星落ちて、なお

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星落ちて、なおの評価:

4.16/5点 レビュー 31件。 A ランク

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平均点4.16pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全59件 21〜40 2/3ページ
No.39
(1pt)

直木賞といえど

初めての作家の作品を読了。直木賞受賞作品ということもあり。なんでこれを題材にしたのか、全く内容が入って来ない。主人公に興味がわかない。流し読みで終わり。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.38
(4pt)

女性絵師の人生/既視感を覚える

●明治22年から始まった物語はおよそ10年おきに描かれている。本文での主人公とよの話より、む
しろ描かれていない10年間の方に大きな出来事や時代のうねりが生じている様子。著者はあえてそ
の部分を割愛して、本文のストーリーを濃密にすることにより主人公の心模様を活写している。
 巨星落ちてなお心を縛られる”とよ”の懊悩。偉大な父の後ろ姿そのものが、とよへのマインドコン
トロールだったのかも知れない。絵に対する姿勢は揺るがないが、夫婦とは親子とはを模索する心の
動揺があまりにも切ない。

 残念なことは、開巻後しばらくすると感じる既視感である。偉大な絵師である父を持つ子供たちの
苦悩や身内の者たちとの軋轢。加えて女性主人公から見た視点などなど、朝井まかて「眩くらら」の
主人公・応為の姿と強烈にダブって見える。読書中その影が纏わりつきます。もし本書を先に読んで
いれば★5だったと確信します。
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.37
(4pt)

女性絵師の人生/既視感を覚える

●明治22年から始まった物語はおよそ10年おきに描かれている。本文での主人公とよの話より、む
しろ描かれていない10年間の方に大きな出来事や時代のうねりが生じている様子。著者はあえてそ
の部分を割愛して、本文のストーリーを濃密にすることにより主人公の心模様を活写している。
 巨星落ちてなお心を縛られる”とよ”の懊悩。偉大な父の後ろ姿そのものが、とよへのマインドコン
トロールだったのかも知れない。絵に対する姿勢は揺るがないが、夫婦とは親子とはを模索する心の
動揺があまりにも切ない。

 残念なことは、開巻後しばらくすると感じる既視感である。偉大な絵師である父を持つ子供たちの
苦悩や身内の者たちとの軋轢。加えて女性主人公から見た視点などなど、朝井まかて「眩くらら」の
主人公・応為の姿と強烈にダブって見える。読書中その影が纏わりつきます。もし本書を先に読んで
いれば★5だったと確信します。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.36
(5pt)

入口は読み辛い文章だったが、後半から惹き付ける奥深い味わいが有りました。

入口は読み辛い文章だったが、後半からは内心を惹き付ける奥深い味わいのある作品と思う。
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.35
(5pt)

入口は読み辛い文章だったが、後半から惹き付ける奥深い味わいが有りました。

入口は読み辛い文章だったが、後半からは内心を惹き付ける奥深い味わいのある作品と思う。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.34
(5pt)

自分を重ねて

昨年読んだお気に入りの1冊。
やはりの展開もあるけど、昔の絵画の立ち位置や、画業の生業がよくわかって、りあるであり、大変参考になった。
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.33
(5pt)

自分を重ねて

昨年読んだお気に入りの1冊。
やはりの展開もあるけど、昔の絵画の立ち位置や、画業の生業がよくわかって、りあるであり、大変参考になった。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.32
(5pt)

純粋で真摯な創作及び葛藤

創作の葛藤
家族との関係
己の絵を描くために選ぶ道
他人には理解出来るものではないことを知り
なおも筆を執る方を選ぶ画人。

幾重もの苦難に遭っても
決して絵への想いを絶やさない。

輝き失せても、なお
絶やさぬ想い。

永遠に失せない
澄みきった煌めき。

絵を描くことを心に決め
生きていく主人公の生き様。

そこに常に家族への
割り切れない想いがあり

自分自身を振り返えり
また歩き出す物語。

とても面白かった。
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.31
(5pt)

純粋で真摯な創作及び葛藤

創作の葛藤
家族との関係
己の絵を描くために選ぶ道
他人には理解出来るものではないことを知り
なおも筆を執る方を選ぶ画人。

幾重もの苦難に遭っても
決して絵への想いを絶やさない。

輝き失せても、なお
絶やさぬ想い。

永遠に失せない
澄みきった煌めき。

絵を描くことを心に決め
生きていく主人公の生き様。

そこに常に家族への
割り切れない想いがあり

自分自身を振り返えり
また歩き出す物語。

とても面白かった。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.30
(5pt)

自分の身と引き合わせて読んだ

これまで澤田さんの本は何冊か読んできたが、どの作品も自分の暗部を鈍器で殴られているような痛みがあり、読んだあとは必ずと言ってよいほど自己嫌悪に陥り、発狂した。
しかしこの本の文章は、初めから優しく暖かく柔らかい印象を受けた。
最近の澤田さんの顔も柔和な感じがするから、何か心境に大きな変化でもあったのだろうと推測する。

この小説の主人公とよは、私と祖母を足して二で割ったような人物だ。兄にいじめられ、しかしその才能に憧れ、対抗心を燃やしているという点では私に、そして我慢強いという点では祖母に似ている。私にも祖母のような我慢強さがあればいいのだが、どうも拙速で自制の利かないところがある。
ただ、とよと兄周三郎との間にあったような愛憎入り乱れる絆は、私と兄の間には希薄だ。こう言ってしまってはとよたちに失礼だとは思うが、私はとよと周三郎が羨ましい。私と兄は力の差がありすぎて、喧嘩したくても私が一方的に批判され、抑えつけられてしまうのだ。二歳しか年が変わらないのに。
「この世を喜ぶ術をたった一つでも知っていれば、どんな苦しみも哀しみも帳消しにできる」という言葉が作中に出てきたが、私の場合、その楽しみの一つは恋愛である。私の人生には苦しみ・哀しみが多いが、連れ合いと楽しく戯れているときは気を紛らすことができる。連れ合いと出会えてよかった、この本を読んでよかったと心から思う。
とよが父の人生を語り伝えたように、私も連れ合いの死後、彼の人生を、思想を語り伝えたいと思う。そしてもちろん、自分の人生・思想も。
光も闇も私の一部なのだから、包み隠さずすべてを語らねばならない。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.29
(5pt)

親に愛されることもなく、人を愛することも出来ない、「とよ」の人間としての葛藤。

不世出の絵師・河鍋暁斎の娘として生まれた「とよ」の、絵師としての人生の葛藤を描く。父は「狩野派」の手法を身につけながら、自由爛漫な絵を描ける偉大過ぎる父親の子として生まれ、父親は画鬼と言う様な、すべてをそれに注ぎ、それ以外のことは眼中にないような、絵については厳格な人物であり、家庭であった。そういう父親だったから、子供を見る目も、親子と言う関係ではなく、自分を継げる子供(4人)は誰かと言う師弟の関係でしか子供たちを観ない。そういう環境で育った長男と長女(とよ)、弟、妹であるが、長男と弟は養子に出され、妹は早く死ぬ。家に残ったのが「とよ」である。こういう家庭に生まれたのは運命であり、長男と「とよ」は、父親を超えようと頑張るが、その父が死に、重く絵師としての家を守るという思い任務と言うか責任と言うか、「獄」に繋がれているような長男も「とよ」も、そういう認識を共有する。どう頑張ったとしても、とてもじゃない、父親の域には行けないことを十分すぎるほど自覚するが、逃げ出せない。逃れられない意識に雁字搦めになっていて、その苦悩は大きい。
また、時は、明治から大正であり、時代が大きく変わり、いろんな価値観も変わっていくが、父親の古い多彩だが、基本的に狩野派に基礎を置く父の画風や手法を継いでいかなければならないと、肌に刷り込まれている。その葛藤もある。
ただ、私が一番強く感じたことは、タイトルにしたように「親子ではなく、師弟としての人間関係しかなく、絵がすべての関係性である。したがって、親の子として愛されることもなく、ために、長男も「とよ」も互いに対抗し合う関係、意識であり、本当に人を愛することが出来ない人間になっていることの一人の人間としての葛藤が強く印象に残る。「愛を知らない人間は孤独であり、幸せではない」という事が、大きなテーマとしておかれているように感じた。しかし、実際は偉大な絵師の息子、娘に生まれたがゆえに、其処から抜け出せない現実の自分がいる。
帯に「家族ってなんだ?と思わず我が身を振り返ること必至」とある。帯には、その他いろいろ書いてあるが、想像するに発行する担当者たちの意見をそれぞれ載せているのではないかと思われる。その中で、私の感想に近いのは、この言葉である。
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.28
(5pt)

親に愛されることもなく、人を愛することも出来ない、「とよ」の人間としての葛藤。

不世出の絵師・河鍋暁斎の娘として生まれた「とよ」の、絵師としての人生の葛藤を描く。父は「狩野派」の手法を身につけながら、自由爛漫な絵を描ける偉大過ぎる父親の子として生まれ、父親は画鬼と言う様な、すべてをそれに注ぎ、それ以外のことは眼中にないような、絵については厳格な人物であり、家庭であった。そういう父親だったから、子供を見る目も、親子と言う関係ではなく、自分を継げる子供(4人)は誰かと言う師弟の関係でしか子供たちを観ない。そういう環境で育った長男と長女(とよ)、弟、妹であるが、長男と弟は養子に出され、妹は早く死ぬ。家に残ったのが「とよ」である。こういう家庭に生まれたのは運命であり、長男と「とよ」は、父親を超えようと頑張るが、その父が死に、重く絵師としての家を守るという思い任務と言うか責任と言うか、「獄」に繋がれているような長男も「とよ」も、そういう認識を共有する。どう頑張ったとしても、とてもじゃない、父親の域には行けないことを十分すぎるほど自覚するが、逃げ出せない。逃れられない意識に雁字搦めになっていて、その苦悩は大きい。
また、時は、明治から大正であり、時代が大きく変わり、いろんな価値観も変わっていくが、父親の古い多彩だが、基本的に狩野派に基礎を置く父の画風や手法を継いでいかなければならないと、肌に刷り込まれている。その葛藤もある。
ただ、私が一番強く感じたことは、タイトルにしたように「親子ではなく、師弟としての人間関係しかなく、絵がすべての関係性である。したがって、親の子として愛されることもなく、ために、長男も「とよ」も互いに対抗し合う関係、意識であり、本当に人を愛することが出来ない人間になっていることの一人の人間としての葛藤が強く印象に残る。「愛を知らない人間は孤独であり、幸せではない」という事が、大きなテーマとしておかれているように感じた。しかし、実際は偉大な絵師の息子、娘に生まれたがゆえに、其処から抜け出せない現実の自分がいる。
帯に「家族ってなんだ?と思わず我が身を振り返ること必至」とある。帯には、その他いろいろ書いてあるが、想像するに発行する担当者たちの意見をそれぞれ載せているのではないかと思われる。その中で、私の感想に近いのは、この言葉である。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.27
(2pt)

読みづらい、感動もできない

まず、セリフの江戸言葉だけでなく、地の文も「~とて」や「~なれど」など古文調の表現が多く、ふだん時代小説を読んでいない自分には、非常に読みづらい。
 内容についても、時代遅れとされつつある河鍋派を継ぐ者としての責任と、天才絵師の父に遠く及ばない己の実力、人生の全てを絵にかけた兄との気概の差に悩む河鍋とよの葛藤を描いたようであるが、絵師の人生を扱っている割には、とよが描いた絵についての細かい描写や、とよが悪戦苦闘しながら描いている光景の描写がほとんどなく、絵師の「産みの苦しみ」というものが全く伝わらない。
 全体的に重厚な作品で、安っぽいお涙頂戴がないのはよいが、感動できる部分もなく、直木賞作品としての期待は裏切られたというのが率直な感想である。
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.26
(2pt)

読みづらい、感動もできない

まず、セリフの江戸言葉だけでなく、地の文も「~とて」や「~なれど」など古文調の表現が多く、ふだん時代小説を読んでいない自分には、非常に読みづらい。
 内容についても、時代遅れとされつつある河鍋派を継ぐ者としての責任と、天才絵師の父に遠く及ばない己の実力、人生の全てを絵にかけた兄との気概の差に悩む河鍋とよの葛藤を描いたようであるが、絵師の人生を扱っている割には、とよが描いた絵についての細かい描写や、とよが悪戦苦闘しながら描いている光景の描写がほとんどなく、絵師の「産みの苦しみ」というものが全く伝わらない。
 全体的に重厚な作品で、安っぽいお涙頂戴がないのはよいが、感動できる部分もなく、直木賞作品としての期待は裏切られたというのが率直な感想である。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.25
(5pt)

(2021年―第95冊)「人は喜び、楽しんでいいのだ。むしろ人の世が苦悩に満ちていればこそ、たった一瞬の輝きは生涯を照らす灯となる」(316頁)

明治22年春、画家・河鍋暁斎が物故し、娘のとよが野辺送りを済ます。とよ自身、河鍋暁翠と号す画家だ。兄で画家の周三郎とは折り合いが悪く、また弟の記六は芸術の道に精進する気力を見せない。画鬼と称された父の一門を、とよは双肩に背負うことになるが……。
-------------------------------
 今年2021年上半期の直木賞受賞作です。
 偉大な父の影にあった女流画家の明治から大正にかけての半生を描く小説です。

 鬼才と呼ばれた大きな存在である父に、幼少のみぎりから絵のてほどきを受けたものの、果たしてそれが自らの意志によるものなのか。また父は、慈愛を注ぐ娘としてではなく、単なる使い勝手のよい助手的な弟子として育てただけではないかという、大きな疑念を持ってとよは生きることを強いられます。その思いは、とよに歩み寄るつもりはない兄・周三郎とて同じです。
「あの親父は、俺たちにゃ獄(ひとや)だ」(183頁)
「周三郎の言葉は正しかった。暁斎は獄、そして自分たちは彼に捕らわれた哀れな獄囚だ。絵を描くとはすなわち、あの父に捕らわれ続けることなのだ」(184頁)
「今となっては、父に対する周三郎の――そしてとよの愛憎だけが、自分たち兄妹と父の絆なのではあるまいか」(208頁)
 父に対するわだかまりのみが、家族をつなぐという不思議なパラドクスがそこにはあります。
 絵筆をとることが義務感と負担感しか与えない懊悩の業と化したとよの人生のなんと辛いことか。

 そのとよを襲う大正12年の出来事の描写のすさまじさは忘れがたいものです。心が折れる思いを味わいながら頁を繰ることになります。

 しかし作者の澤田瞳子氏は、そこで筆を置きません。とよ自身、筆を握りつづけることが、父の遺志を継ぐという娘の責務に終わらないことを悟っていきます。後段の筋運びは実に見事です。
 なかなか凄い小説を読んだ。そういう思いを抱きながら書を閉じました。

------------------------------
 女性画家に関する以下の書を紹介しておきます。

◆乙川優三郎『
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.24
(5pt)

(2021年―第95冊)「人は喜び、楽しんでいいのだ。むしろ人の世が苦悩に満ちていればこそ、たった一瞬の輝きは生涯を照らす灯となる」(316頁)

明治22年春、画家・河鍋暁斎が物故し、娘のとよが野辺送りを済ます。とよ自身、河鍋暁翠と号す画家だ。兄で画家の周三郎とは折り合いが悪く、また弟の記六は芸術の道に精進する気力を見せない。画鬼と称された父の一門を、とよは双肩に背負うことになるが……。
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 今年2021年上半期の直木賞受賞作です。
 偉大な父の影にあった女流画家の明治から大正にかけての半生を描く小説です。

 鬼才と呼ばれた大きな存在である父に、幼少のみぎりから絵のてほどきを受けたものの、果たしてそれが自らの意志によるものなのか。また父は、慈愛を注ぐ娘としてではなく、単なる使い勝手のよい助手的な弟子として育てただけではないかという、大きな疑念を持ってとよは生きることを強いられます。その思いは、とよに歩み寄るつもりはない兄・周三郎とて同じです。
「あの親父は、俺たちにゃ獄(ひとや)だ」(183頁)
「周三郎の言葉は正しかった。暁斎は獄、そして自分たちは彼に捕らわれた哀れな獄囚だ。絵を描くとはすなわち、あの父に捕らわれ続けることなのだ」(184頁)
「今となっては、父に対する周三郎の――そしてとよの愛憎だけが、自分たち兄妹と父の絆なのではあるまいか」(208頁)
 父に対するわだかまりのみが、家族をつなぐという不思議なパラドクスがそこにはあります。
 絵筆をとることが義務感と負担感しか与えない懊悩の業と化したとよの人生のなんと辛いことか。

 そのとよを襲う大正12年の出来事の描写のすさまじさは忘れがたいものです。心が折れる思いを味わいながら頁を繰ることになります。

 しかし作者の澤田瞳子氏は、そこで筆を置きません。とよ自身、筆を握りつづけることが、父の遺志を継ぐという娘の責務に終わらないことを悟っていきます。後段の筋運びは実に見事です。
 なかなか凄い小説を読んだ。そういう思いを抱きながら書を閉じました。

------------------------------
 女性画家に関する以下の書を紹介しておきます。

◆乙川優三郎『 冬の標 』(文春文庫)
:末高明世(まつたかあきよ)は幕末の上士の家に生まれ、幼いころに南画塾の塾生となる。絵描きとなる夢は高じるものの、おなごは嫁してこそ、の世の習いで馬島という名の家に嫁ぐことに。家を守り、夫と舅姑に尽くす日々を送りながらも、絵への熱は冷めることはなかった。画塾の相弟子、平吉と光岡修理との交流は細く長く続いていたが、それも保守派と勤王派の争いの中で大きく揺らいでいくことになる……。

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星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.23
(4pt)

芸術の罪深さと偉大さは巨星が流れても輝く

画鬼と呼ばれた江戸から明治まで活躍した絵師の河鍋暁斎(かわなべきょうさい)。当時は偉大な絵師であり弟子も多い。本作品は、暁斎の娘である河鍋とよ(河鍋暁翠)の視点で暁斎の没後の人間模様を描く。とよと暁斎の関係、とよと義兄である周三郎(暁雲)との関係は血のつながりなのか絵を介したつながりなのか、とよの心情を明示から大正十三年まで一貫して描く。タイトルの「星」は暁斎や周三郎を表しているのだろう、二人が亡くなった後も絵は残り、とよの人生に影響を与える。芸術の罪深さを感じるとともに、芸術が残せる大きなものを読み取った。
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.22
(4pt)

芸術の罪深さと偉大さは巨星が流れても輝く

画鬼と呼ばれた江戸から明治まで活躍した絵師の河鍋暁斎(かわなべきょうさい)。当時は偉大な絵師であり弟子も多い。本作品は、暁斎の娘である河鍋とよ(河鍋暁翠)の視点で暁斎の没後の人間模様を描く。とよと暁斎の関係、とよと義兄である周三郎(暁雲)との関係は血のつながりなのか絵を介したつながりなのか、とよの心情を明示から大正十三年まで一貫して描く。タイトルの「星」は暁斎や周三郎を表しているのだろう、二人が亡くなった後も絵は残り、とよの人生に影響を与える。芸術の罪深さを感じるとともに、芸術が残せる大きなものを読み取った。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653
No.21
(4pt)

読み応えある

明治〜大正時代の美術界の変転が美術史で習った巨匠の名前が沢山出てくる中、主人公を取り巻く世界が江戸時代と思えるような情景を感じてるうちに関東大震災が登場したりして、戸惑ったり。読み応えがあります。
星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3) Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なお (文春文庫 さ 70-3)より
4167921952
No.20
(4pt)

読み応えある

明治〜大正時代の美術界の変転が美術史で習った巨匠の名前が沢山出てくる中、主人公を取り巻く世界が江戸時代と思えるような情景を感じてるうちに関東大震災が登場したりして、戸惑ったり。読み応えがあります。
星落ちて、なお Amazon書評・レビュー: 星落ちて、なおより
4163913653