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さよなら妖精



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さよなら妖精の評価: 3.95/5点 レビュー 88件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全60件 21~40 2/3ページ
No.40:
(5pt)

深く考えさせられた。

この小説では終盤になるまでは、外国からきたマーヤという人と、主人公たちが日常的な謎を解いていくみたいな感じでした。ここで、退屈になる人もいるかと思いますが、物語の終盤はいままでの謎に思っていたことが、ジグゾーパズルを揃えるように1つずつ当てはまり、とてもスッキリしました。しかし、謎が解けたことだけがこの作品では無く、主人公の守屋がマーヤと出会って変わっていく心の変化に注目して読んでもらえたら、深く考えさせられるのではないかと思いました。こんな素晴らしい小説に出会えたことがとても嬉しいです。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
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No.39:
(4pt)

妖精はユーゴスラビアに帰った・・

主人公は、守屋路行。高校生。
彼は、ある日、雨宿りをする少女と出会う。
彼女の名前は、マーヤ。
ユーゴスラビアから、日本のことを学ぶために
やって来たという。

マーヤは、守屋の友人宅に滞在することとなる。
その後、マーヤと守屋および友人たちとの
付き合いが始まる。

序盤から中盤は、普段の何気ない日常の疑問についての
謎解きが展開される。
終盤は、マーヤが帰った場所について、
守屋とその友人が謎解きを行う。

(日本で、)大きな事件が起こる訳ではない。
特に、何かに思い入れることのなかった主人公が、
マーヤの存在や帰国をきっかけとして、
「自分は、もっと意味のあることをしに行きたい」
と思うようになる。

大きな視点から見れば、守屋の考えは疑似恋愛の延長であり、
また、高校生の手に余る大仕事なのかも知れない。
しかし、高校生から大人になる過程で、
人が使命感を胸に秘めるのは当然だと思うし、
重要なことだと思う。

主人公である高校生が精神的に成長する、
青春小説であった。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
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No.38:
(5pt)

面白かったです

続編が読みたくなる内容でした。 もちろんストーリーはこの本で完結しています。 非常に面白かったです。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
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No.37:
(5pt)

ある意味セカイ系

ユーゴスラビアから来日した天真爛漫な異国少女マーヤとの出会いを通して、どこか斜に構えた平々凡々な高校生守屋が、ユーゴの情勢に関心を持ち始め、人生を模索していく物語。思春期の青年が、自分の日常とはかけ離れた世界の動きに懊悩し、世界との距離感を必死に掴もうとする姿、そして無力感に打ちひしがれる様が、携帯電話も普及していない時代状況とマッチして、感傷的に描かれている。
創元社推理文庫とはいえ、ミステリーは味付け程度にすぎない。この小説の肝は平和な日本の一高校生に過ぎない守屋が、祖国ユーゴのため奮闘するマーヤとのバックボーンの差、抱える覚悟の違いに気付く「青春の挫折」にある。
物語の端緒は、本来かかわることの無い世界に生きる二人が雨宿りをきっかけに出会うベタベタなボーイミーツガールだが、後味は強烈だ。
学生が読めば、社会情勢に関心を向けるきっかけとなる啓発的側面もある。
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No.36:
(5pt)

分かる人にはわかるだろう。合わない人には合わないだろう。

分かる人にはわかるだろう。合わない人には合わないだろう。
しかし一つ言えるのは、高校時代に弓道に勤しんでいた人は読むと面白いかもということ(控えめ表現)。
人生のなかでミステリしか読む気がない御仁はやめておいたほうが吉。
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No.35:
(5pt)

ユーゴスラビアのことを知らない人も

ボーイズミートガールズ物の青春小説です。主人公達はユーゴスラビアから来た少女マーヤとの交流の話がメインで、これといって事件が起きたりはしません。この本を読んでユーゴスラビアと日本の違いを感じ、ユーゴスラビアのことを知りたくなりました。
現在はユーゴスラビアは解体されてしまい、国際的な関心事はイラクやシリアに向けられてしまってます。
リアルタイムでユーゴスラビア内戦を見た人ものちに知った人も、風化してはいけない、 血で争ってはいけない。そんな風に感じ取れました。
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No.34:
(4pt)

一見ファンタジーみたいなタイトルだけど

実際はリアルな日常を描いていて、ミステリーの要素もないではないけど、青春小説というのがいちばんピッタリはまるような気がします。

この本は作者の出世作らしいですね。
細かいこと言うと、主人公が妙に理屈っぽかったり、ミステリーの素材が(最後のひとつを除いては)あまりにも日常的すぎたりと気になるところはありますが、作者が書きたかったことを素直に読んでいくなら、最後はなかなか深い余韻を残す結末になっていると思います。
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No.33:
(5pt)

太刀洗LOVE

米沢さんの2大傑作のひとつだと思います。
もうひとつは夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)です。
日常系ミステリの中でも、推理要素以外の全体を見て最高峰だと思います。
この作品で作者を知りファンになり「夏季・・・」で更に好きになりました。
なんといっても本作は太刀洗さんに尽きます。主人公は足元にも及びません。常に上を行っ
ています。
ライトレベルオンリーなユーザーに読んで欲しい、そしてミステリを知って欲しいなと思います。
作者は「毒」というか「悪意あるハハッピーエンド崩し」をしているようで☆を削ってしま
う作品があるのですが、ハッピーエンド好きな私でもこの結末は極めて納得。そしてこの二人の後
日談にも感動です。後日談はまだ書けると思うので、いつかまとめて文庫化して欲しいと思
います。
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No.32:
(5pt)

お勧めです。

切ない・・・、でもこんな学生時代があったらとも思う。
読んで損はしない作品です。
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No.31:
(5pt)

さようなら

主人公はなんとなく生きてる普通の高校生。まさに読者の等身大で自分のやりたい大きな夢を持ってそれに向かって進んでいくマーヤが眩しく、惹かれる想いには痛いほどに共感できました。
日常の謎といいますか、普段の暮らしの中の小さなミステリが多くでてきます。
やや、冗長に思うこともありましたが、どれも思わずはっとしてしまうような質の高いものになっていると思いました。
また日本の文化や習慣だとかの豆知識が沢山でてきて面白かったです。
この時代設定でマーヤがユーゴ出身ということでバットエンドなのは想像していましたが、それでもやっぱり切ない。

最初は語り口がやや周りくどい印象を受けましたが、読み進めていくうちに気にならなくなりました。
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No.30:
(4pt)

切ない余韻が残る良作

この物語は日記を読み返して一年前の回想から、外国から来たマーヤという少女との日々の記憶を追っていく、という物語形態をとっています。
しかし序盤、というよりかなり後半までは、非常に平和的な内容だったのでそこまでは大きな驚きもなく読み進みました。哲学的な意味がありますか?」というのが口癖の彼女が興味を持った様々な不思議な出来事を、主人公と友人たちが、時に自分たちも頭をひねりながら考えていく。要は、「小さな謎」と呼べるものが散りばめられながらそれが主人公たちにとって新鮮な日々として描かれていきます。
ここの部分を退屈と感じてしまう人もいるかもしれませんね。
しかし面白いのは後半で、彼女の祖国、彼女の正体についてそれまでの日々に散りばめられたヒントを鍵に解き明かしていくというのが、物語り全体としての「大きな謎」となっています。世界史観念的な話も少なからず含まれていてやや煩わしいですが、その辺の細かな話をちゃんと読めばちゃんと面白い謎として出来ていると思います。

更に言えば、真に魅力的なのはキャラクターで、序盤を退屈ながらも読み進めさせるのはキャラクターの面白さでしょう。
そこはかとなく漂う青春の香り。切ないラスト。 一読の価値はあると思いますよ。
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No.29:
(4pt)

こういうのもミステリー作品なのか?

「日常的な謎」を解き明かす、そういうミステリー作品があるのは知っているし、他にも何冊か読んではいる。それでも、本書は本当にミステリー作品なのか? これがまず読み進めて感じたこと。何か、謎でも何でもないことを無理やり謎解きに持ち込んでいるようで、不自然に感じることが多々あった。

また、太刀洗のキャラクターも不自然というか無理やり作った設定(本当にこんな女子高生がいるのか)という感じで、好きになれないし、どうしても読み進めていて違和感を感じてしまう。

そういう不満はあれども(ミステリー作品なのかどうかは別として)、ストーリーは素晴らしく、守屋のどうしてもマーヤを探しにユーゴへ行きたい、そして感じる無力感、失意、やり切れなさ、には共感できる。

それとまた、旧ユーゴの6つの国の名前や位置関係など、ほとんど知らなかった身としてはすごく勉強にもなった。
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No.28:
(5pt)

無情感を描いた傑作

所詮、全てはあらかじめ失われている。
しかし、生き物は全て光に向かって飛ぼうとするものなのだ。
生きていくことの無常を哀切を込めて瑞々しく描いた傑作。
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No.27:
(5pt)

個性的な本だな、と

米澤さんのイメージからミステリを予想していたので、展開には少々がっかりした。しかし最後まで一気に読むことができたのは、他の部分で魅力を感じたからだ。普通の高校生が異国の少女と出会い、交流を深め、そして別れる。とてもシンプルな物語のはずなのに、異国少女の特徴的な言い回しや、日本文化への個性的な着眼点、それに反応する高校生たちの対比に惹きつけられるものがあった。良くできた物語と感じました。
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No.26:
(4pt)

高校生達とユーゴスラビア人のマーヤとのふれあいを描く青春ミステリー

高校生達とユーゴスラビア人のマーヤとのふれあいを描く青春ミステリーというべきか。第1章と第2章はマーヤとのふれあいについて振り返る。マーヤは日本の文化に興味を持ち、その都度「哲学的意味はありますか」とたずねる。第3章になってマーヤがどこから来てどこへ帰ったのかという謎解きが始まる。手がかりはマーヤの過去の発言である。

大枠は残された高校生達にはユーゴスラビアの6つの共和国(スロベニア、クロアチア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ)のうち、マーヤがどこから来てどこへ帰ったのか謎解きをはじめるというミステリーですね。

最初は退屈だなと思ったが、第3章になってやっと謎解きが始まるのかという感じだった。謎が解決したときは切ない印象を持った。こういう結末なのかってね。守屋の無念さということもそこでわかる。ミステリー色は少ないかもね。

守屋がユーゴスラビアに行きたいといって、マーヤがそれをとめたのは当たり前ですよね。ユーゴスラビアの現実を実感しているのと実感していないのは違いすぎるからね。守屋がユーゴスラビアに行かなくてもマーヤと会ったことで何かが変わればいいのではないかとは思った。


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No.25:
(4pt)

平和ボケしたお子様高校生と紛争地帯からきた少女の邂逅を描くの異色青春小説

海外にいるときに祖国に異変が起こることは大変な恐怖です.本作はユーゴスラヴィア解体から内戦へ至る激動の時期に、日本へ訪れていたユーゴ出身の少女マーヤと日本人高校生たちの邂逅の物語です.米澤作品の特徴である「日常の謎」をマーヤが提供し、主人公の守屋、大刀洗ら推理、解説していく日常パートとマーヤの言動の記録から彼女の出身地探しを推理してゆく謎解きが中心におかれていますが。ポイントは平和で満ち足りた日本で生きるお子様主人公守屋が、外の世界からきた妖精のような理想に満ちた少女に憧れ、紛争地帯に行きたいとだだをこねる姿のみっともなさ.マーヤと同じ年代でありながら、あまりに無知で幼い姿が嘲笑を込めて描かれていることです.マーヤに観光にくるにはあぶないからといわせてまでも自分の愚かさがわからず、あまつさえ彼女を追ってユーゴへ向かおうとし、大刀洗に現実を突きつけられるラストには溜飲が下がる思いでした.海外にでて見聞を広げることは重要なことですが、危険な地域に興味本位で出かけていき、周りに迷惑をかけるような人間になってはいけません.
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No.24:
(5pt)

異国の少女との出会いと残されたミステリ

平成3年(1991年)4月、高校3年生の守屋路行は、橋のたもとで雨宿りする白人少女マーヤと出会う。守屋と3人のクラスメイトは、マーヤを中心に、少し刺激的ではあるが平和な2ヶ月が過ぎてゆく。
マーヤが帰国しようという直前、守屋は受験勉強の合間を縫って、本を読んで彼女の故郷のことを知ろうと必死になる。だが、所詮は座学。マーヤは「人間は、殺されたお父さんのことは忘れても、奪われたお金のことは忘れません」と言って、悲しく彼を突き放す。そして、マーヤの送別会の日、クラスメイトの太刀洗万智が中学留年していたことを知らされる。
そしてマーヤは故国に帰った。
それから1年後、大学生になった守屋とクラスメイトによる謎解きが始まる――。

本書は、典型的なボーイズ・ミーツ・ガールの青春小説であると同時に、ミステリ小説でもある。なにしろ、私がご贔屓の創元“推理”文庫から刊行されているのだから。
舞台こそ藤芝市という架空の都市だが、主人公・守屋の日記を読み返すというスタイルで現実の世界情勢とリンクしているため、いやが上にも登場人物の現実味が増してくる。
守屋は私より10歳ほど年下。そして、あの年、ユーゴスラヴィア紛争の映像をテレビで見ていた。

私たち日本人は、(少なくとも飛鳥時代以降)単一民族であり、単一の母国語を話し、民衆による革命はなかったと教えられてきた。だから、多民族国家だったユーゴスラヴィアの内情は、本や新聞を読んでテレビの映像を見たくらいでは理解できない。
そして、生まれてから藤芝市を出たことすらなかった守屋にとっては、中学留年という異質な経歴を持つ太刀洗の気持ちすら分かってやれなかった。
さて、そんな守屋も、いまや30代半ば。きっと日本の会社で中堅リーダーとして頑張っているに違いない。はたして彼は、ユーゴスラヴィアのその後を知っているだろうか。
本書が出版されてから少し後、マーヤの想いにもかかわらず、ユーゴスラヴィアを構成していた6つの共和国はそれぞれ完全に独立する。この事実が、物語をいっそう切なくさせているのである。

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No.23:
(5pt)

若い人にこそ読んで貰いたいです

著者の初期作(第3作目)にあたるこの「さよなら妖精」は、初期の最高傑作ではないかと思います。「島国ニッポン」の尚かつ地方都市の高校生達と、今は無き「ユーゴスラヴィア」から来た同年輩の女性との、たった2ヶ月の出会いと別れ・・・女性は一人の青年を「覚醒」させて、母国に帰って行きますが、「ユーゴスラヴィアの果たして何処に帰ったのか」が、最大の「謎解き」となっています。そして、この視点こそが、この作品を他とは一線を画した、傑作の高みに押し上げています。著者は「日常的な」物語を描く事が多く、この作品もやはり「日常的」です。しかし「日本人」と「ユーゴスラヴィア人」が、その「日常」の中で出逢う事にこそ、この作品の大きな意義を感じます。この作品は、出来るだけ若い人に読んで貰いたいです。そして大人になって、堂々と世界に飛び出して行って貰いたい・・・なぜかそんな気持ちにさせる、素晴らしい一冊です。
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No.22:
(5pt)

異文化コミュニケーションで得たもの

ユーゴスラビアから来た少女と高校生たちの2ヶ月の交流を描いた青春小説.
外国人が見せる大人びた言動と,それに相対する高校生たちの未熟なりに真摯な受け答えが心に残る.
同世代の外国人が国のために,という使命感を帯びて海外を見に来るということ自体が,
部活と受験と恋愛くらいしかイベントのない日本の高校生には新鮮であろう.
また,外国人というフィルターを通して初めて実感できる日本の姿がよく描かれている.
それは,ユーゴスラビア人の少女が語る,かの国の社会情勢,文化背景に非常にリアリティがあるからであろう.
2ヶ月の交流の中で得たものはユーゴスラビアとの相対の中で見た日本の姿だけではない.
これといって熱中できるもののなかった主人公にできた関心の対象や
表面的な付き合いしかしていなかった仲間の別な側面というのも
当たり前の高校生活だけでは出会うことはなかったはずである.
分裂した母国に帰って行った少女が,どの国に帰ったのかが,
この作品の最大の謎解きであり,伏線の貼り方や解決もよくできている.
最後に目にする手紙の内容は,ある程度予測可能とはいえ,なんとも言えない読後感を与える.
作者の描く青春像には,どうすることもできない壁にぶち当たる無力感が描かれることが多いが,
その中でも本作はとびきりのものといえる.
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037
No.21:
(4pt)

自分が何をしたいのわからない

東欧から来た少女と、日々をたんたんと生きる少年のボーイミーツガール作品。
何かにのめりこむことのない高校生が、東欧からきた少女との交流を通じて、
自分のやりたいことをみつけます(?)。
日常の謎を推理する場面と、東欧からきた少女と高校生たちの交流が
交互に進み、読むことに飽きません。
・人が死んでばかりの推理小説に嫌気がさした方
・東欧の歴史に少し詳しくなりたい方
・米澤穂信が好きな方
にオススメの作品。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)Amazon書評・レビュー:さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)より
4488017037

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