天平の甍

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評判

天平の甍の評価:

4.44/5点 レビュー 82件。 A ランク

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平均点4.44pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全163件 101〜120 6/9ページ
No.63
(5pt)

ginta

初めて原文に挑戦。
五回の失敗ももろともせず渡日を果たした鑑真には頭が下がる。
それに比べて、現在の仏教界の体たらくは・・・・嘆かわしい。
私が「天平の甍」知ったのは国語の教科書で。続いて真言宗系であった駒込高校からの「前進座」演劇観賞であった。
それは今にして思うと画期的な出来事だったと思う。
荒波にもまれてようやく日本の土を踏むシーンくらいしか印象になかったが、原文を読んで初めて「甍」の意味を知った。
ストーリーはあくまでも普照を通じて渡日する鑑真の苦節を主軸とはするが、
唐土に骨を埋めたであろう玄郎、戒融、それと業行が長い時間をかけて写した教本が本人とともに大海にのまれ、日本の土を踏むことがなかったことに
かかわる事柄が全体を引き締めている。

それにしても目的が何であれ航海という手段で、その事を達成するプロットは面白い。勿論、作家の力量によるところは大きいが。
たとえばアエンデュアランス号漂流記(アーネスト シャクルトン、中公文庫)侍(遠藤周作、新潮文庫)、大黒屋光太夫(吉村昭、新潮文庫)面白いよ!「
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.62
(4pt)

鑑真和上の半生記と日本仏教の草創期

教科書で学んだっきりだった鑑真和上来日の経緯をテーマとした小説
井上靖の歴史ものは史実を織り込みながら巧みな肉付けで読者をグイグイひきつけます。
仏教思想が根付き、僧侶も増えた時代、統制がとれなくなるという新たな課題を突き付けられた日本仏教界の青年僧たちが幾多の困難にも負けずに戒律を伝えられる僧を中国から招きたいという挑戦と、その期待にこたえるため失敗につぐ失敗にもあきらめずついに日本の土を踏んだ鑑真。
唐招提寺が単なる観光名所から「鑑真の寺」に変わるほどのインパクトでした。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.61
(4pt)

鑑真和上の半生記と日本仏教の草創期

教科書で学んだっきりだった鑑真和上来日の経緯をテーマとした小説
井上靖の歴史ものは史実を織り込みながら巧みな肉付けで読者をグイグイひきつけます。
仏教思想が根付き、僧侶も増えた時代、統制がとれなくなるという新たな課題を突き付けられた日本仏教界の青年僧たちが幾多の困難にも負けずに戒律を伝えられる僧を中国から招きたいという挑戦と、その期待にこたえるため失敗につぐ失敗にもあきらめずついに日本の土を踏んだ鑑真。
唐招提寺が単なる観光名所から「鑑真の寺」に変わるほどのインパクトでした。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.60
(5pt)

格調高き傑作。若人こそ一読すべし!

井上靖一流の淡々とした筆致は、ややもすると地味に感じられるきらいもあるが、とんでもない。

若人よ、注意深く読み進めてゆきたまえ。そこかしこに痺れるような文章が藏されているから。

「法のためである。たとえ渺漫たる滄海が隔てようと生命を惜しむべきではあるまい。お前たち(弟子たち)が行かないなら私が行くことにしよう」
P69より

上に挙げたのは、日本への渡来を請われた鑑真和上の返答だ。
当時、大海を渡る船の多くは藻屑となり果ててゆく。
それなのに、何という強さ、何という清々しさ。
鑑真和上のこの台詞に収束されるまでの流れがまた高雅で、たまらない。

鑑真は老齢にして唐土第一の高僧。渡海の危険にさらすなどもっての他、およそ常識では考えられぬ決断だ。
むろんこれは小説作品だ。史実そのものではない。
しかし同様のことを実際の鑑真和上は言ったであろうことは疑う余地も無い。

かくして悠々たる歴史の歯車は回りはじめる。
やがて鑑真和上がこの国にもたらしたものは計り知れない。

今も古都奈良にゆけば往古を偲ばせる唐招提寺の七堂伽藍がゆったりと静謐な佇まいを我々に見せてくれる。
唐様式を色濃くまとった古仏たちは人類の宝である。それらは鑑真和上の気風を具現している。
我々は差別無くそうした至高のものたちと向き合える。

この小説におけるキャラクターたちはそれぞれのやり方において文字通り命懸けでひとつの目的を果たそうとする。
個々としては小さな輝きの粒に過ぎない彼らはしかし例えようもなく大きな流れに抱かれて歴史という大河そのものと同化している。
その中心にひときわ輝く鑑真和上の尊さは、僧侶でもない筆者の胸にもしみじみと感じられる。
これが井上靖という小説家の真骨頂なのだろう。
文化、国土、民くさの心とはかようにして築かれてゆくのだな。

「天平の甍」という力ある作品を前に、昨今よく耳につく愛国なる言葉はいかにも空しく響くのはなぜだろう?
命というものの使い方を知らない筆者ではあるが、だからこそか、つくづく痺れた。
これは痺れるような一級の作品だ。
若者に広く推したい作品第一であるのでここに拙文をしたためた。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.59
(5pt)

格調高き傑作。若人こそ一読すべし!

井上靖一流の淡々とした筆致は、ややもすると地味に感じられるきらいもあるが、とんでもない。

若人よ、注意深く読み進めてゆきたまえ。そこかしこに痺れるような文章が藏されているから。

「法のためである。たとえ渺漫たる滄海が隔てようと生命を惜しむべきではあるまい。お前たち(弟子たち)が行かないなら私が行くことにしよう」
P69より

上に挙げたのは、日本への渡来を請われた鑑真和上の返答だ。
当時、大海を渡る船の多くは藻屑となり果ててゆく。
それなのに、何という強さ、何という清々しさ。
鑑真和上のこの台詞に収束されるまでの流れがまた高雅で、たまらない。

鑑真は老齢にして唐土第一の高僧。渡海の危険にさらすなどもっての他、およそ常識では考えられぬ決断だ。
むろんこれは小説作品だ。史実そのものではない。
しかし同様のことを実際の鑑真和上は言ったであろうことは疑う余地も無い。

かくして悠々たる歴史の歯車は回りはじめる。
やがて鑑真和上がこの国にもたらしたものは計り知れない。

今も古都奈良にゆけば往古を偲ばせる唐招提寺の七堂伽藍がゆったりと静謐な佇まいを我々に見せてくれる。
唐様式を色濃くまとった古仏たちは人類の宝である。それらは鑑真和上の気風を具現している。
我々は差別無くそうした至高のものたちと向き合える。

この小説におけるキャラクターたちはそれぞれのやり方において文字通り命懸けでひとつの目的を果たそうとする。
個々としては小さな輝きの粒に過ぎない彼らはしかし例えようもなく大きな流れに抱かれて歴史という大河そのものと同化している。
その中心にひときわ輝く鑑真和上の尊さは、僧侶でもない筆者の胸にもしみじみと感じられる。
これが井上靖という小説家の真骨頂なのだろう。
文化、国土、民くさの心とはかようにして築かれてゆくのだな。

「天平の甍」という力ある作品を前に、昨今よく耳につく愛国なる言葉はいかにも空しく響くのはなぜだろう?
命というものの使い方を知らない筆者ではあるが、だからこそか、つくづく痺れた。
これは痺れるような一級の作品だ。
若者に広く推したい作品第一であるのでここに拙文をしたためた。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.58
(5pt)

10年後にもう一度読み返したい

この本を読むのは2回目である。
1回目は、30年以上も前だつたろうか。
その時の感動が忘れられず、読み返したのだったが、前回以上に感動を覚えた。
整い尽くした構文、清々たる文章の流れ、人生への強い肯定的視点。
10年後に、もう一度読み返したい。
作者は、高校の先輩である。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.57
(5pt)

10年後にもう一度読み返したい

この本を読むのは2回目である。
1回目は、30年以上も前だつたろうか。
その時の感動が忘れられず、読み返したのだったが、前回以上に感動を覚えた。
整い尽くした構文、清々たる文章の流れ、人生への強い肯定的視点。
10年後に、もう一度読み返したい。
作者は、高校の先輩である。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.56
(4pt)

義務教育過程では学べない歴史

子供の頃砂遊びをしたことある人には「あるある」ネタで通用すると思うが、
砂場で泥だんごを作る際にスコップや熊手の必須アイテム以上に欠かせない資源が「水」である。
その水をたんまりバケツに汲んで、砂場へ持ち込み、砂に水を調合して泥だんごを作るが、もしバケツがなく砂場から水の出る蛇口が離れていた場合、どないやって水を汲んで砂場へ運ぶか?
方法は「手で水を汲める分だけ汲んで零れない様に砂場へ運ぶ」
これしかない!

ここまで書くと「そうそう〜」とか「やったやった〜」とか共感してくれる人もいてるだろうが、この「天平の甍」まさにこの手で水を汲んで砂場へ運び、泥だんごを作る作業と同じなんです。

簡単に言うと、且つて政治の舞台が奈良県に置かれてた約1,300年前に日本の仏教僧侶4人が中国へ渡り、当時最高の教えが書かれた経巻を運び、その経巻を宣教出来る唯一偉大な僧侶として君臨していた鑑真和上を日本へ招くために奔走した物語だ。

中国から仏教を伝来したり、イギリスから近代文明を招いたり、アメリカの統治下になり経済や文化をプロバカンダされた日本の歴史を知れば知るほど世紀を跨いだ傀儡国家でありながら、命懸けで日本を発展させるために海を渡り経典や宣教師を招く愛国心の高い人間を排出しているのは何とも極端な話だと思う。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.55
(4pt)

義務教育過程では学べない歴史

子供の頃砂遊びをしたことある人には「あるある」ネタで通用すると思うが、
砂場で泥だんごを作る際にスコップや熊手の必須アイテム以上に欠かせない資源が「水」である。
その水をたんまりバケツに汲んで、砂場へ持ち込み、砂に水を調合して泥だんごを作るが、もしバケツがなく砂場から水の出る蛇口が離れていた場合、どないやって水を汲んで砂場へ運ぶか?
方法は「手で水を汲める分だけ汲んで零れない様に砂場へ運ぶ」
これしかない!

ここまで書くと「そうそう〜」とか「やったやった〜」とか共感してくれる人もいてるだろうが、この「天平の甍」まさにこの手で水を汲んで砂場へ運び、泥だんごを作る作業と同じなんです。

簡単に言うと、且つて政治の舞台が奈良県に置かれてた約1,300年前に日本の仏教僧侶4人が中国へ渡り、当時最高の教えが書かれた経巻を運び、その経巻を宣教出来る唯一偉大な僧侶として君臨していた鑑真和上を日本へ招くために奔走した物語だ。

中国から仏教を伝来したり、イギリスから近代文明を招いたり、アメリカの統治下になり経済や文化をプロバカンダされた日本の歴史を知れば知るほど世紀を跨いだ傀儡国家でありながら、命懸けで日本を発展させるために海を渡り経典や宣教師を招く愛国心の高い人間を排出しているのは何とも極端な話だと思う。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.54
(5pt)

very good!!!!!!!!!!!!!!!!!!

very good!!!!!!!!!!!!!!!!!!very good!!!!!!!!!!!!!!!!!!very good!!!!!!!!!!!!!!!!!!very good!!!!!!!!!!!!!!!!!!very good!!!!!!!!!!!!!!!!!!v
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.53
(5pt)

very good!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.52
(5pt)

命がけの留学

本書は8世紀の奈良時代に第九次遣唐使として留学する4人の日本人僧侶を中心にして、後半は6度にもわたる挑戦で訪日をはたす鑑真の物語です。当時の日本人にとっては海外に行くことは命がけで、しかも船はそんなに頻繁に出ていない。無事に唐に渡れても帰ることができるのは何十年後の可能性もあって、帰りも無事に帰れる保証はない。そんな中当時の日本人の中でも外国文化を日本に持ち帰る重要な役割を果たしていたのが僧侶でした。

本書の中では唐に渡る4人の日本人留学僧と、唐で写経をひたすら続けている業行という5人の日本人僧侶が中心になりますが、それぞれの性格が違っていて、自分だったら誰のタイプになるかなと考えさせられました。もちろん訪日を果たした鑑真和上の偉大さはわかるのですが、個人的には無名の日本人留学僧が積み上げてきたもの、あるいは無念となったものが歴史となって日本を形作ってきたと思います。本書は用語が難解なところもかなりありますが、無意識のうちに自分を留学僧の誰かに重ね合わせながら、自分自身が8世紀の奈良および唐にいるような気分になりました。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.51
(5pt)

命がけの留学

本書は8世紀の奈良時代に第九次遣唐使として留学する4人の日本人僧侶を中心にして、後半は6度にもわたる挑戦で訪日をはたす鑑真の物語です。当時の日本人にとっては海外に行くことは命がけで、しかも船はそんなに頻繁に出ていない。無事に唐に渡れても帰ることができるのは何十年後の可能性もあって、帰りも無事に帰れる保証はない。そんな中当時の日本人の中でも外国文化を日本に持ち帰る重要な役割を果たしていたのが僧侶でした。

本書の中では唐に渡る4人の日本人留学僧と、唐で写経をひたすら続けている業行という5人の日本人僧侶が中心になりますが、それぞれの性格が違っていて、自分だったら誰のタイプになるかなと考えさせられました。もちろん訪日を果たした鑑真和上の偉大さはわかるのですが、個人的には無名の日本人留学僧が積み上げてきたもの、あるいは無念となったものが歴史となって日本を形作ってきたと思います。本書は用語が難解なところもかなりありますが、無意識のうちに自分を留学僧の誰かに重ね合わせながら、自分自身が8世紀の奈良および唐にいるような気分になりました。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.50
(4pt)

日本人にとって思想・情報を移入することとは?

すでに様々な方が言葉を尽くされ説明されている傑作です。少し異なる観点での感想になるのを御容赦ください。

私達はWebを日常行為としており、そこからはあらゆる情報が自在なソートによって閲覧可能となっています。従って多くの方々は、思想や情報移入のため己が人生を賭けた彼ら(普照、栄叡、さらには鑒真)のような経験はおそらく持ち様がありません。しかし本書を読むと彼らの持つ”熱”のようなものは、井上靖氏の落ち着いた平明な文章からでも確かにしっかりと感じ取れます。進んだ海外の文物を命がけで日本に持ち込んだ彼ら、彼らは今も我々の心の中に確かにいる気がしますし、また日本という国はそうすることで今まで生き永らえて来た、そんな気もします。変化に対応していくために日本あるいは日本人はどうあるべきか、その辺りも考える一助となりました。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.49
(4pt)

日本人にとって思想・情報を移入することとは?

すでに様々な方が言葉を尽くされ説明されている傑作です。少し異なる観点での感想になるのを御容赦ください。

私達はWebを日常行為としており、そこからはあらゆる情報が自在なソートによって閲覧可能となっています。従って多くの方々は、思想や情報移入のため己が人生を賭けた彼ら(普照、栄叡、さらには鑒真)のような経験はおそらく持ち様がありません。しかし本書を読むと彼らの持つ”熱”のようなものは、井上靖氏の落ち着いた平明な文章からでも確かにしっかりと感じ取れます。進んだ海外の文物を命がけで日本に持ち込んだ彼ら、彼らは今も我々の心の中に確かにいる気がしますし、また日本という国はそうすることで今まで生き永らえて来た、そんな気もします。変化に対応していくために日本あるいは日本人はどうあるべきか、その辺りも考える一助となりました。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.48
(5pt)

天平の甍

日本が遣唐使を派遣していた時代を舞台とした歴史小説。

全体的に淡々と冷静に描写されており、極力感情などを抑えた筆致は
人によっては物足りないと感じるかもしれないが、自分には合っていた。
内容は表面だけで捉えてしまうと味気ないものに見えてしまうかもしれないが
鑑真が失明してまで様々な苦難の中、渡日する姿は感動的であり
読み手の想像力を試されるものではあると思う。
唐(中国)へ命がけで渡る若い留学僧や、鑑真を中心とした唐の人物たちも
個性豊かな面々であり、それぞれがどういう結末を迎えるかも
見どころの1つである。
本書タイトルでもある天平の甍が出てくる最後の場面は
特に心動かされた。

井上靖の作品は他にもいくつか読んだが
何度も読み返すのは天平の甍のみであり、
これが一番の名作である。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.47
(5pt)

天平の甍

日本が遣唐使を派遣していた時代を舞台とした歴史小説。

全体的に淡々と冷静に描写されており、極力感情などを抑えた筆致は
人によっては物足りないと感じるかもしれないが、自分には合っていた。
内容は表面だけで捉えてしまうと味気ないものに見えてしまうかもしれないが
鑑真が失明してまで様々な苦難の中、渡日する姿は感動的であり
読み手の想像力を試されるものではあると思う。
唐(中国)へ命がけで渡る若い留学僧や、鑑真を中心とした唐の人物たちも
個性豊かな面々であり、それぞれがどういう結末を迎えるかも
見どころの1つである。
本書タイトルでもある天平の甍が出てくる最後の場面は
特に心動かされた。

井上靖の作品は他にもいくつか読んだが
何度も読み返すのは天平の甍のみであり、
これが一番の名作である。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.46
(3pt)

まずまずです

大変良いではなく、良いぐらいだと思う。まあ、値段から考えると不満ではありませんが。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U
No.45
(3pt)

まずまずです

大変良いではなく、良いぐらいだと思う。まあ、値段から考えると不満ではありませんが。
天平の甍 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍 (新潮文庫)より
4101063117
No.44
(3pt)

古代人を想像する事の難しさ

歴史資料を綿密に調べた上で、奈良時代の遣唐使を描いており、本当に頭が下がります。古代の四等官(守・介・掾・目)や官寺の制度など、読む側にも歴史知識があると楽しめます。登場人物も多くが実在の人ですが、一般に知られているのは鑑真と玄ボウ、せいぜい阿倍仲麻呂くらいでしょう。資料の少ない個々の人物にキャラクターを与えて、日本に戒律を伝えるために奮闘する話を創出しています。あの当時、海を越える決心をしたり、中国の役人との交渉をしたりするのは大変だっただろうと色々と想像が膨らみます。いかに当時の日本が中国から最新の知識を得ようとしていたか、その情熱は明治維新の比ではないように見えます。
基本的には歴史的事件をなぞっており、そこに日本人留学僧同士の交流など、想像部分を挿入している感じです。話の多くは鑑真招来に関する業務に割かれており、個々の僧侶の個人生活などはほとんど描かれていません。留学僧から脱落し還俗する人や、写経に没頭する僧への視線など、個人の苦悩が描写されている部分もありますが、あえて多くを語らず抑制している印象です。彼らが語学を覚えるまでどの程度苦労したか、普段何を食べていたのか、衣服はどうしていたのか、冬の寒さをどのようにしのいでいたのか、孤独や性の問題で悩んだりしなかったのか、学問に嫌気がさすことはなかったのか。こうした生活感や悩みの描写はほとんどありません。登場人物は基本的にまじめな人ばかりで、過剰な想像の筆は抑えたのだと思われます。
鑑真のキャラクターもかなり押さえ気味です。無口ではあるが、強い意志の人という感じでしょうか。個人的には全体にやや坦々としすぎているかな、と思いました。
天平の甍(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 天平の甍(新潮文庫)より
B00I2KLY5U