この闇と光

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

この闇と光の評価:

3.90/5点 レビュー 77件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.90pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全80件 41〜60 3/4ページ
No.40
(5pt)

まるで精緻な銅板画のような...名作の復活

著者の短すぎた生涯において、まさに最高傑作と呼ぶに相応しいゴシック・ミステリの復活。(1998年初刊)
解説で皆川博子氏も述べられている通り、物語の内容に少しでも触れるのは読者の驚きを奪う事になるので控えたい。ただし作者の企みの精緻さと巧妙さに舌を巻く事は間違いない。そしてあくまで文章でのみ構築可能な世界であるのにかかわらず、読後、脳裏には緻密に描かれた銅板画の様な鮮やかな光と影の情景が浮かぶ。
エレガントでデリケートな筆致、その中に類稀な美と冷ややかな恐怖を漂わせた名作中の名作。
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041023815
No.39
(5pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

精緻な銅板画のような…名作の復活

著者の短すぎた生涯において、まさに最高傑作と呼ぶに相応しいゴシック・ミステリの復活。(1998年初刊)
解説で皆川博子氏も述べられている通り、物語の内容に少しでも触れるのは読者の驚きを奪う事になるので控えたい。ただ作者の企みの精緻さと巧妙さに舌を巻く事は間違いなく、そしてあくまで文章でのみ構築可能な世界であるのにかかわらず、読後、脳裏には緻密に描かれた銅板画の様な鮮やかな光と影の情景が浮かぶ。
エレガントでデリケートな筆致、その中に類稀な美と冷ややかな恐怖を漂わせた名作中の名作。
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041023815
No.38
(5pt)

星7つ ☆☆☆☆☆☆☆

この本に偶然巡り合えて本当に良かったです。

レイア姫の別荘での暮らしを、純粋な気持ちで読んでいた私は、物語の中盤で全く別世界に突如追いやられた感じでした。

これから読んでみようと思っている方は、ネタバレなどを見ないで、純粋な気持ちで読んでみてください。
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049
No.37
(5pt)

星7つ ☆☆☆☆☆☆☆

この本に偶然巡り合えて本当に良かったです。

レイア姫の別荘での暮らしを、純粋な気持ちで読んでいた私は、物語の中盤で全く別世界に突如追いやられた感じでした。

これから読んでみようと思っている方は、ネタバレなどを見ないで、純粋な気持ちで読んでみてください。
この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.36
(4pt)

前半は本当に素晴しく読む価値十分、後半はあれ?

最初の挿話?『レイア 1』に文学的な価値、 香気を感じました。 幽閉された盲目の姫君が過酷な現実を必死に耐えて生きる姿はとてもけなげで感動します。 ダフネの陰湿ないじめもなかなかのものです。 前半は本当に素晴らしいので読む価値十分とします。
しかしその後の展開についていけない感覚もあり素直におすすめは出来ません。 読後感も必ずしも良くないです。 絶版になっているのも、 そのあたりで評価が分かれるためでしょう。 残念ですね。
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049
No.35
(4pt)

前半は本当に素晴しく読む価値十分、後半はあれ?

最初の挿話?『レイア 1』に文学的な価値、 香気を感じました。 幽閉された盲目の姫君が過酷な現実を必死に耐えて生きる姿はとてもけなげで感動します。 ダフネの陰湿ないじめもなかなかのものです。 前半は本当に素晴らしいので読む価値十分とします。
しかしその後の展開についていけない感覚もあり素直におすすめは出来ません。 読後感も必ずしも良くないです。 絶版になっているのも、 そのあたりで評価が分かれるためでしょう。 残念ですね。
この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.34
(4pt)

どうレビューして良いか迷います。

最初の挿話?『レイア 1』に文学的な価値、香気を感じました。 「失脚した王とともに、小さな別荘に幽閉されている盲目の姫君・レイア。優しい父と侍女のダフネ、そして父が語り聞かせてくれる美しい物語…」 (カバーより引用)。
しかしその後の展開についていけない感覚もあり素直におすすめは出来ません。読後感も必ずしも良くないです。
この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.33
(4pt)

どうレビューして良いか迷います。

最初の挿話?『レイア 1』に文学的な価値、香気を感じました。 「失脚した王とともに、小さな別荘に幽閉されている盲目の姫君・レイア。優しい父と侍女のダフネ、そして父が語り聞かせてくれる美しい物語…」 (カバーより引用)。
しかしその後の展開についていけない感覚もあり素直におすすめは出来ません。読後感も必ずしも良くないです。
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049
No.32
(5pt)

耽美を堪能。

絶版になって最も残念な作品のひとつ。
一度うっかり紛失してしまい、再度購入しようとしたら絶版になっていたので仕方なく中古で求めました。手に入らなかったらどうしようかと思った!

服部さんの本はいくつか読みましたが、最初に読んだのがこちらでした。
初めて読んだ時からお気に入りで、以来何度も読み返していますが何度読んでも初めて読んだときの面白さが色あせない。

主人公、レイアは盲目の王女。優しい父と誕生日に父が連れてきた犬のダークと離宮で暮らす。
目は見えないけれど父の朗読する物語を読んだり、中庭でピクニックをしたり、穏やかな時間を過ごす。
世界は幼いレイアの視点で描かれ、「おとうさま」や物語、音楽に触れて成長する様子が綴られる。
大好きな父と過ごす光輝く日々と、対照的に描かれるのが意地悪な召使のダフネ。
レイアが成長するに連れ、愛する父への愛情は深くなり、物語を読み知識を得る喜びが大きくなっていくにつれ、穏やかに完結していたレイアを取り巻く世界の殻が少しずつ剥がれていく様に軋み始める。

どんでん返し&耽美がお好きな方にはオススメ。

こんなに素晴らしい作家なのになぜ新刊が出ないんだろう・・・と思っていたら、2007年にお亡くなりになられたんですね。ここのレビューで知りました。悲しい・・・
この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.31
(5pt)

耽美を堪能。

絶版になって最も残念な作品のひとつ。
一度うっかり紛失してしまい、再度購入しようとしたら絶版になっていたので仕方なく中古で求めました。手に入らなかったらどうしようかと思った!

服部さんの本はいくつか読みましたが、最初に読んだのがこちらでした。
初めて読んだ時からお気に入りで、以来何度も読み返していますが何度読んでも初めて読んだときの面白さが色あせない。

主人公、レイアは盲目の王女。優しい父と誕生日に父が連れてきた犬のダークと離宮で暮らす。
目は見えないけれど父の朗読する物語を読んだり、中庭でピクニックをしたり、穏やかな時間を過ごす。
世界は幼いレイアの視点で描かれ、「おとうさま」や物語、音楽に触れて成長する様子が綴られる。
大好きな父と過ごす光輝く日々と、対照的に描かれるのが意地悪な召使のダフネ。
レイアが成長するに連れ、愛する父への愛情は深くなり、物語を読み知識を得る喜びが大きくなっていくにつれ、穏やかに完結していたレイアを取り巻く世界の殻が少しずつ剥がれていく様に軋み始める。

どんでん返し&耽美がお好きな方にはオススメ。

こんなに素晴らしい作家なのになぜ新刊が出ないんだろう・・・と思っていたら、2007年にお亡くなりになられたんですね。ここのレビューで知りました。悲しい・・・
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049
No.30
(4pt)

ネタばれしてます

冒頭から中盤まで「楽園」の描写が続きます。
ただ、いかにも安っぽくお手軽な楽園描写です。 本と音楽を愛しフリルのドレスを着せられ父親に服従する「姫」。 あまりに典型的です。
「崩壊する事の約束されている楽園」です。 意図的な描写かもしれません。

だからこそ、中盤以降の楽園崩壊の描写は楽しいです。 こっちの方がリアルだし。

で、私もやはり「謎」があるからには「謎解き」があるものと思ってました。
「父親」の動機は特に興味は無かったんであれでもいいんですが、 継続出来た心情が解らん。無理だろ、そもそも。こんな事。
姫の前で一人二役の演技?声色まで使い分けて?アバウトながら設定まで作って?やってる途中吹き出さないか? 兵士役もこの人? 私ならやる気でねえ。 「お父さんだよ」 「意地悪なばあやだよ」 「お父さん仕事に行ってくるよ」 だけでいいじゃん。 王国まで作るか?

「ありえねえ」 そんな印象です。もう少し現実的に描いて欲しかった。 「作者は読者がそう突っ込んでくる事は想定済」って読者に解らせて欲しかった。
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049
No.29
(4pt)

ネタばれしてます

冒頭から中盤まで「楽園」の描写が続きます。
ただ、いかにも安っぽくお手軽な楽園描写です。 本と音楽を愛しフリルのドレスを着せられ父親に服従する「姫」。 あまりに典型的です。
「崩壊する事の約束されている楽園」です。 意図的な描写かもしれません。

だからこそ、中盤以降の楽園崩壊の描写は楽しいです。 こっちの方がリアルだし。

で、私もやはり「謎」があるからには「謎解き」があるものと思ってました。
「父親」の動機は特に興味は無かったんであれでもいいんですが、 継続出来た心情が解らん。無理だろ、そもそも。こんな事。
姫の前で一人二役の演技?声色まで使い分けて?アバウトながら設定まで作って?やってる途中吹き出さないか? 兵士役もこの人? 私ならやる気でねえ。 「お父さんだよ」 「意地悪なばあやだよ」 「お父さん仕事に行ってくるよ」 だけでいいじゃん。 王国まで作るか?

「ありえねえ」 そんな印象です。もう少し現実的に描いて欲しかった。 「作者は読者がそう突っ込んでくる事は想定済」って読者に解らせて欲しかった。
この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.28
(5pt)

馥郁とした格調高い物語

どちらかというと女性が読んだほうが深く入り込めるような気がする物語でした。
私にとってはドンピシャの、最高に大好きな名作です。
薔薇やレース、盲目の姫君にドレス、異国の絵本に犬、父と娘…情景描写が全てロマンティック。
この幻想的な美しい闇の中になら自分もとらわれてしまいたい、と、読み返すたびに思います。
欠点があるとすれば初読の快感を二度と味わえないことくらい。
目の前で舞台の緞帳がサッとひらいていくようなあの爽快感、たまらないものがありました。
 
ファンタジーのようなロマンティックな表現、繊細な心理描写などに関心がない方、
本格的な事件やトリックものを楽しまれる方の好みではないかなと思いますが、
私にはかけがえのない物語です。読んで良かった!出会えてよかった!


この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.27
(5pt)

馥郁とした格調高い物語

どちらかというと女性が読んだほうが深く入り込めるような気がする物語でした。
私にとってはドンピシャの、最高に大好きな名作です。
薔薇やレース、盲目の姫君にドレス、異国の絵本に犬、父と娘…情景描写が全てロマンティック。
この幻想的な美しい闇の中になら自分もとらわれてしまいたい、と、読み返すたびに思います。
欠点があるとすれば初読の快感を二度と味わえないことくらい。
目の前で舞台の緞帳がサッとひらいていくようなあの爽快感、たまらないものがありました。
 
ファンタジーのようなロマンティックな表現、繊細な心理描写などに関心がない方、
本格的な事件やトリックものを楽しまれる方の好みではないかなと思いますが、
私にはかけがえのない物語です。読んで良かった!出会えてよかった!


この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049
No.26
(5pt)

独特の美の世界へと誘ってくれた感謝を込めて

 惜しい方を亡くした。奇しくも藤原伊織氏と同じ年に逝ってしまわれるとは。好きな作家を二人亡くした。
 新聞の書評で面白そうだと思い、一気に読んだ。どの作品も同じ独特の雰囲気にあふれていて好きだが、中でもこの作品は、やはり特別だ。この本を読んで、随分いろいろなことを覚えたし、考えた。
 お父様の好きな色は紫なのだけれど、ほんの小さな頃に失明したレイアには、どんな色なのかわからない。父は葡萄、紫陽花、いろいろなものを挙げて伝えようとするが、伝わらない。紫にもいろいろあって、「鳩羽色」という表現の仕方も、このとき知った。沈丁花を「ウィンターダフネ」ということもこの本で覚えた。本業が銅版画家であればこその表現で、美にあふれた世界を教えてくれた。
 多大なる感謝とともにご冥福をお祈りする。
 
 
この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.25
(5pt)

独特の美の世界へと誘ってくれた感謝を込めて

 惜しい方を亡くした。奇しくも藤原伊織氏と同じ年に逝ってしまわれるとは。好きな作家を二人亡くした。
 新聞の書評で面白そうだと思い、一気に読んだ。どの作品も同じ独特の雰囲気にあふれていて好きだが、中でもこの作品は、やはり特別だ。この本を読んで、随分いろいろなことを覚えたし、考えた。
 お父様の好きな色は紫なのだけれど、ほんの小さな頃に失明したレイアには、どんな色なのかわからない。父は葡萄、紫陽花、いろいろなものを挙げて伝えようとするが、伝わらない。紫にもいろいろあって、「鳩羽色」という表現の仕方も、このとき知った。沈丁花を「ウィンターダフネ」ということもこの本で覚えた。本業が銅版画家であればこその表現で、美にあふれた世界を教えてくれた。
 多大なる感謝とともにご冥福をお祈りする。
 
 
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049
No.24
(4pt)

果たしてどちらが「闇」か「光」か

まず読み終えて、この小説は男性よりもどちらかと言うと女性に受け入れられるお話だな、と思いました。

男性ならば、この内容は少し受け入れ難いかと思います。

星が4つなのは、最初はなかなか感情移入できず、またどちらかというと苦手なお話の系統だったからです。

それでも話の完成度を見て、4つにしました。

序盤から怪しさを出していた。

推理小説を好む人にとっても、またそうでない人でも「ああ、怪しいな」と推測できてしまう、レイアの周りの人物の言動。

けれども、途中のどんでん返しまでは気づけませんでした。

「そうくるか!」とすっかり嵌められた気分を味わえました。

現実からかけ離れた世界と現実の世界。

そして、その境界に危うく存在する「闇」と「光」。

普通であることが、二人にとっては「普通」ではない。

そんなお話です。

結末は今後の二人の在り方を想像させる形となっていました。

変に続きを書かれるよりはあのような形で終わらせることで、読者に深い印象を残し今後を想像させる。

とても良い終わり方だと思います。

耽美な世界観を味わいたい方にはお勧めかもしれません。
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049
No.23
(4pt)

果たしてどちらが「闇」か「光」か

まず読み終えて、この小説は男性よりもどちらかと言うと女性に受け入れられるお話だな、と思いました。

男性ならば、この内容は少し受け入れ難いかと思います。

星が4つなのは、最初はなかなか感情移入できず、またどちらかというと苦手なお話の系統だったからです。

それでも話の完成度を見て、4つにしました。

序盤から怪しさを出していた。

推理小説を好む人にとっても、またそうでない人でも「ああ、怪しいな」と推測できてしまう、レイアの周りの人物の言動。

けれども、途中のどんでん返しまでは気づけませんでした。

「そうくるか!」とすっかり嵌められた気分を味わえました。

現実からかけ離れた世界と現実の世界。

そして、その境界に危うく存在する「闇」と「光」。

普通であることが、二人にとっては「普通」ではない。

そんなお話です。

結末は今後の二人の在り方を想像させる形となっていました。

変に続きを書かれるよりはあのような形で終わらせることで、読者に深い印象を残し今後を想像させる。

とても良い終わり方だと思います。

耽美な世界観を味わいたい方にはお勧めかもしれません。
この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.22
(5pt)

闇の中で光る、私たちの「王国」

大好きです。人生のベスト3に入ると思う。
ダフネの存在の危うさ、原口の動機の不鮮明さと、つっこみどころはいくつかある。
でもそんなものは全く減点の対象とならないくらい、この小説世界は魅力的だ。引きこまれる。
タイトル。構成と叙述の妙。読み手の解釈に委任された、もどかしくも切ないラスト。思わず放心してしまうくらい、よくできている。
でも何よりも心に訴えるのは、父王とレイアの関係だ。
幽閉され、目も見えないレイアにとって、たったひとつ輝く存在である父王。
暗闇の中で生きながらも彼女は、彼の手の中で護られ、愛され、彼を世界と信じ、彼の紡ぎだす美しい世界を見ている。
そこは「現実」よりも光にあふれ、美しいもので満ちている。おとぎ話のような神聖な世界。
それは、歪んではいるけども、本物の「王国」だ。
この二人の関係と、外界との対比。これが物語のテーマだと思う。250ページの文章を玩味してほしい。
「闇の中に在って、世界は何と美しく輝いていたことだろう!」
「世界」は光に満ちた闇なのか。レイアは幸せだったのか。幸せになれるのか。二人はまた「王国」を再建するのか。できるのか。
そして私たち自身は。
「世界」にあって、「王国」を持っているのか。
何度読んでも、考えさせられる。
この闇と光 Amazon書評・レビュー: この闇と光より
4048731378
No.21
(5pt)

闇の中で光る、私たちの「王国」

大好きです。人生のベスト3に入ると思う。
ダフネの存在の危うさ、原口の動機の不鮮明さと、つっこみどころはいくつかある。
でもそんなものは全く減点の対象とならないくらい、この小説世界は魅力的だ。引きこまれる。
タイトル。構成と叙述の妙。読み手の解釈に委任された、もどかしくも切ないラスト。思わず放心してしまうくらい、よくできている。
でも何よりも心に訴えるのは、父王とレイアの関係だ。
幽閉され、目も見えないレイアにとって、たったひとつ輝く存在である父王。
暗闇の中で生きながらも彼女は、彼の手の中で護られ、愛され、彼を世界と信じ、彼の紡ぎだす美しい世界を見ている。
そこは「現実」よりも光にあふれ、美しいもので満ちている。おとぎ話のような神聖な世界。
それは、歪んではいるけども、本物の「王国」だ。
この二人の関係と、外界との対比。これが物語のテーマだと思う。250ページの文章を玩味してほしい。
「闇の中に在って、世界は何と美しく輝いていたことだろう!」
「世界」は光に満ちた闇なのか。レイアは幸せだったのか。幸せになれるのか。二人はまた「王国」を再建するのか。できるのか。
そして私たち自身は。
「世界」にあって、「王国」を持っているのか。
何度読んでも、考えさせられる。
この闇と光 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: この闇と光 (角川文庫)より
4041785049