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老人賭博
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老人賭博の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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題名とカバーの絵が渋すぎるのですが、内容は読みやすいです。 もっと松尾スズキ先生の本が読みたい! | ||||
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いわゆるベターな展開はたどらない作品となっています。 なので読んでいて不満な感じを覚えるかもしれません。 唐突に始まり、唐突に終わっていく…そんな感じの作品となっています。 ひょんなことからある男の弟子になった男。 だけれども繰り広げられる世界はダーティーなものでした。 芸能界の暗部というかどぶの様な感じの世界が出てきます。 結果的に主人公の男は不条理な羽目に陥ってしまいます。 だけれども、何とも不快感はないという。 ただ好き嫌いは分かれるであろう本でしょう。 | ||||
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三谷幸喜の「ザ・マジックアワー」を見ているようでした。老人がギャンブルをする話かと題名からは予想されますが,老俳優のNG回数に関係者が賭けるという内容です。つまり,野球賭博と同じ感じで老人賭博です。一気に読めましたが再読することはないでしょう。 | ||||
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台詞覚えの悪い老俳優が何回トチるかの賭けを巡る スラップスティック小説です。 老人を笑いのまな板に乗せる題材ですが 描かれるのは悪意より、むしろ善意とは何かです。 悲惨な状況が悲劇的な反面、喜劇にも見えうるのは テレビバラエティで周知の事実です。 たとえばモノマネは、尊敬の念をもつのが大前提のようで 「この人のこういう部分ホント恥ずかしいよね」 という悪意を含んだ冷笑が動機の場合も少なくないはず。 善意か悪意かを区別するものは モラルやルールのような人間が作り出す不確かな目線でしかない。 だったら神のみぞ知る真実にすべてを託し この退屈で悲惨で心許ない現状を面白がってしまおう!という 意地悪で優しく、まっとうな善意に満ちた作品でした。 | ||||
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松尾スズキという人に、ある先入観があって今までその作品を見たり読んだりしたことがほぼなかったので、この作品が初の出会いでした。 「顔面の内側が崩壊する」奇病を患った男が仕事先で知り合った「 B級コメディやホラー映画の脚本家であり1本だけ監督作もあって、副業でコラムを書いたり、俳優もやってい」る男(=センセイ)の弟子になって…という導入部から始まって、全篇、心地良くひねりのあるストーリー展開を楽しめます。 「センセイ」はどうやら著者自身のことらしいのですが、そのシニカルかつハチャメチャな人物造詣と随所に出てくるアフォリズム的な発言も面白かったです。 他の方のレビューを見ると松尾スズキファンの評判は必ずしも良くないようですが、昨今の小説家のエンタメ小説に飽き足らない、でも面白い小説を読みたい、という人にはお薦めです。 | ||||
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小関老人とヤマザキのように、あまりに深い師弟関係は様々なストレスを生み出す。サラリーマンとしても、上司との関係において、はっと思わされました。 | ||||
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以前から松尾さんの作品は読ませていただいております。 今回の読めば読むほど面白くなる、じわじわくる感じがとても良かったです。 誰かの書評で噛めば噛むほど味が出るするめのような、、という表現に納得しました。 松尾さんの本はどれが好きかは好みが分かれるかもしれませんが私はこの本は面白かったです。 個人的に細かい表現の仕方がつぼで笑えます。 松尾さんの人柄が随所に滲み出ているような感じで。 よく本を読んでいてある最後にあれ?途中からこんな感じ?と思うこともなく、 本作は買ってよかったと思いました。 | ||||
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『マンハッタンラブストーリー』の松尾さんの「具がおおぉぉぉおおおい!!」みたいな。 そんな小説ですよ!これは! ただの面白いだけじゃないっすよ!内容が深い! この小説にでてくる連中のちょっとした酷さは良心的な倫理観をお持ちの人には耐えられないほどに腐りきっている。 だって、映画撮影で老人がNG出すかどうかで賭けをすんのだ…。老人がNG出すや出さぬやで一喜一憂するのだ。老人は必死でがんばっとるのに。 これは、笑えない。普通は笑えない。だって悪意しか感じないもの。優しさがない。心がない。温もりがない。なんか嫌な感じがする。 だが、笑える。 この小説は、こんなに人でなしな賭博で爆笑させてくれる。 こういった脳味噌が腐りきった博打ばかりを好んでするセンセイ(おそらく松尾スズキ本人がモデル)に主人公が聞く。 「センセイはなんでそんなにギャンブルが好きなんですか?」 「ギャンブル?それほど好きじゃないよ。疲れるし」 寝ても覚めてもギャンブルやってる男が何をいうのやら…。しかし、続きが深い!! 「もしこの世に神様というのがいるとしたら、すべての出来事は神の決定によるものだよな。(中略)神の行為を矮小化することで、神の視線の外側に出る。それがおもしろいんだが、なにせ、神はでかいからね。それを相手の遊びだから身も心もクタクタになる」 ギャンブルをやることが神を相手にした遊びだという。 全てが神の決めた計画通りに動くしかできないのが人間だとしたら、これほどつまらんことはない。 だから、神に挑戦したい。神の計画を先読みしてそれに値段をつけて矮小化したい。 そのことで初めて神と対等になれる。そんな感じのことだろうか? おそらく、こういう哲学が多分あるだろう(詳しくないので判りましぇんが) ま、キリスト教なんか、これに近い考えで、万能の神がいる中でどう生きるかということだろうけど。 西洋の哲学は全てキリスト教社会でよりよく生きるためにどう思考していてけばいいのかが出発点になっている(確か)。 実存主義だってキリスト教の神を否定して初めて出てきた哲学だ。 考えるにセンセイは、神がいると思っている。(キリスト教ではないかもしれないが) だから、自分の行動、他人の行動、世界の流れ、全てが何か決まり切ったことをやっているだけなような気がしている。 それは、何をやっても無駄かもしれない。というニヒリズムでもある。 その中で、賭博をすることで、神と対等の勝負をすることで、生きていく意味を見つけようとしていたのかもしれない。 ラストは爆笑させられるだけではない。 本当に感動させる。 善意って何なのか? 偽善って何なのか? 悪意って何なのか? 松尾スズキ本人がモデルであろうセンセイは、老人俳優の必死に生きる様を見て、「勝てねェなぁ」と思う。 真剣に生きる滑稽さと哀しさ。 善意を信じきれないけどでも、信じてもいかもしれないという希望。 それを真摯に描いた作品だと思うよ!少なくとも俺は! だが、油断はできないセンセイはこうも言う。 「俺の言ってることなんてほとんど冗談なんだから」 …そっすか。 | ||||
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面白くないです。どうして芥川賞候補なのかわかりません。ふりも話の構成も詰めが甘く、キャラクター造形も行き当たりばったりな感じがします。この本で笑える人は 中島らもさんの本を読んだら、死んでしまうでしょう | ||||
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他愛のない簡易的なトトカルチョ。 掛け金の多少にかかわらず現金がかかってるということでがぜんやる気をだす参加者。 それに振り回されてることもしらず、それゆえに一生懸命に仕事を全うしようとするじいさんや監督。 松尾スズキさんの小説、というか作品にはたくさんの人の思惑が交錯して、奇怪な状況を生み出すさまがありありと描かれる。 今回もそんな作品でした。 人により多少の好みの分かれるかと思います、クワイエットルームへようこそとはまた違った視点からひとの心を見事に描きだしてる作品だと思います。 あと、松尾スズキさんはとても言葉が面白い。 豊富な語彙と独特の発想力でまた新しい言葉を作り出す。あるいみでは大江健三郎さんのような作家さんなんかと重なる部分なのかも知れません。 人々の心中の繊細な機微と、それを表現するための多彩な言葉の数々。 惜しくも賞はとれませんでしたがおすすめする作品です。 | ||||
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以前から松尾スズキには好感を抱いていて、「今度こそ芥川賞を取れるといいなあ」と陰ながら応援していた。 だから今回の芥川賞が受賞作なしと発表されたときは、「あげたらいいじゃん、ケチだなあ」と同情さえしていた。この本を読むまでは。 イカサマ賭博にハメられた俳優兼脚本家の海馬を救うため、弟子である金子がニコラス・ケイジ似の磯山というヤクザと酔っ払いの女を連れて、バーに駆け付けたときのエピソードを以下に引用する。 傍らで倒れていた女が生まれたての鹿が立つようにギクシャク起き上がってポツリと言った。 「……酒」 磯山は女を抱き起こし、皆のいるテーブルまでひきずって行って座らせた。女はふっと顔を上げると「ツチノコはいると思いますか?」と言って、しばらくぼんやりし、「あたしはいると思う!」と絶叫してそのままドーンと頭からテーブルに倒れこんだ。 これ、笑えますか。 本作はここ以外にも、松尾スズキもどきを目指している人が書きそうな例えがそこかしこに散りばめられているのだ。 妻に逃げられた海馬が「さみしいから弟子でも取ろうかな」に始まり、ラストの師弟関係解消まで、全編を通してあまりにも都合の良すぎる性急な展開が盛りだくさん。これらをどう好意的に解釈すればいいのだろうか。 クライマックスのドタバタはごく控えめに言っても、笑えなかった。もっと言うと、頭の悪い芸能人が書いた小説もどきにまで堕ちていった。 まるでコント台本のノベライズを読んでいるような感じ。来年あたり「芥川賞受賞作を松尾スズキ本人が映画化!」という魂胆だったのだろうか。 言いすぎだと思うけど、世の中そんなに甘くないでしょう、松尾さん。あなたほどの人ならとっくにご存知なはずなのに。 筆者は大人計画の舞台をナマで見たことがない。「だからおまえにはこの面白さがわからないんだよ!」と、鬼の首を取ったように言う人もいるだろう。しかしそれと小説はまた別の話ではないかと思う。 正直これが松尾氏の作品でなかったら、芥川賞の候補はもちろんのこと、純文学の老舗『文學界』にも掲載されていないだろう。松尾スズキを特別視している人(自分も含めて)に言いたい。 「この小説、松尾スズキじゃなかったら褒めてますか?」と。 読後してからは、腹が立つ対象は芥川賞の選考委員ではなく、松尾氏に群がる太鼓持ちのほうに変わった。 候補に挙がったとき、「面白い! ぜひ受賞してほしい!」と騒いでいた連中。そして今も「なんであげなかったんだ!」と選考委員を旧態依然扱いして非難する一部の書評家たち。 そんなに松尾氏に目を掛けてほしいのかな。贔屓倒しにもほどがあるよ! 松尾さん、悪いことは言いません。いまあなたに耳触りのいい言葉しか言わないような、あなたを甘やかす取り巻きをすべて切るぐらいの勇気を持ってください。そしてまた『同姓同名小説』や『クワイエットルームへようこそ』(本来ならこれで芥川賞を取るべきだったのに)のような素晴らしい小説を書いてください。僕は待っています。 | ||||
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こういうのを面白いと思う人もいるんだと感心し 価値観の多様性を再認識しました。 私にとっては 今まで読んだ本の中で 最低の部類です。 | ||||
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喜怒哀楽、人間の弱さ、強さ、その他もろもろが含まれている悲喜劇。すばらしい作品です。 | ||||
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芥川賞候補作。 奇病で借金、あんまのし続けでマッチョ体型に。マイナー監督の助手になりシャッター街で映画を撮る。ストーリーは奇抜この上ない。笑いどころは改稿された台本か。「マチュピチュマチュピチュ言うとった」とか「信長様も信長様じゃがねね様もねね様じゃ」とか、嫌がらせのセリフだと気づくぞ、普通。でも鉄板で笑ってしまった。 いい加減な生き方をしているように見える人たちだけど、こうしか生きられない、これがそれぞれの真剣な人生なのだ。 もし賞とったら、ホントに映画化しちゃうかもね。 | ||||
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カバーのかわいい絵(「ディアスポリス」のすぎむらしんいちが描いている!)に惹かれて買いました。 登場人物が語り手の主人公を含め問題を抱えた一筋縄でいかない人たちばかり。 「いい人」は一人も出てきません。 でも、みんなギリギリのところで何とかがんばって生きている。 その必死さがおかしくて、途中何度も吹き出しながら読みました。 同じ作者の「クワイエットルームにようこそ」も面白かったけど、今度のはクライマックスの爆発力がアップしています。 でも笑えるだけじゃなくて、読み終わった後はなんとなく心がしーんとして静かな余韻が残る。 こういうのが「小説」なんだと思いました。 ちなみにレビューのタイトルは私のことばじゃなくて、千野帽子という評論家の人がネットに書いていたのの引用です(「全篇にわたって小説の神さまが降りてきている、超のつく傑作である」)。 | ||||
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