土の中の子供

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評判

土の中の子供の評価:

3.45/5点 レビュー 86件。 D ランク

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平均点3.45pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全88件 61〜80 4/5ページ
No.28
(4pt)

ありきたりのトラウマ話しとはちょっと違う

虐待の過去を持つタクシードライバーの「私」が、自己破壊衝動のような喧嘩沙汰をおこすところから物語は始まる。所々フラッシュバックするかのように、過去の幻影が挿入されるので、心的外傷を抱えた不幸な男のありきたりなドラマの展開を予想した。窓の外から缶コーヒを落として、その潰れる様に自己を同化するあたりの陰々滅々とした暗い欲求。外とのつながりをできるだけ排除し、心の傷から愛の行為を不毛にしてしまう女性 白湯子とのみ寄り添うような生活。作者の筆力が高いだけに、正直、ゲンナリしてしまう。

「私」がヤマネさんに借金を求めようとしたときに起こる白日夢は印象的だ。庇護を受けようとすることが罪であるかのような強い負の意識を感じさせる。

本作品は凡百のトラウマ話しと違うことは読み進めていくうちに分かってくる。「私」がタクシー強盗に命を奪われる寸前の脱出行。真の死に向き合ったとき、「私」は再生の手掛かりをつかんでいくのだ。27年の「私」の人生で、自身を滅するごとき行動は、過去を乗り越えるための通過儀礼として存在していたのだろう。

本書のラスト、「私」を虐待し、捨てていった親との再会を拒絶した「僕は、土の中から生まれたんですよ」という言葉を、私は、自身の過去を自身で清算したことの決意表明と受けとめた。

解せないのは、白湯子との関係かな。庇護を受けることの罪を心の内に抱えているのであれば、はたして、人を庇護しようとするだろうか。彼女とのふれ合いが、「私」の再生のための一助となっているのであれば、このあたりを掘り下げて欲しかった。
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.27
(4pt)

ありきたりのトラウマ話しとはちょっと違う

虐待の過去を持つタクシードライバーの「私」が、自己破壊衝動のような喧嘩沙汰をおこすところから物語は始まる。所々フラッシュバックするかのように、過去の幻影が挿入されるので、心的外傷を抱えた不幸な男のありきたりなドラマの展開を予想した。窓の外から缶コーヒを落として、その潰れる様に自己を同化するあたりの陰々滅々とした暗い欲求。外とのつながりをできるだけ排除し、心の傷から愛の行為を不毛にしてしまう女性 白湯子とのみ寄り添うような生活。作者の筆力が高いだけに、正直、ゲンナリしてしまう。

「私」がヤマネさんに借金を求めようとしたときに起こる白日夢は印象的だ。庇護を受けようとすることが罪であるかのような強い負の意識を感じさせる。

本作品は凡百のトラウマ話しと違うことは読み進めていくうちに分かってくる。「私」がタクシー強盗に命を奪われる寸前の脱出行。真の死に向き合ったとき、「私」は再生の手掛かりをつかんでいくのだ。27年の「私」の人生で、自身を滅するごとき行動は、過去を乗り越えるための通過儀礼として存在していたのだろう。

本書のラスト、「私」を虐待し、捨てていった親との再会を拒絶した「僕は、土の中から生まれたんですよ」という言葉を、私は、自身の過去を自身で清算したことの決意表明と受けとめた。

解せないのは、白湯子との関係かな。庇護を受けることの罪を心の内に抱えているのであれば、はたして、人を庇護しようとするだろうか。彼女とのふれ合いが、「私」の再生のための一助となっているのであれば、このあたりを掘り下げて欲しかった。
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.26
(5pt)

パウル・クレーの絵の中の魚のように

「土の中の子供」(中村文則)読了。ここで語られている主人公の魂の叫びを私は共有することができなかった。私にとってそれは想像力の埒外にあってまるでパウル・クレーの絵の中の魚のように強烈な寓話性の中にしか存在し得ない「何か」である。(自分でも何を言っているのか判らないが。)(笑)
むしろ私は併録の「蜘蛛の声」に共振してしまった。自分を取り囲む日常から抜け出して身を潜めているときの安らかな感覚が妙にリアルに肌に馴染むんだな。大丈夫か?俺。
とは言いつつも、私の貧弱な想像力はさておき、表題作の「土の中の子供」が持つ力強さは否定できないのである。

土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.25
(5pt)

パウル・クレーの絵の中の魚のように

「土の中の子供」(中村文則)読了。ここで語られている主人公の魂の叫びを私は共有することができなかった。私にとってそれは想像力の埒外にあってまるでパウル・クレーの絵の中の魚のように強烈な寓話性の中にしか存在し得ない「何か」である。(自分でも何を言っているのか判らないが。)(笑)
むしろ私は併録の「蜘蛛の声」に共振してしまった。自分を取り囲む日常から抜け出して身を潜めているときの安らかな感覚が妙にリアルに肌に馴染むんだな。大丈夫か?俺。
とは言いつつも、私の貧弱な想像力はさておき、表題作の「土の中の子供」が持つ力強さは否定できないのである。

土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.24
(5pt)

文章が美しく、洗練されている。表現力は秀逸!

ものすごい表現力。土の中に生き埋めされるとき、めちゃくちゃに殴られるとき、虐待されるとき、ガードレールに自ら車で衝突するとき。
 こんな作家見たことない。いや読んだことない。しかも文章が読みやすくて心地よい。芥川賞作家の中でもセンスを感じる。好きになってしまいそうだ、この作家の表現力。
 扱ってるテーマはユニーク。こんなシーン、題材における、こんな被害者側の精神的なサディステックなまでのマゾヒズム的境地心地をリアルに上手く、そして沁みるようにストレートに表現した作家が今までにいただろうか?
 テクニックではなく、なにか天性のセンスを感じた。
 ここに、一緒に収められてる作品「蜘蛛の声」も、短いが、その世界はキュートですばらしい。
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.23
(5pt)

文章が美しく、洗練されている。表現力は秀逸!

ものすごい表現力。土の中に生き埋めされるとき、めちゃくちゃに殴られるとき、虐待されるとき、ガードレールに自ら車で衝突するとき。
 こんな作家見たことない。いや読んだことない。しかも文章が読みやすくて心地よい。芥川賞作家の中でもセンスを感じる。好きになってしまいそうだ、この作家の表現力。
 扱ってるテーマはユニーク。こんなシーン、題材における、こんな被害者側の精神的なサディステックなまでのマゾヒズム的境地心地をリアルに上手く、そして沁みるようにストレートに表現した作家が今までにいただろうか?
 テクニックではなく、なにか天性のセンスを感じた。
 ここに、一緒に収められてる作品「蜘蛛の声」も、短いが、その世界はキュートですばらしい。
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.22
(5pt)

ぎりぎり生きてる主人公に強い「生」を感じる

以前、大病をしたことがあるが、人生観が変わるなんてことは別になかった。しかし気がついたらそれまで思わなかったことを時折思うようになった。
それは「”生きる”って死ぬまでは生きることなんだなぁ...」ということ。何アホ言ってるのか?と思うだろうが、正直そう思ったのである。
偏差値世代の自分はどこかで人生には目標が必要であり、その目標達成のためにあると思っていたのだろう。しかしニンゲンは別に何かを為すために生まれて来た訳でなく、
生まれたからには死ぬまでは生きてるし、生きたいと思うものだなぁ、と改めて感じたわけである。
この小説をを読んでそんなことを思い出した。
主人公は決して前向きな生きる意欲をもってる訳じゃないし、精神状態はかなり危ない感じである。
でもぎりぎりに「生きてる」だけに「生」をより強く感じるのだ。
とはいえ「生きる勇気」をもらいたいと考えてる人には決して本書をお勧めはしない。
これは芥川賞作品だというが、常々、「名物にうまいものなし」「芥川賞におもろいモンなし」と思っていたが、これは今まで読んだ芥川賞の中で1番印象に残る。
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.21
(5pt)

ぎりぎり生きてる主人公に強い「生」を感じる

以前、大病をしたことがあるが、人生観が変わるなんてことは別になかった。しかし気がついたらそれまで思わなかったことを時折思うようになった。
それは「”生きる”って死ぬまでは生きることなんだなぁ...」ということ。何アホ言ってるのか?と思うだろうが、正直そう思ったのである。
偏差値世代の自分はどこかで人生には目標が必要であり、その目標達成のためにあると思っていたのだろう。しかしニンゲンは別に何かを為すために生まれて来た訳でなく、
生まれたからには死ぬまでは生きてるし、生きたいと思うものだなぁ、と改めて感じたわけである。
この小説をを読んでそんなことを思い出した。
主人公は決して前向きな生きる意欲をもってる訳じゃないし、精神状態はかなり危ない感じである。
でもぎりぎりに「生きてる」だけに「生」をより強く感じるのだ。
とはいえ「生きる勇気」をもらいたいと考えてる人には決して本書をお勧めはしない。
これは芥川賞作品だというが、常々、「名物にうまいものなし」「芥川賞におもろいモンなし」と思っていたが、これは今まで読んだ芥川賞の中で1番印象に残る。
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.20
(5pt)

暗がりの中に一筋の希望

確かに暗いのは否めない。
他の人のレビューにもあるように、ヒロインの性癖や主人公の自分で自分を追い込む
思考は単純かもしれません。
ただこの作家の持つ、とことん掘り下げた表現には感嘆しました。
とにかく惹きこまれる。ぐいぐいと読み手を魅了する文章はお見事!!
暴力の中にある倫理を見せ付けられた。こんないい作品はなかなかない。
探そうとしても、滅多にお目にかかれない。
読み終わった後にも、翌日にも胸に残る感動が気持ちいいです。
ずっと手もとに置いておきたい1冊です。
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.19
(5pt)

暗がりの中に一筋の希望

確かに暗いのは否めない。
他の人のレビューにもあるように、ヒロインの性癖や主人公の自分で自分を追い込む
思考は単純かもしれません。
ただこの作家の持つ、とことん掘り下げた表現には感嘆しました。
とにかく惹きこまれる。ぐいぐいと読み手を魅了する文章はお見事!!
暴力の中にある倫理を見せ付けられた。こんないい作品はなかなかない。
探そうとしても、滅多にお目にかかれない。
読み終わった後にも、翌日にも胸に残る感動が気持ちいいです。
ずっと手もとに置いておきたい1冊です。
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.18
(5pt)

久しぶりに出会ったいい作家。

 他のかたのレビューを見てみると、わりと辛口の感想が多くて正直驚いた。
最近は、読んだ後に何も残らない、読後感のさっぱりしたものが人気になり、洗練された……というか簡素な文章が小説によく使われていると思う。そのせいか、ストーリーの以外性や奇をてらった表現方法ばかりが目立ち、描写表現が大幅にカットされている場合が多いような気がする。
 しかし、この作家は一切の手抜きなしで、主人公が感じるモノを正確に、緻密に言葉に表そうと努力している。言葉に言い表し難い感覚や心情、極めて主観的なものの見え方などを上手く(丁寧に)言葉に表現している。 そのため、読んでいる側が本の中の世界に入っていき易いし、主人公にシンクロできた。筆力があり、読んでいて感動した。
 
 この小説の書き方が純文学っぽくてとっつきにくいとか、古いとか思う人がいるようだけど(好みによるんだろうけど)言葉だけで世界をつくる作家は、言葉でどこまで世界を表現できるかという、この努力がなにより大切だし、必要不可欠だと私は思っている。
 なんとなく、梅崎春夫に雰囲気が似ている気がした。
この人が書く長編小説をぜひ読みたい。今後に期待します…!!!
 
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.17
(5pt)

久しぶりに出会ったいい作家。

 他のかたのレビューを見てみると、わりと辛口の感想が多くて正直驚いた。
最近は、読んだ後に何も残らない、読後感のさっぱりしたものが人気になり、洗練された……というか簡素な文章が小説によく使われていると思う。そのせいか、ストーリーの以外性や奇をてらった表現方法ばかりが目立ち、描写表現が大幅にカットされている場合が多いような気がする。
 しかし、この作家は一切の手抜きなしで、主人公が感じるモノを正確に、緻密に言葉に表そうと努力している。言葉に言い表し難い感覚や心情、極めて主観的なものの見え方などを上手く(丁寧に)言葉に表現している。 そのため、読んでいる側が本の中の世界に入っていき易いし、主人公にシンクロできた。筆力があり、読んでいて感動した。
 
 この小説の書き方が純文学っぽくてとっつきにくいとか、古いとか思う人がいるようだけど(好みによるんだろうけど)言葉だけで世界をつくる作家は、言葉でどこまで世界を表現できるかという、この努力がなにより大切だし、必要不可欠だと私は思っている。
 なんとなく、梅崎春夫に雰囲気が似ている気がした。
この人が書く長編小説をぜひ読みたい。今後に期待します…!!!
 
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.16
(4pt)

濃厚な暗さ

 芥川賞という事で読んでみました。
 最初は文章が冗長でありわかりにくく、暗いだけでおもしろみが感じられませんでしたが、中盤にかけての展開から夢中で読んでしまいました。幼少の頃の抑えられていた感情が徐々に吹き出してくるシーンや、幻聴でめまいを起こすシーンは暗いだけでなく、引き込まれる怪しい魅力があると思います。私自身がネガティブ思考なのもありますが、主人公の暗い物の考え方には共感できます。最後の「私は土の中から生まれたんですよ」という台詞には、グッと来ました。
 プロットも回想があって、それで終わりという訳ではなく、またひと山用意してあるのはなかなかです。収録されているもう一遍の方も、嫌疑と憂鬱さが幾重にも重なって自分の正体を見失ってしまうという構成は秀逸だと思います。個人的には文章にも癖が無く、もう一遍の方が私は気に入りました。
 ただ、人物設定が薄っぺらく、人間味が感じられないようなキャラクターもちらほら。前述した文章の件と併せて☆一つマイナスです。しかし、某ホームページのように登場人物に関するネーミングセンスで、著者の才能を測ると言うのは納得がいきませんね。
 興味があれば読んでみるのをお勧めします。徒に楽しさやわかりやすさだけを追いかけている現代文学の風潮には珍しい作品かと思います。
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.15
(4pt)

濃厚な暗さ

 芥川賞という事で読んでみました。
 最初は文章が冗長でありわかりにくく、暗いだけでおもしろみが感じられませんでしたが、中盤にかけての展開から夢中で読んでしまいました。幼少の頃の抑えられていた感情が徐々に吹き出してくるシーンや、幻聴でめまいを起こすシーンは暗いだけでなく、引き込まれる怪しい魅力があると思います。私自身がネガティブ思考なのもありますが、主人公の暗い物の考え方には共感できます。最後の「私は土の中から生まれたんですよ」という台詞には、グッと来ました。
 プロットも回想があって、それで終わりという訳ではなく、またひと山用意してあるのはなかなかです。収録されているもう一遍の方も、嫌疑と憂鬱さが幾重にも重なって自分の正体を見失ってしまうという構成は秀逸だと思います。個人的には文章にも癖が無く、もう一遍の方が私は気に入りました。
 ただ、人物設定が薄っぺらく、人間味が感じられないようなキャラクターもちらほら。前述した文章の件と併せて☆一つマイナスです。しかし、某ホームページのように登場人物に関するネーミングセンスで、著者の才能を測ると言うのは納得がいきませんね。
 興味があれば読んでみるのをお勧めします。徒に楽しさやわかりやすさだけを追いかけている現代文学の風潮には珍しい作品かと思います。
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.14
(4pt)

人から否定されても、生きていたい。

虐待されたことも、暴力をうけたこともないけれど、頭も良くなく、しゃべりも下手で、美人でもない私は、学校で、就職面接先で、職場で、ショップで、コンパでなどなど、人に否定されたような感じをうけることがしょっちゅうある。(被害妄想もかなりあると思うが…。)主人公とかなり差はあるが、なんだかやたら共感してしまった。
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.13
(4pt)

人から否定されても、生きていたい。

虐待されたことも、暴力をうけたこともないけれど、頭も良くなく、しゃべりも下手で、美人でもない私は、学校で、就職面接先で、職場で、ショップで、コンパでなどなど、人に否定されたような感じをうけることがしょっちゅうある。(被害妄想もかなりあると思うが…。)主人公とかなり差はあるが、なんだかやたら共感してしまった。
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.12
(4pt)

次は長編を・・

幼児虐待や、トラウマを題材にした作品、最近では珍しくないですが、「土の中の子供」はそれを上手に現していると思います。自分ではどうしようもない感情・・それは文章にすると、やけに暗くなってしまうのですが、実はそれが本当なのではないかと思います。自分で自分の感情をもてあますような、毎日をただ過ごしているような、過去は思い出したくないけど将来も考えたくないような・・・作品自体が短いので、次回は長編を読んでみたいと思いますが、この短編の中でこれだけの主人公の内面を表現できるのは、さすが、と思います。まだ若い作者のようですので、今後の作品に期待したいです。
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.11
(4pt)

次は長編を・・

幼児虐待や、トラウマを題材にした作品、最近では珍しくないですが、「土の中の子供」はそれを上手に現していると思います。自分ではどうしようもない感情・・それは文章にすると、やけに暗くなってしまうのですが、実はそれが本当なのではないかと思います。自分で自分の感情をもてあますような、毎日をただ過ごしているような、過去は思い出したくないけど将来も考えたくないような・・・作品自体が短いので、次回は長編を読んでみたいと思いますが、この短編の中でこれだけの主人公の内面を表現できるのは、さすが、と思います。まだ若い作者のようですので、今後の作品に期待したいです。
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040
No.10
(4pt)

とにかく暗いです

 芥川賞受賞ということで読んでみました。 「土の中の子供」 暗い話でした。リアリティのない暗い話でした。いきすぎた悲劇とは往々にしてリアリティが無くなるものです。 主人公は否定していますが、やはり死にたかったんだと思う。「死ぬ」ということが彼にとっては意味があったんじゃないかと思います。煩わしい世の中からの離脱。究極のデタッチメントと求めていたんではないでしょうか? しかし、所詮人は一人では生きてはいけません。この話の主人公は幼いころこそ恵まれていなかったけど、「今」は恵まれています。運もいい。ヤマネさんに頭をなでてもらった記憶。たった一つでも希望があれば、それは絶望に打ち勝つものだと僕は思います。 「蜘蛛の声」 これも暗い話です。 デタッチメントに囚われた人間を描き出しています。しかし、前述のように人は一人では生きていけないのです。世界に、人にコミットメントすることなしには「人間」は成り立たないと僕は思います。 最後にバッグの中にナイフがなかったのはやはりそういうことなのかなと思いました。  二つの話を通じてのこの本のテーマはデタッチメントとコミットメントの狭間で揺れ動く人間でしょうか?話が暗くて受け付けない人もいるかもしれませんが、最近の芥川賞の中ではかなりよくかけている作品であると思います。この人の長編も読んでみたいです。物凄く落ち込みそうですけど・・・。
土の中の子供 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 土の中の子供 (新潮文庫)より
4101289522
No.9
(4pt)

とにかく暗いです

 芥川賞受賞ということで読んでみました。 「土の中の子供」 暗い話でした。リアリティのない暗い話でした。いきすぎた悲劇とは往々にしてリアリティが無くなるものです。 主人公は否定していますが、やはり死にたかったんだと思う。「死ぬ」ということが彼にとっては意味があったんじゃないかと思います。煩わしい世の中からの離脱。究極のデタッチメントと求めていたんではないでしょうか? しかし、所詮人は一人では生きてはいけません。この話の主人公は幼いころこそ恵まれていなかったけど、「今」は恵まれています。運もいい。ヤマネさんに頭をなでてもらった記憶。たった一つでも希望があれば、それは絶望に打ち勝つものだと僕は思います。 「蜘蛛の声」 これも暗い話です。 デタッチメントに囚われた人間を描き出しています。しかし、前述のように人は一人では生きていけないのです。世界に、人にコミットメントすることなしには「人間」は成り立たないと僕は思います。 最後にバッグの中にナイフがなかったのはやはりそういうことなのかなと思いました。  二つの話を通じてのこの本のテーマはデタッチメントとコミットメントの狭間で揺れ動く人間でしょうか?話が暗くて受け付けない人もいるかもしれませんが、最近の芥川賞の中ではかなりよくかけている作品であると思います。この人の長編も読んでみたいです。物凄く落ち込みそうですけど・・・。
土の中の子供 Amazon書評・レビュー: 土の中の子供より
4104588040