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ショボタン さんのレビュー一覧

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レビュー数8

全8件 1~8 1/1ページ

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No.8: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

大人のためのミステリ

大正~昭和初期の、日本が戦争に向かいつつある暗い時代を舞台に、男と女の哀しい運命を描いた傑作短編集。
文体が非常に美しく、文芸作品としても一級でありながら、思わずあっと叫んでしまいそうなからくり(トリック、というよりもこちらのほうが適切)を秘めていて、ミステリとしても十分読みごたえがある。
ただ、スピード感やアクロバティックな展開、ロジックなどに慣らされた平成生まれの読者には退屈なほどスローで盛り上がりに欠けるかもしれないが、その淡々とした筆の運びと、悲哀に満ちたストーリー、しっとりとした情緒こそがこの作品の命であり、それを理解できる大人にこそ読まれるべきである。
戻り川心中 (光文社文庫)
連城三紀彦戻り川心中 についてのレビュー
No.7: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ジェットコースター・ミステリ!

スウェーデン人の名前が持つ不思議な響き。そして奔放なセックス(笑)にも増して、ヒロイン、というよりも真の主人公でありヒーローでもあるリスベットのエキセントリックで魅力的なこと!
リスベットに比べたら、ミカエルがただのセックス狂いのダメなおっさんに見える。なんでそんなのに惚れちゃうんだろう?
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上
No.6: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

母親の真の愛情とは


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赤い指 (講談社文庫)
東野圭吾赤い指 についてのレビュー
No.5: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

御手洗のクリスマス

いつもの島田先生の作品とはやや趣を異にするが、いかにもクリスマスにふさわしい、暖かみに満ちた作品。
とはいっても島田先生お得意のホワイダニット炸裂で、ある人物の不可解な行動により幕を開け、最後までいろんな人が不可解な行動を繰り返す。しまいには御手洗さんまで不可解な行動に走るが、そこはちゃんと理論的な答えが用意されているから安心して読める。
そして作中に登場するのは、おそらく御手洗さんが唯一魅了された(?)大変魅力的な女性。この女性が幸せになるエンディングは、ひとつも死体が出てこないにもかかわらず、爽快な読後感を味わうことができる。
セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴: 名探偵 御手洗潔 (新潮文庫nex)
No.4: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

長編だけど、短編集!?

加賀恭一郎シリーズで一番最初に映像化されたからか、どうしても阿部ちゃんの顔が浮かんできてしまう(笑)。でも、ドラマは黒木メイサ以外は原作に忠実に作られ、キャスティングも良かったので嫌な感じではないですよ。
一見動機不明の殺人、その解明の過程で浮き彫りにされる、日本橋の人々の絆。そして人々を暖かく見つめる加賀の眼差しが優しい。優しいだけに、最終章で犯人に対する厳しさと、その犯罪の引き金となったある家族に対する容赦のなさが際立って見える。加賀の「犯罪により心を傷つけられた人も被害者」というスタンスは、優しいだけではないんだなぁ。
この日本橋の人々の物語として一話完結としても楽しく読めます。ひとつづつ話を追っていくごとに、古き良き時代の日本の風景が浮かんできます。そして、平成の世の中に知らない間に増え続ける、自己中心的で見栄っ張りなある人間の存在も・・・
新参者 (講談社文庫)
東野圭吾新参者 についてのレビュー
No.3: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シンプルかつ明快で驚愕の真相


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曲がった蝶番【新訳版】 (創元推理文庫)
ジョン・ディクスン・カー曲った蝶番 についてのレビュー
No.2: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

大人のためのジュブナイル

ジュブナイル版として出版されたものではあるが、どう考えても子供向きではない。トリックそのものはチープで子供でも簡単に見破れそうなものだけど、その背景にある悲しい宿命を背負った人々の生きざままでを理解してこそ、汲めども尽きない深い余韻を残す。この作品を手にした子供が、トリックの簡単さだけを挙げて本作を駄作と決めずに、大人になってからもう一度読んでほしいものである。
透明人間の納屋 (講談社ノベルス)
島田荘司透明人間の納屋 についてのレビュー
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(8pt)

「意外な犯人」の傑作!

クリスティの3大名作「アクロイド」「そして誰も・・・」に並ぶ名作。「意外な犯人」ものとしては、あるいは「アクロイド」を凌ぐかもしれない。
東ヨーロッパの風景が細かに描写されていて、トラベルミステリとしても楽しく読める。そして、結末を知った後でも何度も読めてしまうのが、「アクロイド」と違うところかな。

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)