半分世界
評判
半分世界の評価:
3.63/5点 レビュー 8件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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「吉田同名」は吉田大輔という人物が突然2万人近くに(同一人物として)分身して同時に出現し、政府の意向で幾つかの施設で保護(管理・隔離)されるという短編。一見面白そうだが、筒井のドタバタSF流に展開がエスカレートして読者の着想外の着地点に導く訳でもなく、「自己(アイデンティティ)とは何か?」という形而上学的考察を掘り下げている訳でもなく、同一意志を持った2万人近くの(同一)人間を上手く組織化出来るかという組織論的考察をしている訳でもなく、隔離された「吉田同名」が反乱を起こすとかの異質物排除への批判となっている訳でもなく、正直、竜頭蛇尾の感を免れなかった。表題作は更に意図不明。藤原という家の道路側半分がなくなってしまうが、そのまま住み続ける家族の様子に興味を持った「フジワラー」の生態を描いた短編。ネット社会で無責任に興味本位の言動を取る(それが拡散する)現代人への批判とも取れるが、そこまで練ってあるとは思えなかった。尚、両編共、何故そのような発端状況になったのかを説明していないのは作品の性質上良いと思った。
また、全般的に衒学趣味が目立つのも嫌らしい。上述した通り、発想の奇抜さは良いのだから、もっと物語の構成・展開を練った今後の作品を期待したい。