(短編集)

谷崎潤一郎犯罪小説集

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評判

谷崎潤一郎犯罪小説集の評価:

4.56/5点 レビュー 16件。 D ランク

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平均点4.56pt

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全32件 21〜32 2/2ページ
No.12
(4pt)

乱歩のような谷崎

谷崎潤一郎が書いた犯罪に関する小説を集めた作品集です。江戸川乱歩を思わせる、異常心理から生ずる犯罪を中心に据えた作品が多いようです。こんな作品群を彼が書いていたとはまったく知りませんでした。『私』という作品などにはどんでん返しと叙述トリックが用いられており、本格探偵小説と呼んでもいいと思います。

『黒白』は短編にしては長い作品です。ある作家が殺人についての小説を書いた際に知り合いの編集者を被害者のモデルにします。ところが、発表後に彼は実際にその編集者が殺されて、自分に犯人の嫌疑がかかるのではないかという妄想に捕らわれます。ところが途中で主人公が女遊びをする話にかなりの筆が割かれるなど、かなり行き当たりばっかりの印象を受けるのですが、谷崎が楽しみながら書いているのが感じ取れます。
谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫)より
4087497399
No.11
(5pt)

シチュエーションが古すぎ

同じ文庫の「フェチズム」「マゾヒズム」は活字が小さいし、漢字、形容詞などが現代では使われていないものが多かったけど、まあ、面白く読めた。
この犯罪小説は、ひとつ読んだだけで、ブックオフに10円で消えました。
分かりにくくて、面倒なのです。
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B0739GVQ82
No.10
(5pt)

「 途上 」 は、“ 犯罪事件の probability ・・・蓋然性 ” の概念を提示し、我国推理小説へ大きな影響を与えた作品

.
谷崎を、「推理小説作家」と呼称すべきではないが、このジャンルにおいての影響力は大きなものがある。

とりわけ、犯罪構成の観点から注目されるのが、「途上」である。

内容は、第三者を「事故の蓋然性を高める」環境におく犯罪者の所為を丹念に描いているのであるが、

「事故死を起こすべく手順を踏むが、『 事故が起きてもあくまでも偶発事故 』 である 」 といった犯罪 ・ ・ ・

言うならば自然界の因果関係を最大限に利用した、” 完全犯罪 ” の 「 問題提起 」なのである。

流麗な文章構成から「和文の芸術家」とも称すべき、若き谷崎の意欲的な作品と評し得よう。
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B0739GVQ82
No.9
(4pt)

表紙が気に入って買いました

表紙が気に入ったので買いました。くまおり純さんというイラストレーターの絵です。
谷崎潤一郎犯罪小説集ということで、四つの短編が入っています。いろいろな評論家の方が指摘していますが、谷崎潤一郎は江戸川乱歩に影響を与えました。「途上」は、乱歩が褒めていたと思います。今年2015年は谷崎、江戸川の没後50年にあたります。
清水良典氏の『あらゆる小説は模倣である。』(幻冬舎新書)によると、谷崎の「金色の死」は、乱歩の『パノラマ島奇譚』に影響を与えたそうです。また、「金色の死」もエドガー・アラン・ポーの「アルンハイムの地所」と「ランダ―の別荘」の影響を受けているそうです。(p68-71)

※「金色の死」はこの本には未収録で、講談社文芸文庫で読めると思います。紛らわしいことを書いてすいません。
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B0739GVQ82
No.8
(4pt)

論理・マゾヒズム・語り口

「途上」は、収録編中もっとも論理的な作品で、狂人も変わり者も登場しない。
蓋然性が重なれば必然性に変わると説き、犯人の狙いを見抜く。
本編は"完全犯罪は為し得るか"という見地から乱歩の短編「D坂の殺人事件」で取り上げられている。

「白昼鬼語」は、二重だまし、眩暈を誘う頽廃的耽美の魅力もさることながら、
狂人・園村の突拍子もない被虐嗜好にうちのめされた。
探偵小説としてもちろん愉しめるのだが、圧倒的なマゾヒズムの病癖に瞠目させられる。

「私」は、一読すると二重人格者を思わせる主人公(一人称)。しかし、ラストで力説しているように、
ウソを文脈に一言も書いていない。語り口のテクニックが憎いほど冴える。

※ 写真・自己紹介は無視して下さい
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B0739GVQ82
No.7
(5pt)

谷崎文学は日本のミステリーの始まり。

いろいろな純文学を読んでいて谷崎にたどり着きました。

芥川龍之介が追及していた人間のエゴイズムの流れはここからミステリーや

ホラーへとつながっていったのではないだろうか?
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B0739GVQ82
No.6
(4pt)

探偵小説黎明期の作品群

「柳湯の事件」「途上」「私」「白昼鬼語」の犯罪をテーマにした4編を収録。
一読しての感想は、戦前の探偵小説の独特の語り口や、雰囲気と共通したものが感じられ、こうした作品が、乱歩以降の各作家の諸作品に強い影響を与えているのが実感できました。
探偵小説には、理知とリアリズムを主眼とした「本格派」に対して、異常心理や恐怖・幻想を主眼とした「変格派」がありますが、作者は後者の祖として位置づけられるべきなのでしょう。
「途上」は、二人の男が路上で会話を交わしながら、ある事件の真相が明らかになっていく話です。この作品を読んだ時に、殺人を犯したとして男が話しかけてくる浜尾四郎の「途上の犯人」と、戦後の焼け野原で、二人の男の会話から過去の事件の真相が明らかになる横溝正史の「百日紅の下にて」の2編を思い出しました。特に後者では人物関係に「痴人の愛」の設定も流用されています。
また「白昼鬼語」は、暗号をめぐる二人の男のやり取りや最後のどんでん返しの部分が、乱歩の「二銭銅貨」を彷彿とさせますし、「D坂の殺人事件」に先駆けて異常性欲をテーマにしている点も興味深く感じました。
振り仮名やかなづかいの変更もわかりやすさを第一に、丁寧に行われていて、とても読みやすく面白く読めました。
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B0739GVQ82
No.5
(5pt)

きれいでした

本の状態がとてもきれいでよかったです。対応も迅速で助かりました。
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B0739GVQ82
No.4
(5pt)

とても良かったです。

谷崎ワールドにはまりました。

すごく面白い内容です。

懐かしい世界でした。
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B0739GVQ82
No.3
(4pt)

とっつきやすいかも

谷崎潤一郎の作品は淫靡で妖しくて、なんだか苦手と遠ざけてきたが、この本は「犯罪小説集」と銘打ってある。
犯罪、とくれば、それはもう非日常であり、どのような突飛な展開であろうと、却って安心して読めるのではないかと思って読んでみた。
4編の短編が収められている。

「柳湯の事件」は、「夢オチ」ならぬ、なんとかオチと言えそうな展開だ。
あっけないほどあっさりと終わる。
これはもう、物語の設定や背景などよりも、
途中の、読んでいて気分が悪くなるほどの執拗な、
ぬらぬらぬめぬめな死体のことを詳しく書きたかったってことなんだろうか、とさえ思ってしまった。
そして私立探偵の「調査報告」を軽く聞く様子でじわじわと物語が構築されていく「途上」、
周囲の目や言葉から、やはりじわじわと事実が浮かび上がってくる「私」という2つの短編がある。
読み進むほどに、あぶり出しのように物語が見えてくるという点でこの2編は似ているかもしれない。
一行読むごとに確実に物語の輪郭は濃くなる。
謎解きの醍醐味に、一瞬たりとも集中を欠かさず読んでしまう。

最後に、やや長めの「白昼鬼語」が収められている。
これは最後に意外などんでん返しが待っているのだが・・・。
どんでん返しがないままに終わってしまえばそれはそれで呆れた途方もない変態物語であり、
しかしどんでん返しがあっても、変態だらけの驚くべき物語に変わりはない。
もし、どんでん返しがないままに終わったとしたら、
主人公・園村は、己の道(変態道)を全うするという点で、
もしかしたらちょっとかっこいいほどの変態になれたのかもしれないが、
作者・谷崎潤一郎がそうはさせなかったってことかな・・・などと思ってしまった(笑)

谷崎潤一郎はとにかく文豪で、耽美で淫靡でやっぱりちょっとなかなか・・であります。
でも、はじめにも書いたが、物語の舞台が「犯罪」というそもそも非日常空間なので、
物語として純粋に鑑賞できると思う。
とっつきやすいのではないだろうか。
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B0739GVQ82
No.2
(5pt)

見事な叙述トリックに感動!

浅学の身でおこがましいのですが、谷崎潤一郎の有名な作品はほとんど読んだつもりでした。しかし、まだまだ面白い小説が沢山残っているのですね。
 この文庫本のタイトルが「犯罪小説集」と、おどろおどろしいタイトルですが、身の毛がよだつようなおぞましさはありませんのでご安心を。
 この本には、4編の短編小説が掲載されていますが、なかでも、「途上」「私」という二つの掌編はショートショートの傑作。ミステリー愛好家もきっと満足されることでしょう。
 
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B0739GVQ82
No.1
(4pt)

乱歩のような谷崎

谷崎潤一郎が書いた犯罪に関する小説を集めた作品集です。江戸川乱歩を思わせる、異常心理から生ずる犯罪を中心に据えた作品が多いようです。こんな作品群を彼が書いていたとはまったく知りませんでした。『私』という作品などにはどんでん返しと叙述トリックが用いられており、本格探偵小説と呼んでもいいと思います。

『黒白』は短編にしては長い作品です。ある作家が殺人についての小説を書いた際に知り合いの編集者を被害者のモデルにします。ところが、発表後に彼は実際にその編集者が殺されて、自分に犯人の嫌疑がかかるのではないかという妄想に捕らわれます。ところが途中で主人公が女遊びをする話にかなりの筆が割かれるなど、かなり行き当たりばっかりの印象を受けるのですが、谷崎が楽しみながら書いているのが感じ取れます。
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