ひらいて

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評判

ひらいての評価:

3.76/5点 レビュー 59件。 B ランク

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平均点3.76pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全120件 61〜80 4/6ページ
No.60
(2pt)

あえて言わせてください

内容はとても面白かった。主人公の恋愛が暴走して、支離滅裂な方向に向かっていく過程がとても衝撃的だった。特に、好きになった男子の彼女と肉体関係を持った描写が印象に残った。様々な蛇行の末、綺麗な終わり方をする。その場面には鳥肌がたった。
しかし、「恋愛小説」としてどうだったか?と思う。サイドの性描写や、夜学校に忍び込んだ時のことなど、「恋愛感情」や「好意を抱いていた彼」が置いてけぼりにされてしまっていたと思う。その点が私は気に入らなかった。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.59
(5pt)

たとえがとても印象的です

本当に良かった。いろいろ本は読んできましたが、もっとも印象的で大切な本です。

レビューが分かれていることに驚いています。たぶん、心の中にたとえを飼っている人間のほうに、よりぐっと刺さる作品なんでしょう。たしかにまとまりなくバラバラだし、情感的過ぎるところも多いです。文章は読みやすいのに、そこに描かれていることが痛すぎて続きが読めなくなってしまう。読破にかはり時間をかけました。

でも、本当に買って良かった。こんな素晴らしい体験が本当に数百円でいいのか、と思います。

最後の終わりも、人によってはやっつけすぎると言うかもしれません。でも、あれこそわたしがたとえに言われたかったことなので、展開的におかしいとは思っても、とても救われた気持ちでした。むしろあそこで普通に終わっていたら、凡作になってしまっていたかもしれません。

耐えられないほど身勝手で寂しい恋をしたことがある人におすすめです。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.58
(3pt)

愛情というエゴ

決してリアリティがある設定ではないけども主人公「愛」の心の奥の奥をえぐりだす展開は綿矢さんのオリジナリティがあふれていて引き込まれる部分がありました。いろいろな伏線らしきものはありますが特に気にしなくてもいのかな。彼女の世界観は好き嫌いが分かれるのも分かる気がします。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.57
(5pt)

壊してゆくエネルギー

綿矢りさの作品の出来にはまだ凹凸があるが、これは良くできた作品だと思う。たとえという男子高校生に対する恋情が暴走し、その彼女である美雪をもまきこんで行くプロセスには動的な面白さがある。もちろん現実にここまで暴走することは稀だから、これは小説の世界での話なのだけど、主人公の愛の心理描写は、その(身勝手な)愛情にだけ絞られていて、それなりに首尾一貫性がある。現実の世界では、その他の有象無象のことが絡んだ生活のなかにいるわけだから、これほど純粋に暴走することはできないけれど、思考実験としてはとても面白い。もちろん暴走主人公が中心だから、たとえも美雪も、愛に翻弄され、ある意味では人形のような一面的な描かれ方をしているのだが、これは愛の愛情の物語だから仕方ない。
しかし、そうした物語であれば、この終わり方はないだろう、という気がした。もっと混沌とした訳の分からない状態に突入して終わり、という方が良かったように思う。それは自殺なんかではなく、愛が時折見せる外部世界を遮断する状態の究極の世界のようなものだ。最後の1ページは書き直してほしいなあ、などと思う。それと、ヘンリーミラーが使ったような、断片的な詩のようなイメージの重層的表現が、うまく使われていて、そこは気に行った。すくなくともロレンスダレルよりはうまくミラーを継承している・・といって綿矢さんがミラーを読んでいるのかどうかは知らないが。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.56
(3pt)

可哀想

途中まで面白かったが
愛が可哀想になってきて
著者の考え方に共感できなかった。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.55
(4pt)

駆け巡る衝撃

「ひらいて」の一文は短い。とても読みやすい小説。
けど、エンターテイメントではなく、純文学だ。

綿矢りさの「蹴りたい背中」を小学校六年生のころ、図書館で読んだ。
感じたことのない衝動に震えたのを覚えている。衝撃だった。
そのあと「インストール」を読んでからずいぶん久々に、今回綿矢りさの作品を読んだ。
「ひらいて」にも、あの時感じた身体を駆け巡る衝撃がたしかにあった。

あと、最後に谷崎の「春琴抄」が会話の中にでてきたのが気になった。

いいたいことは沢山ある。でも悔しいからとどめておく。
言うと自分の醜さがあらわになるからとどめておく。
でもこれだけは言わせてください。私はあなたにぜったいに負けない。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.54
(3pt)

しつけて。

まるで、幼く身勝手な作家自身でもあるような主人公。この女性を犯罪者にしないために「小説家」の肩書を授けたのは慧眼だったかも知れない、とさえ思えてしまう。

が、どうやら実際は「まるで他人ごとのようなふりをして、本も出した」(「履歴の無い女」『文學界』2015.1., p.99)うちの一冊に過ぎず、そうした「履歴」は結婚を機に何のみれんも無く捨てることができた作家はかつて「自分と遠いと思っていた、どこか別の世界の女たちと思って見ていた、夕方のスーパーで家族分の食料をそろえる彼女たち…」(同, p.101)という眼の高さでこの『ひらいて』も書いたのだ。
「…自分のことしか考えてな」(同, p.105)いことを作中でも(再三)主人公に自省させ乍ら、今も主要テーマは「私の居場所」(同, p.107)らしいこの作家はまた、「いままでの自分の生活に、プライドはないのか、と……。いや、ブライドっていうのとは違うな、でもうまく言葉が見つからない」(同, p.102)と自問したりもするけれど、これからは「やみくもに、自分本位に、あたりをなぎ倒しながら疾走する」主人公の気持ちだけでなく、それによって傷ついたひとの気持ちもきちんと描いてくれるだろうか。

『ひらいて』の主人公・愛のような子がいたら皆が迷惑するけれど、皆が未成熟な「学校」に限ってはそれも許される。これからの作家のテーマは、この子をどう躾けるか、だろう。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.53
(1pt)

面白くなかったです

だんだん綿矢さんのかく作品が
面白くなくなってきた…と
思っていたら、やっぱりその
気持ちは今回の本で固まりました。

性描写ばっかりで面白くも
なんともなかったです。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.52
(3pt)

男には分からないんでしょうね。

思春期の女子の自意識の激しさには、まったく共感できなかった。
しかし、光浦靖子のあとがきはとても良い。
女子同士だと共感できることが、鮮明となる。そして、文学的。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.51
(5pt)

身内にたかられて、人生を棒に振っていると感じている人にオススメ。

恋愛小説だと思って読んでいましたが、ただの恋愛小説ではありませんでした。
激しい恋愛感情の思う存分な描写は、期待通りの読み応えです。
でも、それだけではありません。さらに「読んで良かった。」と思える一冊でした。

日本に出稼ぎに来るアジアの若い女性が、故郷の家族に仕送りしているのを聞くと
「日本は子供にたかるような親が少なくて良い国だな。」
と安直に考えていました。
でも、模範的で幸せを羨まれるような家庭であっても、
「多少強引だけれど、仕事はできるよな。」と言われるような人がいる職場であっても、
実は微妙に、と言うか、巧妙に、家族や同じ職場の人を食い物にしている人が多いことに気が付く今日この頃です。

この巧妙さを打破するには、ある程度の破壊が必要です。でも、その破壊の過程で「彼は感情的になる人ですね。」とレッテルを貼られて「負け」を言い渡される可能性が高いことに考えが及びます。
この可能性の高さを勘案し、多少自分が食い散らかされていても、まともでいることを優先するのが大人の哀しさです。
この小説を読んで良かったと思うのは、主人公が、自分の負けを恐れず、破壊に走ってくれる点です。

例えば、自分でもこんな手段に出ることも可能であると思えば、自分の人生が食い散らかされ、損をしていると感じていても、耐える事ができるように思います。
正直でまともな大人にお勧めです。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.50
(4pt)

主人公の気持ちが思わぬ方向へ・・・

主人公・愛は、同級生のたとえに恋をする。しかし彼には美雪という彼女がいて・・・。ここまで聞くとどこにでもあるような三角関係のストーリーだと思う。しかし、読み進めてみると単純な展開ではないことに気付きました。愛がたとえを独占したいという想いが美雪を巻き込んだ形で発展してしまう・・・。
主人公・愛をはじめ、たとえ、美雪それぞれの存在が入り混じった恋愛小説ではないかと思います。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.49
(3pt)

鋭い描写は相変わらず

蹴りたい背中の時の絶妙なバランスがこの作品では崩れている。作者は意図的に崩している。主人公のやり過ぎとも思える行動が時に漫画的に見えてリアリティーがない。しかし作者の鋭い描写、人生に真剣に向き合おうとする文学的な感性は相変わらずで好感が持てる。商業主義的なもので溢れる現代において作者の上っ面なものには騙されまいとするそのスタンスこそ彼女の最高の才能かもしれない。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.48
(5pt)

憧憬

その人にとって手に入らないものというのは、実際にその中身を知ることができない。
ゆえに、想像することで補完する以外に方法がないのだと僕は思う。
よく分からないものに触れる場合で、僕が何かをつくろうとすると、つぎはぎになってしまう。
このふわふわとした地に足がつかない小説は、そういったことを含めて、白い、不完全な透明さ、という表現しづらい表現で仕上げられたように感じた。
不自然、とってつけたように感じるという意見、この話が元からそういうことを意識させるためにつくられたものだと考えることで、見方が変わるかもしれない。
この話の世界そのものが、そういったよく分からない何かに触れるときの感情、情景、速度だ。
天使は本来この世に存在しない。ならば、つくるしかないのだ。
壊れやすい 不安定 遠い場所 白 水色 透明 幻想 人ではない人 夢の中の男女 たとえ
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.47
(1pt)

時間を返してと言いたくなる

「インストール」「蹴りたい背中」のえもいわれぬ読後感が忘れられなくて、もう一度同じ感動を味わいたくて綿矢りさの作品を読んでいます。
しかし芥川賞受賞以降に前者2作に匹敵するような輝いたものはなく、ほぼ惰性で読んでいたのですが、この作品でとどめを食らった感じ。
つまらない。何も得るものがない。
時間を返してほしいと思う。

素人が余暇の楽しみのために小説を読んでいるだけで、およそ文学に対する造詣もなく、素人書評をわざわざネット上に書き込むまでもないと自覚はしているのですが、それでもあえて憤りを吐き出させていただきたい。
要素を詰め込みすぎ。
この短い小説の中で、一体いくつの要素を盛り込んでいるのか。しかも中高生が嬉しがって反応しそうな、思慮の浅い自虐的要素を。

主人公は拒食症気味?(そういう節の記述があるが、掘り下げもしない)
主人公の片思いの相手は毒親持ち(終盤になって唐突に出てくる。彼の父親を授業参観で見たエピソードも突然思い出して語りだす)
片思いの相手の恋人はI型糖尿病(病気に対する理解と表現が甘く、使い古された美人薄命の少女マンガのネタそのもの)

このようなキャラクター造形の要素があるにも関わらずうまく消化されておらず、
その上で思いつきのような取ってつけた聞こえの良い引用を繰り返し、ますます消化不良。

主人公は毎朝聖書を読むという。
その数節をわざわざ引用していますが、主人公の退廃的行動と聖書を結びつけるとは、発想が中二病的であまりに考えが浅く、他宗教に対する作者の尊重の意思のなささまで透けて見えて幻滅しました。
しかも聖書の逸話を踏襲した物語になるのではなく、後がけの調味料のように聖書を引用しているので非常に味が悪い。
また唐突にオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の引用も入りますが、
これもまたキリスト教聖人の逸話の中に、こんなエピソードをあることを知った、面白いから入れてみよう、と短絡的な意図が垣間見えて不愉快でした。

主人公は、冒頭の記述では予備校帰りに深夜12時までマクドナルドで友達とたむろし、彼女自身は喫煙しないけど、未成年でもタバコを吸う友達とつるみ、つけ睫をして通学カバンにはアクセサリーをジャラジャラ、そこそこ成績は良いけど適当に生きている"チャライ"女子高生だったはず。

そこを何故終盤になっていきなり感傷的な文学少女になっているのか。
矛盾をはらみ、初志貫徹できないキャラクター造形、浅い知識のままに引用してさも高尚そうに見せかけてくる宗教的素材。
作者の思い上がりまで感じられるのは言いすぎでしょうか。
読者はそこまでバカではない。

やたらと説明くさい登場人物の会話文も気になりました。
今時の高校生は、こんなに自分の気持ちを回りくどい比喩を用いて文学的に話し合うのか?
もっとストレートな、下手な会話をして、察しながら人付き合いを作っていくものだろう?、と。
記述で足りない感情の説明を会話文で補っている印象がして、ますます滑稽で、現実味のないものになっています。
体育祭や文化祭の催し物の記述はリアルに、あくまでどこにでもありそうな普通の高校を舞台に描いていますが、
登場人物の会話がそもそも不自然なので、違和感をぬぐえないのです。

作家とは、もっと物知りで思慮が深く、読者に知識と新しい見解を与え、考えさせてくれる。そういう職業である。
そういうものだと思い込み、期待している自分がダメなのでしょうか。
とかく綿矢りさに関しては幻滅しかせず、時間を返してほしいと思います。
お金を返してくれ、なんて即物的な憤りではありません。
お金なんていくらでも稼ぎなおせる。
けれど時間は有限で、過ぎたものは二度と返ってこない。
金を返せというより時間を返せ、という方が冷徹で厳しい批判だと思うのですが、
今のところ私にとってそう言いたくなる作家は唯一綿矢りさだけです。

もう10年前の澄んだ感動は味わえないのでしょうか。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.46
(4pt)

個性発揮

芥川賞受賞時の騒ぎなどもう知らない若い世代の人に、「綿矢りさ」を紹介すると、ネットで検索するらしく、直ぐ「とても綺麗な作家さんですね」という答えが返ってくる。この人の容姿の卓越ぶりは、10年近く経った今でも、他と隔絶しているようだ。

さて本作であるが、文化祭前の高校の甘酸っぱい空気なんか、相変わらず良く書けているなと思っていたら、「美」に関する哲学的な考察が出てきたりして、偉く真面目な訴えを盛り込んだ作品だなと思っていたら、近づいていった片思いの男子の相手の女子が自分の言葉を勘違いしたの逆手にとって、なんとレズに突入。このあたりのセックス・シーンの描写など、綿矢流の精細さで、エロ小説は今まで結構読んできたけど、このような描写はあまり経験ありません。奇想天外というか抱腹絶倒というか。前作の「かわいそうだね?」あたりから、綿矢さんの個性がのびのびと発揮されてきているように思います。プロに見いだされた若い才能が成長していくとはこういうもんなんだ、ということが同時代的に体験できます。

しかし、ラストの暴走ぶりはどうなんでしょう?処女作「インストール」に自分の部屋のものを全部ガレージにぶちまけるシーンがありましたが、本作でもそれと似たような印象があります。このような破壊衝動のようなものを、この作家さんは常に感じてられるのでしょうか?そういったことを描くことが、綿矢文学の通奏低音なのでしょうか?
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.45
(5pt)

不思議と心に刺さる!!

綿矢りさを読むのはデビュー作『インストール』以来、約10年振り。
17歳にしては、(エラそーながら)“読める”と思いましたがそれ以上のものは無く、2冊目を手に取るに至らず…

今回、どこかの書評で薦めていたのものの、あまり期待せずに読んでみたところ…

高校生を主人公としたいわゆる恋愛小説だが、ストーリーは突拍子もないというかハチャメチャでリアリティに欠き、その割にタイトルに込められたメッセージは、普遍的というかありきたり…

でありながら、人間の毒や弱さ・優しさや強さが独特の表現や比喩でするどく織り込まれており、また、ラストに示される『ひらいて』の意味もなんでもない言葉でありながら、すんなりと心に入ってくる。“不思議と心に刺さる”に傑作だった。

『蹴りたい背中』が受賞したことにより、芥川賞が若さに媚びたなどと批判も浴びたが、やはりその才能は受賞に値したと改めて認識させられた。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.44
(1pt)

頭の中はお花畑

主人公の愛さんの恋愛対象のたとえ君が、はじめてまともに喋るんです。それまでは確か朗読以外では二行以上、喋らないのですが(笑) 
出だしはこのような感じです。「それがおまえの笑顔か! 乏しい!」と、怒っているといえば怒っているのですが、なぜか台詞が批評の域に昇華していらっしゃる(笑) 
この後に続く四行のセリフが練りこまれてます。戯曲か! というくらいに練りこまれ過ぎています(笑) 
読者は舞台袖で役者さんの、素晴らしい演技を鑑賞しているのに近い感覚を抱くでしょう(笑)
主人公の愛さんは、この後にたとえ君から、人種的な括りで壮大な一喝を受けます。若さ故の過ちとか、そのような考慮は断じてなされずに、積年の恨みを込められた、天敵扱いの形で否定されます(笑)
それはともかく、怒られて傷ついた愛さん、学校の図書室でワイルドの戯曲サロメを読み、預言者ヨナカーンを憎んでいるサロメさんの取った行動から、自分を省みるんです。それは偉いと思います。しかし、愛さんはそのようなサロメの一節と、自分を重ね合わせるような、知的な文学少女キャラではないんです(笑) 虚構内の愛さんは、行動力だけが強調されていますからね(笑) 
この小説は作家の角田光代が「まるで詩で紡がれた」などとお茶を濁していましたが、演出家の綿矢りさ本人がキャラクターの造形を歪めてまでも介入してきます(笑)
作品が詩で紡がれたせいか困ったことも起きます。糖尿病の美雪さんに、愛さんはたとえ君の「声」に最初に惚れたのだと話します。冒頭の朗読のシーンでたとえ君が、プリントを声に出して読み終えたあとに、愛さんは彼に完全に占領されたと確かに書いてあります。その後の十行くらいで、彼の声が過剰に誘い、その過剰さは悪だの退廃だのと連想していき、禁忌なものだと考え、いやいや怯えずに走ったろうと思い直し、熱いやじりが彼の方へ引き寄せられるという心理描写に行き着くわけですが、抽象的な語とか概念を並べて詩的に熱くなっちゃった! おかげで、肝心の「声」が、ぼやけて飛んでいっています(笑)
キャラクターとしては美雪さんが秀逸です。インスリン注射を打ちつつ、プラトニックな手紙を作中で何度も開陳され、わけのわからない愛さんの求めに応じ、たとえ君と一緒に上京する予定と、八面六臂です(笑) 面倒な事は全部、美雪さんに押し付けられた感があります(笑)
本作品の出来が良いとは思いませんが、味わってみても損はないと思います。一日で読めます(笑)
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.43
(2pt)

力みすぎ

最近テレビのインタビュー番組に作者が出演していて、若くて可愛い方だなと思って、どんな小説を書くのか興味があって読みました。
 三人の関係は推理小説さながらの面白さがあり、その展開に引っ張られて一気に読めました。
 ただ逆にあらすじ主導なせいか、よくあるテレビドラマを観ているような安っぽさも感じられ、私の好みとはちょっと違いました。
 主人公・愛は自分の内と外が一致しない悩みを抱えている繊細な女の子。内面描写が過剰なほど巧みに書かれているけれど、それがかえって力みすぎてキザに感じられてしまう。登場人物の行動は突飛すぎてついて行けない部分もあった。
 それに高校生の大人びたセリフにも違和感があった。私の遠くの学生時代に比べてのことなので、今の高校生は実際に大人っぽいのかな。
 アブノーマルにもみえる三人の関係。こんな展開あり得ないだろうと思うけど、覗いてみる価値はあるかも。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.42
(5pt)

綿矢りささんってすごい

<ネタバレ含む>

綿矢さんの今までの作品の中で一番じゃないでしょうか。

綿矢さんってページ数が少ない作家さんだと思うんです。
なので初めは「半分以上読んでしまったけれど、こんなにめちゃくちゃで最後どうやって終わるんだろう?」と
不安になってしまいました。

それくらい今回めちゃくちゃなんですよね。
なのにまるで「折り紙を折った様に」ものすごく綺麗に終わるんです。

その素晴らしさと綿矢さんの才能に感動しました。
これが私を発売日に本屋へ走らせる理由だと思います。

今回もひとつひとつの文章がとても丁寧に綿矢さんらしく書かれています。
綿矢さんの作品には今後も注目していきます。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212
No.41
(4pt)

自分の恋と重ね合わせて……

本屋で1ページ目を読んで衝撃が走りました。
なんて「たとえ」は私の好きな人に似ているんだろう!と(笑)
まあ、恋してるときは自分の恋愛と本の内容を重ね合わせることってよくありますよね。
そんなわけで思わず衝動買いしてしまったわけですが、
自分が愛になったような気持ちで一気に読んでしまいました。
読んでいる間はたとえが愛おしくてたまらなく、
美雪が憎らしくてたまらなかったです(笑)
読み終わった直後の今もまだ、興奮の余韻から抜け出せてません。
ラストの愛に向けられたたとえのセリフにしびれた……!
ほんとたとえみたいな男性好きです!(笑)
いけてないのに実はSっぽい感じがつぼ!(笑)
と、まあこれ以上暴走した感想を書き連ねるのは自重しましょう。
現実にはありえない話ですが、これもまた小説の醍醐味ということで
星4つをつけさせていただきます。
ひらいて Amazon書評・レビュー: ひらいてより
4103326212