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ショボタン さんのレビュー一覧
ショボタンさんのページへレビュー数39件
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中高生が勉強の合間に読むお手軽ライトミステリとしてはいいんじゃないですか?そう、かつての赤川次郎のように。腰を据えて取り組む本ではありませんが、途中で何度でも中断できるのはいいかもしれません。
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明智小五郎の登場しない長編であり、殺人は起こるが、半分も読み進まないうちにあまりにもあっさりトリックが解明されてしまうので、多少拍子抜けするところはある。もちろんそのトリックは意外性をついたものではあるが、それは単なる「つき出し」に過ぎない。この作品の真の恐ろしさは読み進めていくごとに読者を引きずり込む、「闇」「狂気」「タブー」など、見てはいけないものへの恐怖と、それ以上にその見てはいけないものを見たいという歪んだ興味をどうしようもないほどに揺り動かされてしまう乱歩の筆力にある。
乱歩が故郷の三重を訪ねて交流した地元の風俗研究者に聞いて構想を得たと言われているが、「明智小五郎」「推理小説」の枠に縛られることなく、全く自由にのびのびと書きたいように書きまくっている。ある意味最も乱歩らしい作品である。なので好き嫌いは必ずありますが、乱歩の世界を感じたい方には必読の書。 |
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いつもの島田先生の作品とはやや趣を異にするが、いかにもクリスマスにふさわしい、暖かみに満ちた作品。
とはいっても島田先生お得意のホワイダニット炸裂で、ある人物の不可解な行動により幕を開け、最後までいろんな人が不可解な行動を繰り返す。しまいには御手洗さんまで不可解な行動に走るが、そこはちゃんと理論的な答えが用意されているから安心して読める。 そして作中に登場するのは、おそらく御手洗さんが唯一魅了された(?)大変魅力的な女性。この女性が幸せになるエンディングは、ひとつも死体が出てこないにもかかわらず、爽快な読後感を味わうことができる。 |
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加賀恭一郎シリーズで一番最初に映像化されたからか、どうしても阿部ちゃんの顔が浮かんできてしまう(笑)。でも、ドラマは黒木メイサ以外は原作に忠実に作られ、キャスティングも良かったので嫌な感じではないですよ。
一見動機不明の殺人、その解明の過程で浮き彫りにされる、日本橋の人々の絆。そして人々を暖かく見つめる加賀の眼差しが優しい。優しいだけに、最終章で犯人に対する厳しさと、その犯罪の引き金となったある家族に対する容赦のなさが際立って見える。加賀の「犯罪により心を傷つけられた人も被害者」というスタンスは、優しいだけではないんだなぁ。 この日本橋の人々の物語として一話完結としても楽しく読めます。ひとつづつ話を追っていくごとに、古き良き時代の日本の風景が浮かんできます。そして、平成の世の中に知らない間に増え続ける、自己中心的で見栄っ張りなある人間の存在も・・・ |
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あまりのリアリティに、本当にこんな海域があり、こんな大渦巻が発生しているんじゃないかと思った。
圧倒的な自然の莫大なパワーに飲み込まれそうになりながら、主人公が恐怖の極限で見つけたひとつの論理。よくまあそんな時に冷静に観察することができたなぁ。それこそが、自然の中で生き残ってきた人知の奇跡というものだろうか。 |
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手に取った瞬間ずっしりくるボリュームに腰が引ける人もいると思うが、一気に読めてしまった。
昭和50年代から平成に至るまで、ある犯罪者の十数年に渡る逃亡と、犯罪者を操る魔性の女の物語。犯行に至る経緯は悲惨なものだが、周りに救いの手を差し伸べてくれる人間が誰一人としていなかったこと、動機となった事件が、昭和50年代としては特殊なものであったのに、平成の世の中ではもはや珍しいものではなくなったことにうすら寒い恐怖を感じた。 物語が進行し、主人公がどん底の生活からその美貌を使ってセレブにのし上がっていくにつれ、本を置いた時にいやでも目に入る表紙の古い家が、まるで光が当たるほどに昏く表れる影法師のように妙な存在感を持って浮き上がってくる。その意味では、このカバー装丁は秀逸。 昭和50年代から平成に至るまでの文化史を追って、当時を思い出して懐かしさも感じる。ドラマをみてあらすじを知っていても、絶対に読み応えのある1冊。 |
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ホラーぽい表紙にまずびっくり。冒頭に提示されるグロテスクな風貌の犯人。なぜそんな目立つ恰好をしていたのか?という謎が論理的に解明されるラストはまさに、島田先生の真骨頂。
これまでの作品同様、中盤で先生のイデオロギー的展開となるが、ここはここでひとつの読み物として楽しんで読める・・・というには悲惨な内容ではあるが。この部分については賛否両論だろうけど、自分はもう慣れた。 |
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宮部みゆきの(自分的に)最高傑作。事件のはじまり、追跡、結末と物語を追うごとに事件が大ごとになっていくサスペンスフルな展開、暴かれた犯人の抱えるあまりにも悲しい秘密。犯人が悪人ではないだけに、結末でなんだか安堵した人も多いのでは。
飽食日本の闇を描き、作中で描かれるような奈落に落ちた人間に、明日は自分もなるかもしれないという恐怖すら抱かせる、恐るべき作品。 |
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いつもながら、浅見光彦がラッキーと思いつきで犯人を暴いていく物語。論理的な証拠もなしにえいっと犯人を当ててしまう。読める部分は天河神社の持つ雰囲気の描写だけだが、それも何やら妙なふうに歪められている。物語が終わっても一向に腑に落ちない部分が多すぎる。単なる旅行物語として読むしかない。
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どうもこの作者の描く人物像に時代錯誤的な難があるような気がしてならない。率直に言うと女性がまったく書けていない。作者自身の理想を多分に投影しているんだろうけど、いつの時代の女性像なんだろうか。いまどきこんな言葉づかいをする20代女性はいない。
結末もかなりご都合主義というか、浅見光彦が何の根拠もなく思いつきで行動し、それで犯人を突き止めてしまうのだからなんというラッキーボーイなんだろうといつも思う。 浅見光彦という名前だけで押し上げた、浅見光彦がいなければとても読めたものではない作品。 |
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ジュブナイル版として出版されたものではあるが、どう考えても子供向きではない。トリックそのものはチープで子供でも簡単に見破れそうなものだけど、その背景にある悲しい宿命を背負った人々の生きざままでを理解してこそ、汲めども尽きない深い余韻を残す。この作品を手にした子供が、トリックの簡単さだけを挙げて本作を駄作と決めずに、大人になってからもう一度読んでほしいものである。
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クリスティの3大名作「アクロイド」「そして誰も・・・」に並ぶ名作。「意外な犯人」ものとしては、あるいは「アクロイド」を凌ぐかもしれない。
東ヨーロッパの風景が細かに描写されていて、トラベルミステリとしても楽しく読める。そして、結末を知った後でも何度も読めてしまうのが、「アクロイド」と違うところかな。 |
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この作品をまだ読んでいない方、そしてこの作品に関して何の予備知識もない方!
決して「ネタバレ」のレビューをご覧にならないでください。 そして一刻も早く、この作品を読むことをおすすめします。 このミステリ史上最大のトリックをこれから読まれる方は誠に幸せです。 余計なおせっかい者がトリックをバラさないうちに、この驚愕の結末を味わってください。 |
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ブラウン神父ものの中でも傑作とされる「犬のお告げ」を含む短編集。密室ものが多く、またオカルティズム色の強い、しかも理路整然と解き明かされる過程は、ここからカーがヒントを得たんじゃないかと思わせる。
中でも「ムーン・クレサントの奇跡」のこのトリック。ぶったまげです。 |
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短編こそトリックが生きると言った作家がいたらしいけど、まさにそのお手本。「秘密の庭」「奇妙な足音」「アポロの眼」など、大掛かりでないけどあっと驚くような心理トリックの宝庫。
特に「折れた剣」の壮大で戦慄すべき真相は読後も深い余韻を残す。 |
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