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娼年



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【この小説が収録されている参考書籍】
娼年
娼年 (集英社文庫)

娼年の評価: 3.76/5点 レビュー 152件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.76pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全98件 81~98 5/5ページ
No.18:
(4pt)

水のように透き通って美しい

タイトルやあらすじを読んだ時のような過激な感じはなく、水のようにさらさらと、止まれずに一気読みしました。性愛の描写が多いにも関わらず、男性作家が書いたとは思えないほど、上品で透明感にあふれている作品です。主人公の大学生リョウは、男娼となり、色々な女性の欲望に向かい合っていくのですが、リョウが映し出すそれぞれの女性の姿はリアルで美しく、共感を覚えました。リョウ自身も、経験を重ねて上を目指すサクセスを求めているよりは、ただ欲望の果てを見てみたいという、思春期特有の自分探しの旅のようで、痛々しく応援したくなってしまいます。この疾走感に、どんなラストを持ってこれるのだろうと思っていたら、個人的には、どうかな?という終わり方でした。でも、どんな終わり方でもピンと来ないかも。季節がいつの間にか移り変わっているように、物語も、青春もいつしか別の時代に入っているものだから。
娼年Amazon書評・レビュー:娼年より
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No.17:
(4pt)

綺麗な表現

セックスのシーンが多いこの本の中でいやらしい表現が無かった。どのシーンも綺麗に表現している。出てくる女性も品のある人ばかりで石田衣良が作る品のある世界が広がっていた。どのシーンも難しくもややこしくもなく淡々と早いスピードで読むことができた。
娼年 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:娼年 (集英社文庫)より
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No.16:
(5pt)

男性作家にして女性作家のような繊細さを持ち合わせている…。

タイトルは私が感じた石田衣良さんの印象です。私が初めて読んだ石田衣良さんの本がこれでした。全体を通して主人公の仕事が「娼夫」なだけにそういう(笑)シーンがたくさん出てくるのですが、無駄にエロすぎなくてするっと読めます。淡々と書かれている様でいて溢れている主人公達の感情がとても人間味に溢れていて話にすぐ飲み込まれてしまいました。出てくる女の人達一人一人も上手く書かれていると思います。私はお勧めします。是非一読あれ。
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No.15:
(5pt)

不思議な物語

不思議な物語でした。良い題名ですが、題名や「ぼくを買ってください」という煽り文句がけっこう煽情的なのに比べ、中身は淡々として透明感のある、静かな物語でした。主人公のちょっと不思議な性格に感情移入できるかどうかで、この本の評価はかなり変わってくるんじゃないかと思います。私はなぜかとても主人公に同感できたので、登場するさまざまな女性達が皆かわいらしく、愛らしい存在に思えました。性描写も多いのですが、生々しさはありません。。主人公が仕事を通して、女性達が彼とのセックスに望むもの(単なる快楽にとどまらない、彼女達の生活や人生にとって大切な何か)を、驚きや感動と共にゆっくり知ってゆく様は、初夏の植物の成長のようでした。
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No.14:
(4pt)

淡々

 作品のテーマ上必然的にベッドシーンが半分以上を占めているが、その描写は爽やかというか淡々としている。そのせいかアブノーマルなセックスも多いのにいやらしい気持ちや嫌悪感は全然起きなかった。それにしても主人公は物事に執着しなさすぎ。欲を言えばストーリーにもっと起伏がほしかった。
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No.13:
(5pt)

一番のエンターティメント

すごく面白いエンターティメント小説に出会ったな、と思った。もう、面白くって、一気読みしてしまった。寝食を忘れるって、このこと。いやらしい表現も、全然鼻につかなかったし。石田衣良くらいかな、いやらしいこと書いても、上品でいられるエンターティメント作家は。この上品さ、なくして欲しくない。
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No.12:
(4pt)

キッチンに似ていますね

吉本ばななの「キッチン」に似ていると思いました。石田衣良もばななも同世代、そのせいかもしれませんね。「キッチン」は料理アシスタントの女性、「娼年」は高級コールボーイ。職業は随分違うけれど物語の構成がそっくりなのです。・生い立ちがどことなく普通ではない。・主人公は現実にはあり得ないような不思議な家族に可愛がられる。・性的にアブノーマルな世界の中で、主人公は健全な感覚を持っている。・おせっかいな女の子が出現してすべてをぶちこわしてしまう。・それにもかかわらず、主人公とその友人は明るい未来を予感する。・メルヘンチックなエンディング。物語の2/3はセックスシーンなのですが、抵抗なく読み終えてしまいました。読後はあくまで爽やかで、妖しい気分になることもない。そんな本でした。
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No.11:
(4pt)

底なしの欲望を満たしつつ消耗しないぼくってすごい

 男の性欲の捌け口として自分の身体を売る女は娼婦。女の性欲の捌け口として自分の身体を売る男は娼夫。大学生リョウにとって何もかもが、もちろん女性も退屈だった。バーテンのアルバイトをしながら日々を送っていたが、ある日ホストの友人がバーに連れてきた女、御堂静香に誘われ娼夫になる決意をする。退屈を抜け出し、情熱を探してみるために。客の女たちと「仕事」を通して、リョウは欲望の不思議さ、奥深さに魅せられてしまう。客の女はみな年上でなかには自分の祖母くらいの年齢までいるが、リョウはいつも彼女達のなかに可憐さを見出し、心からいとしいと感じていく。しかし仕事の面白さにはまりかけたとき、大きな落とし穴が待っていた・・・。 小説のテーマといい、次々に登場する変態中年女といい、三文エロ小説になってもおかしくないのに、まったくいやらしさや生臭さを感じさせない。それどころか清涼感や静謐な感じさえ漂わせている。さすが石田衣良!初期の頃の村上春樹みたい、と思わせる雰囲気もあったりして読んでいて嬉しかった。
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No.10:
(5pt)

欲望とは何か

とりあえずタイトルが秀逸ですね。字と響きだけでだいたいの設定を想像することができます。作中では徹底して「娼夫」と表現されていますが、「ホスト」でも「男娼」でもなく「娼年」。主人公の危うさが感じられる。セックスに関心のない大学生がふとしたことから娼夫となり、様々な欲望のかたち、快楽の追求といったことを体験していきます。それはセックスであったり、それとは違うかたちであったり。自分の欲求が普通だと思っている人もいるし、異常だと自覚している人もいる。気負うことなく彼女たち(大抵はかなり年上)を受け入れていく主人公が不思議です。快楽ではなく娼夫という仕事にはまっていく彼の先に待ちうけるものは何でしょう。人に安らぎを与えることのできる仕事はそれでも非難されるべきなのか。文章に透明感がありドライなせいか、セックスの描写は艶はあるのに生々しさとは無縁で、そこが特に好き嫌いがわかれるかもしれません。ただ、この作品の根底に流れるテーマはそれとは別のところに位置していると思いました。読んでいてやさしい気持ちになることのできる作品でした。
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No.9:
(5pt)

よかった!

石田衣良作品のすばらしいところは、著者の実年齢をまったく感じさせないところだ。自分は著者のプロフィールを見るまでてっきり同年代(20代前半)の男性だと思っていた。つまり、それだけ現代の若者の生態や心情をリアルに描いているということである。主人公の少年(青年)は年の割にはやや大人っぽいのだが、それでも共感するくだりがたくさんあった。10代の人間が読んでもさほど違和感は覚えないだろう。(しかし、池袋ウエストゲートパークのような「軽快さ」を期待すると裏切られたような気分になるかもしれない。)余談になるが、石田衣良はセックス描写も非常に上手い。不覚にも何度か興奮してしまった。これは意外な発見である。
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No.8:
(5pt)

僕を愛してください

人間のありのままの姿をありのままに描いている作品。普通という基準は全て知らない間に身に付けてしまった偽りのものである。この本の中にはいろいろな欲望の形が表れている。それはその人にとってはまぎれもない本当の欲望なのである。それを少しでも実現させてやりたいと行動する主人公の心はピュアそのものだ。娼年というが彼が提供するものは体だけでなく、心そのもの。彼を買った数々の女性が彼に自分のありのままの姿を見せる、それは彼を心から愛しているからできること、まさに彼こそ娼年になるために生まれてきた、といっても過言ではない。この本を読むことによって自分の欲望を下手にそぎ落としてしまうことのおろかさを学ぶことができる。
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No.7:
(4pt)

イシイイラ先生の初体験をしました

 これが男娼をしている僕の内面だとしたら、すこしざんねんです。あのときYOSHIさんと先生が繁華街でつぶさに僕を求めて、「キミをショウネンにするよ。」と言って過した4日間がこんなにも典型的に描かれていました。
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No.6:
(4pt)

一人の「少年」に戻るために・・・

 脇目も振らずして一気に読み終えてしまった。それは、ここに描かれた世界が自分の中にも存在していたからかもしれない。人の欲望の形には様々な色がある。私も自分がそんな欲望をもっていいようとは夢にも思わなかった。 私とこの物語の主人公が決定的に違うのは、私は金を目的とし、彼は欲そのものと向き合うことを目的としたことだろう。もとはといえば自分にとっての幸せのためだった。そのころ自分にとって金と幸せは等しいものだと思っていた。だけど、金というものは欲望を形にしただけのもので、何一つ幸せを運んではくれなかった。たくさん物は手に入ったけれど、私の心はますます荒んでいった。床に散らばるは、意味のない紙束とブランドの品々ばかり・・・それらは何のやすらぎも与えてはくれなかった。私には彼ほどの器がなかったともいえるのだろう。 その手の世界を知る人も知らない人も、どちらにとっても何らかの刺激がある作品ではなかろうか。私のような者にとっても非常に読みやすい作品だった。描写も鮮やかで読んでいて飽きがこなかった。 私は一人の「少年」に戻って今一度自分を見つめ返すことができたように思う。しかしここまでうまくコトが収まればいいのだが、現実はこれに更に幾重もの欲が絡みつく。最後、あまりにもキレイにまとまってしまったので逆に現実味を失ってしまった。私が恐れているだけなのだろうか・・・。 とても生きづらい生き方ではないかと思う。けれど、きっと私たちにはこの道しか残されていなかったのだろう。今はそう思いたい。
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No.5:
(4pt)

透明感。

20歳の男娼の話。といっても、主人公は「いかにも」なホストのようなタイプじゃなく、まさに娼年という言葉がピッタリくるような、普通の感じの子。その設定が良かったんだと思う。ドロドロした人間の偏った性欲・性戯をストレートに書いているというのに、とても透明感があって優しい気持ちになれる。内容は全く違うのだけど、「白い薔薇の淵まで」となんだか似ている気がしたのはなぜだろう。
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No.4:
(4pt)

正しいこと、間違っていること

ä½"ã‚'売るã"と、売春、それはもちろã‚"社会的にé-"違っているã-、個人的にはã-たくもない。ただ、自分の中の正義ã‚'誰かに押ã-付ã'るのは「正ã-いã"と」なのか…ã"の作å"ã®ã‚¹ãƒˆãƒ¼ãƒªãƒ¼ã®ä¸»è¦ç‚¹ã¯ã€ã‚‚ちろã‚"ç"·å¨¼ã«ãªã£ãŸãƒªãƒ§ã‚¦ã®æ§˜ã€...な女性との出会い、精神的な変åŒ-(é-‹æ"¾â€¦ã‹ãªï¼Ÿï¼‰ãªã®ã ã'ど、個人的に一番考えさせられたのはタイトルに書いたとおり、何が「正ã-い」、あるいは「é-"違っている」のかというã"とでã-た。リョウのã"とが好きで、リョウにç"·å¨¼ã‚'やめさせたい女の子がいる。そのæ°-持ちはå½"然のã"とで、é-"違ってはいないはずなのに、彼女の発言が時ã€...狂信的に感じられてã-まう。自分が正ã-いと確信ã-ている彼女の一言一言が(確かに社会的には絶対正ã-いはずなのに)ひどく傲æ...¢ã«æ€ãˆã¦ã!-まう。ã"の作å"ã¯èª­ã‚€äººã«ã‚ˆã£ã¦æ„Ÿæƒ...ç§»å...¥ã§ãã‚‹äººãŒé•うと思うので、読む人それぞれが色ã‚"なã"とã‚'考えると思います。また読むã"とにもかわっていくかもã-れませã‚"。一見の価値アリ、です。
娼年Amazon書評・レビュー:娼年より
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No.3:
(4pt)

気持ちイイの好きですか?

世には多種多様な快感があるのだろうと思う。 「気持ちイイこと」の「気持ちよさ」の理由というものは、突き詰めれば突き詰めほどこれはもう説明するのは困難である。だから、興味深い。なぜ、誰かにはこの上なく気持ち良いことが、誰かには不気味の極地だったりもするのか。リョウという主人公は、sexというものに、そう興味もないのにテストを受けさせられ、コールボーイになる。そこで出会う者たちは、痛くして欲しい人、排尿を見て欲しい人と、多様な性癖を持つ。なってみると、リョウは意外にもこの仕事にはまっていく。性に溺れるとかではなく、「気持ちイイこと」に対する人間の不可思議さに関心を覚えたからだろう。そこが私も面白いと思った部分だ。気持ち良さには絶対的な目盛りがありはしない。気持ち良いことを我慢することが気持ち良いのであって、気持ち良いことを大っぴらにすると快感指数が目減りしてしまったりもするという場合もあるらしいし。 どうも、聞くところに寄れば、気持ちイイ=しあわせ とスンナリつながっていない人が多いようだ。 快楽に近寄るのをどこか怖がっているようなリョウは、つまるところ「幸せ」が怖いということかもしれない。 読み手も、つい(人間の快楽って?)という興味を知らず知らずに追究してしまう。 数々の性描写があるし、多少息を飲む部分もあるのだが、残念ながら、想像は出来ても私には到底「気持ちイイ」と思えない感が否めなかった。「愛」がどこにあるのかが、納得いかないから。 性愛は「孤独からのしばしの脱出」であるのか? 物語は明るい予兆を残して閉じるが。
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No.2:
(4pt)

まぁ、それも青春

まずは、この作品が第126回直木賞候補作であった事に注目したい。『娼年』は一気に読み上げる事にその醍醐味があると思う(例えば、映画やテレビを見るような感覚で)。実際に短時間というプロセスを踏まえた事によってその先にみえてくるのは、青春の青春による青春のための「刹那の感動」なのだろう。モーツァルトの音楽が間接的に終盤で登場したのは印象的だ。それは若さの「疾走するかなしみ」なのだろうか。或いは私の感想はずれているのかもしれないが、しかしそう思う人がいても良い。他人の意見や思想を頭ごなしに否定する事は、作中の彼と彼女達を否定する事であり、この世の中の多様性を否定する事になる。自己のポテンシャルの程度を相対的に試された気がしなくもないが、読み終わった時に不思議と爽やかなのは何故なのか。
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No.1:
(5pt)

同世代

私と、この小説の主人公リョウは同年代だ。 だから、なのか? この少年には何故か共感してしまう部分がたくさんある。 もちろん私は娼婦なんて仕事はしていないし、リョウのような官能的な夜を過ごした事もないのだが・・・ リョウははっきり言って毎日をつまらなく過ごしていた。 女性・大学・友人・家族・世の中。 その全てがつまらない。そんなリョウがある女性と出会い、そして男娼になる。 様々な性癖の女性達、ホスト仲間、そしてリョウをこの世界に導いた、女。 様々な人間とのセックスを通してリョウは何を得るのか? それは是非読んで感じ取っていただきたい。 セロティックであるが、官能小説のようないやらしさはない。 そして、不思議な物悲しさを私に与えてくれた。この小説はミステリ好きの私にとっても満足の一冊になった。
娼年Amazon書評・レビュー:娼年より
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