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臨界: 潜入捜査5



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臨界: 潜入捜査5の評価: 3.79/5点 レビュー 14件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.79pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(4pt)

リアルな原発推進の利権構造に、元丸暴刑事の佐伯が挑む。

元マル暴刑事・佐伯涼の潜入捜査シリーズ第5弾で、原発の被害や利権の問題をテーマとした本が1994年に発行されている。福島のメルトダウン以前に書かれていて、先見性がある。今野敏は、1989年の第15回参議院議員通常選挙で、政党「原発いらない人びと」の候補者として立候補、落選。1986年にチェルノブイリ事故が起こって、脱原発の動きが加速した時だった。今野敏が、そのような政治活動をしたことさえ知らなかった。今野敏はいう「本当に、原発が安全だというのなら、東京湾に作ってみればいいのだ。電力会社にも、国にもどんな度胸はないだろう。そこに、原発の本質がある」。
 三重県の原子力発電所で事故が発生し、外国人不法就労者が死亡したという情報が届いた。佐伯涼は、厚生省の環境犯罪研究所に出向している。所長は内村尚之である。内村は「日本で現在稼働中の原発43基のうち20基が、事故を起こした原発と同じ加水型で、毎年のように蒸気発生器の細管損傷が見つかっている」「静岡県の浜岡原子力発電所でも、保守・点検を行う関連会社の作業員が、同じく、慢性骨髄性白血病で91年に死亡しました。この件が労災認定申請されています。これまで、兵庫県で2名、同様の労災認定申請が出されています」「炭坑では、落盤事故や塵肺。原子力発電所では、放射能障害。同じ歴史が繰り返されているのかもしれません。しかし、そうした非合法の手段を組み込まなければ機能しない」「核燃料による発電など、本来必要ないのです。原発を作ろうというのは純粋に政治的問題です。つまり、利権の構造でしかありません。政府が作るといったものは、国民を殺してでも、国土を破壊してでも作るものです」「政治家は、役人のいうことを鵜呑みにする。そして、商社、ゼネコン、地域政治家そろっての原子力発電推進の政策が出来上がる」という。
 原発推進派は、権力とお金を持っていて、暴力団に雇用者を斡旋させたり、反対運動に暴力的な行為をする。
 佐伯涼は、先祖伝来の武術を使い、暴力団を徹底的に叩きのめしていた。暴力団にも実質的に武術を学んだものがあり、佐伯と戦うシーンが繰り返される。反対運動の中にも、原子力発電推進派のスパイが紛れ込んでいる。実に、リアルな原発推進の利権構造を暴く。
臨界 潜入捜査 (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:臨界 潜入捜査 (実業之日本社文庫)より
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No.8:
(4pt)

面白かったです。

本シリーズで登場する最強の敵である中国武術家との格闘シーンで繰り返されるお決まりのしつこくマニアックな古武術技解説には辟易とさせられる一方で、時流に先駆けて著される著者の社会的問題意識の高さや先見性には唸らさせられる。
臨界 潜入捜査 <新装版> (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:臨界 潜入捜査 <新装版> (実業之日本社文庫)より
4408556920
No.7:
(5pt)

近隣住民の声を聴取したドキュメンタリー&第一級エンターテインメント

ドキュメンタリーに警察知識を組み込みエンターテインメント性を持たせた社会小説と言えます。

この後「隠蔽捜査」のヒットに繋がり原子力問題は福島で現実のものとなりました。

シリーズ初期の廃棄物処理にまつわる作品では,今では科学的根拠の希薄なマスコミ垂れ流し情報収集なので小説家の限界を感じていましたが,この作品の原子炉問題は真に迫っていると感じました。

そのはずだ。後書の書評によれば,今野氏自ら近隣住民の声を聴取したということでした。
臨界 潜入捜査 <新装版> (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:臨界 潜入捜査 <新装版> (実業之日本社文庫)より
4408556920
No.6:
(5pt)

面白かった

回を追うごとに格闘の相手が強くなってきましたね。
次はどんな相手と戦うのでしょうか。
臨界 潜入捜査 (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:臨界 潜入捜査 (実業之日本社文庫)より
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No.5:
(5pt)

面白かった

非現実的な内容を多少含むが、小説として面白く一気に読み終えた。
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4408550922
No.4:
(5pt)

K・Z

やはり今野敏はいい。いくら読んでもワクワクさせてくれる。期待はずれがない。
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No.3:
(4pt)

今野 敏

このシリーズは、社会で現が実に問題になる前に問題定義し話にしているのがすごい。出版してすぐ読むと世間の話題を一歩前にでた感じがあります。ただし、今野敏の多少偏った思想でですが。
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4408550922
No.2:
(4pt)

覇拳飛龍鬼

10年以上前の覇拳飛龍鬼という作品を改題したもの。
警察をテーマにした物語を主にする前の作品なので、
武術のことが書かれているため、今読むと非常に懐かしさを感じる。
作者本人が武道家なので、描写も細かく書かれています。
今の作者の作品しか知らない方は、イマイチかも。
昔から作品を読んでいた方は、懐かしさもあって面白いと思います。
シリーズを通して、テーマが環境犯罪という、今でこそ周知されるように
なったものを、10年前に取り上げている着眼点は凄いと思います。
しかも今回は原発問題…
臨界 潜入捜査 (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:臨界 潜入捜査 (実業之日本社文庫)より
4408550922
No.1:
(5pt)

原発の闇を暴く

元マル暴刑事であった佐伯が暴力団が絡んでいる環境犯罪を調査し対決するシリーズ5弾。
本シリーズで毎度リアルに描かれる対決シーンを味わうことは、格闘技(空手)を修行している私にとって無上の喜び一つである。
今回も格闘技経験のある組員や喧嘩馴れしている暴力団の若頭との対決、素手で相手を殺す中国拳法の達人と死闘を繰り広げる。

本シリーズは、格闘小説といった部分だけでも読み応えのある作品であるが、本作品の称賛すべき点は、原発の闇を著者の取材で見事に暴いている部分である。
しかも、2011年3月11日に不幸にして起きた福島原発の事故を端緒とした反原発運動の盛り上がりを受けて描かれた訳ではなく、1994年の作品と知って驚きを禁じ得なかった。

原発問題は、安全上の問題だけではなく、(小さな町での)推進派と反対派の対立やグレーな利権関係の存在など、実に複雑な問題を内包しているということが、今野氏の取材で明らかになっている。かなりすごい作品だと思う。

格闘技小説は読んでいる時は、興奮するが記憶に残るような作品は少ない。
しかしながら、本作品は忘れられないものになるに違いない。
元々、今野氏の作品は好きであるが益々好きになった。
脱原発運動も続いている中、先行き本作品が大ブレイクする予感を抱かずにはいられない。
臨界 潜入捜査 (実業之日本社文庫)Amazon書評・レビュー:臨界 潜入捜査 (実業之日本社文庫)より
4408550922

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