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娼年
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娼年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全98件 41~60 3/5ページ
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なんだか不思議な物語でした。淡々と物語が進んでいくのに読み終わるとそのリズムなんて最初から無かったように思えてしまう。一見風変わりな「娼夫」という仕事につく主人公。なんの変哲もないように見える主人公の魅力は読み進めるうちに自然となんとなーくですが分かって来ます。 | ||||
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話としては、若い男性を娼婦(夫)として、女性に提供する会員制ボーズクラブと、そこでの一人の青年のいろんな意味での成長、と言うことだから、何やら際どい風俗小説のような印象がなくもない。しかし、そんな表面的な印象は、全然違うことに気がつくだろう。 これまでもっぱら受け身であった女性の性を、主体者として描いている。 そして、青年の成長には、実は(当然ながら)性や異性を見る目、見られるモノとしてのファクターが非常に多いのに、これまではその部分はほとんど取り上げられず、あるいは実態とは随分異なる表面的な取り上げ方でしかなかった。そして、もっぱら(体の欲望を切り離した格好での)精神的な成長に重きが置かれてきた気がする。 その点では、本作品の取り上げ方は、(一見世間の人が勝手に誤解している)若者の性の乱れ、と言う形でもなく、金銭欲と性欲を合わせただけの風俗モノでも、また、著しく女性を蔑むような取り上げ方でもない。 若者の、女性、それぞれをとってもナイーブに、繊細な、個性としての生き物として丁寧に扱っている様子は好感が持てる。 ドラマ性もあり、恋あり、なかなかすてきな性描写もあり、飽きさせない小説です。 軽く読めそうで、けっこう若者観を変えさせる鋭い社会小説とも思えます。 | ||||
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タイトルからおおよそ分かるように、 20歳の恋愛にもセックスにも憂いている大学生がコールボーイとして仕事をはじめる物語。 男娼を主人公に据えながら、 女性のいろいろな性癖を描いているのがおもしろい。 主人公は男娼の仕事にプライドを持つようになりのめりこんでいく姿もスタイリッシュに 描かれているが、 印象に残るのは、神経の回路が配線が間違っているアズマ。 おもに二人の男娼しか描かれていないが、他にもいろいろなタイプの男娼を見たかったなと思う。 | ||||
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性愛の世界を描こうとすると、中身がだらしなくなりがちだが、 これは都会のファンタジーのようなきれいな小説である。 文章もとても上品で気がきいている。 主人公が高学歴で女の子にモテる少年なのでちょっと妬けるが、 本人は性にはさほど興味は持っていない。 その少年が中年の謎めいた美女に導かれてさまざまな女性を遍歴する。 その点は意外に古典的なストーリーであるが、少年とともに 読者も人間の性の意外性を体験してゆく。その面白さは小説ならではだと思う。 最後の状況展開もうまい。 NHKの文芸番組で作者を招いてインタビューしたときに、 女性アナウンサーがうれしそうにこの本を取り上げるのを見て、 NHKの女性アナウンサーもセックスには興味津々なのだなと思った。 女性が喜ぶようなセックスの描き方ができるということは、お得なことだ。 | ||||
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男性目線と感覚が生々しく描画されているところが人間臭さが読めた 感じです。 女性が書く綺麗な部分とは違った感覚が好きです。 | ||||
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石田氏の作品は初めて読んだ。 実は若者から支持をされている売れっ子作家ということもあって「渋谷などを舞台にきどった小説を書いている」といったあまり良くない先入観を持っていたものの、本作品を読んで見事に裏切られた。 内容は、女性にもセックスにも冷めていた主人公が、女性とは何かを知りたい気持ちもあって、お金で女性との時間を売る(体を売る)仕事に就く。当初は仕事の内容に戸惑いながらも女性の奥深さの探求に惹かれていく。客の多くは熟女。各人の人生を反映するように様々な性癖を持っているが不思議と嫌悪感はなく、トップレベルの娼年になるというもの。 体を売るような仕事は道徳的には感心できないが、読後感は悪くなかった。 というのも恋愛を重ねると、女性の性的な志向は十人十色でそれを許容するのも愛の形であるというのが大人の恋愛だという点に共感したため。 大人の恋愛小説としてお薦め。 | ||||
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娼夫、売春、変態的性癖など、人間のダーティな部分を扱っているにも関わらず、まったくいやらしさも醜さも感じられない。 主人公のコールボーイーリョウがいい子すぎるのが、きっとリアリティを欠かせているのだろう。 ある意味、年配の女性のためのファンタジーの様な作品。 でも、これはこれでいいのかも。 他作品でも感じることだが、この筆者は、人間の本当の汚さを描くには人が良すぎる、優しすぎるのかも。 精一杯頑張って、これくらい。やっぱりキレイ。癒し系。 リョウがコールボーイになっていくまでの導入部分の描写は秀逸。 これで一気に引きこまれ、最後まで三時間で読破した。 | ||||
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石田作品の中でも群を抜いたこのレビューの多さ、この作品がもつ影響力を思った。性の問題は本当にパーソナルなものだから、この小説の評価が賛否両論なのもうなずける。 コールボーイが題材とあって、セックスが小説の大部分を占めるが、主人公の滑らかな語り口に引きつけられあっという間に最後まで読んでしまった。 石田作品の中でも最高傑作だと思う。 最初、山田詠美の「ひざまずいて足をお舐め」を思い出した。(この小説はSMが題材だった)あちらの業界を書いた小説の中でもとても読みやすく、性に関する仕事を見る目が変わった作品だった。 そしてこの「娼年」にも同じものを感じた。 性の仕事は一般的に後ろ指をさされるような職業だが、誇りを持って懸命に仕事をしている人間もいる。そしてその人達が客に与える影響は計り知れない。 娼夫として、20代から70代(!)までの女性を相手に仕事をするリョウ。 中には仰天プレイを依頼する客もいるが、その人それぞれの長所を一生懸命探し出し、相手を満足させることにやりがいを感じていく。 普通だったら参ってしまうような状況から逃げもせず、女性の欲望の不思議に魅せられていく・・ リョウの行動、言動にとても癒された。 こんな天才娼夫がいたら、一度お目にかかってみたいと思った。 全編を通じて美しく、とても読みやすい文章になっている。 透明感のある文章はさすがで、著者のテクニックに唸るものがあった。 とにかく読んでいて楽しい。 「逝年」も評価はさまざまだけど、是非読もうと思う。 | ||||
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彼の目に映る女性たちは、皆一様に愛しくてかわいらしい。 私は自然に彼に心を同化させてしまった。「娼年」という題名から察することが出来るように 性描写は多い。でも生々しくないというか。変な話、行為の描写さえも心地いい。それは彼女たちを受け止める儀式とでもいうかのように感じたからだ。主となるのは行為そのものよりも、心の癒しとでもいうのか。そういうものを女性は求めていたし、また、彼もそれを感じとっていた。 主人公が、この先どうして行くのかがずっと気になってそして次第に引き込まれていった。 二、三歩引いたところから見たような感覚の文。その距離感が時々狂うことで彼の心の揺れを感じる。 | ||||
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石田衣良さんの作品の持つ文体の美しさが際立ち、透明な清んだ水色を思わせる作品でした。 少年の男娼の話ですが、やさしくほろ苦い胸がキュンとなるような青春小説を読んだような読後感です。 キャラクター設定も魅力的でした。特に主人公の少年は適度に美少年で知性と清潔感があり、この物語が清んだ水色でいる事の基本です。 この主人公の心や知性、雰囲気が行為を性的な意味だけでなく、愛情や優しさを感じさせるもににさせています。 また、もの言えぬ少女、咲良さんや主人公が恋する男娼のクラブのオーナー等の心の内面を書き出す作者の筆力に感動。 石田さんの作品内では私のベストワンです。 | ||||
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「娼婦」ではなく『娼年』?と疑問に思って手に取った本です。 20歳の青年が性を売り物にするという一見ショッキングな話なのですが、コレが深い・・・。 お金のためでもなく、ビジネスとして体を売る青年が、人間の愛と性についての優しくて深い洞察をもって「何か」をつかんでいく過程に引き込まれました。 心にグッとくる本です。 | ||||
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ホストではなく娼夫?娼年?最初は不思議に思って読み始めましたが、途中から石田衣良さんらしい世界に引き込まれました。人を愛する方法や癒す方法は、お金が絡んでもこんなにあるのかと思いました。『エンジェル』とは違った作者らしい愛情表現に感動です。 | ||||
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自分が初めて読んだ石田衣良さんの作品ですが とても入りやすかったと思います 多少無理な設定はありましたが、主人公に感情移入は自分的にはしやすかった 「娼夫」が題材なので官能的な表現はありましたが あまりドロっとした感じはなくむしろ淡白ですっきりとした感じでした ナボコフの「ロリータ」をこの作品を読む前に読んでいたので 表現の物足りなさは感じたものの、ストレスを感じるほどではありません あと、少し内容的にマニアックな面もあるのでそのあたりも理解できたほうが面白いと思います まとめると、官能的表現はあるもののとてもさらっとした読みやすいものでした | ||||
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本書は126回、直木賞の候補になった作品です。 ストーリーはいたって、簡単。 平凡な大学生生活を送っていた主人公に、突然娼婦ならぬ、娼年の仕事が決まり、 その仕事の内容を描いたものです。 本書の優れている点は、「性」を金で買うという、一般に日の光にあたることの少ない世界を、 暗くも明るくもなく、中性的なイメージを与えられているところではないかと、私は思います。 中性的とはいっても、男性性、女性性の中間という意味ではなく、 明暗のそのどちらのイメージにも属していない、という意味で私は用いたい。 だいぶ官能的な描写もなされるのですが、 不思議とぎとぎとした印象はありませんでした。 それが私の感じた、中性的なイメージの根源なのかもしれません。 池袋ウエストゲートパークとは違った面白さのある一冊でした。 | ||||
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女性もセックスも退屈なものだ、と醒めた気持ちで毎日を送っていた20歳のリョウは、ひとりの女性との出会いによってその生活が激変します。 彼は娼年として仕事をこなしていく中で、性の多様さや奥深さを知り、新しい発見に満ちた新鮮な毎日を送ることになります。 人を愛するということ、セックスをするということ、その人を丸ごと受け入れるということ。 「仕事」として女性と向き合うからこそ、見えてくるものがあるのかもしれません。 読者にとっても、いろんな驚きや発見がある物語だと思います。 とても素敵な本です。 さて、本書はこういう重い(?)テーマを扱っている小説なわけですが、そこはやはり石田衣良。 軽めの優しい文体と、スムーズな話の展開によって、途中で立ち止まることなく最後まで一気に読ませてしまいます。 このあまりにサラッと読めてしまうところを、現代的ととるか表層的ととるか、あるいは天才的ととるか。 まあ難しく考えずにとりあえず読んでみるのが、石田衣良作品への正しい向き合い方なんでしょうね。きっと。 | ||||
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要するに出張ホストなんですね。 でも俗なものじゃ感じがしなくて、もっと穏やかにエロい「娼夫」のお話です。 淡々とお客の女を抱くリョウくんの静かな優しさとエロさがたまりません! この人の描く男の子って、いつも底抜けに優しいんですね。 現実にはきっといないと思います、こんな人。 身をよじりたくなるくらいはまり込んでしまいました。 ずいぶん前に買った本ですが、まだリョウくんに恋してます。 ひと晩10万の値も全然高くない。 男性が読んで面白いかどうかは疑問です。 | ||||
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石田衣良さんの作品を始めて読みました。あらすじを聞いたときは もっと汚れた感じの内容だと思っていましたがそんな感じはいっさいしません。 主人公は女性を金ヅルにしようというのではなく、心から癒してあげよう、 と思って娼夫をしています。その思いを聞いていると、娼夫という仕事は 汚れてはいないのではないかと思わされました。 さらに、石田さんの細かな情景や人の描写によって、場面が手に取るように 頭に広がります。とても読みやすいのでぜひ手に取ってみてください。 | ||||
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友人から食わず嫌いする私に、 嫌いになるならこれを読んでからにしてくれと言われ、 しぶしぶ購入して読みました。 各種マスメディアにおける彼の言動がどうも鼻についてダメだったのです。 なんとなくこの「鼻につく嫌味」を理解して頂ける方も中にはいらっしゃるかと思います。 石田衣良ファンの方はすいません。 しかしながら、読み始めて数時間。 完全にとまでは言えませんが、考えが変わりました。 お見それしやした。 単なる「20歳大学生のひと夏の思い出日記」を軽々と飛び越えて、 「欲望って、どんなもの?」 という人間の本質的なテーマを問う作品です。 最近、石田衣良の言うことにイライラしながらも 欲望を持て余している、あなた。 イライラするのはまだ早い。 | ||||
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ストーリは読む前から知っていましたが映画と同様読み始めてみないと 本当の意味での展開やその小説世界はわかりません。初めてこの方の 本を読みましたが登場人物が冷たく描かれていない点がとても気に入り ました。皆どこか優しさを持っていてそれがいろいろなところに出てきて いました。描写的にはエロスの部分もありますがやはりこの物語には必要 でありそれが自然な感じもしました。大衆小説といえばそのような感も ありますが文庫本にもなっていますしこの本と過ごした時間は無駄では なく楽しめました。わたしには実際に登場する人々のような人達って いるんじゃないかと思えます。そういう意味ではリアルでもあります。 | ||||
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こういう仕事をしてる人たちをよく知ってるが、人気ある人はこんな感じだ。 実際はもっと不可解で、EDを売りにして女性に性的交渉を与えられない人が人気有ったり、男性恐怖症の女性がその人とのひとときを楽しんでたりする。 お金に執着が無く、自分を売ったかねで勉強と称して買って仕事と同じことをする人や、一度着た服に袖を通さずまったく同じ服を買い続ける人がいたりする。 みんな贅沢な暮らししてる訳でなく、使い道がないからという感じだ。 そういう人たちは、不思議な雰囲気を持ってて、普段は無理矢理作ったような表情をしてて、この仕事とは別に仕事を持っている人もいる。 しなくていい、時給うん百円の普通のアルバイトしてる人もいる。 本当のプライベートな事は喋ろうとしないが、なにか陰があって吸い込まれるような感じのする人たちだ。 この本はそうした人たちの一部を表現してるような気がした。 | ||||
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