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花嫁人形
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花嫁人形の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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ハードカバーの初版を持っています。 コレクションなので、改めて読もうと思い購入しました。 孤児4部作の3番目の作品ですので最初の作品から読むと良いと思いますが、この作品を読むと作者のファンになると思います。 | ||||
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孤児の少女が逆境に揉まれながらも必死に成長し・・・というお話。 「雪の断章」「忘れな草」に続く薄幸の美少女(多分)が酷い扱いを受けながらも何とか自立し・・・という展開は前二作と変わりありませんが、今作では恋愛関係が割と前面にでている様に感じました。その相手が叔父という設定も乙女心を擽る様でやはり女性にしか書けないタイプのビルドウィングス・ロマンだと思いました。 ただ、前作前々作でも思いましたが、あまり教育を受けていないという主人公の設定の割りには独白の中で難しい表現や無学だと知らないと思われる言葉が使われる辺りは若干不可解に思ったのも真実です。この人の小説ではこういう事が多いのであまり気にしない様にしてはおりますが・・・。 それと、やはり少女と雪を描かせたらこの人の右に出る者はいないという事を改めて感じました。白く、汚れのない雪がこの著者の少女のメタファーみたいですが、丁度読んでいる時に雪が降り始めたので、何とも言えない読書体験になりました。 まぁ、40を超えたおやじが読むタイプの小説ではないですが、小学生くらいの時に「キャンディーキャンディー」なんかも好きでよくテレビで見た世代なのでお許しを・・・。 著者のストーリーテーリングの巧みさに唸るシリーズ第3作。機会があったらシリーズ順に是非。 | ||||
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「雪の断章」「忘れな草」に続く孤児シリーズ3作目。飛鳥、弥生と共に継承権を与えられた少女・昭菜と本岡家の人々の物語です。本岡家といえば「雪の断章」に登場した奈津子さんの家ですが、昭菜が暮らすのはその従姉妹たちの家庭、いわば敵の本拠地です。 創元推理文庫の一冊ではありますが、殺人事件も名前のトリックもなく、推理らしきものはありません。家同士の確執と姉妹たちの愛と悲恋のもつれが描かれるこれはほとんど昼ドラの世界。ミステリーとしては残念ですが、昭和の名家を舞台にした悲恋の人間関係ドラマと思えば勢いのある展開で面白い小説です。 佐々木作品は互いに世界観・人物を共有していますが、今作では孤児シリーズの他の重要人物もちらほら姿を見せ、意外な交流も見られました。特に昭菜の初めての友達はちょっとびっくりする人々です。 孤児の昭菜に負けずドラマチックな人生を送る少女たち。次から次へと事件が起こり、筋自体も良く出来ています。読者を選ぶという佐々木作品の中でも読みやすい一冊だと思われますので、入門としてもぜひどうぞ。 | ||||
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「雪の断章」「忘れな草」に続く孤児シリーズ3作目。飛鳥、弥生と共に継承権を与えられた少女・昭菜と本岡家の人々の物語です。本岡家といえば「雪の断章」に登場した奈津子さんの家ですが、昭菜が暮らすのはその従姉妹たちの家庭、いわば敵の本拠地です。 創元推理文庫の一冊ではありますが、殺人事件も名前のトリックもなく、推理らしきものはありません。家同士の確執と姉妹たちの愛と悲恋のもつれが描かれるこれはほとんど昼ドラの世界。ミステリーとしては残念ですが、昭和の名家を舞台にした悲恋の人間関係ドラマと思えば勢いのある展開で面白い小説です。 佐々木作品は互いに世界観・人物を共有していますが、今作では孤児シリーズの他の重要人物もちらほら姿を見せ、意外な交流も見られました。特に昭菜の初めての友達はちょっとびっくりする人々です。 孤児の昭菜に負けずドラマチックな人生を送る少女たち。次から次へと事件が起こり、筋自体も良く出来ています。読者を選ぶという佐々木作品の中でも読みやすい一冊だと思われますので、入門としてもぜひどうぞ。 | ||||
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ちょっとだけ読んでみるかという軽い気持ちで読み始めたら止まらなくなってしまいました。とても面白かった。 前作、『忘れな草』は正直なところ、いまいちぴんとこなかったんだけれど、これはぐっときました。主人公に感情を入れやすいからかな。シンデレラストーリーのようで入り込みやすいと思う。相手役のつよしさんは個人的にはあまり好みの男性像ではないけど、ヒロインの相手役としてはやはり彼がぴったりなのかなあ。『忘れな草』でもそうでしたが、恋愛においても経済的にも主導権を握っているのが男性なので(時代背景のせいだと思う)現代の感覚からすると「?」な部分も多い。女性の生き方が固定され過ぎているのも、基本的に経験豊富な男性が無垢な女性を導くという形をとっているのも、現代の目から見れば古くさくて鼻につく。それでも胸に訴えるものは十分にあると感じました。 またこういう窮屈な世界観(今からすればある種のファンタジー世界みたいなもの)だからこそできる切ない恋なのかも。決して自由ではなく、むしろ息苦しい世界で得た恋だからこそ、最近の軽々しいレンアイ物語にはない重さがあるのかもしれません。 ただ少々理屈っぽくてとっつきにくいのは否めないかな。そこがいいんですが。 ちょっとの差ですれ違ってしまう片思いの辛さ、非情さがよく出ていた。本当うまく作られている。ぜひ作者の他の作品も読んでみたいと思わせる出来です。 | ||||
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ヒロイン昭菜の置かれている状況がツラすぎて読み始めると止まらなくなり、とにかく昭菜に幸せになって欲しいと言う気持ちが、1ページ1ページ進むにつれ強くなります。四姉妹の前では冷たい態度の叔父(ですが!若いです)壮嗣が昭菜と2人きりの時はとても優しく接し愛情表現も多々出て来ます。キスと言う単語じゃなく「口づけ」とか「唇(くちびる)が重なる」と言う表現は古く感じられず今の時代だから反対に胸が痛くなる程どきどき感がありました。雪の使い方と舞台が北海道なので余計に切なさが出ていて素晴らしい。作者ならではで、オススメの一冊です。 | ||||
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あらすじを読んだだけではただの「継子いじめ」の物語と思われそうですが、決してそうではありません。 前作『忘れな草』から続く大企業の後継者争いとその片隅に咲いた恋が前面には出ているのですが、その陰では哀しくすれ違う親子の情愛も描かれています。 お互いに勇気を出してほんの一言でも言葉をかけていれば、この「親」と「子」の関係はこれほどにもつれることはなかったろうに…そう思うと切なすぎて涙が止まりませんでした。 20年前に初めて読んだ時は主人公の恋の行方がただ気がかりでした。 でも今改めて読んでみるとなぜか養父母の苦しみが胸に迫ります。自分も「親」になったという証拠でしょうか。 | ||||
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古い作品を読み始めた時には、その時代設定が一体いつなのかということをまず考える。それは社会制度や科学の発達具合によって、物語自体の位置付けが違ってくるからである。 この作品は昭和54年に上梓されたもので、物語の設定年代はおそらく戦後以降当時より少なくとも数年以上は以前である。でなければ、文庫裏表紙の作品紹介にある「読み書きさえとりあげられ、大人たちの打算にもてあそばれるみじめな孤児」の説明が現実味を帯びてこない。まずはそのように意識して読み進めなければ、この物語のヒロインが置かれた立場の悲惨さが、そもそも理解不能になってしまう。なぜなら現代社会の一般常識では「ありえない」からだ。設定上、無理があるというか、特に登場人物を巡る企業の在り方などは、誡明不足も否めないように思うが、飽くまでこれは無垢な少女の「愛の物語」であり、その点には目を瞑るべきか。 その出自の秘匿性の所以で大人たちの打算にもてあそばれるヒロインが、自らの意志で禁じられた愛を選択するまでの物語に、様々な人物模様の愛憎がアラベスクのように織り成される。著者の独特の詩的な言い回し・文章構成は、現代のエンタテイメント小説に慣れ親しんだ読者諸氏には、読み辛い向きもあるだろう。しかし物語とは別に、この日本語の美しい響きを是非堪能してもらいたいと思う。 | ||||
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「雪の断章」から続く『孤児シリーズ』(勝手に名付けた)の第三部。シリーズ前作までに名前だけ出ていた三人の少女の最後の一人の運命が語られる・・・。本書の主人公の孤児の少女は、前作までの二人よりさらにひどい境遇で暮らしている。学校に通わせてもらえず、10代半ばまで字もまともに読めずに育ったのだから。今まで以上に応援してあげたくなります。シリーズ前作まではわずかながらもミステリの味付けがしてあったのに、本書はほぼ恋愛小説。強いてあげれば少女とはいえ一人の女性、心が寒くなるような恐さ・女性の心の動きを見せ付けられるあたりは心理サスペンス風(かなり強引だけど)。佐々木作品には、ある作品ではチラッと名前だけしか出てなかった人物が、他の作品では重要人物、ということが多々あります。「花嫁人形」にもそういう人が出てきます。注意して読んでください。次作を読むまでに、ほんのちょっとした名前も忘れずに。 | ||||
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「雪の断章」から続く『孤児シリーズ』(勝手に名付けた)の第三部。シリーズ前作までに名前だけ出ていた三人の少女の最後の一人の運命が語られる・・・。 本書の主人公の孤児の少女は、前作までの二人よりさらにひどい境遇で暮らしている。学校に通わせてもらえず、10代半ばまで字もまともに読めずに育ったのだから。今まで以上に応援してあげたくなります。 シリーズ前作まではわずかながらもミステリの味付けがしてあったのに、本書はほぼ恋愛小説。強いてあげれば少女とはいえ一人の女性、心が寒くなるような恐さ・女性の心の動きを見せ付けられるあたりは心理サスペンス風(かなり強引だけど)。 佐々木作品には、ある作品ではチラッと名前だけしか出てなかった人物が、他の作品では重要人物、ということが多々あります。「花嫁人形」にもそういう人が出てきます。注意して読んでください。次作を読むまでに、ほんのちょっとした名前も忘れずに。 | ||||
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