坂の途中の家

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評判

坂の途中の家の評価:

3.72/5点 レビュー 137件。 B ランク

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平均点3.72pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全175件 121〜140 7/9ページ
No.55
(4pt)

衝撃。

角田光代さんの本は大好きでいつも読んでいますが、こちらは本当になんというか共感出来たり、自分を振り返る本になりました。私はまだ20代で結婚、子供もいません。しかし、こちらで描かれている表面化しない大切だと思っている相手への言葉の攻撃。なんだか思い当たる部分が多いなと感じました。角田光代さんの中では序盤は単調だなと感じましたが、読了後の喪失感は断トツであると思います。いつか自分が結婚し、子を持つときに備えて勉強させられ振り返るべき点が見えてためになったと心から思います。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.54
(4pt)

衝撃。

角田光代さんの本は大好きでいつも読んでいますが、こちらは本当になんというか共感出来たり、自分を振り返る本になりました。私はまだ20代で結婚、子供もいません。しかし、こちらで描かれている表面化しない大切だと思っている相手への言葉の攻撃。なんだか思い当たる部分が多いなと感じました。角田光代さんの中では序盤は単調だなと感じましたが、読了後の喪失感は断トツであると思います。いつか自分が結婚し、子を持つときに備えて勉強させられ振り返るべき点が見えてためになったと心から思います。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.53
(5pt)

角田光代のテーマをさらに現実的に反映させた作品

これまでの角田光代の作品、「空中庭園」「対岸の彼女」「八日目の蝉」などに出てくる主人公というのは、至って普通そうに見えるが、しかし実は大きな問題と違う価値観を孕んでいる人たち。今回の作品はそれを更に具体化し、私たちに疑問を投げかけてくる、とても考えさせられる作品でした。

多くの人が、対岸の彼女や八日目の蝉を始め、今回の作品でも「感情移入できない」「理解できない」と言っても過言でないと思います。私も、子供がいるわけでもなければ、この作品の人間たちの感情を全く理解できるわけではないです。しかし、それは自分が見ていない世界や価値観であって、存在していないものではない。決して水穂や里沙子のような、「ひどい」と思われる母親が、いないわけではない。ありえなくもない。そういった受け入れ難くも現に存在するかもしれない価値観に、この作品は光を当て、私たちに疑問を投げかけてきます。「もしかしたら、水穂は自分のことかもしれない。」と。

確かに、結末があっさりしているように見えるが、そこがかえって、この本の中の問題だけでなく、私たちの生活の中にも、この作品の中で出てくるような「陰」が隠れており、それを皆軽く装っているだけなのだと、言っているように感じました。

重くて辛い話でしたが、沢山のことを考えさせてくれる、素晴らしい作品である、と私は思い、五つ星をつけました。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.52
(5pt)

角田光代のテーマをさらに現実的に反映させた作品

これまでの角田光代の作品、「空中庭園」「対岸の彼女」「八日目の蝉」などに出てくる主人公というのは、至って普通そうに見えるが、しかし実は大きな問題と違う価値観を孕んでいる人たち。今回の作品はそれを更に具体化し、私たちに疑問を投げかけてくる、とても考えさせられる作品でした。

多くの人が、対岸の彼女や八日目の蝉を始め、今回の作品でも「感情移入できない」「理解できない」と言っても過言でないと思います。私も、子供がいるわけでもなければ、この作品の人間たちの感情を全く理解できるわけではないです。しかし、それは自分が見ていない世界や価値観であって、存在していないものではない。決して水穂や里沙子のような、「ひどい」と思われる母親が、いないわけではない。ありえなくもない。そういった受け入れ難くも現に存在するかもしれない価値観に、この作品は光を当て、私たちに疑問を投げかけてきます。「もしかしたら、水穂は自分のことかもしれない。」と。

確かに、結末があっさりしているように見えるが、そこがかえって、この本の中の問題だけでなく、私たちの生活の中にも、この作品の中で出てくるような「陰」が隠れており、それを皆軽く装っているだけなのだと、言っているように感じました。

重くて辛い話でしたが、沢山のことを考えさせてくれる、素晴らしい作品である、と私は思い、五つ星をつけました。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.51
(5pt)

自分の中で負が拡大する感じ

子供を虐待死させた事件の補充裁判員に選ばれた主人公は、被告人と同じ、娘を持つ母親だ。
物語は裁判が進むに連れ、主人公が心理的に追い込まれていく様子を、ありがちなモチーフを散りばめて綴られている。

主人公のそれまでの生活も、
『坂の途中』や『補充』といった位置付けが、欠陥では無いが、信じることだけで構築されていた中途半端な幸福感の中に暮らしていたことを予見させる。

それが裁判員となったことで、どんどん気付かされてしまい、視野が狭められていく。

裁判員制度は選ばれたという表現を使うから、自分を過大評価してしまう人がいるらしい。
主人公もこの時点でアメを貰っているから、自分が経験したことの無い特殊な環境にいるのに、馴染みのある人々や、
自分と同じ母親である被告人の言葉に心を支配されていくのだろう。
よく理解できるから耳に入るし、思考力があるから、こだわるほどに考えてしまう。
つまり、彼女の知性が偏った結果がムチになってしまうのだ。

調書を読みこなす自信も、現場写真やイラストを見る自信も無い自分だが、今回は角田光代という真綿に首を絞められたままで結末を迎えた。

今日もそろそろお母さんたちが、子供を乗せた自転車で街を駆け抜ける時間だ。
みなさん、ご安全に!
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.50
(4pt)

一週間かかりました。

主人公の里沙子の、心理描写、こどもに対する複雑な思い、自分自身が娘を育ててきて
いろいろなことが思い出され あまりにも苦しくて苦しくて 読み進むことがなかなかできず
ようやく読み終わり、胸のなかのどっしりとした重みをどうしたらいいやら ・・・

自分自身、暴力と罵倒のなかで育ちました。だから実家とは疎遠です。
でも 親は今は罪滅ぼしのつもりか、経済的援助をしてくれてます。そのことにも自分に嫌悪感を感じます。

私はこどもをうむつもりはまったくありませんでした。
暴力で育てられた自分はきっと同じことをする、確信がありました。
被告人の女性も、里沙子も実家とはうまくいっていません。
そのことも 身に染みてあらためて苦しくなりました。

娘を産んだ以上 責任をもって育てなければいけない
その思いが、「かわいい」「いとおしい」と思う以上に大きい。
娘が中学生になったいまも その気持ちはあります。
小さいころ保育園から帰り、ぐずる娘にいらいらして手がでたこともありました。
虐待まがいのこともしました。
今 中学生になった娘に あのころはごめん、と謝っています。
でももう遅いような気がしてなりません。
3歳児くらいまでのお子さんを育てるお母さんの環境がお母さんにとっても
お子さんにとってもおだやかなものであるよう、まわりのケアが充実していくよう願ってやみません。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.49
(4pt)

一週間かかりました。

主人公の里沙子の、心理描写、こどもに対する複雑な思い、自分自身が娘を育ててきて
いろいろなことが思い出され あまりにも苦しくて苦しくて 読み進むことがなかなかできず
ようやく読み終わり、胸のなかのどっしりとした重みをどうしたらいいやら ・・・

自分自身、暴力と罵倒のなかで育ちました。だから実家とは疎遠です。
でも 親は今は罪滅ぼしのつもりか、経済的援助をしてくれてます。そのことにも自分に嫌悪感を感じます。

私はこどもをうむつもりはまったくありませんでした。
暴力で育てられた自分はきっと同じことをする、確信がありました。
被告人の女性も、里沙子も実家とはうまくいっていません。
そのことも 身に染みてあらためて苦しくなりました。

娘を産んだ以上 責任をもって育てなければいけない
その思いが、「かわいい」「いとおしい」と思う以上に大きい。
娘が中学生になったいまも その気持ちはあります。
小さいころ保育園から帰り、ぐずる娘にいらいらして手がでたこともありました。
虐待まがいのこともしました。
今 中学生になった娘に あのころはごめん、と謝っています。
でももう遅いような気がしてなりません。
3歳児くらいまでのお子さんを育てるお母さんの環境がお母さんにとっても
お子さんにとってもおだやかなものであるよう、まわりのケアが充実していくよう願ってやみません。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.48
(5pt)

今は書くもの全部が代表作だよ

怖い怖い。裁判員になったような気がした。ものすごいバーチャルリアリティー。
それに、犯罪のテーマもハマりすぎ。ちょうどこの前、しつけのために親が子供を置き去りにする事件があった。現代に恐ろしくリンクした小説だ。
 角田さん、小説家としてのりまくっている。文学賞もあらかた取りきってしまったし、出版するたびに『代表作』クラスの迫力作品ばかりだ。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.47
(5pt)

今は書くもの全部が代表作だよ

怖い怖い。裁判員になったような気がした。ものすごいバーチャルリアリティー。
それに、犯罪のテーマもハマりすぎ。ちょうどこの前、しつけのために親が子供を置き去りにする事件があった。現代に恐ろしくリンクした小説だ。
 角田さん、小説家としてのりまくっている。文学賞もあらかた取りきってしまったし、出版するたびに『代表作』クラスの迫力作品ばかりだ。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.46
(5pt)

なかなかの力作

補欠裁判員に選ばれた子持ちの主婦(33歳、夫あり、娘3歳)が、
自分と同じような環境の被告が子供を殺した事件を通して、
自分と重ねて考えていく、という物語です。

角田光代さんの本は好きです。
私は「紙の月」より良かったです。
この後の主人公(里沙子)もまた知りたくなりました。

うちは子供がいませんが、私も専業主婦だからか、
主人公の気持ちに共感することができました。

子育てだけの問題でなく、妻(被告や主人公)と夫、妻と義母・義家族、妻とその母・家族、
との関係性が深く書かれています。
また裁判員になったらどんな状態なのか、ということも垣間見えます。

子育てと裁判員については、私は「大変なんだなー」と疑似体験し、
子育て中の親御さんや裁判員になった人に、今後労いの気持ちを持てそうです。

対夫、対義母・義家族、対母・家族に関しては、深く考えましたし、
だらだらと長い描写だとは思いませんでした。
被告とそれらの関係と、主人公とそれらの関係を書こうと思ったら、
このようになると思うし、それができる角田さんがやっぱりスゴイと思いました。

おそらく、被告や主人公と同じ生い立ちでないと理解できないかもしれません。
もしくはそういう人たちが、夫・義母・母と同じ側(性格)の人かもしれません。
また、被告と主人公と自分も同じなのに、気づいていない人たちも多いと思います。
気づいていないと、何が原因なのか分からずに家庭崩壊していってしまうのではないかと。

今回テーマになっている部分(最後に分かりますが)は、
これからの世の中で重要なことだと思います。
暴力、あきらかな暴言、分かりやすいイジメ、それらも辛いですが、それらは表面化しやすいです。
人に話しても共感や同情を得やすい。
そうでない今回のようなことは、気づいている人が今はあまりにも少ないと思う。
カウンセリングの世界では常識的なことだったりするし、今後一般的になってくるんじゃないでしょうか。

その最後に分かることは、途中で主人公の夫に対して、私は気づいていました。
だけど、主人公の母と絡めて最後にそうまとめるか、と思い、やっぱり上手いと思いました。
私自身、母に同じようなことを感じたことがあるのに、そこまで思いが至りませんでした、

純文学ですからね。読みやすい大衆文学とは違います。
それでも読みやすい方だったと思います。
私は入り込んで、すぐに読み終えました。

被告や主人公側から見るだけでなく、
自分が主人公の夫や主人公の母のようになってはいないか?
と気をつけるのにも、良い機会になる本だと思います。
これって反対に、奥さんが(今回の夫の立場で)旦那さんに同じことしてる場合もあると思います。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.45
(5pt)

なかなかの力作

補欠裁判員に選ばれた子持ちの主婦(33歳、夫あり、娘3歳)が、
自分と同じような環境の被告が子供を殺した事件を通して、
自分と重ねて考えていく、という物語です。

角田光代さんの本は好きです。
私は「紙の月」より良かったです。
この後の主人公(里沙子)もまた知りたくなりました。

うちは子供がいませんが、私も専業主婦だからか、
主人公の気持ちに共感することができました。

子育てだけの問題でなく、妻(被告や主人公)と夫、妻と義母・義家族、妻とその母・家族、
との関係性が深く書かれています。
また裁判員になったらどんな状態なのか、ということも垣間見えます。

子育てと裁判員については、私は「大変なんだなー」と疑似体験し、
子育て中の親御さんや裁判員になった人に、今後労いの気持ちを持てそうです。

対夫、対義母・義家族、対母・家族に関しては、深く考えましたし、
だらだらと長い描写だとは思いませんでした。
被告とそれらの関係と、主人公とそれらの関係を書こうと思ったら、
このようになると思うし、それができる角田さんがやっぱりスゴイと思いました。

おそらく、被告や主人公と同じ生い立ちでないと理解できないかもしれません。
もしくはそういう人たちが、夫・義母・母と同じ側(性格)の人かもしれません。
また、被告と主人公と自分も同じなのに、気づいていない人たちも多いと思います。
気づいていないと、何が原因なのか分からずに家庭崩壊していってしまうのではないかと。

今回テーマになっている部分(最後に分かりますが)は、
これからの世の中で重要なことだと思います。
暴力、あきらかな暴言、分かりやすいイジメ、それらも辛いですが、それらは表面化しやすいです。
人に話しても共感や同情を得やすい。
そうでない今回のようなことは、気づいている人が今はあまりにも少ないと思う。
カウンセリングの世界では常識的なことだったりするし、今後一般的になってくるんじゃないでしょうか。

その最後に分かることは、途中で主人公の夫に対して、私は気づいていました。
だけど、主人公の母と絡めて最後にそうまとめるか、と思い、やっぱり上手いと思いました。
私自身、母に同じようなことを感じたことがあるのに、そこまで思いが至りませんでした、

純文学ですからね。読みやすい大衆文学とは違います。
それでも読みやすい方だったと思います。
私は入り込んで、すぐに読み終えました。

被告や主人公側から見るだけでなく、
自分が主人公の夫や主人公の母のようになってはいないか?
と気をつけるのにも、良い機会になる本だと思います。
これって反対に、奥さんが(今回の夫の立場で)旦那さんに同じことしてる場合もあると思います。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.44
(4pt)

自分や家族を見つめ直すいい機会になりました

この本を読んだこの気持ち、「面白い」とか「のめり込む」とかそういう言葉で片付けられるものじゃないです。
苦しくて、重たくて、感情移入しすぎて・・・。つまんないのとは別の理由で、読むのにこんなに時間のかかった本も久しぶりでした。
角田さんはこの作品で「会話というコミュニケーションの曖昧さ、言葉で伝えることの難しさ」と描きたかったと仰っていました。
同じことを聞いても、人によってこんなにも受け取り方が違うのかと感じたし、
もし自分がこの事件の裁判員だったらどんな判決を下すかな?と考えてみても、読み終えた今になってもその答えを出せずにいます。

里沙子は事件に触れるうちに自らの境遇をも犯人に照らし合わせてしまい、その重圧から負のスパイラルに陥っていきます。
やがては自分は子供を愛しているのかとすら疑問を抱き、離婚まで考え・・・・。
でもこんな風に自分自身を照らし合わせてしまうのは里沙子だけでなく、読者自身にもあてはまること。
私は日々の生活の中で無理をしてはいないか? 逆に家族に無理はさせてはいないか?
・・・この本を読んだことは、それを考えるいい機会にもなりました。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.43
(4pt)

自分や家族を見つめ直すいい機会になりました

この本を読んだこの気持ち、「面白い」とか「のめり込む」とかそういう言葉で片付けられるものじゃないです。
苦しくて、重たくて、感情移入しすぎて・・・。つまんないのとは別の理由で、読むのにこんなに時間のかかった本も久しぶりでした。
角田さんはこの作品で「会話というコミュニケーションの曖昧さ、言葉で伝えることの難しさ」と描きたかったと仰っていました。
同じことを聞いても、人によってこんなにも受け取り方が違うのかと感じたし、
もし自分がこの事件の裁判員だったらどんな判決を下すかな?と考えてみても、読み終えた今になってもその答えを出せずにいます。

里沙子は事件に触れるうちに自らの境遇をも犯人に照らし合わせてしまい、その重圧から負のスパイラルに陥っていきます。
やがては自分は子供を愛しているのかとすら疑問を抱き、離婚まで考え・・・・。
でもこんな風に自分自身を照らし合わせてしまうのは里沙子だけでなく、読者自身にもあてはまること。
私は日々の生活の中で無理をしてはいないか? 逆に家族に無理はさせてはいないか?
・・・この本を読んだことは、それを考えるいい機会にもなりました。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.42
(4pt)

あの頃の私

大変失礼ですが、お子さんのいない筆者の作品とは思えないほど子どもの描写や母親の内面を捉えています。綺麗事じゃなく、誰にも言えない心の動きを文字にしてます。
私も現在1歳児の母で、生後2カ月から子どもを預け復職しました。当時は完全キャパオーバーでイライラしっぱなし。夫にはおろか、ママ友にも人格を疑われそうなので言えない真っ黒な気持ちを角田さんにバッチリ言い当てられてしまったような、そんな気持ちで読む手が止まりませんでした。
最高に面白いのですが、その後の主人公の動向が気になりスッキリしないので、星を一個減らします。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.41
(4pt)

あの頃の私

大変失礼ですが、お子さんのいない筆者の作品とは思えないほど子どもの描写や母親の内面を捉えています。綺麗事じゃなく、誰にも言えない心の動きを文字にしてます。
私も現在1歳児の母で、生後2カ月から子どもを預け復職しました。当時は完全キャパオーバーでイライラしっぱなし。夫にはおろか、ママ友にも人格を疑われそうなので言えない真っ黒な気持ちを角田さんにバッチリ言い当てられてしまったような、そんな気持ちで読む手が止まりませんでした。
最高に面白いのですが、その後の主人公の動向が気になりスッキリしないので、星を一個減らします。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.40
(4pt)

感情移入度100%とは少しオーバーな気がするが。

シンプルに概ね読者を満足させてくれる良書で、宣伝文句は決して誇大ではないかと。
晩婚化、少子化が進んでいるとはいえ、今後もマジョリティ派であろう子育て世代の母親とその周囲の環境が題材になっており、導入に難儀する方はほとんどないと思う。
細かいことだが、主人公が「補充」裁判員として選出されたという点も周囲をグラつかせる要因となっていて面白い。いい意味で著者の計算高さを感じる。

1つの事件を通して各々の登場人物の視点が入り混じるので、次は何?というハラハラ感を強く抱かせる。評者の稚拙な表現で伝わるかは分からないが、例えるならば、アスタリスク(*)の各々の線のようにすべての線は一度交わるのに、些末な認識の違いによりあらぬ方向に向かって交わりが解消されるという歯痒い展開になる。こうも人間同士の共感はもろいものか…。と。
読み手の心理を揺動させる作品だったので読後に適度な疲労感を覚えたが、これも著者の計算の内か。だとしたらあっぱれ。機会があれば他作にもあたりたい。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.39
(4pt)

感情移入度100%とは少しオーバーな気がするが。

シンプルに概ね読者を満足させてくれる良書で、宣伝文句は決して誇大ではないかと。
晩婚化、少子化が進んでいるとはいえ、今後もマジョリティ派であろう子育て世代の母親とその周囲の環境が題材になっており、導入に難儀する方はほとんどないと思う。
細かいことだが、主人公が「補充」裁判員として選出されたという点も周囲をグラつかせる要因となっていて面白い。いい意味で著者の計算高さを感じる。

1つの事件を通して各々の登場人物の視点が入り混じるので、次は何?というハラハラ感を強く抱かせる。評者の稚拙な表現で伝わるかは分からないが、例えるならば、アスタリスク(*)の各々の線のようにすべての線は一度交わるのに、些末な認識の違いによりあらぬ方向に向かって交わりが解消されるという歯痒い展開になる。こうも人間同士の共感はもろいものか…。と。
読み手の心理を揺動させる作品だったので読後に適度な疲労感を覚えたが、これも著者の計算の内か。だとしたらあっぱれ。機会があれば他作にもあたりたい。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.38
(5pt)

自分の事のようだった

角田さんの小説は好きで、今回も内容をあまり知らないで読み始めました。
主人公の理沙子、被告の水穂は他人とは思えず、読みながら苦しくなってしまいました。
自分一人で子育てをしなくてはならないという重圧感、孤独感は味わった者でないとわかりません。
可愛い、という気持ちはもちろんあります。
でも、ある時、ふと思うのです。
「この子がいなかったらどんなに楽か」と。
もちろん、すぐ否定し、そんな気持ちはなかったことにしてしまいますが、感じたことは事実で、それが自分への嫌悪感になるのです。

理沙子の母乳の件でも、私と同じだったことで、ものすごく共感しました。
母乳が出ると言われれば、いろんなことを試しましたし、出の悪い自分を責めてノイローゼのようになりました。
育児書と違う、というだけで、子供の成長が悪いのではないか、と悩み、ハイハイが遅い、と言ってはどうかしてしまうくらい苦しみました。

私が彼女たちと違っていたのは、周りに何でも言える友人がいたこと、先輩の彼女たちには本当に助けられました。
彼女たちにもそういう人たちが周りにいたら違う形になっていたのではないでしょうか?
でも、一歩間違えば彼女たちのようになっていたと思うと、読んでいる間、不眠になってしまいました。
頭の中で子育て中の事がグルグル渦巻きました。
忘れた、と思っていた事柄が次々思い出され、苦しくてたまりませんでした。
それだけ母親の心は悲鳴を上げているのです。

この小説を読んだ方が、そんな母親の孤独や悩みを理解してくれることを望みます。
本人は何気ない一言でも、当事者にとっては心が壊れそうになることもあるのです。
水穂のように追いつめられることは誰にでもあります。
つらいけど、素晴らしい小説に会えたこと、感謝しながら読み終えました。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089
No.37
(5pt)

自分の事のようだった

角田さんの小説は好きで、今回も内容をあまり知らないで読み始めました。
主人公の理沙子、被告の水穂は他人とは思えず、読みながら苦しくなってしまいました。
自分一人で子育てをしなくてはならないという重圧感、孤独感は味わった者でないとわかりません。
可愛い、という気持ちはもちろんあります。
でも、ある時、ふと思うのです。
「この子がいなかったらどんなに楽か」と。
もちろん、すぐ否定し、そんな気持ちはなかったことにしてしまいますが、感じたことは事実で、それが自分への嫌悪感になるのです。

理沙子の母乳の件でも、私と同じだったことで、ものすごく共感しました。
母乳が出ると言われれば、いろんなことを試しましたし、出の悪い自分を責めてノイローゼのようになりました。
育児書と違う、というだけで、子供の成長が悪いのではないか、と悩み、ハイハイが遅い、と言ってはどうかしてしまうくらい苦しみました。

私が彼女たちと違っていたのは、周りに何でも言える友人がいたこと、先輩の彼女たちには本当に助けられました。
彼女たちにもそういう人たちが周りにいたら違う形になっていたのではないでしょうか?
でも、一歩間違えば彼女たちのようになっていたと思うと、読んでいる間、不眠になってしまいました。
頭の中で子育て中の事がグルグル渦巻きました。
忘れた、と思っていた事柄が次々思い出され、苦しくてたまりませんでした。
それだけ母親の心は悲鳴を上げているのです。

この小説を読んだ方が、そんな母親の孤独や悩みを理解してくれることを望みます。
本人は何気ない一言でも、当事者にとっては心が壊れそうになることもあるのです。
水穂のように追いつめられることは誰にでもあります。
つらいけど、素晴らしい小説に会えたこと、感謝しながら読み終えました。
坂の途中の家 Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家より
4022513454
No.36
(5pt)

圧倒的な心理描写

角田光代さんの待望の新刊。
主人公里沙子の心理描写で話が進められていますが、
裁判が進むにつれて、
被告人水穂の境遇や心理に自分自身を投影している里沙子の様子、
こんな人、現実的にいるなと思うリアルな人物描写や、心理描写に
違和感なくぐいぐい引き込まれ、いつのまにか自分をも重ね合わせている
ことに息苦しさを覚えるほどでした。

一見したところ、ふつうにみえる夫婦や親子関係に他人からは窺い知れない、
当事者同士ですら無意識に行ってしまっている歪んだ愛情表現を
見事に描ききっていると思います。

昨今クローズアップされている母親と娘の関係ですが、
こちらも考えさせられるような描写がいくつもありました。
フィクションでありながら、現実社会には誰にでも起こりうるのではと
思われる身近な人間間の関係性を見事に描ききっている点でも圧巻です。
坂の途中の家 (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 坂の途中の家 (朝日文庫)より
4022649089