ビアンカ・オーバースタディ
評判
ビアンカ・オーバースタディの評価:
3.68/5点 レビュー 80件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全134件 121〜134 7/7ページ
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ビアンカ・オーバースタディの評価:
3.68/5点 レビュー 80件。 D ランク
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彼の作品に接する機会の乏しい最近の中高生に、この本は筒井康隆との接点を与えてくれた。その一点のみをもってしても、この本の価値は★5に相当する。
おまけに、その年代でも読みやすく、理解しやすいように、という配慮にも満ちている親切仕様。機会を作ってぜひ筒井体験をしてみることを勧める。一定比率で拒否反応が出るのは間違いないが、それを含めての筒井体験なのだから。こんな機会はもしかするとこれが最後かもしれないのだから。でも続編期待してます。
素人レビューなどおこがましいが、受けた印象をひとつ書きたい。
筒井康隆の小説にしては珍しく、読後感がスッキリしなかった。いや、珍しくは言いすぎだ。この読後感に既視感はある。し、方向性は違うがもっとずっとスッキリしない行き場のないモヤモヤが残る作品も多数ある。でもこれはモヤモヤとは違う。
何がひっかかっているのだろう、と考えた。メッセージが強いのだ。これほどまで現状を憂い、問題提起をするのは言葉狩りに対する反発以来なのではないか、というほどの危機感が伝わってくるからだ。既視感はこれか。つまり、スッキリしないではなく「重たい」が正しかった。
若者よ、二次元に欲情し、目の前に二次元から抜け出してきたような女の子が現れても手を出せず、遠くから憧れて自慰するだけで満足していると、世界は滅びるぞ。
というラノベ読者層でも読みとれるよう単純で明確で直截に記されたメッセージに、単なる皮肉や揶揄ではない、心からの焦燥感を感じるのは、比較的最近『虚構船団の逆襲』を読んだからかもしれない。女性と深夜、ふたりマンションにいて手を出さなかったら侮辱にあたる、という氏の信念からすれば、二次元萌えが跋扈する現状にはひどく憤り、彼のその逞しい想像力により絶望的な未来を予見して、人類存亡の危機と嘆いておられるに違いないのだ、と言ったら言い過ぎだろうか。
だから、性的描写が醒めた目線で淡々と描かれ、エロティシズムが不足しているのは、この本で抜かれては困るからなのかもしれない。彼の小説の魅力の一つは読者の予想もしなかったエロティシズムを思いがけない場所に発見させ、読者を困惑させるところにもあると思うのだが、エロ成分がここまで低いというのは本当は、もっとラノベらしいエロさ、もとい萌えを盛りラノベらしくしたい気持ちこそあれども、現状が氏をしてそれを躊躇せしめたからかもしれない。
そう考えるとこの本の提示するメッセージの重みはいや増すように思う。
だがしかし、それではラノベ読者層を取り込めない。という葛藤は、いとうのいぢの絵で昇華されたのでしょうか。このあたり若干読みとれなかったので、機会があれば伺ってみたいところです。
一読してすぐは毒が薄めかな、と思ったのですがそうでもないのかな。二次元で抜こうとするときに萎えさせるトラウマとして、視覚効果も精神的にも第一級のものを持ってくるところはサスガと思うのですが、果たしてターゲット層にどれだけヒットし得たのか、興味本位で知りたいところでもあります。
最後にひとつ。
ラノベとして読むのもメタラノベとして読むのも誰に感情移入して読むのも良いのですが(面白さがラノベ<<メタラノベなのは致し方なし)、目次で明示されている通り改めて言うまでもなくこの本で最も感情移入して読むべきは『スペルマ』です。特に、男性諸氏は楽しめるのではないでしょうか。一度読了された方も、ぜひもう一度いかがでしょう。
深く感情移入することが可能な男性が羨ましい。