■スポンサードリンク
転々
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
転々の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大都会東京の隠れた場所をわけありの男二人が歩いていくうちに、心が通じていく様子が描かれていて好きな本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画がわりと面白かったので読んでみました。 映画の方がまあ、監督独特の間を楽しむ愉快な話だったのに比べて、原作の方は主人公の置かれている状況も深刻でストリッパーのアイドルが絡んできたりして、かなりディープな内容になっていてほとんど別物。 まあ、映画を見ているとちょっとにやりとするところもあるんですけど。 歩く道筋はけっこう詳しく書かれています。 これを読んで主人公と同じ道を歩こうと思う人いるんでしょうか? まあ、止めませんけど。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
不思議へと散歩する物語。豊かな風景描写に現代人の闇(現実逃避)を自然と混ぜる。テーマはいちいちシリアスだったりするが、流れてる サウンドという雰囲気はいちいちコマーシャルだ。不安をあおればよく売れる。 現在と回想の使い分けもいちいち絶妙だ。テンポが良い。またそこに真偽が定かじゃないサスペンス性を加える。罠にも似た衝動が渦巻き 脳が高速回転する快感があるね。 またいちいち男女論があるのもこの人の特質だろう。やはり、もっとも確立されている理論に攻撃の的を絞りたいという強迫観念がおのずと あるんだろう。 ああそれにしても、この散歩からみえる現代は何もかも丁寧だ。丁寧に恋愛するから疲れる。丁寧に仕事するからなんらドラマがない。 犯罪の動機すら丁寧か。一番手っ取り早い方法を選んでおきながら何一つ変えれやしない。丁寧な社会。丁寧な世界。どいつもこいつも 丁寧に自殺していく。まあ放浪する度胸がなくても、文哉みたいに一歩一歩歩くべきだな。それですら足元をすくわれそうになるけども。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
借金を抱え逃げ回る大学生文哉の前に現れた謎の中年男性福原からの申し出は、100万円の報酬での東京の「散歩」でした。 この二人の奇妙な「散歩」は、世代の感覚、価値観の差をはっきりと表しながら進んで行きます。その間に、文哉の想う人美鈴との関係が語られます。文哉の一途な思いがそこにはあります。それと対比するかのように、耐え忍んだ老いらくの恋が、福原の愛ゆえの妻殺しが語られます。そこに、時代の変遷を感じざるを得ません。 そして、見事なラストが待っています。美鈴の選んだ道。文哉の選んだ道。予想外の展開ですが、胸に来るラストです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ものすごくいいテーマだし料理の仕方によっては すごい傑作になったかもしれないモチーフ。 残念ながら人物描写、風景描写も含めて捌き切れなかった印象。 本書は決して悪くないし、むしろお勧めに値する一冊であるのだが 惜しい、堪らなく惜しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説を無理矢理どこかひとつのジャンルに押しこまねばならないとしたら、ある人はミステリーと言うでしょう。主人公が訳の分からない状況に巻きこまれ、真相が徐々に明らかになり、最後に急展開。紛れもないミステリーです。文句ありません。でも、そう言ってしまうと、この小説の持つ痛みが奥に追いやられてしまうような気がします。ですから、そんなジャンルがあるのかどうか知りませんが、あえて言うならこれは青春小説なのです。ただしここには汗も涙も友情もありません。あるのは乾いた痛みだけです。のたうち回るような痛みではなく、手術で取り除けるような痛みでもない。日焼けあとのようなヒリヒリとした痛みを、「ふつう」の暮らしすらまともに出来ない登場人物たちみんなが抱えています。オースターが好きな方なら、きっと「ムーンパレス」を連想されるでしょう。こんなのありえないよ、というくらい奇妙な状況に置かれている主人公なのに、読んでいる僕らはしっかり感情移入してしまっている。ヒリヒリとした痛みは、必ずしも年齢や立場とは関係ありません。存在してしまっていること自体への焦りや居心地の悪さ。もしもそんなものを脱ぎ捨てることが出来たなら、そのときが青春の終わりってことなのでしょうが、嬉々として小説を手にとっているようでは、安息の日々の到来など望むべくもありませんね。痛いあなたはお読みください。読んでも和らぎませんけど。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
家族のいない大学生の竹村文哉は、サラ金の借金の取り立て屋から追われる生活をしていたが、住んでいるアパートに来た取立て屋の福原に半ば脅迫され、東京散歩に付き合ったら百万円やるという報酬に釣られて同行を始めた。文哉の借金の原因になったともいえるストリッパー美鈴との恋、そして妻を殺害したという福原。都内を歩き転々とする中で、文哉と福原は様々な出来事に遭遇していくが、やがて東京散歩にも終わりが近づく……。 最近の藤田宜永としては異色の作品ですが、どことなくかつてのハードボイルド作品を思い出させるような作品で、最近の作品よりもとても面白い作品でした。東京都内を歩く福原の目的、そして文哉と美鈴との恋、そして偶然の文哉と産みの母親との再会……と、幾つもの展開が織り込まれています。読みながらも頭の中では、ドラマとしての展開も想像できて、空想としての楽しみもありましたし、文哉の過去と現在に至る成長、そして福原の本当の正体など、ラストまで一気に読み進めて楽しめた作品でした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!