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いつかパラソルの下で
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いつかパラソルの下での評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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この作家の本は初めて読んだのですが、文章にセンスがありますね。ユーモアのある文章を書ける人って意外と少ないんですが、この人は巧くユーモアを織り交ぜつつ読ませてくれる文章が書けるんだなと思いました。 印象的だったのは主人公の野々が愛に言ったセリフ。 「その程度の機微もわからないから、まだ子供だって言ってるの」 父親のちょっとした機微を理解しようせずに、人生における様々な困難を父親のせいにして逃げてきた三兄弟の話なんだと思う。 しかし、人のちょっとした機微を理解するってコトは難しいことです。それが例え、家族であっても。 理解できなくても、理解しようとする気持ちが大事なんです。 父親のルーツを探るという名目で色々と動き出した兄弟でしたが、その中でいつしか「父親を理解したい」という気持ちが芽生え始めたんだと思います。それによって、人に優しくなれたり、困難に正面から向き合えるようなったような気がします。 最後に・・・、達郎の父親はカッコいいと思う。 | ||||
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気になっていた作家ですが、土曜ラジオ「アバンティ」の小説特集で本屋さんがほめていたので、読んでみました。厳格すぎた父の生前の浮気をめぐり、父のふるさと佐渡を尋ねる、ちょっと奇妙な旅物語でした。人生そのものを旅のようにフラフラ暮らしている長男・長女と傷ついた次女が、佐渡に癒されてしまうところが印象的でした。佐渡人の豪快さ、土俗っぽさに、3人は人生に対する見切りとか確信とかを持てたように思います。 佐渡の「イカイカ祭」というのが、なんともはや、豪快でした。 | ||||
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「永遠の出口」の瑞々しさが大好きで、次を読むのを楽しみにしていました。 「いつかパラソルの下で」は、性に関する問題も大きく扱い、 児童文学を書いてきた森さんの“挑戦”を感じる作品でした。 父と子の確執。 自分のルーツを探す旅。 テーマとしては新しくはないです。 けど、目をそらしてきた(そらしたい)問題に真正面からぶつかって 大人になっていく、 それは成長過程としては永遠のテーマ。 父と子、母と子、兄弟、姉妹・・・ この関係だけはたとえ仲が悪くなってしまったとしても 絶対に否定することはできない“血”で繋がっている。 そのかけがえのなさを改めて感じました。 「いつかパラソルの下で」 このタイトルの気持ちの良さは、 この本を読んだ人でなければわからないすがすがしさがあります。 | ||||
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厳格な、いや厳格すぎて変人な父親が、不慮の事故でなくなってから1年が過ぎようとしている。そして、その父の知り合いという人の電話から、あの厳格な父が不倫をしていたことが発覚した。さらにそのあたりを探ってみると、父の父親、つまり自分たちの祖父は、大変な浮気物である事がわかった。いったい父の過去には何があるのか。父の子供である私と兄と妹は、父が頑として語らなかった、父の生まれ故郷である佐渡島へ向かう。そこで私たち三人兄弟が見たものは・・・・ 自分の父親も度を過ぎて厳格だった。決して人を評価する人ではなかった。 例えば自分が絵を描いてそれが95%の出来だったとすると、95%の良いところでなく、至らなかった5%を探し出し、そこを責めて、そんなものでは意味が無いと言う人だった。そういう父親に育てられた自分は、少なからず性格を歪められたと思う。 この物語に登場する死んだ父親の家族も、母親を含めて、みんな厳しすぎる父親から大きな影響を受け、変な方向に人生を曲げられていった。 その父親が不倫をしていた。しかも祖父は、佐渡島全体に名が轟く浮気物だった。父は「ええ格好」を家族に見せていただけじゃないのか。裏ではとんでもない事をしていたんじゃないのか。佐渡島に行けば、それが手に取るように判るんじゃないのか。そして、「あいつ、かっこいい事ばっかり言ってたけど、本当はこんなんじゃんか!」と溜飲を下げれるんじゃないのか。 しかし、自分も、この兄弟も、別の、全く違った事で溜飲を下げた。 「そう、そうなんだ、生きるって事は。」って。 家族って、決して100点は取れない。しかし0点の家族も存在しない。それを知った上で生きていくしか、私たちに道は無い。 そう思いました。 もしかしたら、後世に残る名作になるかもしれません。 | ||||
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最近大人向けの本が増えてきた森絵都さんですが この本では相変わらずのリズミカルな会話が展開されていて ツボにはまってしまうこともしばしばです。 15歳の少女も登場しますが、やっぱり絵都さん。と思わせる描写 が素敵です。 | ||||
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家族というもの、夫婦というもの、兄弟というもの、そして恋人というもの。お互いをよく知っているようで、知らない。わかっているようで、全然わかってない。それぞれの間にある感情や確執。それでもいっしょにいるということ。自分の身を合わせみて、いろいろ考えさせられる物語でした。 永遠に訪れることのなくなってしまった「いつか」が、ちょっと切ない、でもステキな物語です。大人向けも、子供向けも、やっぱり大好き!と思いました。 | ||||
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父の過去をこれ以上、知りたくない。知ってもどうせ死んだんだから。 しかし野々は何かと父の過去について色々調べてしまう。 きっと切り捨てることの出来ない、そういう存在の父。 生まれ故郷も、どういう人生を送ってきたのかも語ることの無かった父。 それに加えて、とても厳格な性格だった父。 父について不快なことがあっても、調べるとそこには野々が知らない何かがあった。 森絵都は本が出る度に文章の表現力がとても上手になっていると思います。 素晴らしい感性があるというか、そんな感じがします。 | ||||
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