■スポンサードリンク


タカタソン さんのレビュー一覧

タカタソンさんのページへ

レビュー数44

全44件 1~20 1/3ページ
123>>

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
 閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
No.44:
(7pt)

救助犬との山岳小説

この小説は東日本大震災直後から書かれたのか、相当色濃く影響している。
物語の前半はまさにその話で主人公は人のオ-ラが見え、感情を感じてしまう。その主人公が被災地で感じてしまった感情が深い衝撃となって負っているなか山岳救助隊となって救助犬の愛犬とともに山に入る。

山での救助活動や仲間との関係そして事件と続いていくのだが、犬の描写も多い。救助犬という立ち位置もあるが犬がらみのエピソ-ドは多く、犬好きも納得だろう。

表題にある通りの犬の活躍や、オーラを感じてしまう主人公夏美と仲間たちとの交友など、読み応えはある。まぁ、表題にもある通り、犬は活躍するし、おいしいところは犬です。

天空の犬
No.43:
(7pt)

暗殺者が良い人になっちゃった

グレイマンシリ-ズ3弾目。圧倒的なアクション描写と冒険活劇には、好きな方はどハマりする事でしょう。このシリ-ズの主人公は暗殺者なのだが今作はまるで正義の味方。

昔助けてくれた恩人の家族をマフィアから守る為に奮闘する。暗殺者が自ら危険にツッコみ恩人の奥さん、妹、弟、親、従兄まで守る、まるで親切なオッサン。妹とまで、何かいい雰囲気にもなってしまうしハ-ドアクションサスペンス小説ではあるものの笑えます。

なかなか、暗殺者のネタが無いにしろ、何でもありになってきた。冒険小説としては1級品なので、今後も期待します。
暗殺者の鎮魂 (ハヤカワ文庫NV)
マーク・グリーニー暗殺者の鎮魂 についてのレビュー
No.42:
(7pt)

気軽にハマる

シリ-ズ4作目。1作目さえ読めば次に何作目を読んでも面白さが分かる。このシリ-ズの面白さは、スト-リー展開や犯人探しではなく、主人公キャリアエリ-トの竜崎の言動。おおよそ日本では、上下関係だったり相手への気遣いで根回ししたりごまかしたりするが竜崎は一直線。相手が誰であろうと、正しい事と思う事を言い行動する。そこがこのシリ-ズを読んでて気持ちいいところ。

スト-リ-の展開には疑問を持たず、どこが隠蔽捜査なのかと疑問を持たず読めば面白い。?
転迷: 隠蔽捜査4 (新潮文庫)
今野敏転迷 隠蔽捜査4 についてのレビュー
No.41:
(7pt)

百舌4弾は百舌なのか

非常に読み易く、読み始めると最後までスルスルと。
1作目からのシリ-ズは確か10年前くらいに読んだはずだと、いきなり4作目の本作を読み始めたが、やはりさすがに登場人物やシリ-ズの事件を忘れているので、その関係で起こる物語展開は勿体なかった。

ただ、スト-リ-展開は非常に単純で、過去のいわゆる百舌関係事件に関わった罰せられなかった人間が次々に殺され、その殺され方が最強殺人者の死んだはずの百舌に類似していて、誰が仕組んでいるのか・百舌は誰なのかっていう事でそこだけを捉えて読めばリアルかどうかは別にして面白い。

それにしてもTVドラマの配役イメ-ジが強く、それは違和感なのか・ピッタリなのか、想像しながらよむのも良し。主人公美希と大杉の関係は意外?
よみがえる百舌 (集英社文庫)
逢坂剛よみがえる百舌 についてのレビュー
No.40:
(7pt)

真骨頂

いや、面白いです。間違いなく傑作であり、著者作品を読んだことが無い方が読めば、あまりの面白さに徹夜するでしょう。

しかし、著者作品を多く読んでいると、どうしても展開・キーワ-ドが似ているというか・・・ライバル企業、銀行融資、大手一流企業、家族。。。少なくても先に「空とぶタイヤ」を読んでしまったからちょっと半減してしまいました。

「下町ロケット」という作品名から最終的なフィナ-レは誰でも予測してしまい、意外性というよりは分かっていながら主人公達が達成していく感を楽しむ作品だと思う。面白さは保証できます。
下町ロケット (小学館文庫)
池井戸潤下町ロケット についてのレビュー
No.39:
(7pt)

主人公の活躍目立つ

シリ-ズ3作目。今作は長編というより連作中編で形的には長編でだらけるよりは、小気味良く安定して読める。
ただ、今回は主人公の保育園園長にして探偵のハナちゃんの活躍が目立ち、シリ-ズファンは脇役の奈美女医や恋人理沙や前妻の絡みも楽しみのひとつだったが今作はナシ。ただ、RIKOシリ-ズでおなじみの山内練が意外と出てくる。

相変わらず性・母性だったり根底に見え隠れするテ-マはこの時期の著者作品の傾向のひとつで期待するどころでもある。

このシリ-ズでもドロドロに濃い作品が是非読みたい。
シーセッド・ヒーセッド (講談社文庫)
柴田よしきシーセッド・ヒーセッド についてのレビュー
No.38:
(7pt)

笑えるほど、話がコア過ぎる

スパイ小説は数あれど、スパイを捕まえるだけにこれだけ書けるのは素晴らしいと思う。しかも、何か事件とか起こるわけではなく、ロシアのスパイ要員と思われる方々を監視し、その兆候をが見えれるまでひたすら見守り続ける話。

そこにはスパイを追う警察内部の物語と、スパイ側の物語もあり、たとえ事件が無くても、読み応え十分。

ただ、ひたすらスパイを追う話でこの文量はちょっと多すぎ。物語の山はあるけど、ちょっと飽きるかも。
エスピオナージ (幻冬舎文庫)
麻生幾エスピオナージ についてのレビュー
No.37:
(7pt)

最後のヤマ場は山にあり。

今から40年くらい前の古典山岳小説の傑作。

今の感覚で読むと、古典として素晴らしいとは思うものの面白いかはちょっと別かも。そもそも、この主人公が孤高と言えるのか?ただの人間嫌いに思える。人と接するのが苦手、会話するのが苦手、関係を築くのが苦手、だからひとり。あと、どうしても気になるのが、この時代特有の男尊女卑。特に女性に処女性を求める事が当然のように描写されている事は気が滅入る。

本作は山岳小説のように思えるが、たしかに主人公は登山が好きで登山に関わる話が多いが、どちらかというと主人公の目を通したその時代の人間の生き様が主の人間ドラマ。

物語の最後の待ち受ける登山シ-ンは圧巻で、そこに至るまでの煽りで結末は誰でもわかるが、ようやく人間味を覚えた主人公の生にしがみつく息をのむ展開・描写は本作を傑作に仕上げた。
孤高の人〈上〉 (新潮文庫)
新田次郎孤高の人 についてのレビュー
No.36: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

新宿2丁目の保育園長探偵物語

新宿2丁目で無許可の保育園経営している元刑事のハナちゃんが活躍するシリ-ズ2弾。水商売で働いていたり不法滞在の女達の子供を格安であずかり、保育園を維持する為に報酬の高い危険な探偵の仕事を請け負う。

このシリ-ズはRIKOシリ-ズと同じ時代設定で、一部登場人物が重複していているのでRIKOファンも楽しめる。RIKOシリ-ズでもそうだが、女性の立ち位置というか、妊娠した女性や幼子を持つ母親、日本で生きる外人女性の環境だったり、軽いテンポで進むこのシリ-ズでもメッセ-ジ性はある。

RIKOと違って軽快でユ-モアもあって読み易く、ハナちゃんの女関係も、彼女が行方不明になり、弁護士で心優しい元妻が出てきたり、セックスフレンドの無許可女医の奈美との関係だったり羨ましい?

このシリ-ズくらいは新作が出てほしいな。
フォー・ユア・プレジャー (講談社文庫)
柴田よしきフォー・ユア・プレジャー についてのレビュー
No.35:
(7pt)

逆に目新しい、ど真ん中ハ-ドボイルド

ハ-ドボイルドと聞いて誰もがイメ-ジするようなアウトロ-な主人公、物語展開で、これぞハ-ドボイルドって感じが堪能できる。

ヤクザじゃないけどその狭間のグレ-ゾ-ンで生きる主人公の生き様に憧れやカッコよさを感じないとついていけないかもしれない。

金に不自由なく、絵を描いて、色んな距離感の女が居て、無鉄砲な子分?が居て、余命を持つ女との関係もそうだが、この子分との関係も物語を軸となって、終わりはこうなんだろうなと思うような展開になるし、最後まで考えられた主人公のカッコよさがあった。

抱影 (講談社文庫)
北方謙三抱影 についてのレビュー
No.34:
(7pt)

躍動する暗殺者

暗殺者モノ。ミッションを終了後に何故が狙われ始め、なぜ狙われるのか、襲ってくる殺人者達に立ち向い、狙う相手を追い詰めていくという展開。ロシアの軍事機密を巡っての国際的な攻防も含めアクション映画にありそうで、そんなに目新しさはないけど、主人公はプロの凄腕暗殺者で、同レベルの一人のハンタ-との対決は見所。

暗殺者といえば最近では「グレイマン」シリ-ズもあり、どちらも良質で面白い。主人公は「グレイマン」の場合、暗殺者でありながら自己基準の正義の為だが、こちらは完全な冷酷無比の暗殺者。どちらも冒険アクション小説として一級なので好みで読んでみては。
パーフェクト・ハンター (上) (ハヤカワ文庫NV)
トム・ウッドパーフェクト・ハンター についてのレビュー
No.33: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

警察による警察の話

刑事小説は数あれど警察を監視する監察官の話は珍しく目新しい。監察官が主人公なら当然スト-リ-は警察内部の不祥事や闇を暴く話となり、その中で登場人物もなかなか良くて面白かった。

主人公の美人刑事が所轄から特務観察室への異動の理由が1章で語られるが、そんな理由で異動があるか!って思うのと、展開が早くてどうなるの?って、どんどん引き込まれます。どちらかというと、主人公よりその上司の鎮目警視正が冷酷でキレキレで鎮目警視正の過去との対峙物語と言える。

最後に起こる事件はこの小説の覚悟でありインパクトを残した。
狙撃 地下捜査官
永瀬隼介狙撃 地下捜査官 についてのレビュー
No.32:
(7pt)

難易度が高いが読みこなせるか

一体いくつの話が同時進行しているのだろう。5?6?
それぞれの立場から話が進行していくので、ちょっと把握してないと混乱必至。だれが善で悪かも定かではないから読みこなすのが難しい。

でも物語はスパイ、情報小説と言って難しそうだが分かり易い展開でグイグイ引き込まれる。
戦争を起こさない為に限られた国間で会議を行い、ある犠牲を決める。その情報・リストが漏れ、闇で入札が行われ、その入札、情報を巡って色んな事件が起きていく。

登場人物が結構魅力的で本作だけで終わらせるのは勿体ない。
でも、読むと少し怖くなる。フィクションだとは思うけど、近い事実、現実がありそうな気がする。
消滅のリスト (小学館文庫)
五條瑛消滅のリスト についてのレビュー
No.31: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

古典山岳冒険の代表作と言われているが

山岳冒険小説の傑作で調べてみると必ず名前が挙がっている本作。
読んでみると、なるほど、確かにその後の山岳小説に多大な影響を与えているなと思うような、山岳シ-ンの過酷さや非情さに緊迫感あり、つい熱中してしまう。

ただ、この小説は戦争小説であり第二次世界大戦時のナチドイツの作戦のひとつの話。主人公はドイツ人であり、過去登山経験者という事で特別任務に着く。その作戦にたどり着く前は戦争の様子や任務に就く前の訓練など当時のドイツの状況が描かれているが、歴史というか戦争描写が苦手な人は読み進めるのがキツイかもしれない。アイガ-の死闘は後半なのでそこまで頑張れば誰でも納得できる内容。やはり極限状態では、戦争なんて無意味で、敵味方なく自然だけが敵だという・・・。

プロロ-グで意識付けされた氷漬けのナチ軍人の真実が意外に心地よく、エピロ-グでほほ笑む。
北壁の死闘 (創元ノヴェルズ)
ボブ・ラングレー北壁の死闘 についてのレビュー
No.30: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

この世界観になぜと思ってはいけない

主人公が五股をしていた女性にひとりひとり別れ話をしていくスト-リ-。1章毎にひとりの女性との別れ話になっていて、女性のキャラやエピソ-ドは著者らしさが満載で著者作品を読んだこと無い人にもいいかも。ただ、その世界観に入り込めないと、全ての疑問が解決されていないと納得しない方には向いていない。この主人公が別れ話をするのは、「バス」で連れて行かれるからでそれが何故かの理由は明かされない。ただ、その事はこの物語のあくまで前提であって、そこを超えた想像と読解があれば物語は開ける。

章ごとに「あれもうそだったのね?」との類文での始まり方や、分かれ話なのになぜか、ほっとするようなエピソ-ドだったり秀逸だと思うけどな。
バイバイ、ブラックバード〈新装版〉 (双葉文庫)
伊坂幸太郎バイバイ、ブラックバード についてのレビュー
No.29: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

さすがの安定感

北海道警察シリ-ズの何弾目ですか?5弾目?シリ-ズものであるので登場人物もおなじみで、今作も主要メンバ-がそれぞれ追っている事件が実は繋がっていて協力しつつという展開。今回は、犯人探しもそうだが報復から逃れる協力者を守れるかの追う者と追われる者、守る者の三つ巴の展開は緊迫感があって、つい読みふけってしまう。

このシリ-ズの特徴は北海道警察内部ネタが常にあって、1作目の「笑う警官」はこのシリ-ズではバイブル的な存在。これを読まないと関係性とかちょくちょく言葉で出てくる郡司事件とか何の事か分からないと思う。だた、1作目を読んでいてももう何年も前になるので忘れてる。もうそろそろ、そこからの脱皮と主要メンバ-達の新たな展開がないと、マンネリになりそう。
密売人 (ハルキ文庫 さ 9-6)
佐々木譲密売人 についてのレビュー
No.28: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (4件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

文芸の堪能。

久々に純粋なミステリ-というか読み手をダマす小説を読んだとほくそ笑み。まったく前知識が無く、作家も作品も知らず。読み始めていくと青春ミステリ-っぽく、ちょっと苦手な分野だなと思ったがそこが著者の意図するところであって、改めて活字の素晴らしさを実感。だって読んだ方なら分かると思うけど本作は映像化は無理でしょう。著者の文章技術で読み手のイメ-ジを意図的に錯誤させる。これぞ文芸。

あとは、趣味・好みに合うか・・?

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)
No.27: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

これを読むとス-パ-で肉を買うのを躊躇?

あらすじを読むと、巨大企業の悪事をばらすみたいなフィクションに近いイメ-ジをとると思うが、半分は当たって?て半分は純粋な警察小説だと思った方がいいかも。

話の筋は巨大企業の強引な地方出店、ワンマン社長、アホ息子がキ-ワ-ド。この企業に個人の恨みで調査する新聞記者と、また別の過去の未解決殺人事件を調査している主人公刑事が最後には交差する。

主人公刑事が地道に聞き込みを行って容疑者に近づいていく過程は丁寧に描写されていて、思わず息をのむ。企業・一族を守ろうとする滝沢もヒ-ル役かもしれないが見逃せない。

最終的には、本題にある通り食肉・牛に絡む展開になるのだが、もっとどろどろした終わり方を期待していただけに意外にアッサリ。物語のバランスを取るための獣医師の変な正義と最終的には警察内部オチで7点。
震える牛 (小学館文庫)
相場英雄震える牛 についてのレビュー
No.26:
(7pt)

ヒトの進化と禁術

最新科学と誰もが聞いた事がる歴史とミステリ-、アクションを組み合わさたスト-リ-展開のシリ-ズ第2弾目。1作目の「マギの整骨」も読んでいるから登場人物もすんなり。逆に読んでいないと、主役組織の「シグマフォ-ス」がわかりずらいかもしれない。世界秩序を守る米国国防省機密組織のシグマフォ-ス。

1作目はシグマフォ-ス全員でひとつの事件を追っていく感じだが、2作目は何と司令官のクロウとピア-ズ隊長が別々の事件で話は進んでいく。当然、最後には繋がるのだが今作の方がスト-リ-性が増し評価点は前作と同じでも今作の方が好み。

キ-ワ-ドの「ナチ」、「量子論」に+アクションが少しでも興味がある方ならハマるでしょう。

ナチの亡霊(上)
ジェームズ・ロリンズナチの亡霊 についてのレビュー
No.25: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

愛の為に。

ミステリ-と思い込んで読み始めたが、中身は青春小説だと言った方が合っている。

主人公が話さないのがこの物語のキモでもあるのだが、そもそも主人公の一人称で書かれているので物語中で主人公が話さなくてもどういう心理かは全て書いてあって分かるし、ノリの軽いテンポで進むのでそもそも話したくても話せないとか過去の事件のトラウマ感が希薄に感じる。

ただ、金庫破りになるまでの経緯と、金庫破りとして逮捕されるまでの犯罪エピソードが章毎に展開されそれがスピ-ド感があって良い。

最終的に、全ては恋する彼女の為、LOVEの為って事でいいんじゃないでしょうか。

解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
スティーヴ・ハミルトン解錠師 についてのレビュー


123>>