イノセント・ゲリラの祝祭
評判
イノセント・ゲリラの祝祭の評価:
3.54/5点 レビュー 127件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全145件 41〜60 3/8ページ
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イノセント・ゲリラの祝祭の評価:
3.54/5点 レビュー 127件。 D ランク
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私は海堂作品のファンだが、この本は読んでいてイライラしました。
死因究明制度、医療と司法の関係、医療行政のあり方など、
なるほど、現代の重大テーマを扱っており、「娯楽小説」以上の
読み応えがある。そういう意味で、他の海堂作品と同じです。
ただ、前から思っていたことですが、著者は、医療をひたすら
「善」として描き、司法/警察や官僚をステレオタイプな「悪」
として描く嫌いがあります。本作品では、それがあまりにも
露骨であり、著者の未熟さとエゴが大変目立つのです。
【「痛快さ」の欺瞞】
例えば、作品中、法学部の教授の発言として、次のようなものが
あります。
「神聖にして冒すべからず。それが法だ。法が社会制度に君臨する
のは、法治国家だから当然だ。」
「だが、法の絶対正義を守ることが国体の護持に・・・」
当方、法学部出身ですが、こんな思想を持っている法学者どこにも
いませんよ。
上記は、作中の人物Hが厚労省の委員会で法学部の教授と議論を
交わす場面ですが、あまりにも無茶苦茶な主張を貫く法律の教授を
医者であるHが鮮やかに論破します。
これを読んだ人は「あぁ、医者の方が正しいんだ」と感じるでしょう。
しかし、全ては、医者である著者が、自らの見解を「正しい」と
見せかけるために、およそ現実には有り得ない暴論を対置して
いるのです。これはフェアではないですね。時代劇のヒーローが、
目隠しをされた悪人たちを刀で斬り回っているかのような光景です。
もちろん、フィクションですから、著者の望むどおりの勧善懲悪で
構わないのです。ただ、あたかも現実を模したストーリーである
かのような臭わせ方をするのであれば、不適切です。最初に、
「これは架空の国の物語です」などと銘打つ必要があります。
【所詮はただの医者】
著者は「法」の分野に対して異常なほどの嫌悪感を抱いているよう
ですが、そのわりには知識は浅い。医師法21条についてももう少し
調べるべきであろうし、上記の問答中で「コモンロー」がどうの
とか言い出したときにはひっくり返りそうになりました。
法律知識に関して、アドバイザーを雇えばいいのにね。
結局、海堂尊は、医者以上でも以下でもなく、医者という立場
からの狭窄な視野に囚われたまま、自論を展開しているにすぎない
のです。それは、本作品の冒頭の「賢者」に医者を例えた
小エピソードや、「高いモラルの医療」といったフレーズからも
明らかです。なんと傲慢なことか!
本作品中のヒーロー的な立ち位置の医者のセリフに次のような
ものがあります。
「刑法学者が医療を語れるんですか?それこそ思い上がりです。」
海堂さん、この言葉そっくりそのままあなたに捧げます。