線は、僕を描く

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線は、僕を描くの評価:

4.35/5点 レビュー 131件。 A ランク

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平均点4.35pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全213件 21〜40 2/11ページ
No.193
(4pt)

良かった。

心を閉ざした主人公が、水墨画に触れ徐々に心を開いてく様子が良かった。自分自身、内面をよく見れていないなとも感じた。二人のその後のストーリーが知りたかった。が、これくらいで終わるのがいいのかもしれない。
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.192
(4pt)

良かった。

心を閉ざした主人公が、水墨画に触れ徐々に心を開いてく様子が良かった。自分自身、内面をよく見れていないなとも感じた。二人のその後のストーリーが知りたかった。が、これくらいで終わるのがいいのかもしれない。
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.191
(4pt)

水墨画の奥深さを知りました

●墨の匂いから擦り方まで或いは筆のはこび、身体の動きなど、こと細かな濃密な描写はさすが水墨
画の絵師でなければ表現できないものでした。加えて主人公の心模様はあくまでも”淡”。濃淡織り交
ぜた筆致です。水墨画は私の全く未経験の分野で、新鮮な感動半分難解さ半分でした。
 水墨画の命は”線”といいます。その線を描く難しさと喜びを知り、自分自身の姿を描く(説明する)
主人公の成長が温かく伝わってきました。
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.190
(4pt)

水墨画の奥深さを知りました

●墨の匂いから擦り方まで或いは筆のはこび、身体の動きなど、こと細かな濃密な描写はさすが水墨
画の絵師でなければ表現できないものでした。加えて主人公の心模様はあくまでも”淡”。濃淡織り交
ぜた筆致です。水墨画は私の全く未経験の分野で、新鮮な感動半分難解さ半分でした。
 水墨画の命は”線”といいます。その線を描く難しさと喜びを知り、自分自身の姿を描く(説明する)
主人公の成長が温かく伝わってきました。
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.189
(5pt)

見事な小説第1作

線は、僕を描く 10/24 ブルク13

砥上裕將(とがみ ひろまさ)という水墨画家/小説家による同名小説を、小泉徳宏が監督して映画にした。脚本は片岡翔と小泉。いい映画だと思う。帰宅後、Amazonで文庫を注文した。

主演が横浜流星と清原果耶。ふたりとも最近映画出演が多いという思いこみがあったが、実は清原が出演した劇場映画は今年はこれだけ。じゃ、テレビ出演が多いのかと思いきや、彼女は今年は1月放送の「ファイトソング」(TBS系、主演)に出演しただけ。私はそんなドラマがあったことすら知らなかった。意図的に本数を絞りこんだ事務所の配慮が感じられて好感を持つ。一方の横浜流星の映画は今年4本目で、すでにこの後2本が来年封切られることが発表されている。

水墨画をテーマにした映画。映画だけでなく、小説としても水墨画がメインに取り上げられたのは、この原作しかないらしい。もともとのタイトルは「黒白の花蕾」で、2019年に第59回メフィスト賞を受け、出版にあたって「線は、僕を描く」に改題された。その作品は2020年の4月に発表された「本屋大賞」(第7回)で3位になった。ちなみにこの年の本屋大賞の1位が「流浪の月」(凪良ゆう 作、)で今年5月に映画が発表され、2位の「ライオンのおやつ」(小川糸 作)は昨年NHK BSプレミアムでテレビドラマになったが未見。調べると、花蕾の読み方は「からい」らしいが、ネットでしらべてもブロッコリーの和名としか載っていない。タイトル変更は当然だろう。

水墨画とは縁もゆかりもなかった大学生、青山霜介(横浜流星)は、ちょっとしたアルバイトで水墨画展示の現場に行き、そこで出会った水墨画家、篠田湖山(三浦友和)に「弟子にならないか」と声をかけられる。狐につつまれた思いで湖山の家に通うようになった霜介は、そこで湖山の孫娘、やはり大学生の千瑛(ちあき、清原果耶)に出会う。千瑛は新鋭の水墨画家で、画号としてはせんえいと読むらしい。どうやら、祖父が霜介を弟子にしたことが気に入らないらしい…。

清原果耶の映画をずいぶん見てきたので、今年も何本かあると思っていたら、彼女の今年の映画出演はこの作品だけのようだ。前年、2021年には5本あったので、その印象が強かったのだろう。彼女は2018年の「ちはやふる-結び-」にも出演しているが、その作品は小泉徳宏(のりひろ)監督が撮った。そちらは競技かるたの世界を描いた作品だった。今回もROBOT社の小泉監督の演出作品。

今年の邦画としてかなり上位に位置する作品になった。本物の水墨画家が、映画で使われる下絵、完成品を描いているようだ。とにかくそれらの絵が美しい。大袈裟でなく、墨絵なのに色が浮かんで見える。映画として、大きなスクリーンでご覧になることをお薦めしておきたい。

ここまで書いてから翌日、火曜日のブルク13に別の映画を見に出かけた。前日注文した原作の文庫本が郵便受けに入っていたので、それを持って往復の電車の中で少しだけ読んだ。原作の第1章に、私がこの直前のパラグラフに書いた、墨絵のなかに見える色について主人公が師匠に話すセグメントがあった。小説の文章がうまいのか、私の感受性が優れているのか—。いや、ここは監督の感性、演出力をほめておきたい。一瞬そんな「色を見せる」CG技法があるのかと疑った自分が情けない。ROBOTはCGの技術の見事さで知られるが、この映画ではそんな部分にCGは使ってはいないと思う。

最初の題名を改めた「線は、僕を描く」というタイトルがいい。そして、水墨画をまったく知らない大学生に、それはほとんどの観客に向けてでもあるのだが、水墨画について解説、説明してくれる。画家の湖山がなぜ弟子になるように誘ったのかは原作を読んで初めて理解できた。その部分をあえてセリフにしなかった脚本家に敬意を表しておく。

これはよくできた脚本、演出の映画。お薦めできる。//
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.188
(5pt)

見事な小説第1作

線は、僕を描く 10/24 ブルク13

砥上裕將(とがみ ひろまさ)という水墨画家/小説家による同名小説を、小泉徳宏が監督して映画にした。脚本は片岡翔と小泉。いい映画だと思う。帰宅後、Amazonで文庫を注文した。

主演が横浜流星と清原果耶。ふたりとも最近映画出演が多いという思いこみがあったが、実は清原が出演した劇場映画は今年はこれだけ。じゃ、テレビ出演が多いのかと思いきや、彼女は今年は1月放送の「ファイトソング」(TBS系、主演)に出演しただけ。私はそんなドラマがあったことすら知らなかった。意図的に本数を絞りこんだ事務所の配慮が感じられて好感を持つ。一方の横浜流星の映画は今年4本目で、すでにこの後2本が来年封切られることが発表されている。

水墨画をテーマにした映画。映画だけでなく、小説としても水墨画がメインに取り上げられたのは、この原作しかないらしい。もともとのタイトルは「黒白の花蕾」で、2019年に第59回メフィスト賞を受け、出版にあたって「線は、僕を描く」に改題された。その作品は2020年の4月に発表された「本屋大賞」(第7回)で3位になった。ちなみにこの年の本屋大賞の1位が「流浪の月」(凪良ゆう 作、)で今年5月に映画が発表され、2位の「ライオンのおやつ」(小川糸 作)は昨年NHK BSプレミアムでテレビドラマになったが未見。調べると、花蕾の読み方は「からい」らしいが、ネットでしらべてもブロッコリーの和名としか載っていない。タイトル変更は当然だろう。

水墨画とは縁もゆかりもなかった大学生、青山霜介(横浜流星)は、ちょっとしたアルバイトで水墨画展示の現場に行き、そこで出会った水墨画家、篠田湖山(三浦友和)に「弟子にならないか」と声をかけられる。狐につつまれた思いで湖山の家に通うようになった霜介は、そこで湖山の孫娘、やはり大学生の千瑛(ちあき、清原果耶)に出会う。千瑛は新鋭の水墨画家で、画号としてはせんえいと読むらしい。どうやら、祖父が霜介を弟子にしたことが気に入らないらしい…。

清原果耶の映画をずいぶん見てきたので、今年も何本かあると思っていたら、彼女の今年の映画出演はこの作品だけのようだ。前年、2021年には5本あったので、その印象が強かったのだろう。彼女は2018年の「ちはやふる-結び-」にも出演しているが、その作品は小泉徳宏(のりひろ)監督が撮った。そちらは競技かるたの世界を描いた作品だった。今回もROBOT社の小泉監督の演出作品。

今年の邦画としてかなり上位に位置する作品になった。本物の水墨画家が、映画で使われる下絵、完成品を描いているようだ。とにかくそれらの絵が美しい。大袈裟でなく、墨絵なのに色が浮かんで見える。映画として、大きなスクリーンでご覧になることをお薦めしておきたい。

ここまで書いてから翌日、火曜日のブルク13に別の映画を見に出かけた。前日注文した原作の文庫本が郵便受けに入っていたので、それを持って往復の電車の中で少しだけ読んだ。原作の第1章に、私がこの直前のパラグラフに書いた、墨絵のなかに見える色について主人公が師匠に話すセグメントがあった。小説の文章がうまいのか、私の感受性が優れているのか—。いや、ここは監督の感性、演出力をほめておきたい。一瞬そんな「色を見せる」CG技法があるのかと疑った自分が情けない。ROBOTはCGの技術の見事さで知られるが、この映画ではそんな部分にCGは使ってはいないと思う。

最初の題名を改めた「線は、僕を描く」というタイトルがいい。そして、水墨画をまったく知らない大学生に、それはほとんどの観客に向けてでもあるのだが、水墨画について解説、説明してくれる。画家の湖山がなぜ弟子になるように誘ったのかは原作を読んで初めて理解できた。その部分をあえてセリフにしなかった脚本家に敬意を表しておく。

これはよくできた脚本、演出の映画。お薦めできる。//
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.187
(5pt)

満たされた

水墨画という全く馴染みのない世界の話だったが、描写が細やかなので(作者が水墨画家とのこと)、水墨画の美しさや奥深さを堪能できた気がした。まるで主人公の瑞々しい感性を疑似体験しているかのような感覚で読めた。全体を通して、癒される文や、勇気づけられたり気づかされる言葉に何度も出会えた。
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.186
(5pt)

満たされた

水墨画という全く馴染みのない世界の話だったが、描写が細やかなので(作者が水墨画家とのこと)、水墨画の美しさや奥深さを堪能できた気がした。まるで主人公の瑞々しい感性を疑似体験しているかのような感覚で読めた。全体を通して、癒される文や、勇気づけられたり気づかされる言葉に何度も出会えた。
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.185
(5pt)

水墨画の美しさを感じました

白と黒の世界に色気があることを、文章を読んでいて惹き付けられました!
映画も観てみたいと思います!
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.184
(5pt)

水墨画の美しさを感じました

白と黒の世界に色気があることを、文章を読んでいて惹き付けられました!
映画も観てみたいと思います!
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.183
(5pt)

水墨画の本質と人生の本質が語られている

2022年10月21日から横浜流星主演で映画化もされる話題作。

小説や漫画や映画を見ることは、知らない世界を知る楽しさがある。

漫画『ちはやふる』が競技かるたを、漫画『3月のライオン』は将棋の世界を描いている。

『線は、僕を描く』は最近では珍しく小説が原作で、水墨画の世界を描く。しかもかなり本気で、水墨画の魅力を伝えようとしている。

文庫版のあとがきを読むと、著者自身が水墨画の個展を開くほどの腕前があるとのこと。

白と黒だけで描く、究極のシンプルな芸術の世界、それが水墨画。

雪舟や宮本武蔵や仙崖などをはじめとして、日本からも多くの天才が生まれた。

そしてこの小説の最大の魅力は名言で、その名言の宝庫でもある。

そのほとんどが湖山先生のものだが、以下に14個引用する。

水墨画の本質は人生の本質そのものであり、以下の名言にそのことが散りばめられているからだ。

1
「才能かあ。いや、違いますよ。青山君。きっと違う。才能はね、この煙みたいなものですよ」
「タバコの煙ですか?」
「そう。気づくと、ごく自然にそこにあって、呼吸しているものですよ。たぶん当たり前にやっていることの中に、才能ってあるんですよ」

2
「でも、これが僕にできると思えません」
「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」 

3
「いま君が経験したのが、天才が絵を描いたときに感じる感覚だよ。 純粋に絵を描
ことと言ってもいい」
「天才が絵を描いたときの感覚? あんな子供のように描くことがですか?」
「もし子供のように無邪気に描ければ、その人は天才になれるよ。失敗することが楽
しければ、成功したときはもっと嬉しいし、楽しいに決まっている」

4
湖山先生は言葉を繰り返した。
「いいかい。水墨を描くということは、独りであるということとは無縁の場所にいる
ということなんだ。水墨を描くということは、自然との繋がりを見つめ、学び、その
中に分かちがたく結びついている自分を感じていくことだ。その繋がりが与えてくれ
るものを感じることだ。その繋がりといっしょになって絵を描くことだ」

5
「描くものに心を通わせないと、いい絵は描けないと思うよ。でもまあ、そういうの
は最初はいいんだよ。最初は大丈夫」

6
千瑛は首を振った。
「私は人に教えたことなんてないわ。教わることがまだまだ山ほどあるし、どうやっ
て教えればいいのかも分からない」
「自分の絵だけを見ていれば、そのうち自分自身の手にも技にも騙されるようになっ
てしまうよ。人に教えることで気づくことも多い」

7
「水墨画が大学でも教えられず、専門的に学ぶこともできないのなら、今の水墨画は
どうやって継承されていくの?」
千瑛は一呼吸おいて真剣な顔になった。
「正直な話、私たちが学ぼうとしているような専門的な技術は、継承されない可能性
もあるわ。しっかりと教わる場所は何処にもないから、ただの趣味の習い事として、
カルチャースク ルやお教室に通うしかないわね」
「嘘だよね?」
「本当よ。水墨画がいま根付いている業界は、美術ではなくて、どちらかというと生
涯学習とか趣味の分野で、美術的な流行というのは、はるか昔に終わってるの」

8
「湖山先生が言ったんだよ。まじめというのは、悪くないけれど、少なくとも自然じ
ゃないって。自然さが大事だって湖山先生は言っていたんだよ。それが指先に表れる
って言っていた」
千瑛は参った、というような顔をしてその後、静かに首を振った。
た。
「なるほどね。どうすれば、最高の絵が描けるのか、もしかしたら最速の道を青山君
には教えているのかもしれないわね」

9
「は、はい。とにかく描き続けました」
「それでいいんだよ。最初はセンスとか才能とかそんなのは何も関係ない」
「センスとか才能とかってあまり関係ないのですか?」
「少なくとも最初は、あまり関係がない。できるかどうかは分からない。でもとにか
くやってみる。それだけだよ」
「とにかくやってみる…....ですか」
どこかで聞いたような言葉だ。
「才能やセンスなんて、絵を楽しんでいるかどうかに比べればどうということもな
い」

10
筆は進み、湖山先生は話を続ける。
「難しい話をしても仕方ない。ともかく最初は描くこと。 成功を目指しながら、数々
の失敗を大胆に繰り返すこと。そして学ぶこと。 学ぶことを楽しむこと。失敗からし
か学べないことは多いからね」

11
「水墨というのはね、森羅万象を描く絵画だ」斉藤さんと千瑛は、これ以上ないほど真剣に湖山先生の話を聞いていた。 湖山先生
もまた二人に語り掛けていた。
「森羅万象というのは、宇宙のことだ。 宇宙とは確かに現象のことだ。現象とは、いまあるこの世界のありのままの現実ということだ。だがね・・・・・・」
湖山先生はそこでため息をつくように息を放った。
「現象とは、外側にしかないものなのか? 心の内側に宇宙はないのか?」斉藤さんの眉がハの字に歪んでいた。千瑛は何を言われたのか分からないほど、言葉に迷っていた。僕にはようやく湖山先生が何を言おうとして、なぜ僕がここにいるのか、ほんの少しだけ分かるような気がしてきた。
「自分の心の内側を見ろ」
と湖山先生は言っていたのだ。

12
毛筆という特異な道具を使い、筆致にすべてをかけていく東洋の絵師にしか真似のできない究極の技法といえた。
斉藤さんの言うとおりだ。あまりに当たり前すぎて、気づかなかったが、 究極の技
法とはつまり、
『線を引くこと』
なのだ。

13
僕はここからが勇気だと思った。水墨画を水墨画たらしめる要素は、描くことでは見いだせない。描くこと以外の方法で描き方を見いださなければならない。描くという行為以外の場所に、水墨画の本質は存在しているのだ。

14
「美の祖型を見なさい」
と湖山先生が言っていたのはこのことだった。それは命のあるがままの美しさを見
なさいということだった。こうして花を感じて、絵筆を取るまで何も分からなかっ
た。
水墨とはこの瞬間のための叡智であり、技法なのだ。
自らの命や、森羅万象の命そのものに触れようとする想いが絵に換わったもの、そ
れが水墨画だ。
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.182
(5pt)

水墨画の本質と人生の本質が語られている

2022年10月21日から横浜流星主演で映画化もされる話題作。

小説や漫画や映画を見ることは、知らない世界を知る楽しさがある。

漫画『ちはやふる』が競技かるたを、漫画『3月のライオン』は将棋の世界を描いている。

『線は、僕を描く』は最近では珍しく小説が原作で、水墨画の世界を描く。しかもかなり本気で、水墨画の魅力を伝えようとしている。

文庫版のあとがきを読むと、著者自身が水墨画の個展を開くほどの腕前があるとのこと。

白と黒だけで描く、究極のシンプルな芸術の世界、それが水墨画。

雪舟や宮本武蔵や仙崖などをはじめとして、日本からも多くの天才が生まれた。

そしてこの小説の最大の魅力は名言で、その名言の宝庫でもある。

そのほとんどが湖山先生のものだが、以下に14個引用する。

水墨画の本質は人生の本質そのものであり、以下の名言にそのことが散りばめられているからだ。

1
「才能かあ。いや、違いますよ。青山君。きっと違う。才能はね、この煙みたいなものですよ」
「タバコの煙ですか?」
「そう。気づくと、ごく自然にそこにあって、呼吸しているものですよ。たぶん当たり前にやっていることの中に、才能ってあるんですよ」

2
「でも、これが僕にできると思えません」
「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」 

3
「いま君が経験したのが、天才が絵を描いたときに感じる感覚だよ。 純粋に絵を描
ことと言ってもいい」
「天才が絵を描いたときの感覚? あんな子供のように描くことがですか?」
「もし子供のように無邪気に描ければ、その人は天才になれるよ。失敗することが楽
しければ、成功したときはもっと嬉しいし、楽しいに決まっている」

4
湖山先生は言葉を繰り返した。
「いいかい。水墨を描くということは、独りであるということとは無縁の場所にいる
ということなんだ。水墨を描くということは、自然との繋がりを見つめ、学び、その
中に分かちがたく結びついている自分を感じていくことだ。その繋がりが与えてくれ
るものを感じることだ。その繋がりといっしょになって絵を描くことだ」

5
「描くものに心を通わせないと、いい絵は描けないと思うよ。でもまあ、そういうの
は最初はいいんだよ。最初は大丈夫」

6
千瑛は首を振った。
「私は人に教えたことなんてないわ。教わることがまだまだ山ほどあるし、どうやっ
て教えればいいのかも分からない」
「自分の絵だけを見ていれば、そのうち自分自身の手にも技にも騙されるようになっ
てしまうよ。人に教えることで気づくことも多い」

7
「水墨画が大学でも教えられず、専門的に学ぶこともできないのなら、今の水墨画は
どうやって継承されていくの?」
千瑛は一呼吸おいて真剣な顔になった。
「正直な話、私たちが学ぼうとしているような専門的な技術は、継承されない可能性
もあるわ。しっかりと教わる場所は何処にもないから、ただの趣味の習い事として、
カルチャースク ルやお教室に通うしかないわね」
「嘘だよね?」
「本当よ。水墨画がいま根付いている業界は、美術ではなくて、どちらかというと生
涯学習とか趣味の分野で、美術的な流行というのは、はるか昔に終わってるの」

8
「湖山先生が言ったんだよ。まじめというのは、悪くないけれど、少なくとも自然じ
ゃないって。自然さが大事だって湖山先生は言っていたんだよ。それが指先に表れる
って言っていた」
千瑛は参った、というような顔をしてその後、静かに首を振った。
た。
「なるほどね。どうすれば、最高の絵が描けるのか、もしかしたら最速の道を青山君
には教えているのかもしれないわね」

9
「は、はい。とにかく描き続けました」
「それでいいんだよ。最初はセンスとか才能とかそんなのは何も関係ない」
「センスとか才能とかってあまり関係ないのですか?」
「少なくとも最初は、あまり関係がない。できるかどうかは分からない。でもとにか
くやってみる。それだけだよ」
「とにかくやってみる…....ですか」
どこかで聞いたような言葉だ。
「才能やセンスなんて、絵を楽しんでいるかどうかに比べればどうということもな
い」

10
筆は進み、湖山先生は話を続ける。
「難しい話をしても仕方ない。ともかく最初は描くこと。 成功を目指しながら、数々
の失敗を大胆に繰り返すこと。そして学ぶこと。 学ぶことを楽しむこと。失敗からし
か学べないことは多いからね」

11
「水墨というのはね、森羅万象を描く絵画だ」斉藤さんと千瑛は、これ以上ないほど真剣に湖山先生の話を聞いていた。 湖山先生
もまた二人に語り掛けていた。
「森羅万象というのは、宇宙のことだ。 宇宙とは確かに現象のことだ。現象とは、いまあるこの世界のありのままの現実ということだ。だがね・・・・・・」
湖山先生はそこでため息をつくように息を放った。
「現象とは、外側にしかないものなのか? 心の内側に宇宙はないのか?」斉藤さんの眉がハの字に歪んでいた。千瑛は何を言われたのか分からないほど、言葉に迷っていた。僕にはようやく湖山先生が何を言おうとして、なぜ僕がここにいるのか、ほんの少しだけ分かるような気がしてきた。
「自分の心の内側を見ろ」
と湖山先生は言っていたのだ。

12
毛筆という特異な道具を使い、筆致にすべてをかけていく東洋の絵師にしか真似のできない究極の技法といえた。
斉藤さんの言うとおりだ。あまりに当たり前すぎて、気づかなかったが、 究極の技
法とはつまり、
『線を引くこと』
なのだ。

13
僕はここからが勇気だと思った。水墨画を水墨画たらしめる要素は、描くことでは見いだせない。描くこと以外の方法で描き方を見いださなければならない。描くという行為以外の場所に、水墨画の本質は存在しているのだ。

14
「美の祖型を見なさい」
と湖山先生が言っていたのはこのことだった。それは命のあるがままの美しさを見
なさいということだった。こうして花を感じて、絵筆を取るまで何も分からなかっ
た。
水墨とはこの瞬間のための叡智であり、技法なのだ。
自らの命や、森羅万象の命そのものに触れようとする想いが絵に換わったもの、そ
れが水墨画だ。
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.181
(5pt)

芸術の本質を垣間見る

タイトルを、『僕は、線を描く』ではなく『線が、僕を描く』としたのが素晴らしい。その理由も読んでいくうちにわかっていく。
完璧とは何か読み終わると少しだけ理解できる。
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.180
(5pt)

芸術の本質を垣間見る

タイトルを、『僕は、線を描く』ではなく『線が、僕を描く』としたのが素晴らしい。その理由も読んでいくうちにわかっていく。
完璧とは何か読み終わると少しだけ理解できる。
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.179
(5pt)

水墨画の奥深さ

デジタルが主流の昨今
筆一本で描く水墨画の奥深さを知る事ができる作品!
物語も大きな展開の変化はなかったでものの、登場人物がそれぞれに個性的で人間関係のバランスが良く、
読んでて心地の良い一冊でした。
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.178
(5pt)

水墨画の奥深さ

デジタルが主流の昨今
筆一本で描く水墨画の奥深さを知る事ができる作品!
物語も大きな展開の変化はなかったでものの、登場人物がそれぞれに個性的で人間関係のバランスが良く、
読んでて心地の良い一冊でした。
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.177
(5pt)

初めてのKIndle版

はじめてKIndle版で購入しました! 少し時間がある時にスマホをさわる時にiPhoneでもiPadでも手軽に読めてすごく便利ですね✨「線は、僕を描く」漫画版は本で購入したのですが、こちらの原作の小説の方は話の奥行き感が全然ちがっていて、漫画版とはまるで別物でした!Kindle版なので、好きなところにマーカーをひけたりするのも便利。

私は南画をしているのですが、水墨画や四君子について感じる魅力をなかなか言葉で表現しがたい部分があるにもかかわらず、その感性をみごとに伝わる言葉で文言化されていて、心にすっと届きました。これから先も何度でもその言葉を反復したくなる作品だと思いました!
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.176
(5pt)

初めてのKIndle版

はじめてKIndle版で購入しました! 少し時間がある時にスマホをさわる時にiPhoneでもiPadでも手軽に読めてすごく便利ですね✨「線は、僕を描く」漫画版は本で購入したのですが、こちらの原作の小説の方は話の奥行き感が全然ちがっていて、漫画版とはまるで別物でした!Kindle版なので、好きなところにマーカーをひけたりするのも便利。

私は南画をしているのですが、水墨画や四君子について感じる魅力をなかなか言葉で表現しがたい部分があるにもかかわらず、その感性をみごとに伝わる言葉で文言化されていて、心にすっと届きました。これから先も何度でもその言葉を反復したくなる作品だと思いました!
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594
No.175
(5pt)

楽しく読ませていただきました。

最近本屋大賞の本を読んでいますが、青春小説として楽しく読ませて頂いております。
線は、僕を描く (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描く (講談社文庫)より
4065238323
No.174
(5pt)

楽しく読ませていただきました。

最近本屋大賞の本を読んでいますが、青春小説として楽しく読ませて頂いております。
線は、僕を描く Amazon書評・レビュー: 線は、僕を描くより
4065137594