(短編集)

くじ

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評判

くじの評価:

3.63/5点 レビュー 30件。 D ランク

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平均点3.63pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全24件 21〜24 2/2ページ
No.4
(4pt)

これが「異色」短編だ

本書ではあちこちにジェームズ・ハリスという悪魔(?)が出没します。しかし、悪魔をめぐる連作ではありません。「異色」としか言いようのない短編ばかり収められた短編集です。

 私が得た印象は「絵」です。読者はページをめくって一枚の絵を見つけます。じっと見ているとその情景からは少しの過去と少しの未来が読み取れます。結婚の約束をした恋人が現れないために心配している女性、食事に行ったレストランで見つけた大げんかをしているカップル(腹話術師(とその人形)と恋人の女性)、息子が通う幼稚園での困ったちゃん、お隣に越してきた迷惑な一家どれもこの世のどこにでもある情景ですが、どこにもない違和感が仕込まれています。

 私が一番気に入ったのは『麻服の午後』です。近所の一家を午後のお茶に招待した家の少女ハリエットは、お客をもてなすためにピアノ演奏を命令されて断ります。次に自作の詩の朗読をこれも断ると、詩を書いた紙を無理矢理取り出され(それも気にくわない招待客の男の子の手で)皆の前で読まれてしまいます。それに対してハリエットが行った「復讐」は

 ラストの『くじ』も異色ですが、本書でのそれまでの作品とは違って起承転結があります。ある村で一年に一回のくじ引きが行われます。そのくじの目的は読んでいるうちに大体予想はつきますが、それでもラストでこちらの心が震えます。本作の日本初出は1964年のSFマガジンですが、ちっともSFではありません。心して(覚悟して)読んでください。
くじ (異色作家短篇集) Amazon書評・レビュー: くじ (異色作家短篇集)より
4152086971
No.3
(5pt)

この世で一番恐いものは、人間

この本には怪物も幽霊も出来てません。 だけど恐い。 それは恐怖の対象が、とても身近な人間や何気ない日常生活の中に潜んでいるからです。 やはり表題作の「くじ」が有名なのでしょうが、私は「決闘裁判」が一番恐かったです。 人間の笑顔の裏には何が潜んでいるのか…。 ジャクスンはさりげない人間の残酷さや狂気の描き方がすばらしいと思います。
くじ (異色作家短篇集) Amazon書評・レビュー: くじ (異色作家短篇集)より
4152086971
No.2
(5pt)

子供は野蛮人というより異星人

シャーリィ・ジャクスンには『野蛮人との生活』という爆笑子育て日記がありますが、そのなかで実の息子の幼稚園でのエピソードが紹介されています。本書に収録されている「チャールズ」は、子育てしたことがある人なら誰しも感じるであろう「子供にゾクっとさせられる瞬間」を描いたホラーですが、この話が先の実話をもとにしていたことがわかります。ある瞬間、子供の考えていることがまったくつかめないと感じる私は、子供には、cultivateされていない野蛮人というより、コミュニケーションのとれない異星人という印象を持ちます。
この「チャールズ」と表題作「くじ」は特にお勧めです。本書は深町眞理子氏の翻訳で、日本語にまったく支えることのない名訳です。
「モダンホラー先駆者」、「最後の魔女」の異名を持つジャクソンのホラーを堪能してください。
くじ (異色作家短篇集 12) Amazon書評・レビュー: くじ (異色作家短篇集 12)より
4152001127
No.1
(5pt)

子供は野蛮人というよりエイリアンだ

収録作「チャールズ」は傑作です。 同じ深町眞理子さん訳の『野蛮人との生活』(ハヤカワ文庫)を読むと、このモデルがジャクスンの実の息子だったことがわかります。 子供を育てていると、ある瞬間に突然、コミュニケーションがまったく取れないエイリアンを前にしているような気がしてでゾクっとすることがありますが、その感じを的確に表現すると「チャールズ」に到達するのだと思います。 表題作「くじ」とともに傑作なので、興味のある方はぜひお読みください。
くじ (異色作家短篇集 12) Amazon書評・レビュー: くじ (異色作家短篇集 12)より
4152001127