死神永生: 三体Ⅲ

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評判

死神永生: 三体Ⅲの評価:

4.35/5点 レビュー 222件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.35pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全332件 321〜332 17/17ページ
No.12
(5pt)

こんなにおもしろいSFはなかなかない!

三体Ⅰ,Ⅱが非常におもしろかったため、予約し今日手に入れました。

はじめの3ページには、三体Ⅰ,Ⅱの要約が非常によくまとめられています。
これを読むだけで、三体Ⅰ,Ⅱを読んだ時の記憶が鮮明に蘇り、早く読みたくなります。

上巻の前半は、いろいろな説明がされていきます。
上巻の後半は、伏線が回収されていき、とても楽しめます。

とにかく、登場人物が多様で、読んでいてわくわくします。

下巻の内容も気になって、はやく続きが読みたい!
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.11
(5pt)

主人公以外は最高

物語の全体の流れはよかったのですが、いかんせん主人公に感情移入できません。
小説を読んでいて一番ストレスが溜まるのは、登場キャラクターの評価が、作中の人間と読者で乖離することなんですよ。
やりたいほうだいやっている悪役がいたとしても、ちゃんと極悪人として処理されていれば、さほどモヤモヤすることはありません。

三部の主人公の程心ですが一言で言えば出しゃばりの無能です。
無能なら何もしなければいいのですが、彼女は責任感だけは無駄にあるんですよ。
そして2度も大きな……というより取り返しのつかない判断ミスをし、地球文明に災いをもたらします。
そんな彼女を大衆が高く評価している描写を見ていると、まるでおかしなカルト集団に紛れ込んだかのようです。

二部の主人公であるルオジーが数十年間の長きに渡り、たった一人で、三体文明と互角以上に対峙したのと比べるとあまりに酷い。
ルオジーは執剣者の名に恥じない実績を残したのですが、地球人は彼にまったく感謝していないがどころか、犯罪者扱いです。
むしろ敵である三体世界が彼に畏敬の念を持ち、一方程心はお嬢ちゃん扱いなのが皮肉です。

かくして地球文明は有史以来最大の危機を迎え、風前の灯という状況で下巻に続きます。
そして作品の核ともいえる暗黒森林攻撃ですが、これには度肝を抜かれました。
どんな致命的な攻撃がやってくるのかと予測していたのですが、まさに次元が違う攻撃です。
よくこんな発想できるなと感動したので、主人公への不満込みでも星5点。

Netflixでドラマ化するようですが、この暗黒森林攻撃の絶望を映像で見られる日を楽しみにしています。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.10
(5pt)

愛で「世界」は救えない

翻訳が待てずケン・リュウ英訳版を自分で日本語にしながら読んだ身としては、プロの翻訳は読み応えがあり、なるほどと頷く箇所が多々あります。ケン・リュウ自身は3部作のうち死神永生が一番好きだと言っているようですが、私も同じ意見です。圧倒的な世界観とストーリーに飲み込まれながら、翻訳していて涙を流し、登場人物に罵声を浴びせたことを思い出しました。是非ハードSFファン以外の方にも読んでいただきたい本です。

個人的には本作のテーマとして、全体主義(専制国家)と民主主義のいずれが人類規模の危機に対して有効かという問いが挙げられると思いますが、現在のコロナ禍や米中対立の世界状況を見ているといろいろ考えさせられます。

あと、三体人の視覚的描写があればよかったなー、と。これはNetflixがドラマ化した時の楽しみに取っておきます。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.9
(5pt)

こんなにおもしろいSFはなかなかない!

三体Ⅰ,Ⅱが非常におもしろかったため、予約し今日手に入れました。

はじめの3ページには、三体Ⅰ,Ⅱの要約が非常によくまとめられています。
これを読むだけで、三体Ⅰ,Ⅱを読んだ時の記憶が鮮明に蘇り、早く読みたくなります。

上巻の前半は、いろいろな説明がされていきます。
上巻の後半は、伏線が回収されていき、とても楽しめます。

とにかく、登場人物が多様で、読んでいてわくわくします。

下巻の内容も気になって、はやく続きが読みたい!
三体III 死神永生 上 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 上より
4152100206
No.8
(5pt)

主人公以外は最高

物語の全体の流れはよかったのですが、いかんせん主人公に感情移入できません。
小説を読んでいて一番ストレスが溜まるのは、登場キャラクターの評価が、作中の人間と読者で乖離することなんですよ。
やりたいほうだいやっている悪役がいたとしても、ちゃんと極悪人として処理されていれば、さほどモヤモヤすることはありません。

三部の主人公の程心ですが一言で言えば出しゃばりの無能です。
無能なら何もしなければいいのですが、彼女は責任感だけは無駄にあるんですよ。
そして2度も大きな……というより取り返しのつかない判断ミスをし、地球文明に災いをもたらします。
そんな彼女を大衆が高く評価している描写を見ていると、まるでおかしなカルト集団に紛れ込んだかのようです。

二部の主人公であるルオジーが数十年間の長きに渡り、たった一人で、三体文明と互角以上に対峙したのと比べるとあまりに酷い。
ルオジーは執剣者の名に恥じない実績を残したのですが、地球人は彼にまったく感謝していないがどころか、犯罪者扱いです。
むしろ敵である三体世界が彼に畏敬の念を持ち、一方程心はお嬢ちゃん扱いなのが皮肉です。

かくして地球文明は有史以来最大の危機を迎え、風前の灯という状況で下巻に続きます。
そして作品の核ともいえる暗黒森林攻撃ですが、これには度肝を抜かれました。
どんな致命的な攻撃がやってくるのかと予測していたのですが、まさに次元が違う攻撃です。
よくこんな発想できるなと感動したので、主人公への不満込みでも星5点。

Netflixでドラマ化するようですが、この暗黒森林攻撃の絶望を映像で見られる日を楽しみにしています。
三体III 死神永生 上 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 上より
4152100206
No.7
(5pt)

愛で「世界」は救えない

翻訳が待てずケン・リュウ英訳版を自分で日本語にしながら読んだ身としては、プロの翻訳は読み応えがあり、なるほどと頷く箇所が多々あります。ケン・リュウ自身は3部作のうち死神永生が一番好きだと言っているようですが、私も同じ意見です。圧倒的な世界観とストーリーに飲み込まれながら、翻訳していて涙を流し、登場人物に罵声を浴びせたことを思い出しました。是非ハードSFファン以外の方にも読んでいただきたい本です。

個人的には本作のテーマとして、全体主義(専制国家)と民主主義のいずれが人類規模の危機に対して有効かという問いが挙げられると思いますが、現在のコロナ禍や米中対立の世界状況を見ているといろいろ考えさせられます。

あと、三体人の視覚的描写があればよかったなー、と。これはNetflixがドラマ化した時の楽しみに取っておきます。
三体III 死神永生 上 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 上より
4152100206
No.6
(5pt)

個人的にはこれが三部作の最高傑作

今や日本でも知らない人間は少ない大人気SFである「三体」シリーズ。
その三部作の最終巻がこの「死神永生」だ。
中国では第二部の「黒暗森林」が一番人気があるらしいが、個人的にはこの「死神永生」を最高傑作に推したい。

以下「黒暗森林」のネタバレも含む感想。

さて、「死神永生」は基本的には「黒暗森林」の正当な続編であり、時間軸もそれに沿って展開していく。
ここで読者は一つの不安を覚えることになる。
すなわち、「黒暗森林」がついに三体世界に対抗する手段を手にした地球世界が彼の文明の侵略を跳ね除ける、という希望の持てる終わり方だったために、その続きを描く「死神永生」ではその希望が全て打ち壊されるのではないかという恐怖だ。

残念ながらそれは的中してしまう。
三体世界と地球世界の宥和は幻想に過ぎず、致命的な隙を見せた人類に対して三体世界は再び牙を剥く。
相手を欺くことを覚えてより完璧になった三体世界の侵略にはいかなる隙も見出だせず、今度こそ人類は彼らに対抗する手段を失った。
このまま支配を受け入れるしかないのかーーと読者が戦々恐々としているところで、とある要因により三体世界は地球世界から手を引く。
だがそれによって読者が恐怖から解放されることはない。
なぜなら、そこまで読んだ読者なら分かっているからだ。
そのとある要因が、実は三体世界などより遥かに危険で、かつどうしようもない死刑宣告であることが。

「死神永生」はあらゆる要素が第二部までとは桁違いにスケールが大きくなる。
時間の単位も、危機の範囲も、ありとあらゆるものが。
本書はそれによって、誰もが持っている「宇宙への根源的恐怖」を呼び起こすことに成功している。
宇宙は人間が不用意に足を踏み入れていい場所ではない、という危機感が増幅され、登場人物たちへの極大な感情移入効果に繋がっている。
つまり物語への没入感が前二冊よりも凄まじく、最高傑作に挙げるのはそれが理由である。

ただし、欠点もいくつかある。
一つは主人公。
今回の主人公は仕方ない状況もあるとはいえ、人類にとって致命的な過ちを二度も犯す。またその原因は論理的思考に基づくものでなく、ほとんどが彼女の感情的な部分によるものなので、嫌悪感を覚える人も多いだろう。
第二部の主人公も続投しているのだが、こちらが常に泰然自若とした態度でいるのもまた対照的に主人公の不安定さを浮き彫りにする。

もう一つは終わり方。
ただしこれは別に終わり方が明確に悪い、というわけでなく、どちらかと言えば「黒暗森林」と比較した場合の話だ。
「黒暗森林」はそこまでの全ての話に決着をつける上に希望の持てる終わり方で、「続編でやることがあるのか?」と言われていたほど綺麗な結末だったため、流石にそれと比べると分が悪い。

中国で「黒暗森林」の方が人気が高いというのは、恐らくこの二つの違いによるものではないだろうか。
特に主人公に関しては「死神永生」の方が人気が無いのは確実だろう。

ただそれでも自分にとって「死神永生」は三部作の中でも読んでいて最ものめり込めた作品だ。
「黒暗森林」まで読んだならこれを読まないのは損をしている。

値段は少々高いけれど、それ以上の価値のある作品だと思う。
三体III 死神永生 上 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 上より
4152100206
No.5
(5pt)

個人的にはこれが三部作の最高傑作

今や日本でも知らない人間は少ない大人気SFである「三体」シリーズ。
その三部作の最終巻がこの「死神永生」だ。
中国では第二部の「黒暗森林」が一番人気があるらしいが、個人的にはこの「死神永生」を最高傑作に推したい。

以下「黒暗森林」のネタバレも含む感想。

さて、「死神永生」は基本的には「黒暗森林」の正当な続編であり、時間軸もそれに沿って展開していく。
ここで読者は一つの不安を覚えることになる。
すなわち、「黒暗森林」がついに三体世界に対抗する手段を手にした地球世界が彼の文明の侵略を跳ね除ける、という希望の持てる終わり方だったために、その続きを描く「死神永生」ではその希望が全て打ち壊されるのではないかという恐怖だ。

残念ながらそれは的中してしまう。
三体世界と地球世界の宥和は幻想に過ぎず、致命的な隙を見せた人類に対して三体世界は再び牙を剥く。
相手を欺くことを覚えてより完璧になった三体世界の侵略にはいかなる隙も見出だせず、今度こそ人類は彼らに対抗する手段を失った。
このまま支配を受け入れるしかないのかーーと読者が戦々恐々としているところで、とある要因により三体世界は地球世界から手を引く。
だがそれによって読者が恐怖から解放されることはない。
なぜなら、そこまで読んだ読者なら分かっているからだ。
そのとある要因が、実は三体世界などより遥かに危険で、かつどうしようもない死刑宣告であることが。

「死神永生」はあらゆる要素が第二部までとは桁違いにスケールが大きくなる。
時間の単位も、危機の範囲も、ありとあらゆるものが。
本書はそれによって、誰もが持っている「宇宙への根源的恐怖」を呼び起こすことに成功している。
宇宙は人間が不用意に足を踏み入れていい場所ではない、という危機感が増幅され、登場人物たちへの極大な感情移入効果に繋がっている。
つまり物語への没入感が前二冊よりも凄まじく、最高傑作に挙げるのはそれが理由である。

ただし、欠点もいくつかある。
一つは主人公。
今回の主人公は仕方ない状況もあるとはいえ、人類にとって致命的な過ちを二度も犯す。またその原因は論理的思考に基づくものでなく、ほとんどが彼女の感情的な部分によるものなので、嫌悪感を覚える人も多いだろう。
第二部の主人公も続投しているのだが、こちらが常に泰然自若とした態度でいるのもまた対照的に主人公の不安定さを浮き彫りにする。

もう一つは終わり方。
ただしこれは別に終わり方が明確に悪い、というわけでなく、どちらかと言えば「黒暗森林」と比較した場合の話だ。
「黒暗森林」はそこまでの全ての話に決着をつける上に希望の持てる終わり方で、「続編でやることがあるのか?」と言われていたほど綺麗な結末だったため、流石にそれと比べると分が悪い。

中国で「黒暗森林」の方が人気が高いというのは、恐らくこの二つの違いによるものではないだろうか。
特に主人公に関しては「死神永生」の方が人気が無いのは確実だろう。

ただそれでも自分にとって「死神永生」は三部作の中でも読んでいて最ものめり込めた作品だ。
「黒暗森林」まで読んだならこれを読まないのは損をしている。

値段は少々高いけれど、それ以上の価値のある作品だと思う。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.4
(4pt)

2作目には及ばないが十分名作

1作目では発想の奇抜さに惹かれ、2作目では描かれる世界の不気味なリアリティに一気にのめり込んだ。
中国語版が10年前に出版されたのになぜ邦訳がまだないのかと煩悶すること一年弱、3作目は発売日、徹夜で一読み尽くしてしまった。もったいないと言われるかもしれないが、止まらなかったものはしょうがない。
3体シリーズ最大の魅力は何といってもスケールの大きさ、そして設定、描写の緻密さだろう。SFは結構読んできたが、3体シリーズほど練り上げられた世界観を持つ作品は珍しい。科学技術的な設定はリアリティを追求して緻密に構築されているし、歴史や社会、政治の描写も手心を加えることなく人間の醜い面も含め容赦なく描き切っている。そのせいで、もしかしたら現実でもこの物語のようなことが起こりうるのではという恐怖すら感じた。
ハードSFではしばしば世界やSF的な理論体系を構築するのに力を入れるあまり、登場人物や物語自体がやや無機質で副次的になってしまうことがある。本シリーズもその傾向があるのだが、今3作目ではよりそれが強まった印象だ。個人的には主人公の女性にはあまり感情移入できなかったし、ストーリーにも2作目ほどのワクワク感は感じることが出来なかった。
普通ならば大きな欠陥だが、本作に限っては世界背景が素晴らしく魅力的なのでそれほど大きな問題だとは感じなかった。登場人物やストーリーはこの世界観を観賞するためのツールだと考えればいいだろう。
人物、ストーリーでも満点の出来だった暗黒森林に比べるといささか冗長で失速した感もあるが、前2作の世界観に魅了されたなら今作にも十分満足できると思う。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.3
(4pt)

三部作中、もっとも面白かったのは第2部でした

第3部、上下巻を通してのレビューです。
1冊だけでも、第1部と同じぐらいの文章量なので、読み応えがありました。序盤付近の「脳を送る」というあたりのくだりで、何故かキャプテン・フューチャーシリーズのサイモン教授のことが頭に浮かんだりして。
それはともかく、今作は主人公がコールドスリープを繰り返しながら物語が動くせいか、展開がめまぐるしいです。ただ、しょっちゅう「後世の歴史家によれば」的な文章が入るので、たとえ“今”が危機的状況であるにせよ、太陽系はそのハードルを乗り越えたんだろうなあと思いつつ読みましたが、、、。うーん、読後感はあまりすっきりしません。え?こういうラストなの?そんなあ……と思ってしまいました。

多分に、これは好みの問題なのかもしれません。自分的には、第2部のラスト付近でルオが三体人に打ち勝った時のようなカタルシスのあるオチが好きなので。比べれば、シリーズの結末である第3部はその点が物足りないです。ちょろっと出てきた得体の知れない存在は、結局のところ出オチめいて終わりだったし。
シリーズ名は「三体」ですけど、太陽系対三体世界として綴るなら、第2部で終わりにしてもよかったんじゃ?とも思ってしまいます(今作下巻での三体人の扱いがおざなりなせいもある)。
結局、レビュータイトルにしたように、第2部が一番面白かった、になってしまいます。
三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 三体3 死神永生 上 (ハヤカワ文庫SF)より
4150124493
No.2
(4pt)

2作目には及ばないが十分名作

1作目では発想の奇抜さに惹かれ、2作目では描かれる世界の不気味なリアリティに一気にのめり込んだ。
中国語版が10年前に出版されたのになぜ邦訳がまだないのかと煩悶すること一年弱、3作目は発売日、徹夜で一読み尽くしてしまった。もったいないと言われるかもしれないが、止まらなかったものはしょうがない。
3体シリーズ最大の魅力は何といってもスケールの大きさ、そして設定、描写の緻密さだろう。SFは結構読んできたが、3体シリーズほど練り上げられた世界観を持つ作品は珍しい。科学技術的な設定はリアリティを追求して緻密に構築されているし、歴史や社会、政治の描写も手心を加えることなく人間の醜い面も含め容赦なく描き切っている。そのせいで、もしかしたら現実でもこの物語のようなことが起こりうるのではという恐怖すら感じた。
ハードSFではしばしば世界やSF的な理論体系を構築するのに力を入れるあまり、登場人物や物語自体がやや無機質で副次的になってしまうことがある。本シリーズもその傾向があるのだが、今3作目ではよりそれが強まった印象だ。個人的には主人公の女性にはあまり感情移入できなかったし、ストーリーにも2作目ほどのワクワク感は感じることが出来なかった。
普通ならば大きな欠陥だが、本作に限っては世界背景が素晴らしく魅力的なのでそれほど大きな問題だとは感じなかった。登場人物やストーリーはこの世界観を観賞するためのツールだと考えればいいだろう。
人物、ストーリーでも満点の出来だった暗黒森林に比べるといささか冗長で失速した感もあるが、前2作の世界観に魅了されたなら今作にも十分満足できると思う。
三体III 死神永生 上 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 上より
4152100206
No.1
(4pt)

三部作中、もっとも面白かったのは第2部でした

第3部、上下巻を通してのレビューです。
1冊だけでも、第1部と同じぐらいの文章量なので、読み応えがありました。序盤付近の「脳を送る」というあたりのくだりで、何故かキャプテン・フューチャーシリーズのサイモン教授のことが頭に浮かんだりして。
それはともかく、今作は主人公がコールドスリープを繰り返しながら物語が動くせいか、展開がめまぐるしいです。ただ、しょっちゅう「後世の歴史家によれば」的な文章が入るので、たとえ“今”が危機的状況であるにせよ、太陽系はそのハードルを乗り越えたんだろうなあと思いつつ読みましたが、、、。うーん、読後感はあまりすっきりしません。え?こういうラストなの?そんなあ……と思ってしまいました。

多分に、これは好みの問題なのかもしれません。自分的には、第2部のラスト付近でルオが三体人に打ち勝った時のようなカタルシスのあるオチが好きなので。比べれば、シリーズの結末である第3部はその点が物足りないです。ちょろっと出てきた得体の知れない存在は、結局のところ出オチめいて終わりだったし。
シリーズ名は「三体」ですけど、太陽系対三体世界として綴るなら、第2部で終わりにしてもよかったんじゃ?とも思ってしまいます(今作下巻での三体人の扱いがおざなりなせいもある)。
結局、レビュータイトルにしたように、第2部が一番面白かった、になってしまいます。
三体III 死神永生 上 Amazon書評・レビュー: 三体III 死神永生 上より
4152100206