蝉かえる
評判
蝉かえるの評価:
4.43/5点 レビュー 23件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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蝉かえるの評価:
4.43/5点 レビュー 23件。 B ランク
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(1)蟬かえる・・・・・山形。御隠の森。伝奇ものかと思いましたが、そうではなく、地方に今なお残るタブー、地震、奇妙な体験。そして、セミ供養。物語は、巧緻に反転し、その終盤、切れのある驚きをもたらします。
(2)コマチグモ・・・・交錯する事件。出動した救急車が、もうひとつの事故に遭遇します。子グモと母グモ。少女だけが隠し持つある烈しさ。これもまた間然するところのない短編だと思います。
(3)彼方の甲虫・・・・奥羽山脈北部の山。ミスディレクションを決めてみせて、”スカラベ”の反転を誘います。動機が少し弱いと感じました。「明日がくることと、ぼくに明日があることは、同じではない」
(4)ホタル計画・・・・消えたサイエンス・ライターを探して、雑誌編集長・斎藤が北海道に向かいます。発光するホタル。何があったのか?少しパセティックですが、傑作だと思います。シリーズ中、一回しか使えないサプライズ。舞台監督・蜷川幸雄が言うところの「一瞬の叙情」が流れ、巧緻で、物語がうねりながらエンディングを迎えます。
(5)サブサハラの蠅・・・アフリカから持ち帰った蠅のさなぎ。この短編集の中では、一番インパクトが弱い。
民俗学、母親と少女、人種と悪意、遺伝子組み換え、そしてアフリカの病というメイン・テーマに生物学と昆虫学を駆使した探偵・魞沢がそれぞれのミステリを解き明かします。魞沢を語ろうとすると、その手品を解き明かすことになりそうなのでやめておきましょう(笑)