火の粉

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評判

火の粉の評価:

4.19/5点 レビュー 217件。 A ランク

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未読の方はご注意ください

全475件 341〜360 18/24ページ
No.135
(5pt)

一級のサスペンス小説

一言で感想を言えば、非常によく出来た面白い小説であった。

 物語り前半では、よくある嫁姑問題とか、介護、育児、妙に胡散臭い隣人と、少々スケールが小さいのではないか… 等と思いながら読み進めたのだが、所謂、日常的な、何処にでも在りそうな光景を設定する事がこの物語の大きな意味になっていると、読み終えて気づいた。

 ミステリーとしてのストーリーの組み立はよく出来いて、物語にどんどん引き込まれて行く。
 それでも私は、この物語が単なる犯人探しに終始する、謎解きだけに重点を置いた何のテーマも無い推理小説のような気がして、少々結末が不安であった。
 だが、物語の後半を超えた頃から、もはや頁をめくる手を休める事が出来無くなり、一気に読み終えた。

 テーマははっきりと存在した。

 この小説はミステリーとしても、サスペンスとしても非常に秀作だが、作者が表現したかったのは、(人を裁くとは、どういう事なのか?)、(裁判官に求められる資質とは?)それらを表現したかったのではないだろうか。

 普段から何かにつけ、ことなかれ主義(つまり最も、日本の役人に多くみられるタイプで、官僚主義とも)で、家長でありながら家庭内の事すら決断できない人間、それが判事である勲の人格像である。

 つまり、いくら難関と言われる司法試験を通り抜けた優秀な頭脳を持った判事とはいえ、勲のような、ことなかれ主義で決断力の無い人間に死刑事案に当たるような裁判で確固とした判決を決断する事が出来るのであろうか?

 これこそがこの小説のテーマであると思う。

 勲はそれが出来なかった。 彼は被告の無罪を決断したのでは無い、決断できないから、無罪にしたのであろう。

 勲は物語の終盤で自分は本当に正しかったのだろうかと、自分自身を振り返ることになるのである。
 そして、被告を無罪判決にしたことだけで無く、今まで、ことなかれ主義で生きてきた自身の決断力の無さを後悔し、反省したのであろう。

 そして、自分自身に火の粉が振りかぶり、家族の危険を目の前にした時、始めて勲は本気で決断するのである。

 家族を救うために…
 そして今まで、ことなかれ的に自身の保身だけを考えて生き、人を裁いてきた自分自身と決別するために。

 奇しくも現在、日本では裁判員制度が始まっている。
 私は興味本意から、機会があれば是非やってみたいと考えていた。 しかし、人を裁くというのは相当な決断力が要ることで、とても興味本意で出来る事ではないと、思い直すのであった。

 作中で「裁判官の資質は?」という、インタビューに対し、勲は「人が好きであること」と応えたというくだりがあるが、とても、そんな綺麗事では人を裁く事は出来ないと言うことであろう。

「火の粉」は一級のサスペンス小説ではあるが、ヒューマニズムと、我々日本人に誰にでもあてはまり得る要素と可能性を含めた極めて社会的な作品であると想う。

 評価は、そう…

 5点満点中、4.5点といったところであろうか。

 満点に至らなかったのは、武内の人格描写は非常にリアルで、此処まで極端では無いが、『こういう人格を持った人って、自分の周りにも居るよな…』と、ふと思ってしまうくらい説得力と恐怖を感じるのだが、池本夫妻の異常性と人格描写には少々無理が在りすぎるような気がして、今一つリアリティを感じる事が出来なかった事であろうか。


火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.134
(5pt)

一級のサスペンス小説

一言で感想を言えば、非常によく出来た面白い小説であった。

 物語り前半では、よくある嫁姑問題とか、介護、育児、妙に胡散臭い隣人と、少々スケールが小さいのではないか… 等と思いながら読み進めたのだが、所謂、日常的な、何処にでも在りそうな光景を設定する事がこの物語の大きな意味になっていると、読み終えて気づいた。

 ミステリーとしてのストーリーの組み立はよく出来いて、物語にどんどん引き込まれて行く。
 それでも私は、この物語が単なる犯人探しに終始する、謎解きだけに重点を置いた何のテーマも無い推理小説のような気がして、少々結末が不安であった。
 だが、物語の後半を超えた頃から、もはや頁をめくる手を休める事が出来無くなり、一気に読み終えた。

 テーマははっきりと存在した。

 この小説はミステリーとしても、サスペンスとしても非常に秀作だが、作者が表現したかったのは、(人を裁くとは、どういう事なのか?)、(裁判官に求められる資質とは?)それらを表現したかったのではないだろうか。

 普段から何かにつけ、ことなかれ主義(つまり最も、日本の役人に多くみられるタイプで、官僚主義とも)で、家長でありながら家庭内の事すら決断できない人間、それが判事である勲の人格像である。

 つまり、いくら難関と言われる司法試験を通り抜けた優秀な頭脳を持った判事とはいえ、勲のような、ことなかれ主義で決断力の無い人間に死刑事案に当たるような裁判で確固とした判決を決断する事が出来るのであろうか?

 これこそがこの小説のテーマであると思う。

 勲はそれが出来なかった。 彼は被告の無罪を決断したのでは無い、決断できないから、無罪にしたのであろう。

 勲は物語の終盤で自分は本当に正しかったのだろうかと、自分自身を振り返ることになるのである。
 そして、被告を無罪判決にしたことだけで無く、今まで、ことなかれ主義で生きてきた自身の決断力の無さを後悔し、反省したのであろう。

 そして、自分自身に火の粉が振りかぶり、家族の危険を目の前にした時、始めて勲は本気で決断するのである。

 家族を救うために…
 そして今まで、ことなかれ的に自身の保身だけを考えて生き、人を裁いてきた自分自身と決別するために。

 奇しくも現在、日本では裁判員制度が始まっている。
 私は興味本意から、機会があれば是非やってみたいと考えていた。 しかし、人を裁くというのは相当な決断力が要ることで、とても興味本意で出来る事ではないと、思い直すのであった。

 作中で「裁判官の資質は?」という、インタビューに対し、勲は「人が好きであること」と応えたというくだりがあるが、とても、そんな綺麗事では人を裁く事は出来ないと言うことであろう。

「火の粉」は一級のサスペンス小説ではあるが、ヒューマニズムと、我々日本人に誰にでもあてはまり得る要素と可能性を含めた極めて社会的な作品であると想う。

 評価は、そう…

 5点満点中、4.5点といったところであろうか。

 満点に至らなかったのは、武内の人格描写は非常にリアルで、此処まで極端では無いが、『こういう人格を持った人って、自分の周りにも居るよな…』と、ふと思ってしまうくらい説得力と恐怖を感じるのだが、池本夫妻の異常性と人格描写には少々無理が在りすぎるような気がして、今一つリアリティを感じる事が出来なかった事であろうか。
火の粉 (幻冬舎スタンダード) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎スタンダード)より
4344009096
No.133
(5pt)

一級のサスペンス小説

一言で感想を言えば、非常によく出来た面白い小説であった。

 物語り前半では、よくある嫁姑問題とか、介護、育児、妙に胡散臭い隣人と、少々スケールが小さいのではないか… 等と思いながら読み進めたのだが、所謂、日常的な、何処にでも在りそうな光景を設定する事がこの物語の大きな意味になっていると、読み終えて気づいた。

 ミステリーとしてのストーリーの組み立はよく出来いて、物語にどんどん引き込まれて行く。
 それでも私は、この物語が単なる犯人探しに終始する、謎解きだけに重点を置いた何のテーマも無い推理小説のような気がして、少々結末が不安であった。
 だが、物語の後半を超えた頃から、もはや頁をめくる手を休める事が出来無くなり、一気に読み終えた。

 テーマははっきりと存在した。

 この小説はミステリーとしても、サスペンスとしても非常に秀作だが、作者が表現したかったのは、(人を裁くとは、どういう事なのか?)、(裁判官に求められる資質とは?)それらを表現したかったのではないだろうか。

 普段から何かにつけ、ことなかれ主義(つまり最も、日本の役人に多くみられるタイプで、官僚主義とも)で、家長でありながら家庭内の事すら決断できない人間、それが判事である勲の人格像である。

 つまり、いくら難関と言われる司法試験を通り抜けた優秀な頭脳を持った判事とはいえ、勲のような、ことなかれ主義で決断力の無い人間に死刑事案に当たるような裁判で確固とした判決を決断する事が出来るのであろうか?

 これこそがこの小説のテーマであると思う。

 勲はそれが出来なかった。 彼は被告の無罪を決断したのでは無い、決断できないから、無罪にしたのであろう。

 勲は物語の終盤で自分は本当に正しかったのだろうかと、自分自身を振り返ることになるのである。
 そして、被告を無罪判決にしたことだけで無く、今まで、ことなかれ主義で生きてきた自身の決断力の無さを後悔し、反省したのであろう。

 そして、自分自身に火の粉が振りかぶり、家族の危険を目の前にした時、始めて勲は本気で決断するのである。

 家族を救うために…
 そして今まで、ことなかれ的に自身の保身だけを考えて生き、人を裁いてきた自分自身と決別するために。

 奇しくも現在、日本では裁判員制度が始まっている。
 私は興味本意から、機会があれば是非やってみたいと考えていた。 しかし、人を裁くというのは相当な決断力が要ることで、とても興味本意で出来る事ではないと、思い直すのであった。

 作中で「裁判官の資質は?」という、インタビューに対し、勲は「人が好きであること」と応えたというくだりがあるが、とても、そんな綺麗事では人を裁く事は出来ないと言うことであろう。

「火の粉」は一級のサスペンス小説ではあるが、ヒューマニズムと、我々日本人に誰にでもあてはまり得る要素と可能性を含めた極めて社会的な作品であると想う。

 評価は、そう…

 5点満点中、4.5点といったところであろうか。

 満点に至らなかったのは、武内の人格描写は非常にリアルで、此処まで極端では無いが、『こういう人格を持った人って、自分の周りにも居るよな…』と、ふと思ってしまうくらい説得力と恐怖を感じるのだが、池本夫妻の異常性と人格描写には少々無理が在りすぎるような気がして、今一つリアリティを感じる事が出来なかった事であろうか。
火の粉 Amazon書評・レビュー: 火の粉より
4344002938
No.132
(3pt)

秀逸!…中盤までは。

人物描写が非常によい。
裁判官を退官した後も「お公家根性」が抜けない梶間、
時に葛藤しながら育児に携わる雪見、
親のスネ齧りでありながらどこまでもお気楽極楽の俊朗、
夫を立て、小姑の嫌みにも耐えながら、
「魂をぶつけて」義母を介護する尋恵、
そして、かつて梶間コートの被告人であり、
数年後に彼らの隣人となった武内。

中盤までは一気に読ませる。
続きが気になり、頁を繰る手が止まらない。

…しかし、残念ながら、中盤までの勢いが後半は失速。
こちらの頁を繰る手も失速。

後半は、陳腐な映画のごとき展開になってしまったことが
残念でならない。 中盤までが大変面白いだけに。

梶間は自分の下した判決に
がんじがらめになっているとのことだが、
果たしてそこにリアリティはあるか。
在職中、死刑判決をおそれていたとされる
梶間の心情にも触れられているくだりもあるが、
しかしその部分での掘り下げは弱い。

疑わしきは被告人の利益に、の鉄則からすれば
背中の傷に関する検察側の立証が不十分である本件について
無罪判決に至ることは、ある意味やむを得ない
(しかし、果たして一家惨殺という重大事件で、
検察の立証がこの程度であろうかという疑問はある)。
梶間は、検察の立証が足りなかったが故に無罪判決を下したのであって、
武内が真実「無辜」であるとまでの確証を持つ必要はなく、
またそれは裁判官の役割でもない。
そうであるとすれば、無罪判決を下したからと言って、
現実に自分の家庭に異変が起こり始めたときに
判決を自らの「足かせ」にする理由はないのではないか。

梶間は、元裁判官という性質を際立たせるためか、
内心を殆ど開示しない人物に設定されており、
梶間の心理が見えにくい。

また、内容に踏み込むことになるので詳しくは書けないが
設定の季節(初夏?)からすれば、
遺体の腐敗が問題になるのではないか。
書かれているような方法だけで腐敗が防げるのかは
私にはよく分からず、疑問にも感じた。

…と、いろいろ注文をつけてみたが、
中盤までのストーリー展開と、
各人物の巧みな心理描写を楽しむだけでも
文庫本としては十分な価値があり、おつりがくる。

特に、介護に心血を注ぎ、姑や小姑の言動に
かき乱される尋恵や、
愛娘に対し大いに愛情を注ぎながらも、
3歳児特有の反抗に手を焼く雪見の心理描写は、
巧みの一言に尽きる。
個人的には、野見山や鳥越といった脇所の人物描写も楽しめた。

そういう意味では、後半の物足りなさにもかかわらず
「時間が勿体なかった」との読後感はない。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.131
(4pt)

サスペンスの傑作

退官した元裁判官宅の隣に、
かつて無罪判決を下した男が引っ越してくるという話。
それから起こる数々の不穏な事件。
隣人の魔の手から家庭を守れるのかというサスペンス。
梶間家の人々が追い詰められていく後半部分は、
迫力があって本当に怖かった。
心理的にじわじわとくる恐怖を感じました。
本のぶ厚さ分の読み応えは十分あったと思います。

火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.130
(4pt)

読み終えた後、毒が残ります。

理屈抜きで怖かった。
何が怖いって、自分なりの常識で向かってくる人程
怖いものはない。

本人はきっと、一生懸命に尽くし、一生懸命に相手が喜ぶと思って
本気で「善意」でやっていることが「過剰」だと気付かない。
受ける側に、少しずつ「負担」という重しを”これでもか”とのしかけてくる。
それを「こんなにやってるのに、何故わからないんだ」
「これだけのことをしてきたのに、裏切りだ」となって行く。

それが、隣人だったら…。
まさにタイトル通り「火の粉」です。
狙いをつけた一家に、静かに忍び寄る悪夢。
「親切で良い人」から「何だか、変な人」ということに気付き始めるあたりから
この本の醍醐味が増してくる。

不可解な出来事や、不可解な人物が登場してきて
読むスピードが早くなる。

この得体のしれない雰囲気に、自分も同化してしまって怖い。

実際、この本を読み終えた夜に、夢を観てしまいました。
まさに悪夢。
起きた時、ホントに「あ…夢か」と胸を撫で下ろしました。

それくらい、毒が心に残ります。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.129
(3pt)

火の粉

ある程度結末が読めるのだが、それでもハラハラドキドキ最後まで一気に読まずにはいられなかった。限りなくクロに近いグレーな無罪確定者が隣に引っ越してくるという設定がとにかく怖い。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.128
(2pt)

人の性格や行動の傾向は子供時代に作られる

 Amazon.comでの評価が高かったので、初めて雫井脩介氏の著作を読みました。
レビューの評価が高かったので、最期にどんなどんでん返しやトリックがある
のかと非常に楽しみにして、一気に読み切りましたが、エンディングがやっつけ
でどうも消化不良でした。
 他のレビュアーの方も指摘されているように、警察・検察の容疑者に対する
調査はそんなに甘いのかと思ってしまいました。事件はその場の条件・状況が
重要ですが、人が起こすのであれば、容疑者の生い立ちとか家族や少年時代の
交友関係なども洗うのが当然だと思います。それが、今回は素人がちょろっと
調べただけで、新事実が判明する。うーん、後味が悪かったです。
 介護の問題などは、非常にリアルでした。家族や親戚の人間関係は本当に難
しいなと思いました。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.127
(5pt)

鳥越の話がリアルすぎ

最初は、裁判官の勲同様、プレゼントしたネクタイを着けなかったという理由で一家惨殺するか??
と思っていました。
久しぶりに徹夜して読破してしまうほど、息をつかせぬ展開です。
怪しい奴は犯人じゃない。というミステリーの定石から、途中で竹内と池本のどちらが犯人なのか
さっぱり分からなくなりました。
その疑問は犯人の旧友・鳥越の話で晴れるのですが、その話がもう鳥肌が立つ内容。
毎年誕生日を祝ってくれるとか、関心を引くためにわざと転んで流血するとか、
程度の差こそあれ、そういう奴っているよなぁと納得させられます。
登場人物も個性豊か。2世帯家族の父と息子がだらしなく、母と嫁が聡明という設定が良く練られています。
武内の計算された謀略・・・良くもまぁこんなの考え付くよなぁという思いです。
雫井さんの小説は火の粉が初めてでしたが、これは凄くお勧めです。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.126
(4pt)

じりじりとした気持ち悪さと恐怖を感じる作品

 冤罪を生むことは避けなければならない。
 裁判官として確信を持って無罪判決をくだした男が、隣に越してくる。妙に優しく接する姿に、最初は微笑み、次第に疑念が沸いてくる。
「良い人すぎないか?」
 読み続けていくと、じりじりとした気持ち悪さと恐怖が体に入り込んでくる。
 気分が悪いのに読むのをやめることができない。
 得体のしれない生物が潜む泥水に足を突っ込んで歩き続けているよう苦しい時間が続いていき、ストンと大きな穴に落とされるかのように破裂の一瞬が訪れる。
 読後感は良くないが、良くできた一冊。
火の粉 Amazon書評・レビュー: 火の粉より
4344002938
No.125
(4pt)

じりじりとした気持ち悪さと恐怖を感じる作品

 冤罪を生むことは避けなければならない。
 裁判官として確信を持って無罪判決をくだした男が、隣に越してくる。妙に優しく接する姿に、最初は微笑み、次第に疑念が沸いてくる。
「良い人すぎないか?」
 読み続けていくと、じりじりとした気持ち悪さと恐怖が体に入り込んでくる。
 気分が悪いのに読むのをやめることができない。
 得体のしれない生物が潜む泥水に足を突っ込んで歩き続けているよう苦しい時間が続いていき、ストンと大きな穴に落とされるかのように破裂の一瞬が訪れる。
 読後感は良くないが、良くできた一冊。
火の粉 (幻冬舎スタンダード) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎スタンダード)より
4344009096
No.124
(5pt)

武内みたいな人は、いると思います。

たった一人の、過剰に親切だけれど何故か怪しげな隣人が、段々と隣の
家庭を崩壊に向かわせていくのが、妙に怖くてたまりませんでした。
どこの家庭にも、ちょっとした綻びがあったりするものだと思いますが
そこに、とにかく上手くすーっと入り込んで来てしまう武内。
こんなに怖い人がいたらたまらない・・・と思いつつ凄い勢いで読みま
したが、動機を知った時「こういう人は、いる!いるいる!」と納得して
更に恐ろしくなりました。
個人的には、「武内と付き合えるのは自分くらいだ。」と自負している
楽器屋の鳥越の回想シーンが怖いの何のって。何度も読んでしまいました。
テレビドラマ化された時に「あの鳥越さんが何故出て来ないの?」と
残念でたまりませんでした。
他の方も書いていらっしゃいますが、雫井さんは女性の心理がどうして
こんなに上手く書けるのだろう?と、驚きました。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.123
(5pt)

タイトルが響くんです。

火(面倒なこと)から逃げても、火の粉が降り掛かる。 凄く怖くて怖くて、夕方6時から夜中2時まで一気読みせずにはいられませんでした。こんなに火の粉が怖いなら、火から逃げずに立ち向かう人になろうと思う。何が怖いって、敵味方は変わらないのに、味方をちょっとしたことで疑い、自分の中で敵と確定してしまったこと。こんなことじゃ、冤罪はいくらでも起こり得る。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.122
(4pt)

読むなら休みの前日に

読んでると イライラムシャクシャしてどうにかスカッとさせてほしいから途中では止められません眠たくても絶対夢見悪くなりそうで途中で切り上げられませんあるかも…いるかも…(ここまで極端ではなくても)だからコワイ
火の粉 (幻冬舎スタンダード) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎スタンダード)より
4344009096
No.121
(4pt)

読むなら休みの前日に

読んでると イライラムシャクシャしてどうにかスカッとさせてほしいから途中では止められません眠たくても絶対夢見悪くなりそうで途中で切り上げられませんあるかも…いるかも…(ここまで極端ではなくても)だからコワイ
火の粉 Amazon書評・レビュー: 火の粉より
4344002938
No.120
(5pt)

私の隣人は大丈夫かしら・・・

友人の薦めで彼の作品をはじめて読みました。
殺人事件ものはちょっと〜・・・
なんて思いながら読み始めたら、一気に徹夜して読んでしまうハメになってしまいました。
まず、ストーリーになみがあるわけじゃなく、ジワジワっと押し寄せてくる恐怖感がすごくいい。先へ先へと読みたくなる。
そして登場人物がいいと思う。心理描写がうまいのか、キャラに好感をもてたりイラだったりして物語の中に入り込んでいきました。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.119
(5pt)

読み始めてすぐ

ああこれはテレビ朝日の土曜ワイド劇場で観た作品の原作だと判りました。主人公の雪見さんは原沙知絵さん、その義母は朝丘雪路さん、義父は愛川欣也さん、隣人の武内は村田雄吉さん、他に柳沢慎吾さんらが出演されてました。なので結末まで承知の上読んだのですが、それでも充分楽しめました。作者のほかの作品も読んでみようと思いました。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.118
(4pt)

あまりにも身近でリアル

登場人物が、裁判官を辞めて大学教授になっている一家の主とその妻、その息子は司法試験の浪人で、ある意味主人公はその浪人の嫁、その一人娘と、寝たきりの介護が必要な教授の母、その娘(教授の姉)…という感じの設定で、この一家がある人物のおかげでとんでもないことに巻き込まれ…という話なのだが、設定自体がどこにでもありそうな状態のため、ものすごくリアル。実際にそんな家庭があってそんな事が行われていても不思議ではない。
そもそも発端は、裁判官が一家惨殺の被疑者を「冤罪」だと判断し「無罪」にするシーンから始まる。その晴れて無罪になった元被疑者が偶然その裁判官(をやめて大学教授)の家の隣に引っ越してから、色々とおかしい事が起こり始める。
黒塗りの車が常に監視をしていたり、新聞社の名刺を持った男が聞き込みをしてきたり。当初は無罪だった犯人はやはり何かやっていたのか?と思ったり、一度このような形で世の中に出てしまった人は一生疑われるのです…という本人の悲しい告白があったり。
実際に教授の母親が亡くなったあたりから、変な雰囲気になり、しかしその元被疑者はどんどん過程の中に入ってきて、家族同様の付き合いになり…。
その元被疑者の高校時代からの友人の登場で一気に解決に向かうのだが、最後の最後には思わぬ人が思わぬことを…。
この元被疑者の性格が別に異常というのではなく、少し激しいだけでどこにでもいそうな感じという事で、もう話がリアルになっている。
相当分厚い本ですが、一気に読んでしまいます。それくらい読む人をひきつけれる作者の筆力に感服いたしました。ミステリーではまだ相当いい小説を書いてくれそうです。しばらく注目。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.117
(3pt)

緊迫した展開における人物描写が秀逸

 裁判官の心理、義母の介護をする女性の心理、そこに嫁いだ嫁の心理、事件の被害者の心理、それらを巧みに描写しながら緊迫する物語が展開していく。「信じること」の単純さと難しさを絶妙に表現している。はらはらしながら最後まで一気に読んでしまいます。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
434440551X
No.116
(1pt)

冗長気味

真保裕一氏の作品を読みつくしてしまい、
何か面白い小説はないかと探していたところ、
この作品、「火の粉」が他の人の評価が結構高く、
試しに購入し、読んでみました。
予想通りに進む展開に、登場人物のキャラが立ってなく、
同考えてもこんな言動、行動はあり得ないだろ、という
展開で進みます。
それにはっきり言って冗長気味。半分の量でまとめれる内容です。
イマイチ。
火の粉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 火の粉 (幻冬舎文庫)より
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