厭世フレーバー
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解説の角田光代さんがおっしゃっています。 「この小説は、この家族を語ることで、日本を語ろうとしているんだ。」と。 私は残念ながら、そこまで感じなかったなあ。 高評価のレビューを見て、読ませていただきました。 まあ、比較的良くある設定。父親の失踪とか、突然の死。それまで気がつかなかった 家族の姿。それが突然明らかになっていく。家政婦の舞台みたいですね。 リュウさんの話のオチまでは、結構期待したのです。 さてこれから、って感じだったのですが。 そこからのひねりがこう来たか。と言う感じで、かなりがっかり。 73歳の新造さんの章が全てでした。 本当の認知症の方に接したことが無いんでしょうね。だから、現実感があまりにない。 73歳の方が、一体どんなことを考えて、どんな風に生きていたか。残念ながら、その 実態が把握されていない。 作者にとって、新造さんの事件って結構衝撃的なのかもしれませんが、その当時は、 よくある話ですよ。特に珍しくもありません。もっと酷い話は、八つ墓村みたく、 結構あるので、ちょっと取材されるといいかと思います。 まあ、期待を込めて45点。ちょっとお勉強をされてくれるといいかな。 太陽がイッパイいっぱいに期待します。 | ||||
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作者の『イレギュラー』を読んでよかったので、読んでみたが、比べると少し落ちるかなといった感じがする。 本作は、父親が疾走してしまった5人の家族の、それぞれの視点で描かれた5篇の話で構成されている。 このような話だと、家族が不満をぶつけあって、何かを見出し、絆を深めていくものが多いが、この『厭世フレーバー』ではそのようなことが一切ない。 それぞれが疾走した父や他の家族、周りの人間や社会に対する不満を持っていることは同じだが、それを他人にぶつけるでもなく、自分の中で答えを出し、それで一遍は終わってしまう。 自分は物語にはそれほどドラマ性を期待しないほうだけど、読んでいて「少し盛り上がりに欠けるかな」と思ってしまった。 しかし、よくよく考えると日常にそうゴロゴロとドラマが落ちているわけでもなく、まぁ「これはこれでアリなのかな」と思い返した。 物語にドラマ性を多く求める人には、たぶんつまらないだろうからお勧めしない。 だが、物語に「教え」を求める人が読めばきっと気付くことも多いと思うので、そのような人には是非読んでほしい。 | ||||
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ちぐはぐな家族の成長を、章ごとに語り手を決めて年齢順に構成していく家族小説なのですが、一見バラバラに見えていた家族の間に、最後の最後で一つの「輪」がぼんやり浮かび上がるのがいいです。 最初の語り手、14歳の中学生「ケイ」が、最後の語り手、73歳の祖父「新造」の物語の最後に登場し、そこに物語全体をつなぐ希望の「輪」ができる、というか。 一番下っ端で、一番人生経験のないはずの「ケイ」の未熟なひたむきさが、戦争を生き抜き、波乱に満ちた人生を歩んだ「新造」の厭世観の中に、小さいけれど前向きな灯をともします。最後、「手綱なんて関係ない」と走り出すケイの姿で終わるのが、この物語の希望なのでしょう。 なかなかいい小説です。 | ||||
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父親失踪後の家族それぞれの様子を描いています。「14歳(次男)」「17歳(長女)」「27歳(長男)」「42歳(妻)」「73歳(祖父)」の5章です。5章ありますが、それぞれにつながりがあります。14歳(次男)は、陸上部をやめて、新聞配達をする。17歳(長女)は、おでん屋でアルバイトに励む。27歳(長男)は、失業しているが何とか家族に金を入れようと苦心する。42歳(妻)は、酒びたりになって、一切の家事を放棄する。73歳(祖父)は、ますますボケがひどくなる。 父親のことは、特に「42歳」の章にかかれています。とにかく変わった人だなという印象があります。 一見するとそれぞれにがんばっているんだけど、バラバラなため、なかなか相手に認めてもらえない。結局、父親は帰ってこないし、どこにいるのかわからないのであるが、あることで家族が団結するのである。最後はハッピーエンドで終わるのがいいかな。全体的にはあまり悲壮感なく読めるかなと思う。 | ||||
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父親が会社をリストラされ失踪。残された家族の再生の物語。章ごとに語り手が変わり,物語も年齢相応に深くなっていきます。長男の章の後半あたりから,家族の秘密が徐々に明らかに。 回想でしか出てこない父親のキャラ設定が,ぶっ飛んでて面白い。「世界を救う」という彼の目標が,どういう形で実現したのか。その内容が個人的にはツボでした。「人生を賭ける」という言葉を安易に使ってはいけないな,と思わされます。 父親のリストラをトリガーにして「時代に負けず,前を向こう」というメッセージを込めているところが,この作者らしいと感じます。 | ||||
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