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egut さんのレビュー一覧
egutさんのページへレビュー数54件
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ミステリともホラーともどっちつかずの不思議な内容。
学校の七不思議のように誰が始めたか分からない 不気味な伝承が本書ではサヨコと言う名で存在します。 子どもの頃は学校の七不思議など、怪談というものは友達との会話のネタでしたが、 結局なんだかわからないないまま卒業(成長)と共に忘れてしまっていました。 あの学校と言う空間の中で共有する恐怖というか、今考えると科学的でもない不思議な共有感覚です。 その子供心でのあの不思議な話は結局なんだったのか……。と一瞬思いつつ、 ま、いっか。そんな事もあったっけ。と、自然と他の事に夢中になり視点が向かなくなる。 こんな感覚を大人が触れるような物語だと感じました。 |
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好みのミステリとは違う分野でしたが、
馴染みのないカトリックの話など興味深く読み楽しめました。 新進気鋭の彫刻家、藤原道生が作成したレプリカのピエタの像が破壊されて落ち込む中、 マリア様のお導きによりレプリカではなく新たなピエタ像の制作を始める。 が、それから数日後、自宅で死んでいるのが発見された。 ピエタの像は何故破壊されたのか。また道生は殺されたのか。 それともピエタの像を作成する事の苦悩からの自殺なのか。事件の謎が発生する。 ミステリの事件の提示が行われたあとは、 ピエタの像やマリアについてのカトリック、プロテスタントの宗教感を感じる内容でした。 バチカンにてピエタ像を実際に見たこともあったので、 当時を思い出しながら本書に書かれている教養を興味深く読みました。 事件や登場する人々の行動や事象が論理的はなく超常的で、 マリアの啓示や奇跡であると感銘を受けながら解決していく様子は共感し辛く、 好みのミステリとは違うものでした。 クリスチャンの方が読むとまた違った感想を抱かれると思いました。 読み終わって思う所は、この本はマリアに対する新説を世に広める為の物語だという事でした。 作中の真理夫が語るように日本における信徒数は人口の0.35%の45万人とわずかですが その背後には世界約11億人の信徒のいるカトリック教会が控えている。 信徒にとって、いままで信じてきたマリアを否定する行為はとても危険な行動です。 表だっては伝えられない内容を小説の形を借りて伝えたかったのだと思いました。 元々のマリアの啓示や奇跡の知識が自分になかったので、 そうだったのか。と新たな驚きにはならなかったのが残念です。 道生や真理夫の行動が歴史を参考に表現していて楽しめる所だと思うのですが、 自分自身、神学について知識が足りない為、理解がむずかしく感じる所が多かったです。 読後にyoutubeを見たりwikiを見直してみて理解した事もあるので、 ある程度の予備知識を持ってから読むと良い本だと思いました。 似た本として、映画にもなったダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』がありますが、 あれは信徒でなくても目に触れ、馴染みのあるモナリザや最後の審判の絵画を扱ったので 信徒でない読者でも入りやすかったのですが、 本作はマリアの啓示や奇跡を扱う為、 予備知識の頭で感じるか、経験がないと難しい本だと思いました。 |
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第1話目『殺人現場では靴をお脱ぎください』を読んだ時の感想では、
1つの事柄から事件をひも解く執事の様が安楽椅子探偵として面白いと思いました。 短編ミステリとして謎の散りばめ方と解決の展開 そして、本書のキャラクターの個性の露出のバランスが良くできています。 短編集なので、謎の違いがあれどこのまま後半にも期待していたのですが、 面白かったのはこの1話目だけで、 あとは謎解き要素は薄く、キャラクターで引っ張っている印象を受けたのが正直残念な気持ちでした。 以下は、主に2話目以降について。 良く言えば軽妙なテンポとして読みやすくはありますが、 この作品ならではの個性が見えづらく、 また軽妙故にずっしとした深みが得られず印象に残らなかったのが正直な感想です。 読書をした人に印象に残る所は?と感想を尋ねると お嬢様に対する執事の態度やセリフの可笑しさがまず挙がり、 事件はなんだったか記憶に残りません。 印象に残るポイントがある時点で これはこれでとても凄い事ですが、私としては、 お嬢様と執事と言えばこの作品か?、富豪の刑事と言えばこの作品か? など、何かしらの要素をピックアップした時に他の作品が浮かんでしまうのでキャラ物としても個性が弱く感じられました。 この作品ならではの良さを見たかったです。 もっと良いシリーズになりそうな気がするのに、 なんだか勿体なく残念な気持ちになりました。 ※追記 後で知りましたが、2話目以降は1話目から2年後に掲載媒体を変えて世に出てました。 媒体に沿った作品作りだったのかもしれないですね。 |
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表紙やタイトルに惹かれて購入しました。
一見無意味だと思われる出来事が、 散りばめられた死神の殺人フラグというのが面白い発想でした。 このセリフが出たら死亡とか、にやりとする場面がいくつかあり、 頭を使わない娯楽小説として楽しめました。 語り手の陣内や探偵役の本宮を見ていると キャラ物としても活かせる路線を感じるのですが、 それ以外の登場人物、特に死神や編集長は個性的にしようとしているけど 話に絡む場面が少ないので活かし切れてない感じです。 松重が一番良く描かれていました。 作品として個性的な要素が出せるポイントが多そうなのに、 読後は特出した気持ちが残らない勿体無い作品だと思いました。 ミステリでよくある探偵がドミノ倒しのように 理論的に事件を解決する颯爽とした雰囲気を 死神のフラグの連鎖で描いて欲しかったなと個人的に思いました。 文章は読みやすいので次作に期待です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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主人公が錯乱したとしか思えず、
置いてけぼりされたまま話が進んでしまった印象です。 小説「如月透の犯罪」と「如月透」自身の犯行が似通っていた理由も なるほどとは思うのですが、驚くことはありませんでした。 |
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教訓が1つのテーマになっていますが、
何も残らず読み終わりました。 |
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「本年度最低傑作」で検索すると出てくる作品。
最低だけど傑作。 翻訳を担当した大森望のキャッチコピーですが、 良い意味でこれはとてもしっくりきます。 ミステリでもなんでもない、 エログロバイオレンスしかない小説。 好みではない作品なので、 点数低いのですが、こう言う作品もあるんだというネタで読了。 悪趣味で安っぽさをあえて突き詰めたB級センス。 野獣館の殺人事件の真相や野獣の正体、 殺人鬼ロイとの対決など、 これらの事件が最後どうなるかが興味津々。 ですが、読み終わってみれば、 あまりのオチに唖然としてしまいました。 違う意味で衝撃度が高い作品。 低俗な内容ではありますが、 その方向に突き抜けた作品である事は確か。 中途半端な不満が残るのではなく、 不満事項が多すぎて逆に失笑してしまう。 印象だけはとても残る本です。 |
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比べるものではないですが、
やはり館シリーズの新刊と名を打ってあると、 他の館シリーズを意識してしまいます。 "びっくり館"と言う名前や舞台の効果があまり感じられませんでした。 館というより、囁きシリーズを読んでいる印象です。 館や人形を扱っている所が著者の雰囲気をかもしだしていて良かったです。 腹話術のシーンの異様な雰囲気はとても印象に残ります。 こういう独特の著者らしいと思える雰囲気は好みでした。 内容で気になった点として、 シリーズ読者やミステリが好きな人を意識したと感じられる 単語がいろいろ出てきます。 これらが効果的なら良いですがそうではなかったので、 なんとなくそれらの単語の魅力に支えられてしまった 作品になったと感じてしまいました。 |
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過去に意識だけタイムスリップしてザビエルの身近な人に憑依。
ザビエルに取り巻く事件の謎を解決する。 設定は面白いし、歴史物でも読んでて苦ではなく、寧ろ読みやすく楽しめた。 ……のですが、読了後 特に印象に残るものがなかったのが正直なところ。 好みだったのは、 『第三章 パリの悪魔』 ここまでの舞台設定を生かした、こういう仕掛けは好きです。 |
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パラレルワールドを用いて時代錯誤を感じさせた作品。
1980年に出版された当時を考えたら画期的だったアイディア作品かもしれない。 存在しない"急行エトロフ"とは何か?を始め、 複数の事件や伏線の扱いは面白いけど読み辛いのが難。 鉄道や時刻表といった物が苦手なので楽しめなかった。 |
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