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書架の探偵



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【この小説が収録されている参考書籍】
書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

書架の探偵の評価: 3.25/5点 レビュー 8件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(4pt)

読後にぞわぞわがない、ジーン・ウルフにしては珍しい本

しっかりミステリだし、絶対主人公のクローンが出てくると思っていたが、語りも素直だった。もしかしたらまったく気づいていない仕掛けがあるのかもしれないが、まあ普通に読めた。訳者の解説とか読みたくなることが多い作者だが、本作はシンプルだった。
書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)Amazon書評・レビュー:書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)より
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No.7:
(2pt)

またしても分かりづらい。

何が謎なのかわかりづらい。
短編で済む内容を分かりづらく書いてけむに巻く。
「なんか読み落としあったっけ?」
なんて思いながら読んでいくとそれ自体が謎を解く鍵とか。
なんで貸し出す必要があるんだ?
なんで書いていない本が存在するんだ?
結局コレットは目的を達成しないし。
警察は警察らしくないし。
都合の良いキャラクターが出てきてストーリーを進める
SF設定でもなければ作者が自分勝手にできないだけじゃねーか。
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No.6:
(4pt)

それなりにおもしろい

原題の”A Borrowed Man”は、デビュー作の”The Dead Man”を想起させるのであろうが
邦題の方が手に取る気にさせる。設定にびっくりするが、普通の話として読める。

ところで原子炉の話が出て来るのだが、東日本大震災で水蒸気爆発とメルトダウンが
起こるまでは、
私もE. A. Smitheと同じように制御棒で核分裂をコントロールできると思い込んでいた。
実際は、放射性物質ができると、「自然崩壊があるので成り行き任せ」というのが
真実に近いと、今は考えている。
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No.5:
(2pt)

ジーン・ウルフの駄作

ジーン・ウルフ的超未来…ジーン・ウルフは変わるはずのものを残し思わぬものを超進化させた奇怪な未来を描く。
そういった未来、生前に記録した記憶を移植したクローンを貸し出す図書館。空飛ぶ車がありメイドロボットもありながら、召使いや庭師として働く人間があり、男女の意識、人権意識は過去に逆行したかのような保守的さ。図書館のクローンは人権すらなく、不要となれば文字通り焼却される。人間との違いなどないのにだ。相当な心理プログラムか心理ブロックがなされているのか主人公のクローンはきみ悪いほど不満すら持たない。

とまあ、ジーン・ウルフ流なんとも奇っ怪な未来を楽しむことができる。
しかしそこを舞台にミステリは、どうにもうまく転がっていかない。この舞台が読者にはどうなっているのか予測がつかないからだ。移動にせよ、盗聴、監視にせよ、具体的に何が可能で何が不可能なのかまったくだ。途中にはミステリとは絡まないもののどこでもドア的なものさえ登場する。結果ただただ振り回されるだけで、出来損ないのアガサクリスティーのような無残な惨状だ。

この奇怪な未来舞台を彷徨ってみたいというジーン・ウルフファンなら止めはしないが、お勧めとは言い難い。読了後怒りを覚えるほどではないので星一つにはしない。
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No.4:
(1pt)

本当に2015年に書かれたのか?

現代でさえ古臭い男女観がきっついです
昔の人間の複生体の主人公はともかくなんで人間で近未来で生まれて育ったコレットまで男尊女卑的言動なの?
ストーリーもそんなに面白くないしミステリとして見ても凄いトリックがある訳でもないし読まなきゃ良かったです
キャラも魅力的じゃない。地の文とはいえコレットに対してやっと愛でる余裕が生まれたとか描写してる主人公がキモい。
中盤から仲間になる男女二人組はわりと好きです
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No.3:
(3pt)

おすすめ、ではない

残念なことに、ジーン・ウルフの過去の傑作の数々、「」「」「」らと比べると、大きく劣る作品である。

2015年に書かれた作品で、舞台は21世紀から100年超後の地球(22世紀?)なのだが、出てくるガジェット、携帯電話、自動運転車、I.D.認証、カードキー、ネット検索、などは2017年に実在するものよりローテクではないのかというものばかりで、感性の古さを感じさせてしまう。
話自体はSFミステリーだが特に面白いトリックやプロットがあるわけでもない。
幻想とゴシックの作家ジーン・ウルフの作品とは思えず、完全に筆のすさびといった感じだ。

初めてジーン・ウルフを読む人にはおすすめしないし、過去のジーン・ウルフの傑作と同じレベルを期待する人にはもっとおすすめしない。
期待して読んだだけに残念だった。
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No.2:
(5pt)

図書館から貸し出された「本になった男」

ぼくたちは、一世紀も二世紀も前の古い時代の探偵小説を図書館から借り出して、
今でも喜んで読んでいます。

しかし、未来のぼくたちは、どうでしょうか?
現代のミステリー小説は、来世紀の人たちに喜んで読んでもらえるでしょうか?

この作品は、そんな未来への問いに応えたSF小説です。
この作品は「本になった男」が主人公の物語です。

彼は、あるミステリー作家が書いた本の「リクローン」なんです。
ミステリー作家自身のクローンではありません。

時は、二十二世紀。
彼は、本の情報をスキャンして取り込んだ情報を自分の記憶として持つ生命体。
シャワーも浴びるし、顔も洗う。トイレにも行く。マットレスの上で眠る生き物です。
彼はまるで人間のようですが、「本」なのです。だから、図書館に住んでいるのです。

彼は、ある日、一人の女性に「貸し出されます」。彼は「本」なのだから、当たり前。

彼女の父と兄はミステリアスな死に方をしました。
父の金庫の中には、そのミステリー作家が書いた本だけが数冊入っていました。
彼女は、本の「リクローン」である彼が、父と兄の「死の謎」を解いてくれるものと
期待したのです。

ミステリー作家は、探偵についての物語を書いただけの人間に過ぎなかったのです。
揺り椅子に座ったまま、きせるをふかすアームチェア探偵のように。

だから、「リクローン」の彼が持っている探偵世界の知識も、一世紀以上も前の
(二十一世紀の)知識だったのです。完全に時代遅れになった古い知識で、
何の役にも立たないものだったのでした。

以上のあらすじには、重大なうそが隠されています。
父の金庫の中に残されていたのは、本だけではなかったのです。

とにかく、最後までほんとうにおもしろく読めた作品でした。
文句なく星五つ。
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No.1:
(5pt)

ウルフとしてこれまでにないエンタメ感、でもやっぱりウルフらしい

物語の楽しさを色々な形で(しかも知的に!)我々に示し続けてきてくれたジーン・ウルフの御歳84にしての作品は、これまで以上に明確にエンタテインメント感の強いSFミステリでした。

いつもはゆっくりと何日かに分けて読みたいウルフ作品ですが、今回は文章を味わう以上に、ストーリーを追いかけたい気持ちが強く一気読みしてしまいました。面白かった!そして...ウルフらしい!

「SFミステリ」として考えたら、動機付けやSF的状況の利用の仕方など、もっとスマートにできたろうに、と思う箇所はたくさんあります。
これを作品の粗と普通に捉えるべきなのかもしれませんが、この作家の愛読者としての贔屓目が働くのか、いかにもジーン・ウルフらしいゴツゴツした手触り、なめらかに流してしまっては味わえない滋味としか思えないのです。

作家と作品の関係についての登場人物の述懐や、キーになる書物についての「作品」レベルの扱いの薄さなど、自ら作家であるウルフの本心なのかなぁという興味もひきます。また、どの作品にあってもかすかに感じられるミソジニーの裏返しのような描写が今作にもあり、おじいちゃんになっても本質は変わらないのだと微笑ましく思えたりもします。

もちろん、ストーリーそれ自体も十分楽しめる内容なので、この作家の初読者が、ストーリーの紹介だけから興味を持ち読んだ場合でも満足のいく作品だと思います。
ただ、本当に大満足を得られるのは、過去作品を存分に楽しんできた方たちかもしれません。
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