ゼロの焦点

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ゼロの焦点の評価:

3.99/5点 レビュー 107件。 B ランク

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平均点3.99pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全89件 61〜80 4/5ページ
No.29
(4pt)

素人に推理させ最後まで謎を残した作品に仕上げたのは意図的ではないか。

松本清張の最高傑作という呼び声もある作品を大きな期待をもって読み進めた。
私の感想を一言で言えば、「点と線」で得た精緻な推理小説の完成度や、「霧の旗」で感じたストーリーの面白さや強烈な印象と比べ、どこか物足りない不完全な感じを受けた。
禎子が結婚後1ヶ月も経ずして夫が失踪する。失踪先の金沢に行ってあらゆる人と出会い推理を働かせていくのだが、素人の設定なだけにその推理の鋭さに、どこか違和感を覚えた。また、ありとあらゆる伏線が最後の結論に必要な要素として過不足なくちりばめられているわけではなく、読後もなぜといった疑問が若干残る仕上がりになっている。
比較的清張初期の作品であるが、「点と線」の方がもっと早く上梓されていることからわかるように、清張は意図的にあいまいさを残す作品を作ったのではないか。完成度が低いというのは簡単だが、清張は素人に推理をさせて、最後まで逡巡する様子を小説にまとめ、それを読者に読ませきろうとした。やはり、並大抵の筆力では為せない技と言える。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.28
(4pt)

流石と不完全

流石,松本清張と思わせる部分も多いが,トータルの完成度でいえば不完全.

微妙な女性心理を描きつつストーリーを展開していく部分は,流石松本といったところ.
先日別のレビューも書かせてもらったが,この点に関しては東野圭吾なる流行作家など足下にも及ばない.

残念なのは後半部分.
女性主人公の心理描写から,ただ事件の謎解きをするだけの人物に成り下がっている.
「女性探偵」と書かれた方もいるが当を得ている.

さらに残念なのは,事件の謎解きが主人公の直感,想像によってなされている点である.
お決まりの二転三転はあるが,真犯人に至るまで「直感で◯◯が犯人と思った」のスタンスは反則である.
作者が推理する「日本の黒い霧」を読んでいるような錯覚にすら陥った.

しかし,読み終わって満足感はある.
それは松本得意の時代背景描写にあるのだろう.
パンパン娘の切なさは今も余韻として残っている.
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.27
(5pt)

松本清張入門

初めて読んだ松本清張の小説。

心の底から面白いと感じた。

ほかの作品も読破したい。

ミステリー一気読みにはお勧めの一冊
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.26
(4pt)

推理小説の体裁で戦後の社会を描いた作品

この小説を推理小説という観点からだけ見た場合には、それほど高い評価を付け難いと思う。何故ならば話の中盤あたりの、禎子が立川に行って夫が警察官時代にパンパンの取り締まりをしていたことが判明した時点で、犯人の目星がついてしまったからである。その後もいくつか事件は起こるが、大きなどんでん返しはなく、ほぼ予想通りの筋書きで終わる。ただ、この小説は単なる推理小説ではないと思う。終戦後10年以上が過ぎた昭和30年前半が舞台であるが、戦後に生じた混乱を生きた女性が社会的にどのような影響を受けたかが描かれており、そのような時代を全く知らない自分にとってはこんなことがあったのかと新鮮な驚きがあった。著者の狙いも時代の中で翻弄された女性の運命を描きたいという点にあったのではないかと思う。また、本書の舞台は僅か50年程前にも拘らず、その間の日本の変わりようにはびっくりする。携帯電話やコンピュータがないのは当然なのだが、話し言葉が全然違うことに驚かされた。主人公の禎子と母親の会話がしばしば出てくるが、当時は親に対してこのような丁寧な言葉使いをしていたとは。戦前教育と戦後教育の差によるものだろうか。
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4101109168
No.25
(4pt)

作者が自分でハードルを上げまくっているのが、とても印象に残った

新婚一週間で、夫が失踪した。
ゆくえを求めて調べていくうちに、夫にはある「秘密」があることを突き止める。
しかし、夫の陰の生活がわかるにつれ、関係者がつぎつぎに殺されてゆく。
そこまでして隠さなければならない「秘密」とは、いったいなんなのか。
作者が自分でハードルを上げまくっているのが、とても印象に残った。
失踪してまで、守らねければならない秘密とはなんなのか。
殺人を犯してまで、守らねければならない秘密とはなんなのか。
本文の中で、繰り返し繰り返し、書かれている。
そこまでこの「秘密」に自信があるのだなと感じたほどだ。
その結末は、納得はできるけども、リアリティはないかな というのが正直な感想。
全体を通じて、きちんと筋は通っている。
しかし、人はそう論理的には、というか、そう簡単には動かないと思う。
ミステリー小説単体としてはやはり弱いが、きちんと最後には驚きがあった。
昭和30年代当時の雰囲気も感じることができ、そういった点も総合すると、読んでよかったです。
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4101109168
No.24
(5pt)

リアルな描写

ドラマで見て購入。
松本清張といえば大御所で読みにくいという印象がありましたが読みやすく引き込まれて一気に引き込まれた。
ドラマでは見えなかったキャラクターのリアルな描写が良かった。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.23
(4pt)

北陸の冬をイメージする暗いトーンで話が進んでいく

新婚1週間で失踪した夫、鵜原憲一の行方を追って、妻、禎子が金沢で夫のことを訪ね歩く。東京と金沢を行ったり来たりしながら、今まで知らない夫のことを知るにつれて、人が殺され、事件が進んでいく。
全体的には北陸の冬をイメージする暗いトーンで話が進んでいく。犯人は誰なのか?動機は何なのか?を探りながら読んでいくのがいいのでしょう。時代背景(昭和33年)が影響するのかどうかわからないが、何か無理があるなあという印象がある。個人情報の扱われ方についてはすごく違和感を感じるのは仕方がないところか。
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4101109168
No.22
(4pt)

現実にあてはめて考えてみる

 松本清張作品は読んだことがなかったのだが、映画版をみて原作も読みたくなった。
 映画版同様、読了後に考えさせられることが少なくなかった。
 本作品を一言で言うならば「罪を憎んで人を憎まず」。
 
 確かに殺人をはじめとした凶悪犯罪、また万引きなどの軽犯罪は許してはいけない。
 本作はもちろんテレビの特番、たとえば万引きGメンなどを扱ったものなどを見るたびにそう思う。
 しかし私は思うのだ。
 「自分は100%正しいのか」と。
 
 全世界60億人、誰一人として同じ人はいない。
 だが、唯一共通している部分がある。
 誰にでも「悪」はあるということだ。
 作者が本作を通して伝えたかったことはまさにそういうことなのではないだろうか。
 人の「悪」をみてただ罵るのではなく、その時自分自身を対話をしてみる。
 「自分ならどうだ、同じ状況になったとしても100%やらないと言い切れるのか」と。
 そうしていくことで自分の内にある「悪」を発見し、同時に反省して行くことが、「悪」と上手につきあうことができるのではないだろうか。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.21
(4pt)

前半は読ませるけど・・・

映画が封切られるというので、読んでみた。
相手の素性をよく知らぬままに結婚した若妻の微妙な心の動き、夫婦とはいえどこかぎこちなさが残る二人の関係など、女主人公の気持ちが、ていねいに描写されていて好感が持てる。
しかし、いくつかの殺人事件に彼女が巻き込まれていくなかで、真相を解明しようとする彼女のアクティブな活動が目立つにつれ、最初の女主人公のあやういイメージが次第に消え、女探偵のように描かれているのは、いくら推理小説とはいえ、ちょっと違和感を覚える。
ラストシーンの描写は映像的だが、なんかうそ臭いという印象がぬぐえない(詳細はかけませんが)。
結論から言うと、人殺しの数をもっと減らして、女主人公以外の人生がもっとリアルに浮かび上がってくるような、サスペンス的味付けをした人生ドラマにしてほしかった。
余談ですが、昭和三十年代は、皆がタバコを吸い、ウィスキーがよく飲まれていたんだなあ
と、変なところに感心してしまった。それと、「プライバシー意識」が希薄だったことがわかる。当時は、警察や医師や新聞が、こんなに簡単に個人情報をもらしていたのだろうか。
その意味で、時代を感じた。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.20
(5pt)

清張の傑作中の傑作

映画化で注目を浴びていますが、清張の作品の中の最高の傑作の中のひとつだと思います。北陸金沢周辺を舞台に
情景が目に浮かぶような文章で本のなかに引き付けられます。学生時代富山で自宅が福岡ということで、松本清張
とは以前より親しみを感じます。暮らしたこと行ったことがある場所が本の中に出てくるとたまらなくなります。
他に点と線の香椎浜、砂の器の山陰亀嵩等々最高です。今度も学生時代に読んで懐かしくて再度読みました。
本当に懐かしく感動しました。
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4101109168
No.19
(4pt)

昭和の暗部を抉り出す、傑作

昭和30年代前半。
日本は復興と高度成長に向かっていた。
しかしながら、そこにはまだ戦争の傷跡が、深く人々の心の底に残っていた。
夫の失踪をたどる新妻のたびは、戦後日本が抱えていた一つの傷跡を現代に呼び覚ます結果になっている。
サスペンス、トラベル、現代ミステリ-のル−ツとなる作品の中にちりばめられた、避けることのできない日本の傷跡がたしかにこの作品の中に存在する。
砂の器へと続く清張作品の傑作。
昭和ブ-ムの現在、希望だけではすまない、影の昭和がここにある
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4101109168
No.18
(4pt)

“文学的”推理小説

松本清張にしては比較的短めの推理小説です。
発表から数十年を経た今となっては、数多の類似小説の影響もあり、ストーリー的にも、謎解き自体も正直目新しさはないです。おいおいと思わず言葉が出そうなくらい、いくつもの突っ込みどころも満載です。
ただし、文章の構成や、表現はとても素晴らしく、ぐいぐいと読ませる力があり、さすが松本清張と思わせる小説です。
特に東京と北国との対比や、北国の情景の描写は目を見張るものがあり、文学的な匂いがします。
全体を通じて暗いムードにもかかわらず、読後、川端康成の小説を読み終えたときのように、無性に旅行に行きたくなりました。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.17
(5pt)

清張の「探偵小説」

「社会派」と言われる松本清張にしては、古い「探偵小説」に近い作品です。
それでも、その暗い北陸(主に能登半島)の描写は、その詩情性に富み、それは暗い戦後の混乱期の象徴のようでもあります。
復興目覚ましい日本の国にあって、その暗い時代を引き摺っている人物たちが、この本の「主人公」です。そうした「主人公」にとって、相応しかったのは東京から遠く離れた北陸だったのかも知れません。
この小説の語り手であり探偵役である禎子が、見聞きし、考える通りにストーリーが展開するため、物語に非常に入りやすく、彼女と一緒に「謎」に向かってゆけます。
それに旅情感溢れる情景描写をが加わります。
しかも、バックには終戦直後の社会と、その中で翻弄された女性たちがいるのですから、文句なしの作品でしょう。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.16
(5pt)

「点と線」とは対照的な事件小説

「点と線」に続き,この本も一気に読み切ることができた.
「点と線」と比較して長いし,「ゼロの焦点」のタイトルの意味するところも想像しづらかった.
事件が事件としてはっきりと提示されるまでが長いものの,ストーリーの展開に不自然な点が見えた辺りから,私は先の展開がはっきりと見通すことができた.
しかし,その展開の裏付けは「点と線」ほど明らかにはならないまま,最終章を終える.意図はクリアだが,もっと別の描き方をしないと,推理小説として成立しないのではないかと思える点がいくつもある.
この意味において,この作品は推理小説というよりは事件小説とするほうがよりふさわしいのではないかと思う.この意見には多くの読者から賛同が得られるはずだ.
「ゼロの焦点」というタイトルの意味するところは私にはいまだにわからない.しかし,上に挙げたような,この作品が必然的に持つ虚構性,あるいは不完全性を筆者が象徴したかったのではないかと思う.
これからこの作品を読む方のために,きわめて抽象的な表現しかできないのは申し訳ない.実際に読んでみて,なるほどと思っていただけたらと思う.
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.15
(5pt)

今も輝く推理小説の傑作のひとつだと思います

「ゼロの焦点」は著者自身代表作の一つと考えていたようです。50年ほど前の著作になりますが、今読んでも面白くて一気に読み通せます。物語は新婚一週間で失踪した夫の行方を懸命に探そうとする妻禎子が主人公となり進行していく。見合結婚の禎子は夫の過去をほとんどと言っていいほど知らない。そんな中非常に冷静に謎を紐といていく。何度か推理を変えながらも辻褄を合わせていく。そこに引き込まれる。
 
今も輝く推理小説の傑作のひとつだと思います。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.14
(5pt)

「ゼロの焦点」からフェルメールへ

清張の作品はいつでも、関連のある他の清張サスペンスと比較しながら、どうやって彼がこの物語を構築したかを考察することが、ストーリーを追っていく以上におもしろい。例えば、この「ゼロの焦点」は明らかに「疑惑」と同じ北陸・能登が注目されている。「疑惑」ではなにげない会話の中に、能登海岸の断崖から飛び降りる自殺者の話題がふれられている。また北陸日日新聞の記者の登場人物というのも土地柄を反映している。二つの物語は、イザナキが黄泉の国にイザナミを追って訪問するが、見てはいけないという掟をやぶってイザナミの腐乱した姿を見たため、ほうぼうの体で現世に帰るという古事記ストーリーの焼き直しになっている。「疑惑」では心中となり、「ゼロの焦点」では冥界に消息をたった夫というふうな象徴に、どちらも男女関係が古事記とは逆転しているものの、基本は同じである。逆転の理由は、現代という時代がそうさせたにすぎない。流石は日本一の古事記の理解者・清張だからできる芸当である。ここからやや手前味噌で超飛躍した話題になるかもしれないが、あの十七世紀、オランダの画家・フェルメールも清張の「疑惑」と見えない糸でつながっている。古事記と今風の殺人事件を並べる清張なのだから、こんなことがあってもちっとも不思議ではない。清張自身がそうしなくてもだ。詳しくは「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著をご覧いただきたい。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.13
(4pt)

腹にズシリとくる

私が生まれた年に発表された作品。自分が生まれた時代を知ることができる。
全体を貫く沈鬱なトーンがたまらない。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.12
(5pt)

時代が書かせた名作

松本清張は基本的に社会派作家なんで、今の若い人が読めばちょっと分からないシチュエーションだと思う。まずお見合いってほとんどなくなってしまった。昔は結婚式で初めて会ったというカップルもあったようです。「パンパン」知らないですよねえ・・・。米軍相手の売春婦さんたちのこと。動機は分かるような気がする。それにしても主人公の禎子さんはしっかりしている。謎はそれほど突飛でもなくトリックというほどの仕掛けもなく。心理・戦後時代小説ですね。あとは汽車に乗るシーンが多く、カバーの絵が時刻表というのもうなづけます。昔は食堂車っていうのがありましたよね。食堂車の記号が載ってます。それと北陸の寒そうな風景の模写が多く、秘められた犯人とその周りの人々の暗い心の内側を表しているような・・吹雪の中で読んでいるような気がしました。しかし京都から金沢まで6時間(夜行ですが)、今はサンダーバードで2時間・・。やはりこの小説は移動に時間がかかる汽車の時代の産物のような気がします。
ゼロの焦点―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-1)) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-1))より
4334030017
No.11
(5pt)

名作は何度読んでも良い

陰鬱な日本海の雰囲気。
禎子をとりまく人間関係。
夫の秘密・・・。
何度読み返してもグッときてしまうのは、
清張の圧倒的筆力と緻密な構成によるものだ。
疑心暗鬼と直感と確信とが織り成す人間描写は、
古典を感じさせない躍動感で読者に迫ってくる。
すばらしい作品である。
ずっと読み続ける名作とはこのことだ。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168
No.10
(4pt)

本編のリアリティは○、カバー裏・巻末解説は×

新婚早々失踪した夫を探して東京⇔金沢を行き来する妻の視点で、事件を追う。
約1ヶ月間で全容が明らかになるまでに、いろいろな人の過去や現在の生活が明るみに出る。
過去を描出するときも、あくまでも現在の妻の視点に立っているため、自然に人間らしい文章の流れになっています。年末の日本海側の寒さを背景としたそのリアリティが、松本清張の上手いところなのだろうと思いました。
逆に、巻末の解説に、このあらすじを時間軸に沿って説明してあるのですが、こっちは全く読めた代物でない。これとの対比に、改めて、松本清張の説得力をすごいと思いました。
本編とは無関係なんですが、新潮文庫のカバー裏の解説は、良し悪しです。。そこまで書いちゃうかよ。と。
他の新潮文庫でも、たとえば、『異邦人』(カミュ)のカバー裏。明らかに書きすぎ。
ゼロの焦点 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: ゼロの焦点 (新潮文庫)より
4101109168