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十一月の男



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【この小説が収録されている参考書籍】
十一月の男 (新潮文庫)

十一月の男の評価: 3.00/5点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

人間の醜さを描かせたら一級の作家

フリーマントルがデイリー・メールの外報部長を辞して、作家専業に身を転じてからの
第一作であり、"チャーリー・マフィンシリーズ"が始まる直前の1976年の作品でもある。
四年に一度、11月に実施される米大統領選挙に絡んで、KGBが巡らす陰謀を背景に、
大富豪ホラスを陥れるための作戦のカギを握る老スパイ・アルトマンの苦悩と闘いを
描くスパイ物。念入りな人物造形とねちっこいまでの心理描写はフリーマントルらしさ
でもあるが、読者を選ぶ作風でもある。彼の初期作品は、人を道具扱いする諜報戦の
持つ非人間性の告発、その世界に生きる者の苦悩を描く、丁度グレアム・グリーンや
ジョン・ル・カレなどに通底するものだ。チャーリー・マフィン以降は娯楽性も加味した
作品も増えてくるが、本作品はうらぶれた老スパイが抱える過去と、現在も続く悲劇が
印象的で、物語の色調は暗いし結末も救いがない。話の筋は想像力で補わなければ
ならず、何が進行してるのか解説してくれるわけではないので、工作戦の把握に骨が
折れる。当節風のテンポのよい娯楽小説を求める人は手に取らない方がいいだろう。
十一月の男 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:十一月の男 (新潮文庫)より
4102165088

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