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輪違屋糸里
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輪違屋糸里の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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この作品の魅力とは、まず挙げられるのは女たちの京言葉、 ふわふわと風に揺れる木々のようで捉えどころのない、 しかし胸の深奥につきさる毒針のごとく、相手を魅了しつつも冷淡に排除する言霊。 「は」「ら」行の音と母音を多用しながら、上手く連ねていくそれは、 なかなか見事な節回しでした。 中でも島原の二人の天神のそれ、今の世でいえばギャル語なのですが愛らしい。 対する壬生八木家、前川家、 御内儀たちのそれはまた柔らかいようで抜け目のない、剣豪の刀のごとく美しい。 それに比較する、というよりも引き立て役、東男たちの野暮ったさ、 生真面目、朴訥でさえあります。 題材は新撰組、芹沢鴨暗殺事件。 凝った筋書き、なにせ会津藩主まで引っ張り出され、 最後の落ちまで因果はめぐる、という箇所は微笑ましくもありました。 が、ここが作家の作品アリバイ作り、というか意地悪読者を意識しすぎ、 なにかサイドブレーキを引いたまま喘ぎ喘ぎ走っている、 どこか重苦しい感がいたします。 強引な筋書き、ちぐはぐ、読者をけむに巻く、 そんな筆先でもこの会話の構成力、美麗な京言葉でねじ伏せてほしかった、 というのが素直な感想です。 私見ですが女性というのは、もっと狡猾、謎に満ちているというか、 更にずっと強欲で身勝手、損得抜きに感情に突っ走る、わけのわからない者、 そんなことを書き連ねる男も実はそうなのですが。 男の中の女性的脆弱さ、打算、倫理観の欠如、土方のそれでしょうか、 女性から見た女性の業の深さ、不可思議さ、 闇に包まれた底なしのどん底、喘ぐような絶望、 血糊の如き粘着で、かつ絢爛とした筆致で描いてほしい。 今後も熟練の技の披歴を願ってやみません。 | ||||
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新撰組シリーズ3部作の第二弾。 新撰組をモデルに扱った作品は世に多いものの、女性たちの新撰組とのかかわりをモチーフにした作品は稀といえる。 結成間もない新撰組の芹沢鴨を始めとする内部粛清を物語の軸に据えつつ、個性派ぞろいの新撰組幹部たちのキャラクターを 余すところなく描写している。加えて新撰組と縁のあった女性たちをそこに登場させるなど、二重三重に物語に厚みを加えている。 結成から消滅まで決して一枚岩でなかった新撰組の姿を、結成初期とは言えども丹念に描いているところに、その後の新撰組が 辿るべくであろう道筋も見え隠れする。 | ||||
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京都の壬生村、島原を舞台に、 創設当時の芹沢鴨が局長だったころの新撰組の人間たちを そこに係わった女性たちの視点で書かれてます。 係わった女性というのは、主に島原の芸者(天神)2人と 壬生村で新撰組の世話をしている家のおかみさん2人です。 幕末の激動に時代、自由に生きられない女性たちや 新撰組の面々の命のやり取りを描いて、 最終的には、命の大切さを訴えている物語です。 糸里さんの言動もさることながら 私個人としては、壬生八木家のおまささんの思い、 「どうも男というものは、人柄の判断はできても とっさの顔色を窺うことが不得手のようである。」 には、ぎくっとしました。 私も、人の表情や、感情の変化に鈍感で さっぱり気付かない人間なんです。。。 (^^; | ||||
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新選組局長芹沢鴨暗殺を、筆者独自の視点で解釈した本作。 相変わらず、筆者の想像力には驚かされる。特に新選組屯所内での隊士同士のやりとりは、「見てきたんかい」と言うほどリアルである。私の記憶では、筆者は自衛隊にいたこともあるんじゃなかったかなあ。さすが。 しかし、たくさんの登場人物の虚と実が入り交じり過ぎていて、矛盾している点もあるように感じた。また、感情移入できない部分も幾らかあった。 ちなみに壬生義士伝で泣かされた私でしたが、本作では泣けず。泣かされたい人は、あまり期待してはいけないかもしれない。 | ||||
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「壬生義士伝」で浅田ファンになり、ちょこちょこ著作を読んでいる者です。 しかし、同作を超えるものには未だ出会えず。 というより、同作が最高傑作のように思います(浅田氏の全作を読んだわけではありませんが)。 そして、「壬生義士伝」くらいの面白さを期待して読んでしまったのと、他の方も書いてらっしゃいましたが、芹沢鴨こそが真の武士だという持って行き方に同調できなかったため(そもそも酒乱で暴れるような自制心のない人に武士道が成立するのかと思う)、ちょっと厳しめの評価となりました。 主人公の糸里は、女の私からして見れば、何事も完璧すぎるほど立派な女性で、イマイチ共感までできなかった。 ただ、この作品で印象が180度変わったのが、お梅さん!! 菱屋の非道さには、言葉を失くしました。 単なる好色の売女に見えるお梅さんを、こう捉えることもできたのかと目から鱗。 小器用に見えて不器用な生き方しかできなかったお梅さんに、不器用な私は、とても共感しました。 | ||||
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浅田節…と、言ってしまえばそれまでだが、あまりにも饒舌。 ずーっと誰かが…糸里が、音羽が、吉栄が、お勝が、お梅が、土方が、永倉が、独白しまくり。 話としては面白いものの、風情も何もあったものではない。 まぁ、浅田節は浅田節、と知ってて読んでるんだから何をかいわんや。だけど。 | ||||
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