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本所しぐれ町物語



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【この小説が収録されている参考書籍】
本所しぐれ町物語 (新潮文庫)

本所しぐれ町物語の評価: 3.90/5点 レビュー 20件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.90pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(3pt)

市井の人々の優しい生活の営み。

本所しぐれ町の市井の人びとの生活が、優しい視点で描かれている。
大悪党も、刃傷沙汰も登場しない。
長屋の職人、浮気、妾、コソ泥、それぞれの物語がラストにうまく
着地する安定感が光る。
一番良かったのは、しっかり者の子ども、おきちが女衒から運よく
逃げれたことかなあ~。
サクサク読める長屋噺という感じ。結局、人は昔も今もかわらない。
本所しぐれ町物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本所しぐれ町物語 (新潮文庫)より
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No.5:
(3pt)

藤沢はこの種の作品の方が向いていたのかもしれない。

藤沢の作品をまた読んだ。この作品には、謎解きのミステリーはない、そして武士や悪徳商人も登場しない。斬り合いのシーンもない。せいぜい悪人の定義に収まるのは、いつの世にも存在する「女衒」ぐらいのもんだろうか。

話は、架空の東京の下町(しぐれ町と名付けられているが、限りなく深川のある場所に近いらしい)を舞台にして繰り広げられる、何気ない町人の日常だ。「自身番」(これ自体は非常に面白い存在)にひかえる大家と書役の二人が全体を通しての交通整理をしてくれるのだが、話のスタイルはあくまでも三人称を踏襲。

誤解やすれ違いそして小さな過ちがさざ波を日常の生活にひきおこす。どれも、それ自体はたわいのないものばかり、とはいえ、人間の日常と時間はその小さな出来事にその心を迷わされ、結果として人々の行動に影響を与えていく。そのつまらなさと、小事に影響を受けてしまう、どうしようもない人間の性、そして濃密な人間関係のネットワークが本書の主題だろうか。

藤沢自身はこのような濃密な人間関係のネットワークの苦しさから逃げ出してきた人物と言えないこともないのだが、この年齢に至って、このような作品、それも自身の故郷から遠く離れた「江戸」を舞台として、ものにしたというのは、一種の原点回帰とも思えてなかなか興味深い。

このような作品では、他の作品に見受けられる、藤沢独特の「ルール破り」や結末への強引ともいうべきしめくくりなどは見受けられない。ただただ、小さなさざ波が季節の移り変わりの中で、同種のディテールの繰り返しの中で全編を通して流れていくだけだ。振り返って見ると、この種の作品が藤沢には一番向いていたのかもしれないな。もっともこの種の作品では、作家へのdebutが出来なかっただろうというのはまた半面の真理なのだろうけど。
本所しぐれ町物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本所しぐれ町物語 (新潮文庫)より
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No.4:
(3pt)

本所しぐれ町物語

浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら、また別の女に走ってしまう小間物屋。大酒飲みの父親の借金を、身売りして返済しようとする十歳の娘。女房としっくりいかず、はかない望みを抱いて二十年ぶりに元の恋人に会うが、幻滅だけを感じてしまう油屋。一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持の揺れをしみじみ描く連作長編。
本所しぐれ町物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本所しぐれ町物語 (新潮文庫)より
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No.3:
(3pt)

心が穏やかになれる作品

菊田屋の新藏の弟半次が、10数年ぶりに帰ってきた。突然江戸から姿を消した半次に、いったい
何があったのか?また、なぜ帰ってきたのか?喜びと戸惑いの中、新藏は半次を迎え入れるのだが・・・。
「鼬の道」を含む12編を収録。

江戸の本所しぐれ町に住む人々の日常生活を、実に細やかに描いている。そこに暮らす人たちの
喜怒哀楽は、今の私たちにも通じるものがある。また、登場人物も個性豊かに描かれていて、
読んでいて表情が目に浮かぶようだ。本所しぐれ町に生きる人たちは、時には主人公的に、時には
脇役的に描かれていて、12編全てを読むと彼らが立体的に見えてくる。その作者の構成力にも
感心させられた。切ない話もあるけれど、心の中にぽっと火を灯してくれる、そんな話が多かった。
のんびりとゆったりと、心穏やかに読める作品だった。
本所しぐれ町物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本所しぐれ町物語 (新潮文庫)より
410124720X
No.2:
(3pt)

しぐれ町でおこる人情劇

連作長編なので、ところどころそれぞれが繋がっているのがおもしろいです。
作中の噂話に登場人物の名前が挙がったりするとうれしくなります。
「しぐれ町」の情景が目に浮かぶような描き方がうまいです。

どの話も大事件が起こっているわけではないのですが、当人たちにとっては大問題。
不倫や浮気など色恋沙汰の問題が多めです。
本所しぐれ町物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本所しぐれ町物語 (新潮文庫)より
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No.1:
(3pt)

読んでいくウチに、登場人物たちと馴染みになれる

連作短編集というのだろうか、「続く」というわけではないが、本所界隈で起こる出来事の短編小説なので、登場人物がダブることもあるという短編集だ。

読んでいくウチに、登場人物たちと馴染みになっていくのがまた面白い。
中でも「おきち」は立派だ。
ろくでなしの親父のために、看病するわ、医者にかかる費用を借金するわ、亡くなったら「親の借金は子の借金です」と精算するわ、で周りの大人たちもそれ以上口出しできないのだ。

女衒に買い取られ、岡場所に売られていくのだが、「それからどうなったのだろう」と以降の小説に、おきちちゃんがなかなか登場しないのでやきもきした。
ようやく出てきたと思ったら!

ここから先は、実際に本を読んでください。
本所しぐれ町物語 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:本所しぐれ町物語 (新潮文庫)より
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