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ベルリン飛行指令
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ベルリン飛行指令の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 21~33 2/2ページ
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ゼロ戦でベルリンに行くように飛行指令がでて そのパイロットを選出していくところから話しが始まり 選ばれたパイロットを応援したくなるような話しです。 さらに本当にこの指令があったかもしれない話のようです。 日本人として誇りに思える戦中のストーリーです。 当時の情景の描写も戦争に関する専門用語も巧みに使われていてよく伝わってきます。 単純に日本からドイツまで現在では1発で飛んでいけますが、 当時の戦闘機では途中で何カ所も経由しながら補給しなくてはならず、 その道のりは長くて険しいところがこの本の内容に厚みを持たせています。 飛行機に興味がなくてもわくわく楽しく読めます。 その逆で飛行機が好きな人は楽しさ倍増請け合いです。 続編とされる「エトロフ発緊急電」も読みたくなりました。 | ||||
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太平洋戦争秘話3部作の第1作。 三国同盟を締結直後のドイツからゼロ戦2機の提供依頼を受けた日本は 飛行ルートの確保を図り、そして…。 架空の人物と実在した人物が織りなすストーリーは圧巻。 架空の人物が実在したのではないか、もしかしたら、 史実に残っていない事実があったのではないかと思わせられる。 どこまでが創作部分なのか分からなくなるほど。 3部作に共通する登場人物が、物語に厚みを持たせているので、 本作を面白いと思ったら続編の「エトロフ発緊急電」、 「ストックホルムの密使(上・下)」を続けて読んでください。 主人公は異なりますが、連なったストーリーです。 | ||||
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佐々木の作品では「エトロフ発緊急電」とともに大好きな一冊。そもそもドイツから潜水艦で当時の最新技術(戦闘機に取り付けたマウザー砲など)が次々と日本にもたらされたのに対して、日本からドイツにもたらされた技術があったろうか?そんなモヤモヤに応える空想小説である。零戦は分解して潜水艦で運べば済むわけで、わざわざリスクの高い空輸をする必要はないわけだが、そこは度外視して楽しめる。最近佐々木は警察小説に流れてしまって、こうした第2大戦中の冒険空想小説を執筆してくれないのが極めて残念でならない。警察小説の方が売れるのかな? | ||||
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日本とドイツが軍事同盟を結んだ頃,ゼロ戦が日本からドイツまで飛行できたことは 驚きだ.ゼロ戦に積まれたレシプロタイプのエンジンは,原理的に言って現代のエン ジンとあまり変わらないだろう. しかし,当時の技術でそれだけの距離を飛ばすには,パイロットの知識も必要だ.内 燃機関や空気力学などの知識だ. 戦争末期,日本やドイツが若い兵士を特攻させていたとき,航空隊の教官として安藤 大尉が言う.「私が教えるのは空を飛び,帰ってくる技術や知識だ.特攻をするため じゃない」 あの狂った時代に,自分の信念を曲げずに生きるというのは大変なことだったろう. | ||||
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作者には大変失礼ながら、飛行機での移動間の暇つぶしに何かないかな〜と空港の書店を探していて「まあこれでいいか・・・」程度の認識で買ったこの本。読み始めから一気にはまりました。あらすじは他の人のレビュー等にありますので省きますが、「それで次はどうなるの・・」と久しぶりに先へ先へと読み進みたくなる作品でした。この作者の他の作品も読んでみようと思います | ||||
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文句なく面白い娯楽小説。舞台は1940年、第二次大戦が世界に拡散しようとする時代の緊張感を背景に、三国同盟成立前後の短い時間軸の中で緊迫したドラマが展開される。 題材となったゼロ戦のベルリン空輸が史実かどうかはともかく、筆者が取り上げた各地の情勢はそれぞれ迫真であり、ストーリーに厚みを持たせている。描き出される人物はそれぞれ実在人物を味付けしたもののようだが、日本海軍の軍人も、インド独立の志士も、野心溢れるイラクの将軍も、そしてヒトラーの部下ですら、それぞれが真剣な眼差しで何かを成し遂げようとしており、第二次大戦という壮大なる愚行を背景に、清冽な人物像が見事に浮かび上がっていると思う。 ゼロ戦は驚異的な航続力と戦闘能力で一時アジア・太平洋を席巻したが、防御に弱く、結局は多くのパイロットの命を犠牲にした。この小説は単なるゼロ戦礼賛に陥ることなく、最後にドイツ軍のレポートという形でゼロ戦の弱点もビシッと指摘しているところも好感。 自分にとって佐々木譲は初めて。20年も前にこれほどの本を書いた人がいまさら直木賞か、という疑問は残る。ただ文学界の慣行はさておき、ストーリーの面白さと筆力の高さを素直に称賛したい。 | ||||
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緻密に積み積み上げられたディティールの数々が、荒唐無稽な話に十二分の説得力を与えている。実際に零戦が飛行を始めるのは最後の三分の一ほどにすぎない。そこまでの三分の二は、いったいなぜ零戦がベルリンまで飛ぶことになるのか、登場人物たちがどんな思惑でそれを考え、関わり、行動したかを描くことに費やされている。その構造体の完成度にこそこの作品の重みがあるのであり、その意味でいわゆる架空戦記物とは完全に一線を画す(当たり前だが)。 特にパイロットと妹、そして妹の恋人となる海軍省の役人の三人の人物造形が見事で、彼らがこの後、本作と共に“第二次大戦三部作”と呼ばれる『エトロフ発緊急電』『ストックホルムからの密使』でも活躍するのが納得できる。これらの続編がいずれも何らかの授賞をしているのに比べ、無冠の本作は佐々木譲作品の中でもどちらかというと顧みられることが少ないように思うが、今回の佐々木さんの直木賞授賞を機に再評価されればうれしい。特に飛行機好きなら! | ||||
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じつは、相棒(女性)からポン、と渡された。面白いってよ、と。それほどの期待はせずに読み始め、最後には喝采した。魅力は、安藤と乾、あるいはジム、グラーフといった「空」に魅せられた男たちの描写だ。蛇足ながら評者も二、三度セスナ機、あるいはそれよりやや大型の双発プロペラ機の操縦桿を握ったことがあるが、大空を飛ぶということは、或る意味「究極の自由」を感じる体験だ。主人公の「安藤」。ニヒルなダンディズムただよう「安藤」には横浜が似合い、上海が似合う。ハードボイルド小説、あるいは冒険小説といっても、フォーサイスやラドラムなどとは全く趣が異なる。和風の味付けというべきか、どこかに細やかな情緒がただよう。そこをどう思うかは読者次第だ。ただ、僚友「乾」がイラクを越えたあたりで戦闘に巻き込まれ、失踪したあたりから最後にかけて、ややボリューム感の不足を否めない。「分量規制」でもあったのか。やや、竜頭蛇尾。それにしても楽しめる本。旅行や通勤の友、としては満点である。 | ||||
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日本が迷走し始めた第二次世界大戦初期、1939年、日独伊三国軍事同盟締結。少し前、イギリス侵攻時に航空兵力の違いを見せ付けられたドイツ軍は、日本の最新鋭機「タイプ・ゼロ」の噂を耳にする。ライセンス生産を検討するため、三国軍事同盟調印時、秘密裏に日本から二機の新鋭機を輸送することとなるが、その方法は日本からベルリンまで「空輸」による方法だった。 佐々木譲の第二次世界大戦三部作の最初の作品(以前、「太平洋戦争三部作」って書いたけど、年代的に第二次世界大戦三部作だね)。「ストックホルムの密使」より、娯楽性は劣るが、冒険・浪漫小説としては上を行く作品になっている。また、前述の作品にも登場するキャラクターたちの若かりし頃の様子も描かれており、年代記として作品を楽しむこともできる。3作あわせて、第二次世界大戦オペラといってもよいかもしれない(とはいってもまだ2作目の「エトロフ発緊急電」読んでないけども)。この3部作をうまいこと映像化すれば、スター・ウォーズもこえられるんじゃないか。 当時の世界情勢や零戦のスペック、開発秘話などが小説を盛りたて、まるでほんとにこの事実があったかとも錯覚するような描き方が読む意欲をそそる。しかし、戦争ってほんと、勢いとか流れみたいなところがあって、その被害をこうむるのは民間人という感じだよなぁ。でもその勢い、流れに飲み込まれると、感覚が麻痺してしまうんだから怖い。やっぱり歴史って、繰り返さないためにも「知っておく」のが重要だなぁ。 | ||||
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近所の書店で「ローレライ、イージスにはまった人は次はこれを読みましょう!」と書いてあった。その二作品にはまりまくった僕はおもしろいかなあ?と思いながらも買ってみた。そして、またはまった。思っていたより約3倍は面白かった。第二次大戦中、零戦がベルリンに飛んだことがある?という疑問からスタートし、その過程が細かく描写されている。その作戦に奔放する男たちがとにかく熱い。キャラのよさは福井晴敏なみ。先にあげた二作品がベストセラーになる今、この作品はもう一度読み返されるべき名作だと思う。 | ||||
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ハード・ボイルド系小説家の全員が目指す目標はフレデリック・フォーサイスのいまや古典となった作品群を越えることです、本書の著者も作家としての出発点は同じでしょう、もちろんいまだ遥かにおよばないわけですが、しかし、初期の佐々木譲作品は娯楽小説としてはとにかく面白い、面白いにもかかわらず肝心なところでフォーサイスの並の作品にもおよばない最大の原因は著者には「大義」が分からないからです、著者に限らず著者を含む団塊の世代のほとんどに共通する価値観のなかでは「大義が理解できない」のだとおもいます、フォーサイスの殆どの作品は大義に命を捧げた男達への挽歌です、良し悪しや善悪を超えて(なぜならそこには常に政治的判断、つまりイデオロギーが介入しやすいから)大義そのものに生きた主人公達の哀しみを骨太の物語として組み立てられたことがフォーサイスを超一流の大御所と呼ばせる所以でしょう、フォーサイス作品の主人公は戦略戦術で悩みこそすれ情緒的な女々しさのようなものは一切もちあわせていない、したがってフォーサイス作品の基幹にある大義に生きる姿勢は決して揺らぐことはないからです、大義とは正確ではないが、人は戦うべき時には遠慮せずに戦うこと、といえるでしょう、評者には著者は戦後民主義教育の最初の落とし子たちである団塊の世代に多い空想的かつ情緒的平和主義者や空想的平等主義者のひとりに見えてしまう、対して佐々木譲作品の主人公の女々しさはどうであろう、大東亜戦争前後の物語の中で彼らはじつに饒舌に戦後の左翼民主主義教育とまったく同じ歴史観を繰り返し披瀝する、一部に至っては戦後に左翼がまくしたて現在ではまったく一般に通用しなくなっている話題まで帝国軍人が長々と語ったりしている、現在となってはなおのこと物語の面白さをそいでしまっていることを作者は反省すべきであろう、なお、本書の文体は初期作品ならではの堅いもので、その後の流暢な語り口とは別な作家のようである、 | ||||
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「エトロフ発緊急電」、「ストックホルムの密使」と続いていく三部作の第一弾です。共通点が多いですが、順番どおりに読まなくてもそれぞれ独立して読むことができます。 第一弾という事もあってか、後の2作と比べると若干構成に未熟さが感じられるように思います。私はこの作品を三部作の中では最後に読んだのですが、人物描写が他の二作と比べると劣っているように感じます。佐々木譲の三部作においては、歴史上の有名人物は小説の中で重要な役割を果たしません。誰の記憶にも残らないような無名の人々が中心とになり、話を進めていくのです。だからこそ読者としては、そのような無名の人々=主人公に引き込まれていくものだし、それだけに上手く描いて欲しいというものではないでしょうか。! 細かい事を書いてしまいましたが、内容は面白いです。読む価値は十分あります。 | ||||
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「エトロフ発緊急電」「ストックホルムの密使」と本作の、太平洋戦争三部作の第一弾。登場人物が重なっていて、3冊読むとさらに面白い。(勿論一冊ずつ読んでもおもしろい)作者が偶然見た零戦の写真は、大戦前夜のベルリンで撮られたものだった。一体誰が、いつ、何のために、どうやって遙か彼方の日本から運んだのか?海運か、あるいは英ソ勢力圏内のユーラシア大陸を・・・ こうして本編が始まるのだが、もう何処までが史実で、どこからがフィクションだか全然わかりません。もう物語の中にぐいぐい引き込まれていきます。「エトロフ発緊急電」「ストックホルムの密使」も是非おすすめです。 | ||||
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