがこれも著者ならではの手法でしょうか。そう考えればこれもありかな、とも思いますが。

微笑む人
貫井徳郎微笑む人 についてのレビュー
No.18:
(8pt)

コミカル青春お仕事小説

「あぽやん」、予想通りドラマ化されましたね。原作に勝るとも劣らない軽くてコミカルなドラマですが、さて原作と比べて中身的には...
本作は1作目と比しても、あぽやんの仕事ぶり・奮闘ぶりがより軽妙に、それでいて様々なトラブルに真っ向から立ち向かう真摯ぶりがより濃く描かれていると思います。
大げさではなく、仕事に汗を流す我々に元気を与えてくれるといっても過言ではないといえます。
これからもがんばれ、遠藤くん!
恋する空港 あぽやん2 (文春文庫)
新野剛志恋する空港 あぽやん2 についてのレビュー
No.17: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ビブリア古書堂の事件手帖3 栞子さんと消えない絆の感想

ドラマ化もされ、作品の雰囲気もわかったので第2巻でやめようかと思ったけど、結局3巻目も読んでしまった。。。
1章の古書店の入札に関しては初めて知った内容なので、印象に残りましたね。
あとはそれなりの謎を提起して。。。

4巻目も出るんですか?終わり方が気を持たせるような感じだし、あとがきにも触れられて
いるし。

もうっっ、また手を出しちゃうぢゃないですかっ!

ps.ドラマ版、大丈夫か?(原作栞子さんとのあまりのギャップに心配になります。。。)
ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
No.16:
(8pt)

新・日本の七不思議の感想

「邪馬台国はどこですか?」「新・世界の七不思議」に続く宮田六郎&早乙女静香の歴史バトルシリーズ第第3弾。日本人のルーツ、邪馬台国(再登場)、空海、本能寺(これも再登場)などなど、今回も独自の検証を展開します。特に邪馬台国の不思議では「もしかして真実!?」と思わせるほど説得力を感じたし、真珠湾攻撃の不思議では日本が愚かな戦争へ向かう流れが分かりやすく語られているし、なかなか読んでいて楽しかった。前2作と引けをとらない。でも所詮は鯨氏独自の見解なので、きっと学会に言わせれば一笑に付されるだろうけど、そう目’クジラ’立てずに歴史エンタテインメントとして楽しみましょう。
シリーズ4作目はあるんでしょうか。まだまだ謎を解明(?)してもらいたい歴史の謎はたくさんありますからね!

新・日本の七不思議 (創元推理文庫)
鯨統一郎新・日本の七不思議 についてのレビュー
No.15: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

丁寧な作りに好感

前作に引き続き、全般的に丁寧に描かれていて読みやすいです。
事件手帖とはいいながら、そんな重大な事件は発生せず、身の回りに起きた些細なトラブルを栞子さんが謎解きしていくという、その辺が重厚なミステリ作品と一線を画しているところでしょうか。
福田定一や足塚不二雄の章はまさに「へぇ~」な軽い感動を覚えました。
”ラノベ”とバカにする向きもこのレベルなら許せるのではないでしょうか?
3作目も楽しみにしましょう。
ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常 (メディアワークス文庫)
No.14: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
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冤罪と復讐

重い。非常に重く、救いようのない悲劇である。自分が江木のような目に逢ったらどうなるかを考えたらそれはもう恐ろしくなってくる。
そして自分を無実を信じてくれなかった刑事、検事、弁護士、裁判官に復讐し殺害しつづけ、さらに...
一度嵌ってしまったら抜けられない蟻地獄のようなストーリーである。結末もあまりに悲劇的である。

復讐のために刑事や検事などの所在を見極め、殺して回るなどということが可能なのかどうかで少々荒唐無稽さを感じた。もちろん、現実にあっては困るのですが。
江木の心情は察するに余りある、そして彼の家族の気持ちたるや...
復讐の対象となる彼らのサイドストーリーが少々冗長かな...

先日、ドラマ化された本作を見ました。思ったとおり、原作とはかなりの部分で乖離していましたね。確かに2時間そこそこでこの作品の全てを伝えるのは不可能だし、TV的に設定を変えざるをえない部分もあるでしょうが、原作と比較するとどうしても薄っぺらくなっていました。
配役はなかなかの粒ぞろいでしたがね。
灰色の虹 (新潮文庫)
貫井徳郎灰色の虹 についてのレビュー
No.13: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

荒唐無稽、でも納得

「邪馬台国はどこですか?」の続編、アトランティス、ピラミッド、始皇帝、ナスカの地上絵などの謎を”独自”の視点で紐解いて(?)くれます。
前作同様、荒唐無稽で思わず笑ってしまうものもあるのですが、なぜか納得させられてしまうところがこのシリーズの魔力。

「ナスカの地上絵の不思議」などは、宇宙人説の方が荒唐無稽で、本作の説の方が現実味さえ感じてしまいます。

宮田氏と静香女史のやり取りにはハラハラさせられ、ジョゼフさんや松永マスターも存在感充分です。
カクテルの薀蓄も披露されているところが結構気に入っています。
新・世界の七不思議 (創元推理文庫)
鯨統一郎新・世界の七不思議 についてのレビュー
No.12: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

所詮はラノベ...でも。

ライトノベルとはいえ、太宰や漱石などの作品が扱われており、他のラノベとは一線を画すであろうと期待をこめて読みました。太宰、漱石、小山清といった作家の作品を巧みに物語に折り込み、丁寧にわかりやすく書かれていることに好感を持ちました。
全体の雰囲気はやはりラノベ、所詮はラノベという印象はどうしても拭えなかったし、各章の”オチ”もそうでした。でも高尚ともいえる過去の作品をうまく溶け込ませて読みやすい作品にしているところがベストセラーの要因でしょうか。とりあえず第2巻も読んでみます。
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
No.11: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

「邪馬台国はどこですか?」はどうですか?

「邪馬台国」東北説、聖徳太子の正体、光秀の信長に対する謀反の真相などなど、興味深いテーマを鯨氏独特の解釈で、”バー”での会話を通して痛快に展開します。
宮田六郎の解説はそれなりに納得できてしまうから不思議。歴史好きなら、そういう考え方もあるのか!と納得のストーリーですが、何かが足りないと感じてしまうのはやはりその荒唐無稽さから来るのでしょうか。
邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)
鯨統一郎邪馬台国はどこですか? についてのレビュー
No.10:
(8pt)

しらない町の感想

「ハートフル・ミステリ」というジャンルを確立するとすれば、著者はその第一人者となるでしょう。
孤独死、特攻隊、8ミリフィルムといったキーワードが全体にいきわたって、物悲しいような、それでいてすがすがしいようなストーリーです。
8ミリフィルムの動画をまさに主人公と一緒に見ているような感覚に陥るような場面では、読んでいる方までその女性に入れ込んでしまいそうな気になりました。
著者のこのジャンルの作品は本当に心が温まるとともに、社会におけるいろいろな問題について考えさせてくれます。
それにしても表紙の女性、かわいいですね~(^^)
しらない町
鏑木蓮エンドロール(しらない町) についてのレビュー
No.9: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

心理学的にありえないの感想

前作「数学的にありえない」のときもそうだったが、ファウアーのサスペンス色あふれるストーリーはもちろんのこと、巧みな翻訳がそれにたっぷり彩を添えていて、読んでいて心地よささえ与えてくれる。期せずして時系列で話が進んでいき(それも時期が前後しながら)注意深く読まないと、話の前後がわかりにくくなる小説を2作連続で読んだが、こういう小説の組み立ても読者を楽しませてくれる手法として充分アリだとも思った。
今から第三作目が楽しみです。次は何学的にありえない??
心理学的にありえない 上
No.8: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

”問題作”とか言われてますが。

皇居に侵入して高価な盆栽を盗み出す。
この発想は非常に面白いし、全体的に悪い意味での女性作家臭を感じさせなかったのは評価したいです。
キャラクターはコミックタッチで、おそらく実際にコミック化されてもおかしくないような印象。
ストーリーは至って普通だと思いました。可もなく不可もなくといったところです。
巷で言われているほど”問題作”かな?という気はしましたけど、今後に期待したいです。
完盗オンサイト (講談社文庫)
玖村まゆみ完盗オンサイト についてのレビュー
No.7: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シリーズ3作目ですが...

「外交官・黒田康作」シリーズも第3弾ともなると、黒田の考え方やキャラも確立されてきて、その分スキキライなんかもはっきり分かれてくるような気がします。3作目はこれまでと比べると、展開・結末もそれなりに納得できる内容でしょう。「本城美咲」は少々暗いけど際立っています。ただし、過去2作にも言えることですが、どうも全体的に盛り上がりに欠けるきらいが...もう少し砕けたところがあってもいいのでは?と思うくらい、全体的にカタい。シリーズものであれば、もう少し主人公に感情移入できたらいいのに、どうもそこまでいかない。外交官としてありえない行動をとる黒田は、個人的には好きにはなれないキャラクターです。そのためか、シリーズ3作ともほとんど同じストーリーを読んだような印象が残ります。4作目があるかどうかわかりませんが、できればガラッと変った内容を期待したいです。
アンダルシア
真保裕一アンダルシア についてのレビュー