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本所しぐれ町物語
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本所しぐれ町物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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藤沢作品は「蝉しぐれ」のような青春物もいいし、このような人情物もいい。 とりわけ、本書はなんども読み返して楽しんでいる。 最近、宝島「藤沢周平」に詳細な「本所しぐれ町切絵図」を見つけて狂喜したしだい。 さっそくこれを下敷きにして、こんどはハードカバーで じっくり本所しぐれ町のみなさんに会いに行きます。 | ||||
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本所しぐれ町の市井の人びとの生活が、優しい視点で描かれている。 大悪党も、刃傷沙汰も登場しない。 長屋の職人、浮気、妾、コソ泥、それぞれの物語がラストにうまく 着地する安定感が光る。 一番良かったのは、しっかり者の子ども、おきちが女衒から運よく 逃げれたことかなあ~。 サクサク読める長屋噺という感じ。結局、人は昔も今もかわらない。 | ||||
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江戸の下町を舞台に、そこに生きる様々な人々の、日常の鬱屈や夫婦・親子の情などを、細やかに描いた短篇集。藤沢調満載で、息抜きやら、束の間の楽しみやらが得られる。 | ||||
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藤沢の作品をまた読んだ。この作品には、謎解きのミステリーはない、そして武士や悪徳商人も登場しない。斬り合いのシーンもない。せいぜい悪人の定義に収まるのは、いつの世にも存在する「女衒」ぐらいのもんだろうか。 話は、架空の東京の下町(しぐれ町と名付けられているが、限りなく深川のある場所に近いらしい)を舞台にして繰り広げられる、何気ない町人の日常だ。「自身番」(これ自体は非常に面白い存在)にひかえる大家と書役の二人が全体を通しての交通整理をしてくれるのだが、話のスタイルはあくまでも三人称を踏襲。 誤解やすれ違いそして小さな過ちがさざ波を日常の生活にひきおこす。どれも、それ自体はたわいのないものばかり、とはいえ、人間の日常と時間はその小さな出来事にその心を迷わされ、結果として人々の行動に影響を与えていく。そのつまらなさと、小事に影響を受けてしまう、どうしようもない人間の性、そして濃密な人間関係のネットワークが本書の主題だろうか。 藤沢自身はこのような濃密な人間関係のネットワークの苦しさから逃げ出してきた人物と言えないこともないのだが、この年齢に至って、このような作品、それも自身の故郷から遠く離れた「江戸」を舞台として、ものにしたというのは、一種の原点回帰とも思えてなかなか興味深い。 このような作品では、他の作品に見受けられる、藤沢独特の「ルール破り」や結末への強引ともいうべきしめくくりなどは見受けられない。ただただ、小さなさざ波が季節の移り変わりの中で、同種のディテールの繰り返しの中で全編を通して流れていくだけだ。振り返って見ると、この種の作品が藤沢には一番向いていたのかもしれないな。もっともこの種の作品では、作家へのdebutが出来なかっただろうというのはまた半面の真理なのだろうけど。 | ||||
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まだ読んでないのでないので、内容に星はつけられないが商品としては星ひとつ(藤沢周平の本だから読めば星五つは間違いなし) 表紙が汚れていて、拭いても簡単に落ちない頑固な汚れ 帯もついていない 新品を注文したが未読の中古品のような印象 前回 文庫本をはじめて交換したが、そのときは読み進むうちにページ同士が強い糊で貼り付いているのに気づき 剥がせば破れるほどで 仕方なく読むのを中断して交換に出した とても人為的な くっつき方に感じ、不快だった 今回の汚れも偶々にしては科学糊が吹きかかった感じで 必死に落としていたら、表紙の印刷も剥がれかけたので、諦めて交換してもらうことにした 倉庫の管理の問題なのか、悪意アル作業者がいるとは思いたくないが、、続けて二回なので ちょっと驚いた | ||||
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浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら、また別の女に走ってしまう小間物屋。大酒飲みの父親の借金を、身売りして返済しようとする十歳の娘。女房としっくりいかず、はかない望みを抱いて二十年ぶりに元の恋人に会うが、幻滅だけを感じてしまう油屋。一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持の揺れをしみじみ描く連作長編。 | ||||
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ひとつの長屋と自身番に詰める大家や商家の書き役などが展開する連作短編です。 連作といっても、ひとりの主人公が時間経過で何度も登場するバターンと、ひとつの話では主人公が、違う話では脇役といった展開です。 長い話もあれば、あっという間に読み終える話が収められています。 あまり魅力を感じない主役もいるので、好き嫌いが生じると思います。 | ||||
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ヘェー、「自身番」てこうゆう処だったんだ。藤沢作品には江戸文化が事細かく表現されているので「江戸川柳」を作るうえで非常に参考になります。(●●町から●●町に抜けて●●橋を左に曲がる)現代の江戸っ子ならすぐ映像を頭に描けるんだろうな。 | ||||
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江戸時代の庶民の生活はこんな感じだったのかな〜と感じさせる。藤沢作品を読んでいるとある人がとった行動の背後に何が隠されているのかを考えるようになる。思慮深くなる。本作中のキャラクターで言えば、泥棒が盗みを働くのは病気の妹の薬代を稼ぐ為だったりする。 | ||||
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文句なしに、面白い,切なくて、切なくて、読んだ後の余韻を楽しむ。 | ||||
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この本には、人殺しなどの大事件は起きません。夫婦喧嘩、浮気、酒浸り親父の借金の山、「本所しぐれ町」の人々のそんなしょーもない出来事を描いた12の短編がつながって、ひとつの長編物語になっています。 「男なんてものは、土台そんなにりっぱなもんじゃないんだよ。あんたが考えるほどにはね。そしていまにわかるが……女だって、そんなにりっぱなもんじゃないのさ」 人間の弱さに対する作者の愛情が感じられる一編です。 | ||||
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菊田屋の新藏の弟半次が、10数年ぶりに帰ってきた。突然江戸から姿を消した半次に、いったい 何があったのか?また、なぜ帰ってきたのか?喜びと戸惑いの中、新藏は半次を迎え入れるのだが・・・。 「鼬の道」を含む12編を収録。 江戸の本所しぐれ町に住む人々の日常生活を、実に細やかに描いている。そこに暮らす人たちの 喜怒哀楽は、今の私たちにも通じるものがある。また、登場人物も個性豊かに描かれていて、 読んでいて表情が目に浮かぶようだ。本所しぐれ町に生きる人たちは、時には主人公的に、時には 脇役的に描かれていて、12編全てを読むと彼らが立体的に見えてくる。その作者の構成力にも 感心させられた。切ない話もあるけれど、心の中にぽっと火を灯してくれる、そんな話が多かった。 のんびりとゆったりと、心穏やかに読める作品だった。 | ||||
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ときどき、あまりハラハラドキドキしたり、感動したり、考えさせられたりしなくてすむ本を読みたくなる。ただまったりとしたい、その世界に包まれていたい。そんなときに、この本はお薦めです。 江戸時代にタイムスリップ。本所しぐれ町では、大人も子どもも、女も男も、自身番の役人もどろぼうも、いろいろな人々がごく普通に生活している。読者もすぐに住人にしてもらえます。そして、町の噂や出来事に耳を傾けてみる。「よかった。よかった。」「ほんと、ばかだねえ。」などと呟きながら、気楽に読み進めているうちに、町内にある居酒屋や一膳飯屋の常連になっているかも。これは、短編集というより、連作長編である。「また会ったね。」「元気そうでよかった。」と、本の中でさっきの主人公と再会する楽しみもある。 | ||||
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連作長編なので、ところどころそれぞれが繋がっているのがおもしろいです。 作中の噂話に登場人物の名前が挙がったりするとうれしくなります。 「しぐれ町」の情景が目に浮かぶような描き方がうまいです。 どの話も大事件が起こっているわけではないのですが、当人たちにとっては大問題。 不倫や浮気など色恋沙汰の問題が多めです。 | ||||
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連作短編集というのだろうか、「続く」というわけではないが、本所界隈で起こる出来事の短編小説なので、登場人物がダブることもあるという短編集だ。 読んでいくウチに、登場人物たちと馴染みになっていくのがまた面白い。 中でも「おきち」は立派だ。 ろくでなしの親父のために、看病するわ、医者にかかる費用を借金するわ、亡くなったら「親の借金は子の借金です」と精算するわ、で周りの大人たちもそれ以上口出しできないのだ。 女衒に買い取られ、岡場所に売られていくのだが、「それからどうなったのだろう」と以降の小説に、おきちちゃんがなかなか登場しないのでやきもきした。 ようやく出てきたと思ったら! ここから先は、実際に本を読んでください。 | ||||
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この作法は、藤沢作品の中では始めての試みです。 一つの町を舞台に、そこの表店、裏店に住む町民一人一人の日常の出来事を、哀歓、人情の機微で順々に進めていく。 そこに登場するのは、小間物屋の若旦那、飲み屋の女将、ご隠居さん、お妾さん、飲んべえお父のしっかり長女、油屋の人の良い旦那、胸の大きな隣の後家さん、泣かせる盗人等など。 一つ一つの話は別々に完結しているが、同じ町内の話なのですべての人物が何かしら繋がっている。12話くらいの物語だが、どれも笑って、泣いて、怒って、哀しんで、ほろっとさせる小編ばかり。藤沢周平さん60歳の作品ですから、登場人物が悪党でもどこか憎めない部分を持たせており、それがなんともいえない味で、ほっとします。 特にお薦めは 1.「約束」・・これには泣かされます。そこまでしなくとも・・・・ 2.「乳房」・・世間知らずの若妻にハラハラ、ドキドキさせられます。 ■お薦め度:★★★★★(これは間違いなく、面白い!) | ||||
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藤沢「市井物」の大傑作である。「市井物」の傑作で短編集というとまずは「橋ものがたり」があげられるが、これはまたそれとは一味違う。本所深川、架空の町「しぐれ町」を舞台に、気のいい大家、情報通の書役、夫婦仲が醒めてしまった中堅商人、大人ぶる少女、浮気妻を許してしまう職人、浮気の虫を抑えきれない若旦那、等々。ときには主役に、ときには脇役で出てくる町の人々を描いている。私たちは読んでいる間はしぐれ町の住人になる。そして、「切ない」人生を共に「楽しむ」のである。 たとえば、胸の小さい若奥さんの話「乳房」が私にはとても切ない。おさよは夫に浮気をされてどうしても許す事ができない。飲み屋の主人おろくはそのおさよにこういう。「男なんてものは、土台そんなにりっぱなものじゃないんだよ。あんたが考えるほどにはね。そして今にわかるが…」「女だって、そんなにりっぱなものじゃないのさ。」おさよのくるくる回る感情が切なくて楽しい。 | ||||
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『しぐれ町』を舞台にした『人情物語』 角度を変えた視点から登場人物を見れるという『おもしろさ』がなんとも言えない程おもしろいですね。絶対に『名作』です。 実際に地図を作ったらおもしろいかも? | ||||
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短編集。一つの店の住人の生活が各話に流れるように組み込まれている遊びが楽しい。同じ登場人物を別の角度から眺められる。藤沢作品によく見られる、静かだが思わず吹き出してしまうようなおっとりしたユーモアが随所にちりばめられている。 納められている一作一作は、食物に例えれば、小ぶりながら上品な和菓子のように嗜みつつ惜しみつつ楽しみたい作品ばかりだ。秋の夜長に床の中や居間でくつろいでゆっくり読むも良し、忙しい一日の始まる前や終わった後に、インテルメッツォとして通勤電車で読むも良し。いずれにせよ、疲れた頭を和ませてくれ、日本に生まれて良かったと思う瞬間を与えてくれる。 | ||||
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本所には「しぐれ町」という街はないのだそうだけれど、いかにもありそうなのは、大家の清兵衛さんや書き役の万平さんをはじめとした町内の人々がつぎつぎに登場する十二の物語が、いかにもありそうな出来事を情趣深く、自分もそこに入っていきたくなるように描いてくれる所為だと思う。三毛猫なんかは、蹴飛ばされたり、そっと道を横切ったりしながら、タイトルにまで四回も登場する。 街と人を愛しく感ずるしみじみとしたオムニバス。この物語を読んで、しぐれ町の地図と人別帳ができそうな気がする。 | ||||
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