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(短編集)
梅安蟻地獄: 仕掛人・藤枝梅安2
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梅安蟻地獄: 仕掛人・藤枝梅安2の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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第二巻では基本的なフォーマットの設定が出来上がったようです。第二巻では短編というより、中編ともいうべき作品がいくつかおさめられています。彦次郎に加え、不思議な縁から知り合った小杉十五郎も登場します。また表の鍼の仕事の舞台となる品川台、そして裏稼業の様々な発端となる浅草橋場の料理屋、井筒、の様子が細かく描写されます。 そして読者に明らかにされるのは、仕掛け人とはいいながらも、カタルシスの頂点ともいうべきその仕掛けの最後の描写は、驚くべきほどあっさりと描写されるという特性です。そして謎ときの要素もそれほど重きを置かれてはおらず、ストーリーの展開の中で淡々と明かされていきます。仕掛けの対象となる人物は、江戸後期という時代を反映してでしょうか、「大悪人」というよりは、仕組みの狭間の中で、さもしい利益をむさぼる、どちらかというと「子悪人」が中心のようです。その犠牲となるのはほとんどが権力から距離の遠い庶民か、武家を中心とする仕組みの中での立場上「声」を挙げることのできない人々のようです。 この中で、日常が繰り返されていきます。というわけで季節の移り変わり(本館では1800年が舞台で年初めから師走まで)や食事や晩酌という日常が話の欠かせない小道具となっていきます。そして今や存在が許されなくなった「香具師」という存在とその元締めたちです。こういう存在が地域ごとに縄張りを持ち、きれいごとでは割り切れない世の中の秩序をある意味では支えていたのかもしれません。 | ||||
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