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(短編集)

路地裏ビルジング



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【この小説が収録されている参考書籍】
路地裏ビルヂング
路地裏ビルヂング (文春文庫)

路地裏ビルジングの評価: 4.33/5点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(4pt)

答えのない問題の答えを持つために

タイトルだけ見ると、矛盾した言い方に聞こえるかもしれないし、自分でも変だとは思うんだけど、こうとしか表現しようがなかったのでこうした。

 世の中に「答えのない問題」というものはいくつもある。
 その中の一つに、「なぜ人は働くのか」というものがある。

 この問題には明確な答えはなく、個人で「こういうことなんじゃないか」というものを持つしかない。
 それにしても、持っている人は少なく、「ただ生きるために働く」という人がほとんどなんじゃないだろうか。

 別にそれでも悪くはないが、どこかのタイミングで「それだけでいいのか?」みたいな疑問を持つ人も数多くいるだろう。

 そんな自分なりの答えを出そうと、悩んだときに読んでほしいのがこの『路地裏ビルヂング』だ。

 自分が一番心に残ったのは『紙飛行機』の答え。

 これを読んで、自分も今、上昇気流に乗っているのだと知ったので、もっともっと飛んでいこうと思わされた。

 誰しもが考えるべきことをテーマにした作品なので、多くの人に読んでもらいたい。
路地裏ビルヂングAmazon書評・レビュー:路地裏ビルヂングより
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No.5:
(5pt)

表紙が好きです

実はレビューを書こうと思って、当ページを開いて、
「えっ、こんな表紙だっけ・・・」
 と思って、手元にある本の表紙を改めて確認。
 そうそう・・・、この表紙に魅かれて、オレ買った
んだっけ・・・。
(“お嬢さん”は、もう少しアダルトな雰囲気である
ようには思いますが)

 去年の今頃は、十数年ぶりに“上京”しようと、職探し
をしておりました。まあ、こんな資格も持ってないオジサン
が職にありつこうと思ったら、
 “怪しげな”商品を販売する営業マン?、
 あるいは、“場末の”学習塾に講師として潜り込むか・・・。
 自分も、そんな境遇になっていたかもしれません。

 そんな身が拝読すると、うんうん・・・・。
  こんな“奇跡”が、どこか現実の世界でもあって欲しい・・・。
 
  大人のための、“童話”です。

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No.4:
(4pt)

様々な人の考え方。働き方があることを考えさせられます

様々な人の考え方。働き方。
そんなものが一挙に描かれている感じ。
社会で一生懸命頑張って働いている人には少なくとも何かしら感じる事が出来るようなエピソードがちらほらと。

1話ごとに完結した内容になっていますが、それぞれが一つの雑居ビルを通じて繋がっていきます。
自分はこの本を読んで「あぁ〜、仕方ないけど明日も仕事がんばるかー」って気持ちになりました(苦笑)
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No.3:
(5pt)

読んだ後に何かが残る本

どこかの隙間の職業を生きる人の物語

怪しい健康食品の訪問販売だったり、
不認可保育園の保育士だったり、
小さな塾の先生だったり、
そこに通う子供だったり、

現代の「現実」の壁を見つめながら、等身大の悩みにぶつかる短編集
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No.2:
(3pt)

各論賛成、総論反対

各々のショートストーリーはなかなか面白いと思い
ました。特に現代社会の保育園や塾のあり方などは
興味深々で読みました。

でも、このビルはいくら古いといっても皆、テナント
なんでしょ。分譲マンションじゃあるまいし、自警団
決起集会なんて、絶対ありえないと思います。
雑居ビルではテナントごとの密な繋がりはなく、隣の
フロアーの人と話すことなどありえない。不自然な展開
に違和感を感じながら読んでいました。
レトロなビルを素材にしたテーマは面白いけど、最後は
ムリに物語を繋げた感じがしてそこが残念に感じます。
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No.1:
(5pt)

古いビルで働く人々の物語

築50年はたっていようかという古い雑居ビルには
弱小広告代理店、怪しげな健康グッズと健康食品販売会社、
不動産会社の分室、学習塾に、無認可保育園と
まさに雑多。
そして1階の飲食店は、数カ月で次々と店を変えますが
従業員と不味さだけは変わりません。

普段は顔を合わせるくらいで
エレベーターや駐車場のことでもめることもある
店子たちは、ニートあがりや、がむしゃら体育会系、
おばさんに派遣社員、司法書士を挫折しつつある塾講師といった
ユニークで、しかし、どこかトホホな人たち。

彼らが織りなす人間模様を、意外にも真面目に
連作短編で描いています。

初めの短編「道祖神」では、ノルマ営業のカラクリや
顧客名簿詐欺を鮮やかに描きます。
この時、初めて社員になるヤンキーっぽい加藤が
あとの短編では先輩社員として後輩を率いるようになったり。

一人息子を育てることで精一杯だったおばさんが
56歳にして仕事に夢を持つようになったり。(「紙飛行機」)

あるいは、大手広告代理店の下請けに飽き足らない
中堅どころのサラリーマンが、個人で大きなコンペに参加したり。(「風穴」)

それぞれが今の自分を打ち破る何かに挑戦したり、
何かに気づいたりする仕事小説に仕上がっています。
こういう群像劇は三羽省吾の真骨頂ですね。

このワサワサした人々に一服の清涼剤となっているのが
屋上の植木を世話している、爽やかな美人の女性。

やがて物語は、このビルヂング設立、
いえ、その前身のお話、明治初期にまで遡っていきます。
最後はしみじみと夕暮れを眺めたくなります。
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