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夜更けより静かな場所
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夜更けより静かな場所の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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「古書店で行われる深夜の読書会」 大好物ワードがたくさん入っていて(笑)購入しました。 でも読書会って、たくさん喋る人とあまり喋れない人がいて、、、 というネガティブイメージがあったのですが、 「こんな読書会もあって良いんだ!」と面白く読みました。 それに、読書会の課題図書が、まるで実在しているような作品で、 本の引用部分だけで「もっと読んでみたい!」となりましたし、 6人の登場人物それぞれの悩み、人生が、 課題図書とリンクして、そして、読書会をきっかけに、 それぞれが前を向いて進んでいって・・・。 ラストの古書店店主さんの想い、吉乃ちゃんの決断には、 めちゃくちゃ泣けましたし、勇気をもらえました。 2024年間違いなく私のベスト作品です! | ||||
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読んだ後、本について語りたいという欲求が心の深いところでヒタヒタと感じられる時があります。本の中の言葉を反芻して味わい、同じく読んだ人に伝えたいという行動が読書会へといざなうのでしょうか。読者の数だけ、本を読む楽しさがそこには必ずあるのだと気づきます。 | ||||
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この作家は中長編も(もっぱら連作)短編もものしていますが、個人的には長編しかもクロニクル的な時間の流れとともにお話の進むものに良いものが多いと思っていましたが、「夜更けより静かな場所」は期待を超える内容でした。 登場する6人が古書店「深海」や読書会や本を通じて、心理的あるいは物理的な隔絶感と向き合うというのがテーマです。6つの章のひとつずつに、6人の登場人物のいずれかが1人称の主人公として当てられ、主人公に縁のある本が読書会の課題図書として挙げられます。 ただ、そんな流れで読んでいると5つめの章での課題図書の意外性に「おっ」となり、最終章では(半ば予感があるとはいえ)その展開と課題図書に唸らされるという、凝った内容でした。 主人公が6人(課題図書が6篇)というのは六次の隔たり仮説を意識してるのだろうかと考えたりもしました。 ひとつだけ惜しいなと思ったのは、4章の主人公(中澤)が父親から逃げた状態のまま終わってしまったこと。最終章で後日談として触れられるのかと期待していました。 ともあれ、この作家の短編集では出色です。なにより(ネタバレになるので書けませんが)各章の課題図書の出所について知ることで、最後の最後で「おおっ」と唸らされるというオチまでありました。 | ||||
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一冊の本との出会いが人生を変える、 という幻想を信じている(あるいは信じたい)作家さんのファンタジー 生きる目的を見いだせない大学生、夢を諦めた大学生、離婚して孤独な女性、仕事に追われる男性、才能の限界を感じ逃げ出した女性、激務につかれて失踪した男性、挫折した人々が書籍の力で再生していく。 うん、ファンタジーとしてはいいよ。心温まる展開かもしれない。 でも、どうなんだろう?書籍にそんな力が残っているのかな?ろくに本など読んだこともない大学生や薄給の契約社員が、一冊で数千円もする古書を購入してその世界に魅了されるなんて 現実味が薄いな~ また、読書会のメンバーは、店主とアルバイト店員、店主の姪とその学友、そして常連客2名との設定だが、常連客2名のうちの一人は100円本ばかり買っていた人とのこと。常連がそのレベルの古書店って、経営が成り立つのだろうか?などと思ってしまう。 あんまり現実的現世的なことを考えてはいけないのでしょうね。作家さんの夢物語、幻想小説として深く考えずに読めばよいのではないでしょうか。 | ||||
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何かに悩んでいる人、迷っている人が、古書店で開かれる読書会をきっかけに、自分の考えを整理しつつ、前向きな気持ちになっていく物語だった。 独自の悩みを抱えていた登場人物たちが、どんな本を課題図書に選んで、どんな展開になっていくのかも楽しめたが、古書店の店主の遠藤さんことを描いた最終章が一番心に響いた。 特に店主の遠藤さんの「答えの出ない問いを考え続けることが無駄だとは思わない」という考え方が好きだった。 「悩んでるうちに、その問いが心のなかで落ち着く瞬間がある。答えが出たわけではなく、まあそれはそれとして、大過なくやれてるんだから大丈夫だろう、と思える瞬間があるのだ」 「答えの出ない問いと折り合いをつけるには、悩み続けるしかない。後悔や葛藤がないとはいわない。ただ、そうやって考えること自体がぼくの一部になっている」 そんな遠藤さんの考え方が、悩んでいる人の背中をさすってあげるような、そんな優しい一冊になっていた。 他にも印象に残った言葉とその章を以下に抜粋。 ・能力のない人間に生きる価値はなのか。多くの人がぶつかる命題だと思いますが、ぼくの結論は明快です。能力の有無にかかわらず、すべての人間には生きる価値がある。そもそも能力という概念自体、きわめて限定的なものです。能力と生きる価値の間には、いっさい関係がない。それを端的に教えてくれたこの本に、今でも感謝しています。(いちばんやさしいけもの) ・よくわからなかったけど、気になる詩ではあります。きっと読み返すたびに、新しい発見がある。詩や小説は、年齢とか置かれた状況によって感じ方が全然違ってくるので。それを楽しみに待ちます(隠花) ・スーパーは売れるものを並べないといけない。服屋は流行の服を売らないといけない。でも、本屋はそんなことを気にしなくてもやっていける。古本屋はその気になれば、自分がいいと思う本、面白いと思う本だけを店に並べることができる。古本屋ほどわがままな商売が他にあるかね?(夜更けより静か場所) | ||||
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ゆったりまったりとしながら読み進められるストーリーです。珈琲片手にしながら読むのもいいと思います | ||||
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"『真昼の子』という大好きな小説について、こんなにたくさんの意見が出るとは思っていなかった。ひとりで本を読むのは楽しい。でも、読んだ本について語るのもまた楽しい"2024年発刊の本書は古書店『深海』で開かれる深夜の読書会で男女6名の運命が静かに動きだす群像劇。良書。 個人的に私自身が古本屋店主として、自身のお店で読書会をしている事から気になって手にとりました。 さて、そんな本書は3年生の夏休みにヒマをもてあましていた女子大生の吉乃が叔父にあたる遠藤茂が店主の古本屋『深海』でソフィア・レプニコワの『真昼の子』を紹介され、その面白さ、感想を交換する場がないとグチをこぼしたところ、店主から"読んだ課題本の感想を伝えあう会"『読書会』を逆提案されたをキッカケに閉店後の深夜0時から二時まで【夜更けの読書会】が静かに始まり、物語は吉乃含めた読書会の参加者6名が選ぶ課題本を中心に語り手を変えながら、それぞれの人生も語られていくわけですが。 深夜ではなくも夜に読書会を主宰していることもあって、各章の読書会の様子にはとても共感し、特に進行役を担う店主、遠藤茂の姿には自分を重ねて楽しませていただきました。 また、本書では読書会参加者の大学生から社会人のそれぞれに後悔や後ろめたさを抱えた過去や現在への決断が課題本を選ぶ過程と重ねて描かれていますが。私自身はやはり最終章の店主を意識してしまいますが、読み手ごとに誰かに共感できるのではないか。と思いました。 古本屋に癒しや逃げ場を求める方、また読書会をされている方にオススメ。 | ||||
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古書店「深海」を通して、店主を含め計6名のメンバーで夜半に読書会を行うというストーリーです。 課題図書は、普通の文学作品だけでなく、絵本、詩集も対象となっています。 特に印象に残ったのが、「トランスルーセント」。 読書会でありながら、課題が「図書」ではなく「楽譜」となります。メンバー1人がその楽譜の曲を演奏し、他のメンバーは聴いた後、曲の感想を述べあうのです。演奏者は、演奏家として技術を磨こうと努力してきたものの途中で挫折し、いまや楽器からも離れてしまった人。同じような環境下にある方には、共感・反発いろいろあると思いますが、この葛藤のような部分を是非読んでほしいと思います。 また、最後の読書会は事情により5人での参加となりましたが、最後にして最高の読書会になったと思います。 この本でとても印象に残っている部分があります。 「本の読み方は人の数だけある。だから読書会は面白い。もしかしたら、わたしたちは常に家族や友人や職場の人と、読書会をしているのかもしれない。課題図書は、おのおのの人生だ」 この本の一番いいたいことをまとめてくれていると思いました。 とにかく、読めば読むほど内容が深いことに気づきます。 また、年代によって読んだ印象も変わるかもしれません。 私は、この本を長く大切に所持し、時間をおいて繰り返し読んでいきたいと考えています。 | ||||
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