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(短編集)
鴨川食堂
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鴨川食堂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 41~43 3/3ページ
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京都を主として、旅の宿や食などの数々のエッセイや、 柏木圭一郎名義でのミステリーシリーズは、本作品を 生み出す為のアプローチだったのかと思わせる。 それほどに完成された短編小説集である。 鴨川食堂というタイトルから、先ずは鴨川という場所を 想起させるが、そこから肩透かしを食わせるところで、 最初にジャブを浴びる。 依頼人が最初に食べる京料理は、京都をテーマにした、 新書のエッセイを彷彿させ、依頼人が捜査を依頼する、 B級グルメは、ローカルグルメの旅などの新書を思わせる。 そして謎解きのプロセスは、星井裕シリーズで鍛えられたのだろう。 柏井壽という作家の集大成として書かれた短編小説。 ホロリと、シンミリとさせて、オチで晴れやかになり、 読後感はすこぶる心地よい。 続編を期待してやまない。 | ||||
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「思い出の『味』捜します」 帯に書かれた文字に不思議な興味をそそられる。著者の柏井壽氏は京都で歯科医を開業する傍ら、京都をはじめ全国の「食」と「宿」を紹介してくれる文化案内人である。氏の著作はいずれも愛読している。 柏木圭一郎という名前でも数々のミステリー小説を書いておられるが、今回は少し趣の違う短編小説集。思い出の中にある、もう一度食べたい「あの料理」を数少ない手がかりの中から再現してくれる料理人、鴨川流とその娘のこいし。六話ある話を一気に読んでしまうのはもったいなくて、毎日一話づつ、それこそ味わうようにして読んだ。 どの話を読んでも、心がほっこりと暖まり、そのお料理が食べたくなるから不思議だ。もちろんこれは小説なので「鴨川食堂」なるものが実在するわけではないだろうが、京都には“ひょっとしたら、こんなお店があるかも?”とつい思わせる不思議さがある。 慌ただしいウイークデイではなく、休みの日の午後にゆったりと楽しんで読まれることをおススメしたい。くれぐれも一気に読まないように(笑) | ||||
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敬愛する京都マイスター柏井壽さんが本名で初めて書かれた小説。 柏井さんの作品はすべて読ませていただいている。「京料理の迷宮」に始まり、食をテーマに四季それぞれの京都を巡る旅案内、そして最近刊行された「日本百名宿」。いずれも京都人の感性と見識が随所に表れ、時に思わず姿勢を正す。 今回の「鴨川食堂」は、鴨川ではなく東本願寺の傍らにあり、鴨川というのはこの食堂の主の名前。 料理専門誌に掲載された<食、捜します>というたった一行の広告を見て訪れる6人の依頼人。店の看板を外したしもた屋風の何の変哲もない食堂が鴨川食堂である。依頼人の思い出に残る断片的なキーワードを頼りに、食堂の主である鴨川流さんが得意の推理と捜査を行ない、<食>を探し当てて再現する。 思い出の<食>に再会することで依頼人は人生に句読点を打ち、新たな一歩を踏み出す。 流さんは料理を再現するだけでなく、明日からの人生に「ひと味付けて」送り出してくれるのである。 鴨の流れは京都の象徴なので、鴨川の姓を持つ流さんは、いわば京都人の典型である。見た目は偏屈だが、関わってみると大変なおせっかいで心の暖かな人情家。鴨川食堂の親娘の会話は京都の街で交わされるまさに地の言葉。思わずにんまりしてしまう。 四話まで読んでしまって後悔している。あと二話しか残っていない^^; もったいないから、明日にお取り置きしました。 乞う続編。 | ||||
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