(短編集)

ままならないから私とあなた

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

ままならないから私とあなたの評価:

3.83/5点 レビュー 23件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.83pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21〜26 2/2ページ
No.6
(4pt)

作家の成長が分かる

『何者』は
ただの「あるあるネタじゃん」と思い、
途中で読むのをやめた。
同世代が読んで「あーこの気持ち分かる〜」と言ったところで、そんなことをわざわざ文章にすることには何の意味もないと思う。

その点、本作は違った。
確かに若者に馴染みのある表現は多々出てはくるものの、決して過剰ではなく程よい。
作品のテーマも「果たして何が正しいのか」、はっきりと明言できないものになっていて、この辺りはまさに文学だと思った。

学生から社会人、専業作家となった筆者の成長が分かる作品だった。
ままならないから私とあなた Amazon書評・レビュー: ままならないから私とあなたより
4163904344
No.5
(4pt)

タイトルが結論

レンタル世界
これなー、小籔さんも言ってたなぁ
何でも話せる関係ってありえんのよ
『世にも奇妙な君物語』で「空気を読む人がいるから、空気を読まない人がいる」って言ってたのと近くて、何でも話せるって言ってる人はそうでも相手は絶対にそんなことないよね
実際、自分も中学まではアホほど喧嘩して今ではずっと交流続いとるやつおるけど、我慢すること普通にありますがな
多様化だからこそ、人の全部を見せる必要も知る必要もなく、理解することが大事やと思う。

ままならないから私とあなた
迫力があった。
『何者』と同じ手法で読者に主人公に共感させながら物語を進めて最後にそれを論破する構成。
しかし、本作は一味違う。
ほとんど薫が正しかったけど、ユッコは反論した。
ままならないから私とあなたなんだと。
生身の部分だけは大切。違うからこそ知りたい触れたい。

それにしても朝井さんの小説は心臓に悪い。
断崖絶壁に向かって強制的に歩かされている気分。
まぁそれが好きなんやけど笑
ままならないから私とあなた Amazon書評・レビュー: ままならないから私とあなたより
4163904344
No.4
(4pt)

理想論とエゴとエゴ

2本の中・短編からなる、実に後味の悪い小説集だ。
それぞれのどこからエグ味が出てくるのかといえば、大方の人々が感情移入するであろうサイドの人物が、完膚なきまでに打ちのめされてしまう点にあると思う。

だが、そもそも彼らが武器とする論理は都合よくピックアップされた人情論/理想論でしかない。そこから優れた点のみで組み立てたモデルケースを使って全体を語ろうとすることが土台、歪であるわけだ。構図からすれば2本の物語とも思想のベクトルが対極にある者同士の交流であり、対立である。だがどちらの場合も相手のことを憎からず思っているからこそ、相手の属する精神/姿勢を変えようと思い、そしてその驕りにも似た行動の結果を、それぞれ身をもって味わう結末となってしまう。

ニヒルな目線で持って善悪の二元論では語れない現代の心の在り方を抉った上に見せびらかしてしまうという、サービス精神にあふれたメンタル・グロ小説である。
ままならないから私とあなた Amazon書評・レビュー: ままならないから私とあなたより
4163904344
No.3
(4pt)

幸せとは

ちょうど自分のプライベートがうまくいっていないからか、終始違和感のようなものを感じながら読み進めた。いつも問題提起をしてくれて正直辛い。
途中まで読み進めるうちに、著書で言いたいことをなんとなく、わかったつもりになっていました。
合理化・効率化ばっかりじゃなく、人間味をもっと大切にしていこうよ。

というよくある話。

最終的に良かったのが
「みんなが何でもできるようになったら、みんなが同じになってしまう。
ままならないから皆別々の人間でいられる」
この文章にて今回作者が伝えたいことが見えました。
単に人間のあたたかさとか、苦労してえたものとかそういうのを伝えたいのではなくて、全てできること、できるようになることが全てではないんだということを考えさせられました。

なんでもかんでも効率化、合理化と聞きホリエモンを思い浮かべました笑
ままならないから私とあなた Amazon書評・レビュー: ままならないから私とあなたより
4163904344
No.2
(4pt)

とても面白かったです

2篇ともあっという間に読んでしまいました。
特に、最初の「レンタル世界」は思いがけない展開でした。
朝井リョウさんの作品は本作品を初めて読みましたが、他の作品も読んでみたくなりました。
ままならないから私とあなた Amazon書評・レビュー: ままならないから私とあなたより
4163904344
No.1
(4pt)

デジタルで代替可能なもの、そして、代替してはいけないもの

一篇目。
結婚式に参加してくれる友人を、レンタルでまかなう、という考え方。
岩井俊二さんの「リップヴァンウィンクルの花嫁」にも描かれていたので、
もしや・・・? と思ってネットで検索したら、本当にそういう仕事があるようでした。
レンタル恋人、レンタル友人、レンタル両親、レンタル・・・。
そこに違和感を感じる私は主人公と一緒ですが、
その主人公を最後に待ち受けるエピソードには驚愕ものでした。

二編目。
タイトルにもなっている「ままならないから私とあなた」。
データと生身、無駄だと思えるものを排除していくか、
無駄なものだから大切だと思うのか・・・。
主人公が作曲家をめざす少女だからか、
地の文も、音楽的な感性の繊細な表現が散りばめられる。

男性の作家だなんて思えないほど、
地の文章が、高校生の多感な女の子が書きそうな文章で、いい。

タイトル、もうちょっとなんとかならなかったのかなぁ、
なんて思いながら読みましたが、
読み終えたら、やっぱりこのタイトルしかないか、と納得しました。
日進月歩のデジタルの進化の中で、
それでも変わらないもの、変わっちゃいけないものってなんなのかな、
そんなことを考えさせられる、いいお話でした。
ままならないから私とあなた Amazon書評・レビュー: ままならないから私とあなたより
4163904344