楽園

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評判

楽園の評価:

3.76/5点 レビュー 232件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.76pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全278件 261〜278 14/14ページ
No.18
(3pt)

コンスタントな実力はあるが

誤解無く断っておくと、私は宮部みゆきファンである。ほとんどの作品はよんでいる。これについては連載中は読んでないからわからにけど、これは冗長すぎる。火車・理由・模倣犯のときの絶頂感、期待感をもつと残念となる。どうしようもないものを抱えて人は生きている。それを語らせるとうまいけれど、名も無き毒あたりから少しパターン化してないか?SFあり、推理あり、時代物あり、平成の松本清張と言わしめて異論はないと思っていた。おつきの編集者さんしっかりね。
多くのコメントにあるように模倣犯を読まないと少しピンぼけになります。
思わず買いましたが、きっと宮部さんのことだから文庫にもなるだろうけど、
ブックオフにも宮部さんの本が105円で並んでいることはまずない。
そういう読者の期待感を、抱かせているのに、今回は斜陽感がいなめなかった。
楽園 上 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園 上 (文春文庫)より
4167549077
No.17
(5pt)

上巻は星5つつけたが・・・・・

9年前の事件−『模倣犯』−に関わったライター前畑滋子のもとに奇妙な依頼が持ち込まれる。12歳で事故死した少年・萩谷等に超能力があったのではないか。彼は隠蔽されてきた少女殺害事件を、発覚前に「絵」の形で予知していたという。彼は他にも多くの不思議な「絵」を残していた。彼の死後それに気づき驚いた母親・敏子が、息子の能力の真偽を調べてほしいと頼み込んできたのだ。

9年前の事件で大きなダメージを受けた前畑の再起、等の超能力の謎、息子を失い大きな悲しみを背負った敏子の「喪の仕事」、そして少女殺害の真相・・・などの要素が絡む。

(以下、内容にふれています)
上巻は、まるまる一冊等の「絵」、能力の謎に費やされるから驚く。宮部作品にはすでに超能力を扱った著作があるが(『龍は眠る』『クロスファイア』など)、超能力の検証にここまでページを割くような作品ではない。『模倣犯』での暴走を悔いる前畑の慎重ぶりが伝わり、徐々に謎に迫っていく過程にぞくぞくさせられ怖いような迫力があった。特殊能力を持つ人間(しかももう彼はこの世にはいない・・・)の悲哀が溢れ、前半のクライマックスとしてずっしり重い。だが少女殺害事件に重きを置いて読むならば、とんでもないスロースタートだ。
少女殺害事件の核心になかなか近づかないのは、前畑と敏子の心の機微、敏子の家の歴史などもかなり突っ込んで書かれているせいもある。なんとまあ今回も丁寧すぎる程に細かいことを書き込んでいているなあ、と感じる。このあたりは好みが分かれるだろうが、後でじわじわ効いてくるのでこらえて読んでいただくとよいと思う。・・・とは書いたものの、事件の方がぼやけてしまった感はあり、なんだかもやもやするんだなあ・・・(下巻のレビューに書きます)
楽園 上 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園 上 (文春文庫)より
4167549077
No.16
(4pt)

もやもや

12歳で事故死した萩谷等が生前に幻視したと考えられる事件−両親による土井崎茜という少女の殺人・死体遺棄事件−の真相に迫る下巻。両親は茜の非行に悩まされていたという。事件はすでに時効を迎えた。だが16年もの間隠されていたこの事実を突然知らされた茜の妹・誠子は、両親が姉を殺害した本当の理由が知りたいと、本作の主人公・前畑滋子に依頼する。等の母・敏子に頼まれて彼の超能力の真偽を調べていた前畑は、等の能力、殺人事件の両方と真正面から向き合っていくことになる。その過程で、読者も問いかけられる。家族に逸脱者がいるとき、止めなれない流れにすくいとられているとき、どうすればいいのか・・・
率直に言って、もやもやとしたところに取り残されたような読後感がある。宮部氏は『楽園』について、文春のインタビューでこう話していた。「(問題)提起するというより、私はこう思う、こう解決して行きましょうと言えないから、『私、こういうこと、難しくて分からないんですよ』と、問うように書くことを繰り返している気がします」 これを読み、宮部さんの人としての誠実さ・慎重さが裏目に出てるんじゃないかなあという気がした。
終盤、臨場感のあるクライマックスを回避した点、殺害の真の動機がいまひとつ腑に落ちない点などが気になったが、一番には、茜の家族が結局はどういう人たちだったのか掴めないのが不満であったように思う。特に物語に頻繁に出てくる妹・誠子が書ききれていない気がした。生きている家族の姿を通してこそ、死んだ茜の存在・悲しみが浮かび上がってくるはずだと思うのだが・・・ 
前畑がダメージから回復し、また敏子に笑顔が戻ったことは救いだったが、土井崎家と敏子、両者がうまく融合せず、どっちつかずの感も否めなかった。
楽園 下 Amazon書評・レビュー: 楽園 下より
4163263608
No.15
(1pt)

う〜ん

どうなんでしょう?
宮部さんの最新作、帯の謳い文句に「期待大」で読んだのですが、こちらの期待が大きすぎました。
宮部さんの作品って、もっともっと意外性、クライマックス、どんでん返しがあるはずなのに・・・
私好みの作品では無かったという事もあると思います。
この作品を読み終えて、もう詳細を忘れてしまった「模倣犯」の存在が大きくなりました。
「模倣犯」をもう一度読もうかなって感じです。
楽園 下 Amazon書評・レビュー: 楽園 下より
4163263608
No.14
(3pt)

コンスタントな実力はあるが

誤解無く断っておくと、私は宮部みゆきファンである。ほとんどの作品はよんでいる。これについては連載中は読んでないからわからにけど、これは冗長すぎる。火車・理由・模倣犯のときの絶頂感、期待感をもつと残念となる。どうしようもないものを抱えて人は生きている。それを語らせるとうまいけれど、名も無き毒あたりから少しパターン化してないか?SFあり、推理あり、時代物あり、平成の松本清張と言わしめて異論はないと思っていた。おつきの編集者さんしっかりね。
多くのコメントにあるように模倣犯を読まないと少しピンぼけになります。
思わず買いましたが、きっと宮部さんのことだから文庫にもなるだろうけど、
ブックオフにも宮部さんの本が105円で並んでいることはまずない。
そういう読者の期待感を、抱かせているのに、今回は斜陽感がいなめなかった。
楽園〈上〉 Amazon書評・レビュー: 楽園〈上〉より
4163262407
No.13
(5pt)

上巻は星5つつけたが・・・・・

9年前の事件−『模倣犯』−に関わったライター前畑滋子のもとに奇妙な依頼が持ち込まれる。12歳で事故死した少年・萩谷等に超能力があったのではないか。彼は隠蔽されてきた少女殺害事件を、発覚前に「絵」の形で予知していたという。彼は他にも多くの不思議な「絵」を残していた。彼の死後それに気づき驚いた母親・敏子が、息子の能力の真偽を調べてほしいと頼み込んできたのだ。
9年前の事件で大きなダメージを受けた前畑の再起、等の超能力の謎、息子を失い大きな悲しみを背負った敏子の「喪の仕事」、そして少女殺害の真相・・・などの要素が絡む。
(以下、内容にふれています)
上巻は、まるまる一冊等の「絵」、能力の謎に費やされるから驚く。宮部作品にはすでに超能力を扱った著作があるが(『龍は眠る』『クロスファイア』など)、超能力の検証にここまでページを割くような作品ではない。『模倣犯』での暴走を悔いる前畑の慎重ぶりが伝わり、徐々に謎に迫っていく過程にぞくぞくさせられ怖いような迫力があった。特殊能力を持つ人間(しかももう彼はこの世にはいない・・・)の悲哀が溢れ、前半のクライマックスとしてずっしり重い。だが少女殺害事件に重きを置いて読むならば、とんでもないスロースタートだ。
少女殺害事件の核心になかなか近づかないのは、前畑と敏子の心の機微、敏子の家の歴史などもかなり突っ込んで書かれているせいもある。なんとまあ今回も丁寧すぎる程に細かいことを書き込んでいているなあ、と感じる。このあたりは好みが分かれるだろうが、後でじわじわ効いてくるのでこらえて読んでいただくとよいと思う。・・・とは書いたものの、事件の方がぼやけてしまった感はあり、なんだかもやもやするんだなあ・・・(下巻のレビューに書きます)
楽園〈上〉 Amazon書評・レビュー: 楽園〈上〉より
4163262407
No.12
(3pt)

前畑滋子は帰ってこなかった?

本の帯のキャッチコピー「模倣犯から9年−前畑滋子 再び事件の渦中へ」
これだけで充分この本をレジ台に持って行かせてしまう力があるうまいコピーかもしれない。
それだけ「模倣犯」は日本の犯罪ミステリー小説のなかで、高村薫の「マークスの山」と並んで
抜きんでた作品だと思う。(まだお読みでない方は是非一読を)
とすれば、当然前作と比較してしまうのが人情だろう。そして読了後残念ながらがっかりしてしまう。「あの前畑滋子はどこに行ったのか?」と言うより「あの網川浩一(模倣犯のもう一人の主人公)はどこにいるのか?」と考えてしまう。前作で猟奇的な殺人を次々犯してゆく犯人の内面を、一枚一枚はがして調べてゆく犯罪捜査の素人である雑誌ライター。そして最後のクライマックスの対決。これ程の作品は、生み出した作者でも超えられないものかと思う。
一番気にくわないのが、超能力がベースとなっていること。宮部作品には優れた超能力者作品が多くあるのだからそちらで書けばいいのに・・・。
いっそのこと網川浩一を超えるような事件を起こす殺人者が前畑滋子に挑戦してくるというようなハリウッド映画の続編のほうがおもしろかったかもしれない。
最近の宮部作品の「どんなありふれた家庭にも隠された過去や秘密がある」事を「たまたま」調べるはめになるのは〔名もなき毒〕の社内報編集者に任せておけばいいのでは。
楽園 上 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園 上 (文春文庫)より
4167549077
No.11
(3pt)

前畑滋子は帰ってこなかった?

本の帯のキャッチコピー「模倣犯から9年−前畑滋子 再び事件の渦中へ」
これだけで充分この本をレジ台に持って行かせてしまう力があるうまいコピーかもしれない。
それだけ「模倣犯」は日本の犯罪ミステリー小説のなかで、高村薫の「マークスの山」と並んで
抜きんでた作品だと思う。(まだお読みでない方は是非一読を)
とすれば、当然前作と比較してしまうのが人情だろう。そして読了後残念ながらがっかりしてしまう。「あの前畑滋子はどこに行ったのか?」と言うより「あの網川浩一(模倣犯のもう一人の主人公)はどこにいるのか?」と考えてしまう。前作で猟奇的な殺人を次々犯してゆく犯人の内面を、一枚一枚はがして調べてゆく犯罪捜査の素人である雑誌ライター。そして最後のクライマックスの対決。これ程の作品は、生み出した作者でも超えられないものかと思う。
一番気にくわないのが、超能力がベースとなっていること。宮部作品には優れた超能力者作品が多くあるのだからそちらで書けばいいのに・・・。
いっそのこと網川浩一を超えるような事件を起こす殺人者が前畑滋子に挑戦してくるというようなハリウッド映画の続編のほうがおもしろかったかもしれない。
最近の宮部作品の「どんなありふれた家庭にも隠された過去や秘密がある」事を「たまたま」調べるはめになるのは〔名もなき毒〕の社内報編集者に任せておけばいいのでは。
楽園〈上〉 Amazon書評・レビュー: 楽園〈上〉より
4163262407
No.10
(2pt)

何だか物足りない・・・。

まず、「模倣犯」とは語り口からして全く別物と思った方が良いです。
「名も無き毒」もそうですが、なんとも軽快な語り口というか文体というか・・・「火車」や「理由」のような重厚さをまた期待して購入したのですが・・・残念。
物語も今ひとつパッとしませんでした。正直、上巻の中程で一度投げ出したくらいです。
もう一度「火車」「理由」の重厚な社会サスペンスや「孤宿の人」のような圧倒的な世界を見せて欲しいものです・・・。
楽園 下 Amazon書評・レビュー: 楽園 下より
4163263608
No.9
(3pt)

のめりこみました。。。が。

時代ものをあまり読まないので、久しぶりの宮部作品。
「名も無き毒」以来かな?
語りの上手さでイッキによめました。
ですが、やはり、もの足りない。。。
うまくまとまっているぶん、
それがこぢんまりとまとまっているように
感じてしまうのは、ちとつらかった。
上巻がおわったときに、“これは!”と思ったのですが。。。
「名も無き毒」を読み終わったときのもの足りなさと似ていました。
宮部さんは、もうずっと、こんな感じでいくのでしょうか。
楽園 下 Amazon書評・レビュー: 楽園 下より
4163263608
No.8
(4pt)

良かったけれど…

大好きな宮部作品、しかもあの模倣犯の前畑滋子が主人公ということで早速読みましたが、なんかものたりません。特に最大の山場を手紙形式にしたことで、わりとあっさりめになってしまいましたね。茜が殺されるに至る事情はまさに胸がつまりますが、結局誰も救われない感じ。あと前畑さんのご主人の昭二さん、模倣犯では兄夫婦とか義姉という言葉がでてくるのにこちらでは一人っ子と書かれていて違和感が。
楽園 下 Amazon書評・レビュー: 楽園 下より
4163263608
No.7
(5pt)

展開の大きなうねり

物語の展開の大きなうねりが、どうも伺えない。点と点が細切れの中でかろうじてつながっているあやうさがある。それが妙味と言えば、妙味だが、読むものの心を大きく動かすかと言えば、否であると言わざるをえない。
楽園 下 Amazon書評・レビュー: 楽園 下より
4163263608
No.6
(5pt)

何が出てくるか

先を読むことができる少年が、いまは亡いという設定が、異色だ。少年への思いを遂げたい母親と、母親に頼まれて事実を極めようとするフリーライターが、調べを尽くすたびに、何が明かされるか、とてもおどろおどろしい。断章との接点は、上巻では明らかにならない。下巻に大いに期待したい。
楽園 上 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園 上 (文春文庫)より
4167549077
No.5
(4pt)

このレビューは、上巻をお読みになったあとでご覧ください。

親がわが子を手にかけるのに、どんな「理由」があるだろうか。
それが上巻でははっきりしなかった。
どんな理由があっても絶対にしてはならないことを
なにが引き金になって行われたんだろうか。
「カッとなって」とか「ほんのハズミで」とか
そんな理由は宮部みゆきの小説には存在しない。
そのやりきれない理由が下巻で明かされる。
涙をこらえながら読んだ先に、少し光が見えて救われました。
ただ、これは「模倣犯」を読んだ上で読まれたほうがいいと思いますよ。
楽園 下 Amazon書評・レビュー: 楽園 下より
4163263608
No.4
(5pt)

何が出てくるか

先を読むことができる少年が、いまは亡いという設定が、異色だ。少年への思いを遂げたい母親と、母親に頼まれて事実を極めようとするフリーライターが、調べを尽くすたびに、何が明かされるか、とてもおどろおどろしい。断章との接点は、上巻では明らかにならない。下巻に大いに期待したい。
楽園〈上〉 Amazon書評・レビュー: 楽園〈上〉より
4163262407
No.3
(4pt)

「模倣犯」から9年…床下の少女と、彼女を「知る」少年を結ぶ点と線!!

宮部さんの代表作「模倣犯」の中で、フリーライターとして事件を取材し
深く関わり、犯人を追い詰めると同時に自らも追い込んでいた前原繁子。
事件直後の嵐のような日々は去り、今は穏やかにマイペースで仕事をして
夫との生活も修復しつつある。そんな滋子を訪ねてきた一見、愚鈍そうな女性は、
交通事故で死んだ自分の息子には、予知能力があったと思うのだが、という話を持ち込む。

絵が好きだった息子の作品の中には、息子が死んだあとに世間をにぎわせた
家の床下に娘の死体を15年間隠していたという事件を思わせる絵があったのだという。
特徴のある風見鶏のついた家の中で、灰色に塗りつぶされた長い髪の少女の絵。
確かにそれは、床下に娘を隠していた事件に該当する家とよく似ていた。
しかし、少女の遺体が発見されたのは、絵を描いた少年の死んだ後だった。
少年は、床下の秘密を知っていたのか? それとも、本当に予知能力がこれから
発覚する事件を見破って、この絵を描かせたのか。

滋子は、「模倣犯」の事件のときのつてで警察関係者に話を聞いたり、少年や
床下に隠されていた少女の生きていたころの話を調べ始める…

ということで、ぐんぐん引き込まれて一気に上巻、読みきりました。
気になるところで切れているので下巻も一緒に買うほうがいいと思います。
また「模倣犯」を読んでいなくても十分ドキドキする話でのめりこめますが、
登場人物たちが「あの事件のときは」とか「あの残酷な事件では」みたいに
話題にちょくちょく出しているので、そちらを読んでいるほうがより
楽しめるのは間違いありません。もし「模倣犯」をまだ読んでいなければ
そちらを先に読むのもよし、逆に「楽園」を読んだイキオイで興味を持って
「模倣犯」を読んで、こんな事件だったんだ、と驚愕するのもあり、だと
思います。
楽園 上 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 楽園 上 (文春文庫)より
4167549077
No.2
(4pt)

前畑滋子が素敵になってたのは、よかった。

「模倣犯」では真犯人を幼稚なやり方で追い詰めたり、稚拙な探偵風であまり
好きになれなかったフリーライターの滋子が再びある事件に対峙する話らしい、と
知って、最初はあまり読む気にならなかったのだけど(「模倣犯」も、真犯人の
破滅シーンが唐突過ぎて無茶だな、と思った。回収されない伏線もあったし)、
ついつい手にとってしまった。
半日、ほかの事を何もせずに上下一気読み。
今回は、二組の、子どもが既に死んでいる親子の真実に滋子が迫る。
カリスマ性のある家長に抑圧されて育った頼子という中年女性と
絵がうまかったけれど交通事故で死んでしまった息子の等。
不良少女だった娘を殺害してしまった両親と、両親に殺されて、
床下に時効まで埋められていた15歳の茜。
火事で焼けた家から、茜の遺体が出てきて、すべてが明るみになる。
その事故現場は、茜一家と何も接点が無いはずの少年・等のスケッチ
ブックに克明に描かれていた…
滋子は、生前の等のことを調べるうちに、ある「接点」に気づき
真相に迫っていく…
「理由」や「模倣犯」のように、本筋に関係ない人物や伏線にページを
割くこともなく、最後まで物語の背骨がぶれることなく読めました。
劇場型の派手な事件を扱った「模倣犯」と比べて、親子の絆とか
家族は家族の犯罪を裁けるか、みたいな地味なテーマですが、
最後まで飽きることなく読めました。
「模倣犯」のときは、とにかく体当たりで首を突っ込む滋子の取材姿が
ウザいな、と読んでいてイライラしたのですが、今回は、ハッタリを
かますのも人の話を黙ってガマンして聞くのもすごく上手になっていて
その成長ぶりとたくましさが物語を肉厚に魅力的にしていました。
楽園 下 Amazon書評・レビュー: 楽園 下より
4163263608
No.1
(4pt)

「模倣犯」から9年…床下の少女と、彼女を「知る」少年を結ぶ点と線!!

宮部さんの代表作「模倣犯」の中で、フリーライターとして事件を取材し
深く関わり、犯人を追い詰めると同時に自らも追い込んでいた前原繁子。
事件直後の嵐のような日々は去り、今は穏やかにマイペースで仕事をして
夫との生活も修復しつつある。そんな滋子を訪ねてきた一見、愚鈍そうな女性は、
交通事故で死んだ自分の息子には、予知能力があったと思うのだが、という話を持ち込む。
絵が好きだった息子の作品の中には、息子が死んだあとに世間をにぎわせた
家の床下に娘の死体を15年間隠していたという事件を思わせる絵があったのだという。
特徴のある風見鶏のついた家の中で、灰色に塗りつぶされた長い髪の少女の絵。
確かにそれは、床下に娘を隠していた事件に該当する家とよく似ていた。
しかし、少女の遺体が発見されたのは、絵を描いた少年の死んだ後だった。
少年は、床下の秘密を知っていたのか? それとも、本当に予知能力がこれから
発覚する事件を見破って、この絵を描かせたのか。
滋子は、「模倣犯」の事件のときのつてで警察関係者に話を聞いたり、少年や
床下に隠されていた少女の生きていたころの話を調べ始める…
ということで、ぐんぐん引き込まれて一気に上巻、読みきりました。
気になるところで切れているので下巻も一緒に買うほうがいいと思います。
また「模倣犯」を読んでいなくても十分ドキドキする話でのめりこめますが、
登場人物たちが「あの事件のときは」とか「あの残酷な事件では」みたいに
話題にちょくちょく出しているので、そちらを読んでいるほうがより
楽しめるのは間違いありません。もし「模倣犯」をまだ読んでいなければ
そちらを先に読むのもよし、逆に「楽園」を読んだイキオイで興味を持って
「模倣犯」を読んで、こんな事件だったんだ、と驚愕するのもあり、だと
思います。
楽園〈上〉 Amazon書評・レビュー: 楽園〈上〉より
4163262407