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トム・ゴードンに恋した少女
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トム・ゴードンに恋した少女の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.75pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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| 道が見えるとはどういうことなのか。世間の心配をよそに現実はまったく別の様相をしている。そして進むしかない…。 「考えすぎると、ちゃんと焦点を合わせて見ると、見失っちゃうからね。」 | ||||
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| しわくちゃになるまで 何回も読んでます | ||||
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| (Kindle化され)全面改稿されたと聞き、読んでみることにしました。スティーヴン・キングを読むのは「ミスター・メルセデス」(2016/8月)以来になります。「キャリー」から「クージョ」までを狂熱的に読み続け、間が空いて、『11/22/63』でそのキング熱がまたぶり返し、また少し熱が冷めての繰り返しでした。 彼は常に米国をシンボライズする具体的な商品名の羅列によってホラー、スリラー、そして米国という「国家」の危うさを表現し続けています。今回は"MLB"という商品(笑)。 九歳のトリシアはパパと離婚したばかりのママと兄のピートと共に日帰りのハイキングに出かけますが、或る理由からハイキング・コースを逸れてメイン州の森の中へと取り残されてしまいます。その森の中でのサヴァイバルの一部始終がベースボールの試合展開になぞらえられるように繰り広げられていきます。その血と涙と負けん気の(美しいと言ってもいい)一部始終。 或る種のスリラーについてディティールを描くことは叶いませんが、トリシアが愛するボストン・レッド・ソックスのクローザー、トム・ゴードンの姿に想いを託して彼女はあらゆる困難に非力ながら立ち向かっていきます。 <ソックスが勝てば・・・もしトムがセーブできたら、あたしもきっとセーブ(救助)される>(p.80) そう、この物語はそれだけの物語です。よって、私たちはその一球を追って最後まで固唾を呑む。試合終了まで。 ◾️「トム・ゴードンに恋した少女 "The Girl Who Loved Tom Gordon"」(スティーヴン・キング 河出文庫) 2024/10/13。 | ||||
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| 随分前に(二十年くらい経つかも)読んだんだけど、河出文庫に入って刊行されたのを知り、久しぶりに再読しました。 九歳の少女トリシア(パトリシア)が、母と兄からはぐれて迷子になり、森の中をさ迷うその様子を描いた、ほんとにシンプルな話なんだけど、それがどうしてこんなにも心を震わせてくれるのか。胸を熱くさせてくれるのか。「こんだけ、話んなかに入り込ませてくれて、まるで自分がトリシアになったみたいな気持ちにさせてくれるこの芸当ってのは、やっぱ、キングならではだよなあ」てなこと思いながら、頁をめくってました。そのめくり方も、終盤になるほどに速くなっていくのを、もう、抑えることはできませんでした。 この辺りのこたえられない読み心地については、訳者の池田真紀子さんが、巻末「あとがき」で、こんなふうに書き記しています。 《それにしても、「少女が森でサバイバルする」だけの物語がどうしてこれほど面白いのだろう。世界最高のストーリーテラーの作品だから、と言ってしまえばそれまでなのだけれど、私たちの住む日常世界と魔物の棲む異世界の境界線は、私たちが想像しているよりずっと手前にあり、本書でトリシアがしたように、ハイキングコースからちょっと外れただけで簡単に踏み越えてしまうような細いもので、しかもいったん越えてしまったら最後、魔物にむんずとつかまれ、容易には帰らせてもらえないというキング作品の大半に共通するモチーフが、物語が単純であればあるほどくっきりと浮き彫りになるからではないだろうか。》p.307 それと、トリシアの弱気になった心の支えとしてあるのが、大リーグはボストン・レッドソックスの押さえの投手(ピッチャー)、トム・ゴードン。彼が九回のピンチをしのぎ、セーブに成功した時にするのが、天を指さすポーズなんですね。このポーズ、大谷翔平がその一員として戦っているロサンゼルス・ドジャースの中継ぎ(時によっては、抑えの)投手、トライネンもするよな、てなことも、ふっと思い浮かべました。 にしても、森に迷ったアメリカの一人の少女の心の強い支えとなる力を、大リーグの選手は持っているのだなあ。きっと、我らが大谷翔平も、多くの少年少女の野球ファンにとって、そうした〝スター〟の輝きを放つ特別の選手なのは間違いありません。 おっと、話が妙な方向に逸れてしまった‥‥。トリシアみたくおかしな道に迷い込まないうちに、この辺で失礼します。 | ||||
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| 1998年6月、9歳のトリシア・マクファーレンは母親と兄ピートとメイン州南部で暮らしていた。ある日、母親は子どもたちを連れてアパラチア遊歩道にハイキングに向かう。母は1年ほど前に離婚していて、兄のピートはそれ以来、母との折り合いが悪くて常に口喧嘩をしている。ハイキング中も相変わらずで、二人の喧嘩にうんざりしたトリシアは、用を足そうと遊歩道をはずれて森の奥へと入り込んでしまう。済ませた後ですぐに二人に追いつこうとしたが、もはや自分がどこにいるのかわからなくなっていた。森から脱するために少女が頭の中で孤独な対話を続けた相手は、大リーグの名リリーフ投手トム・ゴードンだった……。 ------------------------------ モダン・ホラーの帝王スティーブン・キングの1999年の作品です。キングお得意のおどろおどろしい超常現象が起きる――ということはなく、深林の中で迷子になった幼い少女が、持てるバイティリティを最大限に発揮していくサバイバル小説です。 先の見えない極限状況に置かれたトリシアの頭脳は高速回転を始め、これまでの9年間で周囲の大人たちから聞かされた金言、箴言の数々を思い返していきます。 「いつも思い通りにいったら罰当たり」(父の口癖/28頁) 「辛(つら)いときは幸運を数え上げること」(母の口癖/36頁) 「手遅れでもやらないよりはまし」(パパならそう言っただろう/53頁) 「お嬢ちゃん、いいことを教えよう。ことによると、いやなことはもう起きるだけ起きてしまったのかもしれないよ」(トリシアが自分に言い聞かせる/54頁) トリシアは危難の中でこうした言葉を噛みしめ、そして自分なりに成長の糧としていきます。その姿がとても凛々しく感じられます。 ですが、いつまで立っても脱出劇の終わりは見えず、トリシアの心と体は限界まで追い詰められていきます。 「人生はひどく惨めなものなのかもしれないとトリシアには思えた。そして、人生とはたいてい惨めなものなのだ。世間の人々は、そうではないふりをして生き、子どもが怯えたり失望したりしないよう、子どもには嘘を聞かせる。【……】世界には歯があって、油断していると噛みつかれる。いまのトリシアはそのことを知っている」(201頁) 大人になることとは世界や人生の過酷さを悟ること。そんな真実を見つけたトリシアの思いをニヒリズムの現れと捉えることも可能かもしれません。無辜な少女が、世間に対して斜に構えた大人へと変容していく様子が見られ、誰しもが避けては通れない成長に伴う痛みを感じないでもありません。 しかし、トリシアのニヒリズムの先にあるのは絶望感ではありません。 「 “人生はそういうものだから”それが気に入らないなら、番号札を取って出口に並べばいい」 「トリシアは思った――いろんな意味で、いまの自分はピートより大人になった」(ともに201頁) このように少女の過酷な成長を描く教養小説(ビルドゥングスロマン)として読むことが可能な物語ですが、その一方でこれは特異な信仰告白でもあるように感じられました。というのも、トリシアが「神とは何か」と壮大な質問を父にすると、父は「環境音(サブオーディブル)」だと答える場面が挿入されます。(84頁) 「サブオーディブル」とは、冷蔵庫のスイッチが入ったときやパイプ式暖房機が時折たてる音。意識していないと気づかない、日常生活で出会う背景音のようなもののことです。神とは、何らかの力がそこには働いているけれど、人間の意識にのぼらない何かであり、その意味では背景音だというのです。そしてその何かのおかげで、大多数の人間が死なずに済んでいる。 「その何かは、慈愛にあふれた、すべてお見通しの完璧な神じゃあない。そんな神じゃなく、何らかの力だってことを示してる」(87頁) 私はこのくだりを読んで、サリンジャーの『 | ||||
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| スティーブンキングの海外ドラマアンダーザドームを見てふと以前に読んだ、トムゴードンに恋した少女をまた見たくなり探した所見つかり購入‼️とても良い状態で届けて頂いたので良かったです。 購入金額にも満足しています。 | ||||
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| スティーブンキングの中でもショーシャンクの空にと同じくらい好き。 | ||||
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| 今回の北海道男児置き去りの報道をみた時、真っ先にこの話を思い出して、(皆が探しているのとは違う)意外な方向に彷徨ってしまったのではないか、と考えていました。子供って想像のつかない行動をするし。結果として北海道の件も無事保護されて良かったなぁ。 | ||||
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| 自分としては作中の以下の短い文章が読めただけで、 この本を読んで良かったと、キングファンとして満たされた想いです。 (うろ覚えですいません) 『彼女はその日最大のミスを犯した 目の前の丘を登れば、湖とその湖畔の別荘や人々の姿が見えたのに。 彼女が向きを変え歩き出した先には、カナダのトロントまでの間数百キロの森林しかなかったのである』 この吐き気を催すような、読者に架空のトラウマを植え付ける手法。 これぞキング! | ||||
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| 生きている世界から、死へ続く道にそれてしまうのは、本当にちょっとした些細な行動からなんだ。 油断していると噛みつかれる。 キングの世界は、奇想天外なようで、意外と実世界と隣り合わせな気がします。 9歳のトリシアが一人森を彷徨っていた9日間。 心配している家族の姿、空回りな捜索を続ける捜索隊。ラジオの向こうの世界。 トリシアの目線で森を見せたり、俯瞰の様にトリシアの場所を表したり、 実際戦って辛い思いをしているのが、9歳のトリシアである事が辛辣なまでに描かれている。 トム・ゴードンの幻影や、トリシアの命を狙う森の生き物。 彼女の強さと賢さに感銘しつつ、キングの相変わらずの描写にも感心します。 | ||||
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私は絵本 | ||||
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| 主人公は9歳の少女トリシア。 離婚したばかりの両親、母と口喧嘩ばかりの兄。 週末には必ず連れ出されるハイキングにもうんざりしていた。 トリシアは、喧嘩中の母と兄を残し、トイレを済まして、すぐ戻るつもりで遊歩道を離れたが、 その選択がトリシアを9日間苦しめる事になる。 群がる蚊の大群や蜂、崖からの転落、食料不足。 暗い森の中、ただ一人であるという、不安と孤独。 そんな中、彼女の心のよりどころとなるのは、大好きなレッドソックスの野球選手、 トム・ゴードンの幻影だった。 その幻影に励まされ、導かれ、彼女はアパラチア山脈の深い森の中、必死に出口を探すのである。 と、文章に書くと、ただ、9歳の少女が森に迷っただけ。という話なのだが、 そこは、さすがキング。道に迷った少女の不安や絶望、希望を巧みな展開で盛り上げている。 そして、タイトルにもなっている、少女が大好きなトム・ゴードン選手が、 疲れきっている少女の前に幻影として現れだし、 いつしか、その幻影は現実味を帯びて、少女を導き、励ましていくのであるが、 このあたりも、 さすがキングっ!と唸ってしまうほど、自然で説得力がある。 ラストはとても感動的で、ホラーは苦手、キングは苦手という人にはぜひ読んで欲しい一冊である。 | ||||
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| 最初はパニックっていた少女が、最後はクマに立ち向かう程の勇気を持つまで成長した。心の支えはヲークマンのラジオ野球放送。ゴードンがセーブを挙げれば、自分がセーブされるなんて考える子供心は面白い。一緒に暮らす母よりも、離婚して別居する父を慕うが、母から授かったサバイバル知識で生き延びるのはなんか皮肉。欲を言えば、両親側の捜索描写がもっと欲しかったのと、最後はバッドエンドが良かったかな。 ハンサムなゴードンってあとがきで作者はフィクションだと打ち明けてます。ヤンキースにも在籍していたので日本人にもお馴染みの黒人セットアッパーがモデルでした。実物と本でのイメージにかなりギャップがあるので読む前に気がつかなくてよかった。キングは野球とヲークマンが好きなことがわかった。 | ||||
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| 9歳の女の子が森で迷子になるサバイバルものだ。 森で迷子になるったって、自分が来た道を戻れば良いんで無いのかい? まっすぐ歩いていればいつか出口に出るだろうよ。 とか、思ったりしていたが、自然を甘く見るんじゃねえ!!と、そんな事を思っていた自分を殴ってやりたい。 人の管理が入ってない森って、恐ろしいね、気味悪いね。 とげが生えたり、ツルが絡み合っている植物だとか、気持の悪い虫虫虫。爬虫類両生類、なんでもござれだ。 ヘドロの浮いた沼とか水たまりとかさ、そういう所をただのスニーカーで歩くのって、やだ。 それと、夜。電気なんかないんだぜ。恐い!虫がいそうな地面に直に寝たりとか、ゾワーッとするね。 裸足で芝生を歩いたりするのも苦手な現代っ子の私には、森での遭難はかなり厳しい。 この主人公は9歳の女の子で、しかも舞台はアメリカだ。 アメリカの森なんか、ますます恐そうじゃないか。ワニとかも出そうだよ。 ジェイソンとかも。 この本のおかげで、少しサバイバル知識が身についたので、万が一遭難するような目にあったら、まずは川を探す事にする。 なぜ川を探すかは、読んだり調べたりするといい。 | ||||
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| 六月初めの土曜日、メイン州西部のアパラチア自然遊歩道の道から外れた9歳の少女トリシアが迷子になって、森の奥深くへと入り込んでいく話。虫の群れに襲われたり、飢えと喉の渇きに苦しむトリシアが、必死のサバイバルを繰り広げるってそれだけの話なんだけれど、いつの間にかこの、恐怖に襟首を捕まれながらも決して絶望しない主人公の少女に、強く共感を覚えていました。 最初は不安と怯えから泣くことの多かったトリシアが、孤独なサバイバルの時を過ごすうちに、精神的に次第にタフになっていくところ。リュックサックに入っていたラジオで、ひいきの野球チーム、ボストン・レッドソックスの試合の実況解説に耳を傾け、彼らの戦いぶりに励まされるところ。レッドソックスのリリーフピッチャー、トム・ゴードンの姿をトリシアが心の中に創り出し、彼と対話をしながら、前へ、前へとひたすら歩いていくところ。そうした描写の積み重ねがあるからこそ、終盤の緊迫感とラストの感動が胸に迫ってくるんだろうなあ。 生き生きとした訳文が素晴らしかった! 翻訳の名手、浅倉久志の訳文を彷彿させる、自然で、頭にすっと入ってくる日本語の文章。芯の強い、大人びた少女(サイン入りのレッドソックスの野球帽をかぶり、ジーンズをはいた)の姿が、瞼に浮かぶようでしたね。映画『ペーパー・ムーン』に出てきたテイタム・オニール(9歳の孤児アディを演じてた)をイメージしながら、「ヤー、ベイビー。あきらめんなよ、トリシア」と声援を送りながら、読んでいきましたよ。 読み終えた後味は清々しく、心地よかったです。人差し指を天井に向けて、「やったね!」と、ガッツポーズしたくなりました。 | ||||
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| キングのたたき込むような、森の描写で、私の頭の中は森でいっぱい。 久々に充実感を味わえた小説でした。それは、少女が傷だらけでどろどろボロボロになりながらも前進し続けたからでしょう。 手元に置いておきたい本です。 | ||||
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| 「スティーブン・キングのホラー」と呼ぶにはちょっと違う感じもするけれど、いつものキングのホラーとは違う怖さがあるような気がします。 主人公は小学生の女の子。 彼女が迷子になり、森の中でサバイバル体験をする、ただそのストーリーが続いていくだけなのに... ものすごくリアリティがあって、自分も一緒に森の中をさまよっているような気分になってしまいました。 最近のキング作品はちょっとつまらないな〜、なんて思っていたのですが、久々に一気読みして「おもしろかった!」と思えた作品でした。 | ||||
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| 元々ホラーが苦手で、Sキングと言えばホラー小説というイメージがあり、映画は見ても本は読んだ事が無かったのですが、この本は9歳の少女のサバイバル物語で、ホラーでは無かったので、安心して読めました。 極限状態に陥った時の人間の行動は、その人柄人格が如実に出ると思うので、主人公のトリシアの勇気には感動しました。森でのサバイバルの様子に凄くリアリティがあります。 物語に引き込まれると、本が閉じられなくなりました。 大人から子供まで幅広い層にお勧めの本です。 久しぶりに熱中出来た本に出会えて、著者の他の作品にもトライしてみようかと思います。 | ||||
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| 時は1998年、野茂英雄がボストンでMLB2度目のノーヒット・ノーランを達成する3年前、LAをクビになりメッツで苦労していた年である。レッドソックスファンの一人の少女が森で迷子になり、サバイバルを余儀なくされる。ストーリーとしてはまことにシンプル、こんなので優に中篇を超える長さの小説を持たせることが出来るのだろうか?と思ってしまうのだが、「クージョ」を読んだことのある読者ならば、キングのストーリーテリングの上手さに期待して、迷うことは無いだろう。そう、そんな心配は無用である。 少女のサバイバルを助けるのはナイフでもマッチでもなく、たまたま荷物に紛れ込んでいた輪ゴムとかでもなく、1台のラジオとレッドソックスの野球中継。絶対の抑え、トム・ゴードンに文字通り「全ての面で」助けられてゆく様子は、正しい野球ファン、と言って言いすぎならば「古き良き幼い日に自分もそうであったかもしれない純粋な野球ファン」の姿を髣髴とさせる。外野席から汚い野次を怒鳴るばかりが野球ファンではないのだ。 試合の場面などほとんど登場しないのだが、そうした意味でこれはキング初の野球小説と言えるかもしれない。惜しむらくは試合にまだ日本人プレーヤーが登場しないこと。松坂はもちろん、ヤンキースには松井もいない。個人的には、抑えではないがトム・ゴードンを野茂英雄に置き換えると、この小説が(大人向きに)臨場感が増す気がするのだが。 キングがいつも大切にする、家族がらみのラストシーンはすばらしく感動的で、これも期待を裏切らない。これは買いである。 | ||||
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| スティーヴン・キングというと、ついつい、 「キャリー」のようなエグイ、ホラーを想像してしまいますが、、 この作品は、主人公は小学生の少女ですし、 内容も、家族でキャンプに来て、はぐれてしまい、 森の中でさまよう、というもので、 いわゆる、血みどろや、殺人のようなものは出てきませんので、 その意味では安心して、女性でも、読めます。 一方で、森ではぐれた少女が、あても無く歩き回り、 どうなってしまうのだろう?という、恐怖は、充分に味わえます。 もちろん、とても怖いのです! でも、キャリーのようなエグサは無いので、 その意味では、心配いらないのです、、、 だから、気持ち悪くならずに恐怖を味わいたい女性などには、 お勧めの作品です! | ||||
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