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竜胆の乙女 わたしの中で永久に光る
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竜胆の乙女 わたしの中で永久に光るの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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おもしろかった | ||||
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某動画主が高評価してたので読んでみた。前半は「春夏秋冬代行者」+「私の幸せな結婚」、堅実な筆力と耽美で残酷な世界観に魅せられる。おかとときの不気味な存在感もいい。 が、後半でジャンルが変わる。 ウミガメのスープが始まる。 中盤以降は「かがみの孤城」になるんだが、面白さが半減しちゃったのが残念。「どんでん返し!」「衝撃の問題作!」って銘打たれてはいるものの、似た手法の作品がないわけではなし、ある程度読書慣れした人は予想できる範疇。 その上で仕掛けが魅力を膨らませてるか、と言われると否。 前半の雰囲気が良すぎただけに、後半ありがちな話になってしまったのがもったいないというか……。 ネタバレ 前半の内容は作中作。カウンセラー通いしてる17歳の女子高生・里茉が、従兄の嶺から貰った小説だったと明かされる。 しかしこれも違和感が働く。本作は嶺が里茉に送った希望の物語となっているが、18歳の男子高校生が書いたとすると、些か過激な筋立てに疑問符付けざる得ない。 夜毎美男が凌辱されるR18G小説を、心を病んだ従妹に読ませる18歳DKってぶっちゃけどうなの? たらふく花食わせた腹に針ぶっ刺して鬼ごっことか発想が団鬼六なんだが、嶺はどんだけヤバい性癖秘めてたの? これも里茉の歪曲で、実際はもっと穏便なお持て成しだったの? さらに突っ込みたいのは里茉の思考実験。従兄の形見の物語を勝手にいじって、ストーリーを破綻させるキャラ追加して、既存の登場人物の役割を奪うって、本当に物語を愛してる人間がすること……? 里茉が精神的に追い詰められていたのを差し引くとしても、物語を愛する人間にとって、それは最大のタブーなんじゃないか? 既に綺麗に完結してる、大事な人からの贈り物なのに。 小説は現実逃避じゃない、希望である。 上記は作中に登場する言葉だが、八十椿に見せ場を持っていかれ、いてもいなくてもどうでもいいモブに堕してしまった藤潜に希望はあったのだろうか? 個人的にはただただ同情を禁じ得ない、彼にも与えられた役割と果たすべき大義があったのに……。 物語が希望だとか心の支えとか美辞麗句並べるなら作者自身が登場人物愛してよ、じゃなきゃ不誠実だよ。 終盤は八十椿=里茉とおかとときの対決を経、物語の結末が提示されるのだが、整合性が取れた帰結とはお世辞にも言い難い。 ぶっちゃけご都合主義が過ぎる。 自分が滅茶苦茶にした物語を大団円に導く、って目的意識はわかる。でもそれは虚実ごっちゃにせず、リアルとフィクションに線引いて、物語の中でやってほしかった。 カウンセリングの結果は上々、治療は成功。けど物語としては破綻してるし、伏線の越境は受け入れがたい。 菖子の名前の由来や命名の逸話が作中作で語られていればまだ腑に落ちた、後出しは納得できん。その「納得できん」ってモヤモヤを植え付けた時点で、リアルとフィクションのリンクが上手くいったとは言えない。 菖子と八十椿が殴り込みに行くシーンは惰性で読んでた。 前半で竜胆や屋敷の住人に感情移入した分、後半のがっかり感が強い。前半の妖美な世界は何処?既に作者が死んでる(設定になってる)から無理ないにせよ、なにもかも陳腐になりすぎていた。 文章力は確かに高い。が、抽象的な表現が多く突出した個性は感じ取れない。背筋真っ直ぐ伸ばしすぎ。 美男の容貌の描写もパーツ単位の造形じゃなく、「星のような」「海のような」とか曖昧な比喩に尽きるし。 前半は和風ファンタジー物の乙女ゲーのような世界になっている為、乙女ゲープレイヤーはハマるかもしれない。 竜胆以外屋敷の住人は全員(美)男の逆ハーレム。そんな彼らが花吐いたり緊縛されたり化粧・女装させられたり、猟奇的で倒錯したシーンが頻出するので、泉鏡花ファンにおすすめ……と言えなくもない、のか……? 恐らくは二作目が勝負。 作者さんが前半と後半、どちらのテーマにより関心を傾けてるかはわからない。たぶん後半だろうと推測するが、17年間娘を抑圧してきた母親があっさり改心する都合主義な展開に、現実に即した説得力を持たせきれてないのがネック。 惜菫とてつ子はあそこで終わってた方が美しくて好きだったなあ。 | ||||
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ラノベでやるな。これに尽きる。 文章はラノベの中だと間違いなく上手い。今回大賞の片割れがあまりに酷く、編集部に文字を読める人間が残ってないのかと心配になったが、こっちを読んでひとまず安心した。 世界観もなかなか尖ってて良い。自分色の作品を書こうとしてるのが伝わってくる。面白さとかは置といて、こういう作品がまだ出てくる余地があるのは、オワコンギリギリのラノベ界隈にあって一縷の希望を感じられる。 で、これはラノベか? ラノベって、キャラクターにハマれてストーリーにノれて、というものだったはずでは。 俺が思うに「面白い作品」と「上手い作品」は違う。 新人賞相手にラノベ史上空前に売れた作品を取り上げるのは酷かもしれんが、『とある』シリーズを例に考えてほしい。 『とある』はぶっちゃけ「下手くそな作品」だ。1ページ目から文章は酷いし、展開は引き延ばしだらけだし、事実コンテストでは落選してるので(このとき拾い上げた編集の審美眼は凄い)、小説として「下手くそ」なのは疑うべくもない。 でも、キャラクターがいい。そして勢いがある。 対する本作は非常に「上手い作品」だと思う。文章に目立った粗はなく、プロットもかなり考えられていると見える。結果として『とある』が獲れなかった電撃大賞を、本作は獲った。 なのに、キャラクターが記憶に残らない。ぐいぐい読ませる勢いもない。 ラノベに求められてるのは「面白い作品」じゃなかったか。 「上手い作品」の発掘は大衆文学の賞にでも任せておけばいいんじゃないのか。 文学賞気取りの「上手い作品」びいきが、最近の電撃大賞では鼻につくように思う。 作品のレビューってより電撃大賞のレビューで恐縮だが、近年の迷走っぷりを見ているといよいよハッキリしてほしい。 電撃文庫、お前は一体何がしたい? | ||||
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何というか、どう感想を書けばいいのか非常に困る作品です。 同時受賞の「魔女に首輪はつけられない」に比べればこちらの方がふさわしいのは間違いないのですが、しかし……うーん。 少しだけネタバレありです。 正直あんまり面白くなかった。 公式サイトにある”世界を一変させる、「ある一行」”とやらは試し読みの時点で読めてましたし。 露骨に見せた上でさらにどんでん返しがあるのだろうと思いながら読み進めていたのに、そのままあっけなく終わってしまって、えぇ……っとなってしまって。 作者が書きたかったものはわかりますが、これはなぁ。 終盤の方はどう受け取ればいいのかわからないというか、悪い意味で現実なのか幻なのか判断がつかないまま読んでいたので。 特に人を刺したと受け取れるような描写があったのに、そんなことはなかったというのはなぁ。 私がまだ仕掛けがあるだろうと思いながら読んでいたのもありますが。 で、一番いいたいことがある。 ビブリア古書堂の事件手帖で有名な三上延、説明せえ。 これのどこに泉鏡花を連想させる部分があるのか。 期待して試し読みを開いたら全く違うものが出てきて、いざ買ってみてもやっぱり違う。 作風は似ても似つかず、文体に至っては鏡花の真逆である非流麗文だし、本当に読んだのだろうか。 よく書けてはいるんだけれども、泉鏡花を思わせる部分は全くない。 金賞で良かったんじゃないかと思う、そんな一冊でした。 以上。 | ||||
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