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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数71件
全71件 61~71 4/4ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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とりあえず、"殺人事件"を付けてみました。
と言わんばかりの、サラリーマンを対象にした娯楽小説。 主人公は30歳。上司と後輩に挟まれた位置にいるサラリーマン。 アクセク会社の為に一生懸命に働き、休みたいのに休むのが怖い。 仕事の苦悩、家庭での奥さんとのすれ違い。 そんな心境を共感する読者がターゲットだと思います。 一応、登場する人々の場である会社で殺人事件が発生し、 ちゃんと推理をして犯人を導く内容はあるのですが、 ミステリーの要素は少なめです。 なんというか、飲み屋で聞きそうな愚痴、共感してほしい悩みなどが たくさん吐き出されている本でした。 以下、本編とは関係ない雑文です。 ネタばれでもなく、あえてミステリとしてこの本を深読みしてみると、 サラリーマンの苦悩の果てに発生する事件の真犯人は"会社"であるとも感じます。 本文中にも出てきますが、「会社に殺される。」という比喩の活用で、 意外な犯人=会社という構造が面白いと思いました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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麻耶雄嵩氏の作品はたびたび、探偵の存在を問いかけるテーマが隠されていると感じます。
ミステリに探偵は必要ですか?と言ったニュアンスです。 本作での貴族探偵は"探偵"でありながら推理をしません。 推理して一同に伝えるなんて労働は貴族のする事ではないので信頼する優秀な使用人に任せる。と言ったキャラでした。 推理を放棄(断念?)するという要素の問い掛けは過去作でもありましたが、 今作では貴族という特徴を生かして変わった探偵を作りだしていたのが特徴的で面白いと感じました。 短編集に収まっている各話のタイトルも ワルツ王のヨハンシュトラウス2世の曲名からとられており、 貴族である優雅な雰囲気を引き出していると思います。 シュトラウス2世は個人的に好きな作曲家なので 物語にどう絡んでくるのかと淡い期待を抱きましたが、 そこはあまり関係が感じられませんでした。 貴族の扱いについても探偵の存在に活用されている傾向で、 事件の謎にはあまり関与してなかったのが個人的に残念でした。 貴族ならではの舞台や仕掛けが絡んできたらと、期待していた次第です。 物語の中では、こうもりが巧い仕掛けだと思いますが、 ロジカルに解決するのが目立つ加速度円舞曲が一番好みでした。 |
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ラストで覆る5つの物語が入った短編集です。
ミステリの醍醐味でもある最後に世界が変わる様が味わえるのは良かったです。 気軽に読みやすい『恋煩い』『嘘つき紳士』が好みでした。 『妖精の学校』については、調べてから色々考えさせられた話で深いなと思いました。 『終の童話』に至っては私の中での北山さんらしい一面が強く感じる作品でした。 物理の北山と言われてますが、こういった幻想や童話的な世界感の下地があるから現実的な物理ものが強調されるんだろうな。 そんな事を感じました。 |
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仲間の汚名を明日までに解決できるのか?と、
タイムリミットがある内容ながら慌ただしい話になっていないのが印象的。 内容の展開は確かに早いのですが、重みのある会話。地道な捜査。 根強い仲間の協力を得る事で淡々と事件の概要を把握して行った為、 ずっしりと重みを感じる内容でした。 ただ、地味なので好みに合わないのが正直な所です。 警察小説ってどんな本?と聞かれればこの本が出るのも頷ける作品でした。 |
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謎解きの好みは低いので点数抑えました。
この作品の味わいどころは謎解きより、香菜里屋のバーでした。 ゆったりとした作品の雰囲気は香菜里屋の店の雰囲気を良く引き立てています。 落ち着いていて、文体にふんわりとして、謎は酔わない程度に触れる感じ。 料理もとても美味しそうです。 店に訪れるお客さん同様に、 解決の糸口になるマスターの一言をどこかで期待している自分が常にいました。 |
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前半は舞台の新宿やそこに住む者達との絡みなど、
鮫島の硬質なハードボイルドっぽさがひしひしと感じましたが、 後半の鮫島には人間味や弱さが見え隠れし、 少し雰囲気を崩した印象を自分は受けました。 それが良さにもなりますが、 好みとしては硬質の雰囲気のまま浸りたかったです。 それにしても登場人物達はどれも印象に残る人々ばかり。 ちょい役を感じさせないぐらいインパクトが残ります。 好みの問題で点数は中間ですが、 とても面白く続きが読みたくなる良い作品だと思いました。 |
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表題のダイヤモンドは短編が6つだから名づけられたタイトルです。
一発ネタを奇妙な物語として仕立てられており、 お手軽なサスペンス物でした。 あらすじにある、衝撃のどんでん返しというのは どれにも感じられませんでしたが、 全ての作品には裏の動きがあり、 最後の数行にそれは何であったか明かされる謎は、 それとなく楽しめました。 |
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好みの問題で点数は低めですが、作品は強烈なインパクトです。
これが"飛鳥部勝則"だと言わんばかりの、他では味わえない個性的な本でした。 "オカルト"や"怪奇"という言葉だとしっくりこない。 他の方が述べてますが"キワモノ"と言われるとなるほど。と思う小説でした。 登場する人物たち、建物の奇傾城、その他もろもろ、 いつ崩壊してもおかしくないアンバランスなモノが 印象的に数多く出てきます。 微妙な均衡で今まで存在していたものたちが、 女子高生の示門黒との関わりをきっかけに、 より狂いが強調されていってしまった……。 (ブラックホールのように闇を集められた感じ……) ミステリ的な仕掛けを気にするよりも、 読み終わった最初の印象はそんな感じで、 黒を取り巻く闇が印象的でした。 肉体や精神的な崩壊。 小説枠の崩壊。 (崩壊というより異形への変化?) なんかガラガラと色々な物が崩れた印象。 序盤は落ち着いて、ゆったりとした雰囲気だったのに 後半は急加速してどこかへ突き抜けてしまった勢いで、 とても唖然とさせられました。 |
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