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雪明かり
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雪明かりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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粒ぞろいの短編集。 武家物4篇と市井物4篇がバランス良く配置され、藤沢作品を初めて読む方にもお薦めです。 端正な文章。活き活きとした会話。鮮やかな展開。それらを作者の低く透徹した視線が支えています。 「恐喝」の小気味良い幕開けから「雪明かり」の微かな希望まで、別格の読書時間が味わえます。 20代に出会えて良かった。 そして、再読する度に魅了される1冊です。 | ||||
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良い。静かに読ませる。 | ||||
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小説を読まなくなった、正しくは読めなくなったのはいつ頃からだろう。もうウン十年にもなる。 理由は分かっていて 狙いどころの見え透いた安っぽい「作り話」を幾つか読んでバカバカしいと思った事と、それ以上に「作り話に感動してしまう」という事はそもそもヘンなのではないか?というかねてからの思いが段々と大きくなってしまった事である。(それを言いだしたら切りが無いのだけれど。) それでも思い出したように藤沢周平の特に市井モノと呼ばれる短編は読む、正しく言うと読むことが出来る。 文章の品位、簡潔さ、情景描写の見事さ、ストーリーとしての面白さと真実味。読後多くの人が感じるように 矜持、哀切。市井の人々の生きるという事の切なさ。所詮「作り話」である小説というものが「作り話」を超えて人の心を打つ。 そして 「失われた時代」に思いを馳せる。昔は良かったーーーと。 昔は良かった?―いや そうでは無いのだろう。人間は過去を常に美しいと思うように出来ているからだ。 自分の好きな伊東静雄の詩の中に 「帰郷者」というのがある。その後半: *************************** 美しい故郷はそれが彼らの実に空しい宿題である事を 無数な古来の詩の賛美が証明する 嘗てこの自然の中でそれと同じく美しく住民が生きたと 私は信じ得ない ただ 多くの不幸と辛苦ののちに 晏如として彼らの皆が あそこで一基の墓となっているのが 私を慰めいくらか幸福にしたのである *********************** 昔が良かったのではない、失われたものは美しい装いを纏って我々を魅了するという事なのだろう。藤沢周平の美しい物語を読むといつもこの詩を思い出す。 ・ | ||||
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全て短編構成なので読み易いです。 私は更に好きな場面を短い朗読に使っています。 情景の描写が優れています。 | ||||
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血のつながらない妹との深い絆。俺でも主人公と同じように行動する。その他短編、どれをとってもおもしろい。時代小説家として、格が違う。 | ||||
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藤沢周平ははずれが滅多にないですが雪明りは最高の短編のひとつ。武家社会の中での宿命ともいえる愛。何度も読み返したくなります。 | ||||
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暁の光が特に好きです。再読なのに結末にショッキング!!!!。 とっても切ないお話しです(;_;)。 | ||||
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「恐喝」 すっかり身を持ち崩し賭場に通うだけが楽しみの男 しかし、そんな男にも頼りにする女、恩義を感じ守らねばと思う女がいた 「入墨」 自分たち姉妹を捨てた父親が何年も経ってからみずぼらしい姿で現れた 冷たくあしらう姉、姉に気を遣いつつ優しく接する妹 「潮田伝五郎置文」 新潮文庫版「冤罪」で既読 思い込みで一生を棒に振った男が残した置文 「穴熊」 賭場の壺振りで暮らす男 偶然知った貧しい武士と妻の暮らしを助けようと一芝居うつのだが 「冤罪」 新潮文庫版「冤罪」で既読 散歩の途中で見かける娘が気になる武家の次男坊 娘の父親がある罪に問われ腹を切ったことを知った彼は娘の行方を探し始めたことから、城内で秘密裏に処理された事件の真相を知る 「暁のひかり」 転々と職を変える男 賭場からの朝帰りの途中で会う足が不自由な少女と出会ったことからまともな暮らしに戻ることも考えるのだが 「遠方より来る」 その昔、関ヶ原の戦いで一度だけ顔を合わせた他藩の男が貧しい足軽の男の家を訪ねてくる 浪人と成り果てた男は居座り続けるつもりなのか? 「雪明かり」 新潮文庫版「時雨のあと」で既読 血のつながらない妹との間にある感情に素直に従うことに決めた男の行先は? 既読の作品も再読することで新たな発見があり面白く読むことができました 武家を描いた話はユーモアと明るさが前面に出ていますが、市井の人を描いた話は、物語の終わり方に暗い空気がまとわりついているように感じました | ||||
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I liked a lot of comics, I'll more. thank you | ||||
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それぞれの話がとても特徴があり面白い本です。いつでも読めて便利です。 | ||||
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彼の作品には品位がある、もう殆ど読み終えた。新作がもうこの世に生まれないのが残念! | ||||
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藤沢作品は、気がるに読めていい。 いつもベットで、眠る前に一編、安心して眠る。 | ||||
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再再読、今更言わなくてもやはり良いどの作品も素晴らしいが、特に最後の雪明かりが、心に染みる何度読んでも素晴らしい珠玉の様な短編8作品。 | ||||
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久しぶりに藤沢周平の時代小説を読んでみたくなり、新潮文庫や文春文庫から刊行されている短編集と重複しますが、初期の短篇を収めた本書を手にとってみました。本書収録順に、以下の短篇が収められています。 恐喝 1973年(昭和48年)初出 『又蔵の火』文春文庫所収 入墨 1974年(昭和49年)初出 『闇の梯子』文春文庫所収 潮田(うしおだ)伝五郎置文 1974年初出 『冤罪』新潮文庫所収 穴熊 1975年(昭和50年)初出 『暁のひかり』文春文庫所収 冤罪 1975年初出 『冤罪』新潮文庫所収 暁のひかり 1975年初出 『暁のひかり』文春文庫所収 遠方より来る 1976年(昭和51年)初出 『竹光始末』新潮文庫所収 雪明かり 1976年初出 『時雨のあと』新潮文庫所収 市井に暮らす江戸の人たちの、今に通じる人情味、人情の機微に、しみじみとさせられたり、はっと胸を衝かれたりします。舞台となる町や橋、川べり、海辺や山の描写もいいですね。清々しい空気にふれるような透明感、くっきりと浮かび上がる風景の美しさ、懐かしさに、あちこちで良い心持ちになりました。 収録八篇のなかでは、「穴熊」「冤罪」「暁のひかり」と続く三つの作品が格別の味わい。なかでも、「冤罪」の話が良かった! 「冤罪」は、兄夫婦の家にやっかいになり、最近、やや居心地の悪さを感じている堀源次郎、年は二十一という男が主人公の作品。彼が、密かに想いを寄せている娘のために、藩金横領の罪で切腹させられたという娘の父親の事件に不審を感じ、調べていきます。源次郎がひょいと目にしてびっくり仰天するシーンをはじめ、作品の端々に覗くユーモラスなおかしみが何ともいえません。以前読んでとても気に入った山本周五郎の短篇「ひやめし物語」(『 大炊介始末 (新潮文庫) 』所収)に通じる味わい。これ、面白かったなあ。 ちなみに、これまでに読んだ藤沢周平作品のベスト3は、『 蝉しぐれ (文春文庫) 』『 よろずや平四郎活人剣〈上〉 (文春文庫) 』(上下巻)『 三屋清左衛門残日録 (文春文庫) 』です。いずれも、超おすすめの名品です。 | ||||
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私は歴史には全く素人なのですが、藤沢周平さんの作品は、深く研究されて時代考証がきちんとなされているという印象を受けます。江戸下町の何気ない平和な暮らしの中に、男女のしがらみや賭け事、お金などを材料にさまざまな人間模様が展開されています。藤沢周平さんのファンになっています。 | ||||
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四十を超えて初めて読んだ時代劇小説です。 暇つぶしに手に取った文庫でした。 しぶい。とてつもなく、しぶい。 チャンドラーやエルロイや北方(現代もの)とも違う、人間の襞の描き方。 心に染み入る文章とはこのような文章なのでしょう。 日本のハードボイルドとは、時代劇にあったのですね。 「穴熊」は、まさに絶品でした。 潔癖、完全は、時に、絶望的な自己満足になってしまうということが、 悲しくもあり、高貴にも感じました。 藤沢周平を読まなかったことを悔やみ、読んだ偶然に感謝します。 | ||||
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どの短編も傑作ぞろいでひとつとしてはずれは、ない(当然だが)。 その中でも 「入墨」・「潮田伝五郎置文」・「穴熊」の3篇の切なさを味わって欲しい。 この3篇は主だった登場人物それぞれが、他人を思いやることで切なさを訴えてくる。 「切ない」・・・よく聞くし、使う言葉であるが、 この3篇で本当の「切なさ」ということを知ったように思う。 主人公だけでなく、さまざまな登場人物の気持ちになって これら短編を味わいつくして欲しい。 何度も読まないと、そのよさすべてが、わからないだろう。 藤沢周平って、やっぱり多感な高校生の頃に読むといいと思うなぁ。 ものすごく深い人間になりそうだ。 | ||||
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藤沢作品が今日の私たちの心を打つのは、パソコンや携帯電話やテレビ、電気・ガス・水道などモノにあふれた生活を享受する一方で、心がさみしいからではないだろうか?この作品に登場する人物はみな、貧しいながらも懸命に生きたり、博打打ながらもなんとかそこからの脱出を図ったりと、一日を一生懸命生きている人物が描かれている。 現在の日々の生活にちょっとした疑問を感じている方には、まさに読むべき一冊だと思う。 | ||||
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藤沢周平の短編集を読むといつも故郷に帰ってきたような、ほっと寛いだ気持ちになる。 舞台が江戸や京のような都会ではなく、海坂藩という架空の東北地方の藩だからというだけではない。都会人のような虚飾がなく、自分の気持に嘘をつくことなく素直に生きている人物が描かれているからのような気がする。 いい女をみれば体が熱くなり、普段は悪ぶっていても困っている人をみるとほっておけない愛すべき渡世人。出世から見放された下級武士や婿入り願望の居候侍は、実権を握っている女たちにまったくといっていいほど頭があがらない。こういういわば反エリートの登場人物が、藤沢の手にかかるといきいきと輝きをはなってくるから不思議だ。 歴史上のエリートを取り上げる司馬遼太郎作品と比べると、藤沢作品の登場人物は私たちと非常に距離の近い等身大の生身の人間たちだ。会社の社長や重役にファン層が多い司馬と一般サラリーマンや女性の愛読者が多い藤沢。ここにきて藤沢作品が映画化などにより脚光をあびているのは、バブル崩壊によりエリート層の底の浅さに気づいた日本人が、人間的に熟成してきた証かもしれない。 | ||||
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再読である。しかしこみあげてくる想いはいつも切なく、愛しく、優しく、哀しい。市井ものと武家ものが交互に出てくる短編集。山田洋次監督の映画の原作となった表題作についてはどなたかに譲るとして、今回は2編の市井ものについて述べたい。 「恐喝」竹二郎はあの後、死んだのだろうか。なんとか生き永らえたのだろうか。ひとつ分かるのは、竹二郎が体を張った理由(わけ)は、決してあの心優しいおその嬢のためではなく、寺の後妻に行くと言う二つ上の従姉のためであったのだ。「あんなのと早く手を切らないといけないよ」姉とも愛しいともいえる人のなんでも無い一言が、男に一生一代の行動をとらせるきっかけになる事も、たしかにあるだろう。 「暁のひかり」目の前に、映画のように、早朝の河岸の景色が広がるような一編だった。少しづつ暁の光に包まれていく景色の中で、すさんでいた心は少しづつほぐれていく。市蔵だけではない。読者である私もそうだった。だからその後の市蔵を包む「寂寥」も、我が身の事のように思う。 この短編集、全編に渡り「人が人のしあわせを願っている」。願うのほうの人は決してしあわせではないというのに。 | ||||
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