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母の待つ里
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母の待つ里の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.45pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全57件 41~57 3/3ページ
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私は今は限界集落となっております兵庫県の相川村で生まれ育ちました。本当です。 一人っ子で母を早く亡くし、60を過ぎた今も母の死をうけとめられず子供のままのような気がします。 浅田先生の作品はほとんど読んでおりますが、母の待つ里は私そのものです。 先生は私の事をご存知だったのかしら?と不思議な気がしております。 美しい作品に出会えて幸せです。 いつも思いますが浅田先生の作品は体に沁み込むのですよね…ありがとうございました。 | ||||
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大変良い本でした。内容も良かったと思います。 | ||||
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デジタル優先の現代。人は何を求めているのだろう?。「ふるさと」って、どこなんだろう。人は何処に戻ったらいいの? | ||||
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壬生義士伝はじめ浅田さんの小説には南部地方の言葉が良く出て来ます。東北弁を活字にするのは難しいと思いますが感動が大きいほどに吉村貫一郎の"おもさげながんす"に違和感を覚えた記憶があります。この母の待つ里では活字になったふるさとの言葉が違和感無く自然に読み取れました。浅田さんの東北愛の深まりにあらためて感動しました。 | ||||
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「じゃじゃ。六十でお医者をやめるってかい」 ふるさとの母が言う。 「それァ、わがままだなす」と言う。 「わがまま、かな」と夏生先生が答える。 強い母だ。 子どもの顔色を見ながら、言葉を飲み込むことをしない。 「わがままでがんす。夏に生まれたなら夏に死んでもかまわねが、 夏にお医者をやめる道理はねがんす」 有り難い... 憧れだった父の医者としての志を思い出させてくれる。 私にも、叱ってくれる親がいない。 根なし草だなぁ。 「ふるさとを探すのは、寂しい人だから」と 話す夏生先生の言葉が染みるなぁ。 | ||||
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浅田次郎の思い描く世界にすっかりと取り込められてしまった。話の舞台は宮城県か岩手県か、或いは福島県か、、、。私は建設会社に勤務していた若い頃に、東北地方で道路やトンネルを建設しており、その頃に行き合った人々の息吹を感じさせるような雰囲気がこの本には流れていて、それがまたよかった。そういうところで家族帯同で勤務していたが、家内と時々、懐かしくその時にお世話になった人々のことを話している。 話は、故郷を持たない人達、それはとりも直さず親をとうに亡くした人たちでもあるが、そう言う人たちに、一泊五十万円で故郷の体験をしてもらう会社があり、そこに身を委ねた二人の男と一人の女と、一組の夫婦の話である。着想が思いもよらないものであり、「地下鉄に乗って」や「鉄道員」を産んだ作家の面目躍如たるものがある。すっかり話にはまり込んでしまった。人の心を掴むことの上手い作家だ。 | ||||
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穏やかな気持ちにされる。 | ||||
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面白く奇抜な設定だ。他のレビューから分かることは、作者と世代がずれるとふるさとや母に対する実感が湧かないことや、ビジネスとしてはアメリカにモデルがあるようなことである。当レビューアーにとってより重要な点は以下のようなことだ。作者が描こうとしたのは、現在、とてつもなく急速に日本から失われつつあるものに対する渾身の哀惜の念ではないのだろうか? 作者は「ちよ」(坊ちゃんに出てくる千代と優しさが似ている)という現実にはあり得ない、理想の「母」を創作し、ちよに、今まさに滅びようとしている寸前の日本の美や優しさを託したように思える。ちよは、日本の故郷の化身なのだ。地方を旅行すると、各地の疲弊は目を覆うばかりだ。本作品の中でも、多くの兵士たちが、「命をかけて守りきったはずの故郷が、平和な時代が続いたゆえに消滅してしまう」と書かれている。この状況を作者は、「荒廃しているのはこの村ではなく、自分が生まれ育った大都会にちがいなかった」との古賀夏生の独白に仮託している。我が国の近年の人口政策や地域振興政策は、ことごとく失敗した。国民が選択した小泉内閣の新自由主義は多くの災厄をもたらし、そのあとの民主党政権は公共事業を削るばかりで大きな成果はなく、安倍政権でも回復しなかった。作者は政治の主張はしないが、そのような時代状況の中にこの作品はある。いま、そこにある危機を抉っている。全体的には名人芸で、細部の描き方はさすが浅田次郎、とくに「母」との会話の妙には心底唸らせられる。 | ||||
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さすが浅田次郎さん、泣きました | ||||
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故郷を持たない人、あるいは、故郷に希薄な人がこういう形で故郷とか母を感じることは大変良いことと 感じられる。特に今後、核家族化が進んでくると、こういうビジネスも活況を帯びてくると考えられる。 しかし、この価格だと、ビジネスエリートしか使用できない、これが狙いかもしれないが、ちょっと疑問である。地方の過疎化対策としては、良いアイデアである。今後、地方に移り住んでも、仕事のリモートやオンライン化が進んでくれば、問題ないと思われる。 | ||||
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離れて暮らす母と重なったり、 一人のお母さんにそれぞれの思いの違いを考えさせられました。 | ||||
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浅田作品はまずはずれがない。 本作品の最後の最後に明かされるエピソードは泣けてくる。 | ||||
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まだ主人公達の年齢ではありませんが、若い時に母を亡くしており、今は故郷を離れた身なので、とても共感できる内容でした。 母には迷惑ばかりをかけてしまいましたが、居なくなると分かることばかりです。 どんなだろうと、母は子供を愛している、迎えてくれるものなのだと涙しながら読みました。 後悔、感動、いろいろ感じるところはあるかもしれないですが、お母さんがいる人も、もういない人も読んでみてください。 きっとお母さんに会いたくなります。 | ||||
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少し離れた本屋で裏の帯だけ読んで、買わずに家へ帰る車中、妻と「『3人の男女に理想のふるさとへの招待状、そして彼らを待つ母・・・』って何なんだ?」と想像を膨らますうち・・・最寄りの本屋で買っていました! その後、あまりの面白さに一気に読んでしまいましたが、今になって思うのは、浅田先生、アメリカのドラマ「ウエストワールド」を見ていないまでも、その存在はご存知では・・・?と。「富裕層だけが訪れることのできる『理想郷』への招待」という設定が、よく似ているので。でも、そこへ理想の「母」という存在を持ち込んだのが浅田先生の凄いところだと思います。小説にしかできない形で、日本人の精神構造を”上手く”炙り出していると思います。 あと、世代とか生活環境によって、かなり受け止め方は違うのでは?とも思いました。僕(51才、名古屋生まれの名古屋在住者)は正直ギリギリです。東北とか田舎へのノスタルジーは全くありませんから。その代わり「母」への思いは強くあるので、面白く読むことができました。 以下ネタバレ。 最後のシーン。愛する子供と孫を失った「母」が、子供たちを欲し、あくまでエンタテインメントと割り切りながらも、彼らの「母」を演じ、そうであろうとした。それは、とてつとなく切ない。誰かが誰かを必要とする限り、与えられた役割を演じている部分は少なからずあると思います。だから全ての人は、社会にいる限り「人生」という舞台で名俳優、名女優として一度限りのドラマを演じていると、つくづく思いました。 小説とは元々「フィクション」(=つくりもの)なのだから、そういう「ファンタジー=理想」を描くのは当然じゃないかと改めて思いました。 浅田先生、素晴らしい小説をありがとうございました! | ||||
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浅田次郎氏の新刊書の広告を見て、なぜか目次も見ずに直ぐに購入しました。 到着したその日から、一気に引き込まれ読み進みました。 なぜか、自分も母から慰められているような気持になり、涙が流れてきてしまい、電車の中でも恥ずかしくなりましたが。 母親が亡くなった年齢に近づいてきて、母親の気持ちが判りかけてまいりましたが、読んでいくにつれ、 自分は何も考えずに、子供の頃にこのように母に甘えたかったんだなぁ、と思い至りました。 この本は晩秋の年齢に経った方に、是井ともお勧めしたい一冊です。 | ||||
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四季折々の美しい景色と、縁もゆかりもない母の優しく最高のもてなしが美しい文章で綴られ、読み手は誰もが自分も母の元へ行って見たいと思うでしょう。たとえ家族持ちでも母に労を労って貰いたくなります。それは他人だからこそ理想の親子関係が短い時間に結ばれるのかもしれません。素晴らしいアイディアに溢れた‘ふるさとをあなたへ’の企画にはすっかり飲み込まれ楽しませて頂きました。浅田次郎様には心より感謝申し上げます。 | ||||
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●東京という大都会生まれの著者にとって、想像する故里(ふるさと)とは東北。なかでも南部曲が り家で有名な岩手の郷なのでしょう。活写される故里は限りなく美しく、自然への憧れと賛歌があふ れています。そこに住まう人達は素朴で、朴訥な方言が温かく響きます。虚構の故里に待っている母 は実の親以上に愛してくれ、自分の全てを受け入れ許してくれた。 人生の後半に差し掛かりふと振り返った時、寂寞とした思いが去来する。著者は主人公たちの口を 借りて自分の気持ちを吐露しているようです。 しかし、意地悪く別の見方をすれば、人、物、情報の全てを有する大都会に疲れて次は田舎の自然 ですか?温かい人情ですか?田舎には何もないですよ。よそ者には冷たいですよ。一年に一度か二度 の里帰りか観光旅行くらいがちょうど良いんです。都会っ子のないものねだりのファンタジーですよ ・・・と故里を捨てた東北田舎育ちの私が嘯きます。 でも、読了後表紙に描かれている小さな母の姿を見たとたん、涙が止まらなくなりました。本当に あの絵は反則です。訪れた息子を見つけて遠くから凝視する母。その視線を逸らせるわけなどないで はないですか。 | ||||
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