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アルバトロス さんのレビュー一覧
アルバトロスさんのページへレビュー数48件
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読む前に「どうしてこんなに厚いのか」とページ数に圧倒されましたが、とても読みやすく、そんなに辛さは感じませんでした。
読んでいる途中には「それでもこれだけのページ数は不要だったのでは?」と改めて感じましたが、最後まで読み通し、納得しました。これはこの長さであるからこそ成立する作品なのだと思います。 ミステリ的な面では、完全にやられました。さすが辻村さん。脱帽です。 |
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おなじみハルチカシリーズの4作目となった今作は、相変わらずの読みやすさとともに、短編すべてが飽きることなく読める、最高の1冊でした。
個人的には、表題作『千年ジュリエット』がミステリ的には最も秀逸で、ハルチカシリーズ史上最高の短編だったと思います。 そのほかにもバカミスあり、意表をつくトリックありと、ミステリ好きの人も、そうでない人にも自信をもって薦められる本でした。 |
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久々の衝撃を受ける小説でした。
一気に引き込まれ、一気に読んでしまう。その筆力に感服です。 ただ、決して心地よい作品ではないので、確実に好みが分かれます。 そこで一つの基準として、湊かなえさんの『告白』が適するのではないかと思います。 『告白』を面白いと感じた方は、是非この小説を読むことを薦めます。 逆にムリだった方は、この小説もやめたほうがいいと思います。 |
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なんだろう。
辻村深月さんは『どこか追い込まれた人間』を書かせたら日本随一ではないかと思う。 |
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麻耶さんの作品はいくつか読んでいましたが、メルカトルシリーズは今回が初めてでした。
短編集なので、いつものよりは麻耶さんの「読者への黒い疑問」を突き付けられる展開が緩和されるかと思っていましたが、甘かったです(笑) 今作もやはり問題作といえます。探偵であるメルカトルはなかなか強烈なキャラクター性があり、冷めた調子でとんでもないことを語りだすので、読者の側からすると「た、確かにそうですね……」と相槌を打ちながらどこかもやもやした心を抱えつつ読み進むことになります。 でも、結局は納得してしまうんです。最終的には「そうですね」と納得します。 それがどんな理不尽だろうと、そこに反論の余地はありません。そしていつの間にか読み終わり、独特な読後感が残ります。 やはり麻耶さんはすごいです。平凡な作品など一つもない。 |
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いわゆる"黒"朱川さんの作品です。
あらすじに『鬱作品』とある通り、読んでいて暗ーい気持ちになります。しかし朱川ファンとしてはこの作風の雰囲気もたまらないのです。 怖くて、ぞくぞくして、そしてニヤリと笑ってしまう。「ああ、こんな作品もいいな」と。 なので、こういうのが無理な人は絶対に読まないでください。 心が荒んでいる人はぜひ。 |
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私が朱川さんのファンになったきっかけの本です。
『昭和くささ』って言うと表現が悪いのかもしれませんが、そういった古き良き時代のにおいが作品全体から醸し出されていて、それだけでなんともほっこりした気分になります。 内容は朱川さんらしく、人間の深い感情、様々な人情をいやみなく描いた素晴らしい作品です。 ミステリー要素は少ないですが、読書好きなら、絶対に一読しておくべきだと強く言いたい一冊です。 |
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八雲の少年期の知られざる過去について、ということでとても興味深く読みました。
今の八雲からは想像できないようなところもあって、しっかりしたバックボーンがあるんだな、と驚かされました。 八雲シリーズが好きな方は、読んで損はないと思います。 |
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タイトルに惹かれ、図書館で何気なく手に取った一冊です。
普段は出だしの何ページかで借りるかどうかを決めるのですが、この本はその場で一気読みしてしまいました。それくらい読者を引き込む力を持った作品だと思います。 内容もとてもすっきりしていて、小難しい表現などもなく、スイスイと読んで『面白い』と思える、と同時に温かい気持ちになれる優しい作品です。 気軽に読める一冊です! |
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沼田まほかるさんは人間を書くのに長けた方だと思います。
人間の暗い部分、深く傷ついた誰にも触られたくない部分を、いとも簡単に、しかし繊細に書かれる数少ない作家さんです。 この作品はそのすべてが詰まっています。 主人公が見つけた謎の手記は、そういった人の心をえぐる描写がたくさんあり、読者を一気に引きづり込んでくれます。また、ストーリーとしてもホラーであり、サスペンスであり、人情物語でもあり、そしてミステリーでもある、という読者によって様々な解釈ができる傑作であると思います。 個人的には、今までの沼田さんの作品の中でナンバー1です。 |
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一冊の本を題材にした短編集です。
ちょっとラノベチックなところがあり、そのためか読みやすく、またミステリとしてもけっこう上質なものであると思います。 登場人物も魅力的で、サクッと読む人にはピッタリですね。 |
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平山さんといえば、人間のいわゆる「暗い」部分を描くことに長けた方ですが、この作品ではその手腕がいかんなく発揮されています。
短編集ということで、私個人としては「好きな作品」と「好みではない作品」がはっきりと分かれたのですがそれでも全体を通して楽しめました。また文庫版で見たので、最後に載っていた解説(どなたが書かれたのかは忘れましたが)に共感することが多く、改めて平山さんの作品の凄さを実感することができました。 |
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辻村さんの作品はこれが初見でした。
ですから内容にかなり驚きました。まさかここまでぶっとんでるとは……。 そしてその年代にふさわしく、物語のメインとなる人物たちは『中二病』に思いっきりかかっており、独特の痛い考え方が随所に出てきて、なんだか妙に共感してしまいました(別に私は中二ではないですが)。そしてそこに著者の人物描写のうまさを感じたというか、登場人物にすごくリアリティがあって、物語に一気に引き込まれました。 結末もさることながら、そこに至るまでの過程。細かな情景描写すべてが秀逸で、非常に面白かったです。 これを機会に辻村さんの作品を読んでいこうと思います。 |
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最近道尾さんの作品はミステリ色がそれほど強くない作品が多いのですが、この作品もその一つのようです。
「逸夫」というごく普通の少年が、周囲の人々とともに深刻な人間関係の問題に悩み、解決していこうとする話です。 物語の全体にやや暗い雰囲気が流れていますが、読後感は悪くなく、むしろ少しだけすっきりしたような気持ちになれると思います。 個人的には、直木賞受賞の「月の蟹」よりもさらに上の水準をいってると思います。道尾秀介ファンなら必読でしょう。 |
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読後の第一印象は「若い世代に受けそうだな」というものでした。
登場人物は、ライトノベルに出て来そうな濃いキャラが多く、とても魅力的です。 一方、内容はかなり本格的なミステリーになっています。ただ、私としては二点ほどどうしても納得できない点があったので(トリック以外の面で)この点数になりました。 とはいえ、新人作家としてはかなりの実力を感じます。今後の作者の作品が楽しみですね。 |
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今日の今日までレビューを書いてないことにビックリしました。
伊坂さんの金字塔的ポジションにあるこの作品ですが、実は感想が書きづらい作品ではないかと感じています。面白かったのは確かなのですが「ここのこの場面が良かった」というところが具体的にないのです。 要するに……おそらくジグソーパズル的な作品なのでは、と思います。1ピースごとに何も思わないのに、すべてが組み上がったとき、最高の作品が出来ているのです。 よくわからない比喩を使ってしまいましたが、ミステリー好きなら一読はすべきかと思います |
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伊坂作品では、個性的なキャラクターはたくさんいましたが、外観からすでに強烈な存在感を放つ登場人物は珍しい気がします。
内容は繭美が(その強烈なキャラですが)だんだんいい人に見えてきます。 というのはさておき、本作も伊坂らしさを感じる良作です。とても読みやすいので、初めて本を読む方にいいかもしれません。 |
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はたから見て「こいつが悪人だ」と決めつけることはできないんだな、とこの作品を通して感じました。
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前作『おそろし』の続きになります(未読の方は先にそちらを読むとより楽しめます)
私は宮部さんの作品は、心情描写が細かく描かれている一方、それ故の読み辛さ、読み疲れから敬遠しがちなのですが、このいわゆる「百物語シリーズ」は大好きです。 それというのも、この作品には読者を引き込む要素が多いのです。毎話ごとに語り手の話に出てくる妖怪(?)たちはとても個性的で、それが巻き起こすトラブルによって「一体どうなるんだろう」と読者は毎回引き込まれながら、さもそれをはたから見ているような気分になるのです。 そして迎える各話の最後は、宮部さんらしい人間味溢れる締めくくりがなされます。 読み終わると、いつのまにか次のページをめくっている。また新たな物語に引き込まれていくーー そんな面白さを感じて、いつもの読み辛さをすっかり忘れて読みふけるのです。 ですからミステリーというよりは、本当に一つの人間物語を見るような感覚で、是非読んで頂きたいなと思います。 |
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